店長日記

6609

スタッズベルト製作中
「何時になってもかまいません」というお言葉に甘えてしばらく放置したままになっていました。W
県外の同業者さんからの別注品です。当店のスタッズベルトをアレンジして、そのSHOPオリジナルとして製作します。いわゆる仲間卸しというヤツですね。
背中心にはボールポイントをアルファベット状に打ち込んでSHOP名を入れ、左右にフローラルのパターンを打ち込みます。
一本に打ち込むスタッズの数は200個にもなりますから、二本爪の穴開けだけでも400カ所あります。今回は6本製作しますのでけっこうな作業量です。
週が明けたら集中して仕上げるつもりです。
OLD  BUICK
米議会の政治ショーのような露骨なトヨタ・バッシングの嵐は過ぎ去ったようです。
もともと難癖を付けられたようなもので、今後こういうことが無い様に、トヨタは平素のロビー活動にも力を入れていった方がいいんじゃないでしょうか。
…などと思いつつ、凋落したGMの旗艦ブランド、BUICKに長年乗っています。
『テイスト』以外の全ての面で日本車に劣る、日本車愛好者に言わせれば鉄クズにタイヤが付いたような60年代のコンバーチブルです。
見る人ごとに「壊れませんか?」と余計なことを訊かれます。
しかしながら、巷間で言われるほど故障するわけではありません。
なにせ機能が少ない分、部品数が少ないのです。エンジンルームなど現代車とは比較にならないぐらいスカスカです。V8のエンジンは基本構造が頑丈で、ゆったり流すには必要充分なパワーです。電気部品も以外に長持ちで、オルタネーターは97年にリビルト(ACデルコ製)に交換以来壊れていませんし、バッテリーも2004年に新品交換して以来ずっと保っています。
また整備性が良く、アフターパーツにも困りません。
今日は意外な大雪ですが、もう少し寒さが和らげばコンバーチブルには最も良い季節がやってきます。
パッチ完成
間の工程をご紹介していないフライングタイガースのレザーパッチ、唐突に完成です。
御要望により、背景はスカッと明るい空色です。全体に、わずかにハケ跡を残して仕上げ、ハンドペイントを主張してみました。今回は表面に繊維の凹凸がある革を敢えて使っています。
量産品のプリントものでは出せない味わいをわかっていただけるでしょうか?
洗濯日和
お気に入りを長く快適に着用する為にはメンテナンスは欠かせません。
雨もすっかり上がってカラリと晴れたので、トニーラマのブーツを丸洗いしています。
このブーツはオーストリッチ(ダチョウ革)で、フルクイルと呼ばれる羽を抜いたあとの突起が全体に出ているのが特徴です。よくオバちゃんのハンドバッグに用いられる(フェイクが多いですが)素材です。
レザーブーツをタライで水洗いするというと驚かれますが、洗濯後にきちんと水分を抜いて適切なメンテナンスをすれば何の問題もありません。サドルソープ(700円)を使った定期的な水洗いで内部までリフレッシュして気持ち良く着用出来ます。今日はほどよく風も吹いているので、日陰で終日風に当てて水分をとばします。乾いたらローションを塗り、退色したレザーソールのコバ部分には墨入れし直してやります。
作りのしっかりしたブーツは、きちんと手を入れれば充分それに応えてくれるのです。
良書であるため、ご紹介
『わが「軍師」論』佐々淳之著 文春文庫

