店長日記

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スタッズベルト鋭意製作中
お客様のオーダーでブラックの帯をベースにピラミッドスタッズを打ち込んでいます。
ポイントの部分には赤色のクリアスタッズをご指定いただきました。
スタッズの配置は、サイズが何インチであっても着用時に中心から左右同じバランスになるように型入れしています。裏面の2本爪の先端はしっかりと折り込んで取り付け、突起部分でパンツの生地を傷める事もありません。
最低10年はご使用いただけるクオリティでご提供しております。
レザーパッチ鋭意製作中
47爆撃飛行隊の絵柄でパッチを製作中。
この飛行服を着たカラス?の絵柄はわりとポピュラーで、バズリクソンズがスウェットやTシャツにプリントして製品化もしています。
ただ当方の資料では小脇に機関銃をかかえているので、そのように描きましたが、バズのプリント製品では機関銃を持っていません。バリエーションがあるのか、一次資料ではどうなっているのか、結局調べがつきませんでした。パッチ関連ではこういうことがよくあります。
作業は単色で塗り分けるのではなく、少しぼかしを入れて描いてみました。
乾いたら上塗りで少し古ぼけた感じに仕上げます。
HISTORY OF VIOLENCE(ヒストリー・オブ・バイオレンス)
近頃近所のレンタルビデオ屋では、旧作を50円で借りられる。
安いからってたくさん借りるというものでもないと思うのだが、近くに新しく出店してきた同業者への対抗価格だろうか?
さて、好きな俳優のヴィゴ・モーテンセンの主演作という事で目に留まったこの旧作品、結構な話題作だったようです。
監督は鬼才、デヴィッド・クローネンバーグ。競演はマリア・ベロ、エド・ハリス、ウイリアム・ハートといったいずれ劣らぬベテラン揃い。
主人公は田舎町でダイナーを経営する穏やかな物腰の男。妻と子供二人と静かに暮らしている。ある日、そのダイナーに流れ者の二人組の拳銃強盗が押し入るが、主人公は電光石火の早業で反撃し、逆にその強盗をあっさり撃ち殺してしまう。連続強盗を撃ち殺し、一躍町のヒーローになった男の元には取材が殺到し、ニュースは全国に配信される。ところがしばらくすると、男の元に遠く離れたフィラデルフィアからマフィアがやってきて別の名で呼びかけ、つきまといはじめる。自らの過去を封印して地道な暮らしを続けてきた男は、過去のしがらみとの対決を余儀なくされるというストーリー。
ヴィゴ・モーテンセンは抑えた演技で、ひっそりと暮らしながらも瞬間的に獣のような暴力性を発揮する男を好演しています。
知的な妻を演じたマリア・ベロは芸歴が長く、TV「ER」の女医役で日本でもなじみがある女優。「コヨーテ・アグリー」では姉御肌のバーのママ役がハマっていた。隻眼のマフィアを演じたエド・ハリスはいつもながらそつがなく、偏執狂的なボス役のウイリアム・ハートはベテランの風格。
血なまぐさいシーンもあるが、ただのバイオレンス映画の類いではない。
深読みすれば、カナダ人の監督が、ちょっと離れた視点でアメリカ社会に内在する暴力性そのものを描きたかったようにも受け取れる。
玄人筋からの評価も高く、多くの映画賞を受賞しているなかなかの傑作。