危機管理一筋、百戦錬磨の初代内閣安全保障室長、佐々淳行氏の「軍師」論。
歴史上の人物を引用した氏の軍師論は明解で、古今東西、長期安定政権には必要不可欠な軍師、さらには屈強な鬼軍曹の不在が、今日の短命政権の連続を招いていると説いています。佐藤、中曽根、小泉内閣時代に辣腕をふるった番頭達と、短命政権の取り巻きのイエスマン達とを対比させ、その違いをはっきりと指摘しています。
佐々氏自身も野に下ってから、前回の東京都知事選で劣勢にあった石原慎太郎氏の選対本部長として大病をおして出陣し、危機管理の手法を取り入れた戦法で圧勝に導いた実績から、石原都知事の軍師として高く評価されています。
そしてライフワークとして真の人権擁護、民主主義について語り、現代日本の病根ともいえる行き過ぎた人権主義に警鐘を鳴らしています。
佐々氏の著作は、どれも硬派のテーマながらとても読み易く、ユーモアとウィットに富んでいます。
厳しいながらも暖かい視点で人を見ているのが伝わってきます。
もう一度、この方に指揮杖を取ってもらい、石原氏再選に力をふるってほしいもんです。
パッチ製作
今日からまた新たなワンオフ・パッチの製作です。
当時モノのフライングタイガースの資料を元に、お客様の意向で配色を若干変更してペイントしていきます。今回は、繊維の粗いタンニングレザーをベースに使い、ビンテージ感を演出します。
完成後はコットングログランのB-15に縫い付ける予定です。
パッチ縫い付け
赤リブB-10のフライングタイガース仕様製作中です。
先月オファーをいただいていましたが、時間が取れず昨日お預かりして作業開始です。
左胸には大きなベース型の飛虎パッチとネームプレートを縫い付けました。サイズ38で、スペース的にはカツカツです。表地から裏地まで貫通させて縫い付けますが、画像のようにB-10には内ポケットが付きますので、その玉縁端にステッチがかかります。この部分は縫い代が幾重にも重なって硬くなっているので針も進み難いものです。縫い上がったら上下の糸端を裏側に引っ張り出して、玉留めして完了です。
例年春先になるとフライトジャケット関連の依頼は少なくなりますが、今年はもう少し続きそうです。
本日の修理品
このシュガーケーンのウエスタンシャツは1992年にお買い上げいただいたものです。
現店舗に移転する前の旧店舗時代から、長いおつきあいのあるお客様からの修理依頼です。
よくぞここまでと思うぐらいに着倒され、真紺だったデニムは色褪せて各部に絶妙なタテ落ち感があらわれています。今回の修理では、擦り切れてパンクした衿腰を修復しますが、継ぎ当てで直すのではなく、台衿ごと取り外し(画像)、表裏をひっくり返して付け直します。つまり今まで裏衿だった下側を表に使うのです。当店では主にビンテージのデニムジャケットの衿修理でこの方法を使います。
19年着込んだシャツを、充分元は取ったからと処分するのではなく、可能な限り修理して現役復帰させるというのも一つの選択であり、ライフスタイルだとおもいます。

*後日カスタマーサービスの頁に画像をUPいたします。
ーーーーーーー
本日のニュースより

大相撲「国技でない」=石原都知事 
東京都の石原慎太郎知事は4日の記者会見で、大相撲の八百長疑惑について「(大相撲が)日本の文化の神髄である国技だったら、ちゃんちゃらおかしい」と批判した。
その一方で、「(八百長は)昔から当たり前のことだ。今さら大騒ぎするのは片腹痛い」とも指摘。政府内で、日本相撲協会の公益法人取り消しに向けた動きがあることに関しては、「しょうがない」と述べた。 
(以上引用)

石原都知事、あいかわらず飛ばしてますね。老いて丸くなるどころか、ますます毒舌ぶりに磨きがかかっているような。
…帝都の舵取りはやはりこの方にお願いしたい。
ネームプレート製作中。
東京のお客様からB-10とB−15Cをお預かりしており、それぞれにパッチを縫い付けていきますが、B−10にはレザーのネームタグも縫い付けます。
文字は任意で決めていただくので、今回はお客様ご自身のイニシャルで刻印しました。タンニングレザーは徐々に褐色に変化し陰影がはっきりしてきます。この後、コバに下穴を開け、所定の位置に縫い付けていきます。
バックペイント完成
ワンオフのバックペイント完成です。
期限に余裕を頂いていましたが、パッチの縫い付けから始まって2週間程お預かりすることになりました。ジャケットの前後左右に隙間無く手を加えたフルデコレーションです。
航空ショーなどに着ていかれたら相当目を引くんじゃないでしょうか。
さて、今日からは別件のレザーパッチのワンオフ製作と、溜まっているデニムリペアにかかります。
メーカーからは新作商品も届いていますので徐々にご紹介していきます。
タンクカバー製作
以前タンクのセンターカバーを製作しましたが、同じ車種に乗るお友達から同一仕様でリオーダーです。
現物合わせの型紙とデザインを頂いているので、比較的作業はすんなりと進みます。ニッケル鍍金のスタッズとコンチョを配し、コバは切りっぱなしですが、厚みがあるので糊をうってみがきこんであります。タンニンなめしの厚革が徐々に濃茶色に変化していくのが楽しみですね。
バックペイント その6
人物を囲うように爆弾を配し、その下にハーケンクロイツを横並べにしました。あまり色が勝ちすぎないよう抑え気味の配色です。完全に乾いたらハイライトを入れて陰影を付けていきます。
一段落ついたところで、お預かりしているデニムの修理に取りかかります。