付記/監督のクローネンバーグはこの後、再びモーテンセン主演で「イースタン・プロミス」を製作するが、この作品もとても味わい深い傑作だった。
ビュイック始末記(塗装編)
購入時派手な赤色だったのを全塗装したのは3年ほど前のことだ。
いつか塗り替えたいと思っていたが、なんとなく10年も過ぎた頃には塗面も荒れ、変色も著しくなってきたので、車検のついでに全塗装することにした。
色はソリッドのライトブルーかオフホワイトかで迷ったが、口頭でもイメージの伝わりやすいオフホワイトとした。この時代のアメ車にはメタリックの車両も多いが、ベッタリと厚塗りしたようなソリッドの塗装の方が、温かみがあって好みである。ボディの鉄板の表面が微妙に波打っているようなアメ車には、この方が似合うと思っている。調色はおまかせしたが、白にわずかにクリーム色を注してもらい、ちょっと日焼けしたようないい感じに仕上がってきた。60年代の曲線と直線が絶妙に入り交じったボディが強調され、男前である。ちなみに本国で販売された時の純正色は、卵の黄身のようなビビットなクリームイエローであったようだ。
旧車の楽しみ方は人それぞれで、外装、内装からネジ1本までオリジナルにこだわる人、現代風のアレンジを加えてカスタムする人、レース志向の人といろいろだ。趣味の世界なのだからどうあろうとかまわない。
私はフルオリジナルにはこだわらないし、人目を引くようなカスタムをする気も無く、カリカリのチューンナップで走る気もさらさらない。
あえていえば、時代性を残しつつ、そこそこに小綺麗で、普通に走ってくれる亊にこだわりたいのだ。
古いアメ車特有の、隙だらけのゆるゆるとしたアバウトさには、同じような精神性で接していたい。

追記/ふと思い出したが、すぐ近くの結婚式場で、1959年式のシヴォレー・インパラのコンバーチブルを新婚カップルのパレード用に使っており、色も同じ赤だったのでよく混同された。いつのまにか車両を見かけなくなったが…。
本日の修理品
一般的にジーンズのあき止まりの部分には、閂止めというジグザグステッチの補強が入ります。勢いよくボタン(あるいはジッパー)を開けた時に、最も負荷のかかる部分だからです。
しかし先祖還りしたようなビンテージレプリカでは、あえて昔の仕様に準じてこの閂止めが入っていません。単純に前立てを重ねあわせてシングルミシンでコの地に縫ってあるだけです。しかも綿糸で縫製しているので、糸が劣化してパンクしてしまうケースは非常に多いのです(画像上)。
修理は比較的簡単で、即日対応も可能です。
本日の修理品
このパンツは、お持ち込みになったお客様のお話では1930年代の囚人服だそうです。
ライトオンスのデニムとヒッコリーのコンビネーションになっており、身頃にはSFPD(サンフランシスコ・ポリス・デパートメント?)のステンシル入り。現代のタウンウエアで充分通用するデザインです。古着屋でデッドストックで購入し、洗いこんだが思ったほど縮まず、丈が長いのでカットしたいとの事。裾は広幅の三つ巻きシングルステッチで30番手の綿糸使いです。糸の色合わせが難しいのですが、在庫の糸の中で出来るだけ近いものを選び出し、巻き幅も合わせて仕上げました。
古着屋さんは販売後の修理対応をしているところは少なく、そうした商品が持ち込まれる事は時々あり、当店の業務に支障のない範囲で対応しています。
パッチ縫い付け
今回は関東のお客様の依頼でMA-1に当店のエアフォースパッチを縫い付けます。
ヌメ革のトリミングのコバにあらかじめ下穴を開けた上で縫い付けていきます。表地と中綿、裏地は縫いずれが起きないように仮留めした上で作業を行います。
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本日のニュースより

仙谷氏も早期退陣要求=次期代表選で党内融和を 
仙谷由人官房副長官は11日午前のBS朝日の番組で、菅直人首相の進退について「早くけじめを付けた方がいい。次のステップに踏み込むため(首相に)身を投げ出してもらうしかない」と述べ、2011年度予算執行に不可欠な特例公債法案など重要案件処理に野党の協力を得るため、早期退陣を求めた。
首相は退陣表明したものの、時期を明確にしておらず、野党の反発で重要法案成立の見通しは立っていない。首相は8月以降の続投にも意欲を示すが、仙谷氏は「(首相)本人が無理に頑張るのは本人のためにも良くない」と強調。首相を支える立場にある仙谷氏が公然と早期退陣を促したことで、首相への退陣圧力は一段と強まりそうだ。
(以上引用)

政権末期なう。
「無理に頑張るのは本人のためにも良くない」→アンタも頑張らなくていいからついでに引退しろ!
HONDA DREAM CB750
私の世代ではCBナナハンといえば、望月三起也の劇画『ワイルド7』の主人公が駆る初期型のCBのイメージが強烈です。
しかし発売から既に40年が経ち、現車を見る機会も少なくなったこの頃、ここまで美しい状態を保ったドリームCB750は数少ないのではないでしょうか。当時のHONDAの技術の粋を集めた世界的名車が、オーナーの手で新車同様の状態に保たれています。
当店の近くで理容室を経営するオーナーは、元々工業製品のデザイナー出身で、この完成度の高い名車に対する思い入れも人一倍です。もちろん機関部にもしっかり手が入っており、梅雨入り前のひとっ走りでご来店です。
ビーチじゃなくても…SCHWINN(シュイン)
たまにこのシュインのビーチクルーザーで仕事場に来る事がある。
ビーチクルーザーは、名前が示す通りアメリカ西海岸のサーファー文化が発祥である。
サーファーたちがサーフボードを搭載するキャリアを取付けて、海岸までの短い距離を移動するために使用したバルーンタイヤの自転車が原型で、その後独自の発展を遂げた。
ちなみに私はサーフィンをやった事は一度も無いが…。
私の購入動機は、わざわざ車を出す事も無いような近場への移動手段として、気軽に乗れる自転車が欲しかったという事につきる。スポーツとして本気で走り込むつもりなど毛頭無いから、走行性能などはどうでも良く、フォルム重視で検討した結果、これに決めたのだ。正式にはSCHWINN HEAVY DUTIというのだが、たしかに頑丈そうで、実用車にポップなカラーリングをしただけな感じがしないでもない。潔く、基本構造として最低限必要なもの以外は何も付いておらず、スッキリしたもんである。特徴的なのは、後輪がペダルを逆回転させるとロックする仕組みのコースターブレーキになっているところだろう。
そして天気の良い日に、これでノロノロ走るのは意外に解放感があって気分が良い。
購入して数年になるが、外装は手入れをした事が一度も無いので色褪せ気味である。黒塗りのハンドルは少しサビがきているがそれもいい雰囲気で、この自転車については自然に年を取るようにヤレていくのにまかせているのだ。
当節、自転車の世界では本気モードのロードバイクがちょっとしたブームで、私の友人にも金にあかせてド高いロードバイクを何台も所有しているのがいるが、車両のメンテナンスや管理、高精度パーツへの交換、自己走行記録の向上と、かなりストイックに突き詰めている様子で、私からすれば、なんだか重い。
その点このSCHWINNはどこまでも軽くつきあえ、気分転換にもってこいだ。
このなごみ系のクルーザーは、気楽に、気侭に、近所を普段着でチョイ乗りしたい方にはぜひお勧めしたい一台である(別にうちで売ってるわけじゃないが…)。
スタッズベルト鋭意製作中
定番として展開しているスタッズベルトは、出来るだけサイズを切らさないようにフォローしています。作業は店内の作業台で全ておこなっています。
ベースの帯は、まとめて業者から供給を受けていますが、革材料の価格が上がってきているため、価格の維持が困難になりつつあります。

当店定番のスタッズベルト(フローラル)のポイント部分は同径のアクリルカラーに変更可能です。
カラーは5色(赤、黄、黒、薄青、クリア)用意しています。色変更はオプションで、1カ所につき100円プラスとなります。