ところで、昨日お客様から発売中の雑誌「ライトニング」のSHOP特集に当店が掲載されていると教えていただきました。
そういえば、少し前にエイ出版の人からそんな話があって店内外の画像を送りましたが、何時出版されるかも知りませんでした。もちろん広告代の請求もありません。過去に全くおつきあいのない出版社ですから、どなたか推してくださったのであれば(どなたかわかりませんが)この場を借りて御礼申し上げます。
バックペイント その5
ゴシック体の文字に太めの影を入れて立体感を出してみました。
作業も大詰めに入っています。人物の周りを爆弾で囲い、下側にはハーケンクロイツ卍を描き込んでいきます。
名著であるため、ご紹介
『悪名の棺 笹川良一伝』工藤美代子著 幻冬社

「ま〜た、笹川を擁護する気か?」と言われそうですが…まぁいいか。
ノンフィクション作家、工藤美代子さんの新著が近くの書店に平置きしてあるのを見つけて、発作的に買ってしまいました。昨年ご紹介した佐藤誠三郎氏の「笹川良一研究」も良くまとまっていましたが、この著者はさらに綿密な調査と遺族からの聞き取りなどを元に、人間・笹川良一の人生をたどり、より深く、表も裏も描ききっています。故人にとってはあまり知られたくないであろう家庭内の問題や、配下の裏切りなど、口をつぐんで墓場まで持っていった事柄を、まさに棺の蓋を開けるようにしてあからさまにしています。
しかし、やはりそこにいるのは山ほどはり付けられた悪名とはかけ離れた人物、間違いなく世界中に多大な貢献をした偉人の姿にほかなりません。
そして、当時のマスコミをリードした『進歩的文化人』の誹謗中傷がいかに的外れで、ヒステリックなものであったかを教えてくれます。
残念ながら、大手メディアではこういった連中が偽善的なコメントで世論をミスリードする状況は変わっていないようです。口を開けば平和、人権、友好などと抜かすヤツには用心しなければなりません。
それでも、本書のような作品が書店の平台に並ぶのは、一定程度読者がいるということでしょうか?
笹川良一氏はそろそろ再評価されるべきだと思っています。
バックペイント その4
今日は後ろ衿の下に絵文字を描いています。
遠方の依頼者の方とはメールでやりとりし、書体を丸みのあるゴシック体としました。人体と同様に下地を作った上で色を乗せていきます。文字数が少ないので横にボリュームが出るよう、影もつけていきます。
ウエスタンシャツにスタッズ
このツイル生地のウエスタンシャツには、もともと左右のヨーク部分にワンポイントでスタッズが入っていましたが、それに加えて衿外回り、前後のヨーク切り替え部分、フラップ外回りにぎっしりとスタッズを打ち込みました。
ウエスタンシャツには古くから刺繍やパイピング、パッチワークなど様々な意匠を凝らしたものが多数存在し、ワークシャツとは別に独自の発展をとげてきました。衣料文化のひとつとしても興味深いものがあります。
バックペイント その4
中心となる人物が描き上がったので、明日からは背景の爆弾や文字を描き込んでいきます。
この段階を過ぎると一息つける感じです。人物は、きちんとバランスがとれていないと誰が見ても違和感があるので、どうしても時間がかかってしまいます。もちろん当時モノのバックペイントに描かれた女性達は美人に仕上がってはいませんが、リアルに不細工に描いていては仕事になりません。
爆弾や文字の色はまだ決めておらず、全体のバランスを見て色を置いていこうとおもっています。
WEBで御注文のお客様へ
当店では受注後、受注内容の確認メールを必ずお送りしておりますが、何らかの理由で未達になることがございます。その場合はご記入いただいた電話番号に直接ご連絡差し上げますのでよろしくおねがいいたします。
バックペイント その3
面相筆で口紅や睫毛を入れ、顔の描き込みはほぼ完了です。
ほお骨の高い、はっきりした顔立ちになりました。この後、上着とスカートに色を入れて人物を仕上げていきます。
バックペイント その2
ピンナップガールの下地が乾いたので、徐々に色を乗せているところです。
細筆を使って健康的でセクシーなヤンキーガールの表情をつくっていきます。