価格14000円+100円×5個=14500円(税込み)
ビュイック始末記(ウォーターポンプ編)
このポンプには、マジックで2006,12と交換時の書き込みがしてある。
この時にも、事はすんなり運ばなかった。
納車時から付いていたウォーターポンプが突然死したのは正月直前の事だった。この車はラジエターにサブタンクが無いので、ヒート気味になると多少クーラントがホースから地面に排出される仕組みだが、自宅でアイドリング時にふと気付くと、おびただしい量のクーラントがポンプ本体から地面に漏れ出しており、そのまま逝ってしまった。
しかし、ポンプはいつか必ず壊れる部品なので仕方がない。その時点で、手元に来てから10年以上、壊れなかったのだから良く働いてくれたと納得せねばなるまい。それにこんなこともあろうかと、デルコ社の新品のウォーターポンプを買い置きしてあったのだ。
備えあれば憂い無しである。
壊れたポンプをはずして新品を取付けるだけなら素人の私にも出来る。必要な工具類、シール剤などを揃え、半日で仕上げる予定で作業に入った。
まず、ラジエターとポンプの間にあるプロペラや、オルタネーター、補機類、ベルトなどを全て外す。場所によりインチだったりミリだったり、工具が届きにくい箇所もあり、2時間近くかかってやっとウォーターポンプ本体に手がかかった。はずしおわった時点で作業服は油とクーラントにまみれている。
さて、後は組み付けるだけさと、新品のポンプを持ち上げようとしたその時、何やら違和感が…
(げげっ!)プーリーの大きさが違うじゃねーかよ!それに…ポンプに補器類を固定するボルト穴が開いていない!
…わざわざ本国から毛唐のアホタレが送ってよこしたポンプは、なんということか、型式違いであった。
無念である。
仕方なく、作業半ばで、慌てて国内での部品探しに奔走するハメになった。
最初に、アフターパーツをたくさんストックして通販しているというふれこみのアメ車専門店に電話したが、応対した店員がぞんざいで、信じられないぐらい程度が低く、会話が成り立たないために(日本なのにな)時間をロスした上に不愉快であった。電話越しで顔を見たわけではないが、バカ面に間違いない。
気を取り直し、名古屋市内のホットロッド系SHOP「R&B」に電話してみたところ、メカニックの方が丁寧に対応してくれて、忙しい時期にもかかわらず、ストックの中で適合しそうなものを探してくれた。程なくして80年頃のカマロのものが使える事がわかり、新古状態のモノを宅急便で送ってくれた。仏様のようなメカニックである。現物合わせしてみると、これがピッタリだった。
という事で日を置いて再度組み付けに挑戦。
接合面に念入りにシール剤を塗り、ウォーターポンプを取り付け、パワステポンプ、オルタネーター、ベルト類、プロペラと、バラした逆に組んでいく。ネジの締め忘れがないよう慎重にチェック。ラジエターの水は当然減っているので、水道水をホースで補給。本当はこの際、ラジエターもきれいに掃除した方が良かったのだろうが、そこまで気持ちの余裕はなかった。エンジンをかけてエアー抜きをし、D.I.Yでの一通りの作業は完了した。
これまでのところ不具合もなく、日々快調に作動している。
この一件では、毛唐の民族的性格とも言えるいいかげんさに翻弄され、海外通販のリスクを痛感させられた次第である。
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文中、不適切な表現があったとしても訂正いたしません。WWW
パッチ縫い付け
今回の依頼主は大分県の方です。
フェローズのL-2Aの両胸と右腕にパッチを縫い付けてカスタマイズします。
右腕と右胸には刺繍のスコードロンパッチ。
左胸にはビニール製のネームケースをコの字型に縫い付け、その中に既製品のネームプレートが収まるようにします。透明なビニールは扱いにくい素材ですが、縫い付けた後、針目がはっきり残るので、縫いずれないよう特に注意が必要です。
ところでL-2Aは1950年代前半の短命なモデルですが、全体に細身につくられており、後継のL-2B(セージグリーン)になると、シェルの色だけでなくシルエットも変更され、全体にゆったりとつくられています。
本日の修理品
今回持ち込まれたのは、それほど着用期間が長くなさそうな濃色のレプリカものです。
着用者の体型や習慣によって特定の部位だけ傷みが早いのはよくある事です。生地はまだしっかりしているのでリペアすれば充分着用出来るようになります。

画像上/股ぐり部分が完全に裂けています。シームの糸がほつれて開いたのではなく、生地が裂けているので、裏から股ぐりの形状に合わせてカットしたデニム生地をあててかけつぎます。

画像中、下/ポケット口の生地が擦り切れてパンクし、袋布も中まで裂けています。この場合は、まず袋布をかけついでポケット口に仮留めし、ポケット口の裏側は別布でパイピング始末しておさめます。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
本日の修理品
お預かりしたレッドウイングのペコスブーツ、1188の横幅を拡げているところです。
向かって左は作業前で、右が作業後です。幅の違いがおわかりになるでしょうか?
ブーツストレッチャーは以前にもご紹介していますが、ブーツの中にセットしてハンドルをまわしていくと、ネジの力で甲の部分を徐々に拡げていく矯正具です。先端の左右にはいくつものダボ穴が開いており、そこにチップをはめ込んで、ピンポイントで必要なところだけ伸ばしていきます。日本人はどうしても欧米人と比べて甲高、幅広の人が多いので、時にはこういう対応が必要になります。履き込んでいけばある程度は伸びがありますが、あまりキツいと、その過程で頭痛がしたり、外反母趾になってしまいます。
作業は革に水分を含ませ、時間をかけて徐々に伸ばしていきます。
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本日のニュースより

「ペテン師」と首相批判=鳩山氏 
民主党の鳩山由紀夫前首相は3日午前、菅直人首相が早期辞任を否定したことについて「内閣不信任決議案が出る直前に辞めると言い、否決されたら辞めないと言う。そんなペテン師まがいのことを時の首相がなさってはいけない」と厳しく批判、党両院議員総会の開催を通じて首相退陣を求めていく考えを示した。都内の自宅前で記者団に語った。 
(以上引用)

内輪揉めなう。
ペテン師はおたがいさまじゃないか!オマエが言うなよ。
…どっちも死ねばいいのに。
本日の修理品
デニムの修理に関しては、あらゆるものに対応してきましたが、持ち込まれた段階でお断りする場合があります。
それは、どうやっても修復が不可能なくらい生地が傷んでいる場合で、工賃を頂いて手を入れる以上は、着用出来るレベルに仕上がらなければ意味がないと考えるからです。
今回もそうしたケースで、生地は摩耗してペラペラで、各部が激しくクラッシュして分解寸前なので、その旨お伝えして一旦お断りしました。
それでもオーナーは思い入れがあるようで、修復不可能な大穴はあきらめ、お尻の子穴だけでも塞いで欲しいとの事。あくまで現役使用のおつもりです。
それじゃ下着が見えないように、この穴だけは裏打ちしてみましょうという事になりました。
それでもかなり大きく当て布せねばならず、タテに15センチ、ヨコはポケットの縁とセンターシームに渡るように裏から力布を当ててカケツギしました。
生地が弱っているので、糸も針も通常よりも細いものを使用しています。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
本日の修理品
今回はいきがかり上、対応することになったファスナー交換です。
先頃、古くからおつきあいのある西三河のお客様から、「ビンテージレプリカのスカジャンを譲り受けたが、ファスナーが動かないので何とかならないか?」と電話で問い合わせを受けていました。国内メーカー(東洋にあらず)の、かなりこだわって作り込まれた製品のようで、話を訊いた限りでは、取付けられた真鍮のファスナーのスライダーが変形していると推察し、一度見てみましょうとお答えしました。ファスナーの故障は、テープのムシが欠けたりして起こるケースと、スライダーの変形で起こるケースがあります。スライダーの変形の場合は、万力とラジオペンチを使って修復できることがあります。うまくいけばラッキーで、その場で直るかもしれないので試しにやってみようと考えたのです。
ところがお持ちになった現物を一目見て、こりゃダメだとわかりました。スライダー本体も変形していましたが、下端のエンドボックスのすぐ上のムシがテープからはずれかけているのです。ムシはテープに植え付けられて一体成形されており、この部分が破損すると丸ごと交換となってしまいます。こうなると部品の手当がつかない以上、元通りにはなりません。その上、本物志向ゆえに、このスカジャンはレーヨン系素材で作られており、強度が無いのでファスナーテープをはさみ込んでいる前端の何カ所かがパンクして中綿が見えています。
ちょっと手に負えないケースなのですが、おつきあいの長いお客様でもあるので、以下のような条件でご了解いただき、当店で修理をお受けしました。

1、リバーシブル用の両前のスライダーが付いたファスナーは調達が難しいので、主に表面での着用を前提に、標準の真鍮ファスナーを使用(似たような両前ファスナーは手配出来なくはないが、製造元から100本単位で買うことになり、テープの色も全て同色になってしまうので、99本が在庫になってしまう)。
2、テープを外す解体の作業が非常に難しく、この時に前端の生地が伸びて波打ってしまう可能性がある。
3、もともとのステッチの上を拾って縫い直すのは困難で、元の縫い跡が残る可能性がある。
4、時間がどれだけかかるかやってみないとわからないので、かかった時間分で請求書を起こす(見積もりが難しいときはこれが一番合理的だが、信頼関係がないと無理なご提案)。

ということで作業に入りました。

画像上/破損したボックスと外れかけのムシ。生地もかなり傷んでいるのがおわかりになるだろうか。
画像中/前端を解体したところ。ブルーの面がサテンのキルティングになっていて、綿が縫い付けられている。取り外したファスナーとこれから取付ける新品のファスナー。在庫している汎用品のファスナーでテープの色が出来るだけ近いものを選択。
画像下/汎用品のファスナーの長さをカットして取付けた。

元通りとはいきませんが、まずまずの出来映えです。しかしこの手の修理は、解体するにも生地の傷みを広げてしまう可能性もあるので、とてもリスクが大きいのです。
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本日のニュースより

退陣迫る谷垣氏、首相は拒否…党首討論 
東日本大震災後初となる党首討論が1日行われた。
自民党の谷垣総裁は冒頭、「総理に申し上げたいことはただ一つ、お辞めになったらどうかということだ」と菅首相に退陣を迫った。
これに対し、菅首相は「与野党を超えてどうやれば震災から復興の軌道に乗せていけるのか、原発事故を収束に向かって導けるのか。私はその責任を果たしていかなければならない」と退陣要求を拒否した。
(以上引用)

この谷垣さんのたよりなさに苛ついているのは私だけでしょうか?
とても弁護士上がりとは思えない説得力の無さ。追い込みの甘さ。こんなのに弁護を頼んだら敗訴間違い無しと思われる。
働き蟻へ
最寄り駅の近くに、古くから地元で数店舗展開しているスーパーがある。
ややアッパークラスの人達を対象にした食料品を扱っているようだ。
ここで店長をしているのが私の学生時代の同級生である。そいつは、大学を卒業して新卒でそこに入社し、以来30年近く勤めている。たまに立ち寄った時に見かけるが、いつもせかせかと小走りに店内を駆け回っている。役付になっても仕事内容は変わらず、倉庫整理から駐車場の草むしり、さらにはクレームババアの対応まで、早朝から深夜まで働きづめだ。
晩婚のくせに子供が3人もいるが、休みもろくに取れず、サービス出勤の連続で、過労でいつも顔色が悪い。
会うたびに「お前はその年で丁稚奉公か?ワーカホリックか?働き蟻か?そのうちくたばるぞ」と言ってやるが全く意に介さない。
そいつから見れば、私などは遊び人のようなもので、道楽で商売をやっているようにしか見えず、顔を合わせればお互いの悪口を言い合っている。
しかし、そいつはこのブログを読んでいないから正直に書こう。

お前のようなヤツが社会の礎なのだ。

けして皮肉ではない。
脇目も振らず、蟻のようにせかせかと働き、ひたむきに会社を支え、地域を支え、家族を支えている。
責任感のある人間には、サラリーマン人生もけして楽ではないだろう。
今度会ったら…
…またいつものようにコキ下ろしてやろう♪

キリギリスの同級生より。
壁絵/フェイク塗装
ロサンゼルスのダウンタウンにフィゲロアという比較的安くて、とても風情のあるスペイン建築のホテルがある(今もあるかどうかはわからないけれど…)。
建物自体は相当古く、改修を重ねて営業し続けていた。古着商の頃、仕事がらみで2回滞在したが、ホールの漆喰壁に花が飾ってあるようにリアルな壁絵が描かれており、ホテルの中心部の大きな柱は、一見大理石のように見えたが、近くで見るとフェイク塗装で、職人によって漆喰の上から大理石の模様が描かれたものであった。
はじめて欧米の壁絵文化に触れた気がして、その遊び心にいたく感心した。
たぶんほとんどの人は気にも留めないだろうが…。
日本では壁面の意匠はもっぱら左官職人によるもので、塗装職人が、ホテルの壁に絵を入れたり、大理石調や木目調の塗装などしない。文化が違うのだから当たり前だけれど。
そこでSHOPを作った時に自分で壁面を漆喰で塗り、素焼きタイルを貼ったようにフェイク塗装したのがこれである。
ちょっとやってみたかったのだ。
たぶんほとんどの人は気にも留めないだろうが…。
名著であるため、ご紹介
『憚りながら』後藤忠政著 宝島社

かなり話題になった本なのでお読みになった方もおられるだろう。
山口組きっての武闘派として数々の事件に連座し、引退後は仏門に入った元後藤組組長のインタビューを纏めたものである。
静岡の没落した名家に生まれ、極貧の少年期を過ごし、愚連隊を経て地元の顔役、東京進出後は経済ヤクザとしても鳴らした男の一代記。
かつて伊丹十三の襲撃事件や、創価学会との蜜月と対立、政財界との関係などでマスコミに取り上げられることも多かったが、そのあたりを本人がどう語るのか興味があった。
読後の印象としては、かなりたんたんと、正直に語っているとおもわれる。現役時代は尾ひれがたくさん付いて都市伝説のように話が膨らんでしまった事柄も多くあったようだ。
一方で、裏社会からの視点で、政界や、実業界の実態をかなり冷静にとらえている。
来し方を振り返り、自分自身のことを「しょせん、俺はチンピラだった」と総括する。
そして「憚りながら」と、小チンピラが跳梁跋扈する社会に対して物申す。
アングラ社会を生き抜いてきた著者だからこそ知りえたこと、感じえたことも数多く、言葉に説得力がある。
現代日本社会の裏側を垣間見ることが出来る、中々面白い一冊。
ビュイック始末記(エキゾースト編)
V8独特のドロドロという排気音はなかなかいいものだが、音量は可能な限り控えめの方が良いと思っている。
大柄なアメ車で、ヘリコプターみたいな爆音で走っているアホをたまに見かけるが、顔を見ると、やはり「アホ」と書いてあるので、こいつらと同列に置かれるのだけはなんとしても避けなければならない。
納車時にエンジンをビッグブロックからスモールブロックに換装したので、排気関係もやり直すことになり、極力、音を抑えるようにリクエストした。けれどアメ車屋の社長は、ひとの話を聞いているのかいないのか、いざ納車されてみるとやっぱりうるさくて、仕方が無いので小さなマフラーを追加で取付けて、長年しのいでいた。
前々回の車検時に、ガレージ井口さんが径の合いそうなDYNO MAXというメーカーのマフラーを探してくれ、音量も抑え気味で良さげなので排気管をカットして溶接してもらった。
ただ、それでも踏み込んだときの音が小さくはないので、排気口のパイプ内径に合わせて旋盤で削り出したアルミのバッフルを取付け、さらに音量を絞ってある。
排気効率も別に問題無さそうで、ちゃんとCDの音楽が聴け、ほどほどにV8の音も楽しめるバランスにおさまっている。