2012年3月

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45オートの神/エジプト
エジプトと言ってもかの国のことではない。
昭和40~50年代に主流だった金属製のモデルガンをベースとしたカスタムガンで一世を風靡したカスタム屋の屋号である。
モデルガン(45オート中心)に実銃と同じ後方撃針を取り付け、大量の火薬を使ってブローバックさせるというマニア垂涎の作品を世に送り出していた。もちろん発射機能はないのだが、構造的に実銃と同じというグレーゾーンの展開で、当時改造拳銃の摘発に血眼になっていた当局から目を付けられ、何度もガサ入れされたと聞く。
その後モデルガンへの規制は厳しくなって金属製が少なくなりプラスチックが主流になる。その後はサバイバルゲームで使用される様なプラスチック製で発射機能を持ったエアガン全盛時代となった。そんな時代にあってエジプトはもうすっかり過去の存在かと思っていたが、ネット情報によると今だ都内でコツコツとエアガンや無可動の金属モデルベースのカスタムガンを製作しているらしい。熟練の職人ワザが削り出す真鍮パーツの美しさは現代のマニア達からも絶大な支持を集めているようだ。
そんなエジプトの旧作品の中でもレアな一丁、MGCベースのトンプソン・サブマシンガン。
コルト・ガバメントと共用の45オートマチックを装填出来るトンプソンは古くは禁酒法時代のギャングの御用達であり、第二次大戦では米軍のみならず英軍も正式採用していた史上最もポピュラーなサブマシンガンである。テレビドラマの「コンバット」や「アンタッチャブル」を見ていた方なら名前を知らずとも見覚えがあるにちがいない。さらにマニアの方はお気付きだろう、MGCが製作したのは1921モデルだが当店所有のこの一丁はM1923の特徴だったロングバレルが取り付けられているのだ。カートリッジを送り込むボルトはフライス盤で削りだされた強化タイプでクロームメッキされている。機関部はすべてエジプトの手で大きく作り替えられているのだ。今はカートリッジが装填されることもなくそのポテンシャルも封印され、ミリタリークロージングを演出するディスプレイのひとつになっているが…。
世界一銃規制が厳しい日本だからこそ独自の発展を遂げたモデルガンの世界もまた奥が深い。
本日の修理品
ウォッチブレスのスナップボタンは消耗品です。
何度も開閉を繰り返すうちにリムが変形したり、カシメが緩んできます。
今回はオス側が浮き気味になり、かかりが悪くなっていましたので取り外して新品交換です。取り外しの際に革を傷つけたり、抜き穴が大きくなってしまわないように注意が必要です。
本日の修理品
今日は定尺ベルトのサイズ修正に対応しています。
ずいぶん前にお買い上げいただいたケイシイズの極厚ギャリソンベルト。
適性サイズだったものが、その後お客様の体重が落ちて一番奥のホールで留めてもゆるい状態です。
この際ベルトのバックル側をカットしてサイズを詰め、スッキリとおさめます。

画像1/今回は7,5センチ(ホール三つ分)短くします。先端を革包丁でカット。

画像2/曲げ代を革漉きで薄くします。非常に厚みのある革なので何度も機械に入れ、3分の1ほどの厚みに。

画像3/漉きあがった状態。

画像4/バックルを収める為の穴の位置を表側からマーキングして穴開け。

画像5/サンダーで加工面の毛羽をおさえる。

画像6/染料で裏側をタッチアップ

画像7/ネジ止めして作業完了。
本日の修理品
定番の股ぐりのパンク修理です。
背中心のステッチが解れて口を開けていますが、インシームも擦り切れて崩壊寸前です。
生地が薄くなっている部分を中心に大きく裏張りしてタタいていきます。特にリメイク風の派手な修理を御要望でない限り、基本的に修理跡が目立たないように心がけております。

画像上/ビフォー

画像中/アフター

画像下/修理後の裏の状態。
土間工事はプロにおまかせ
外構工事ではあらたにつけられた開口部の下に土間を打つ必要があり、当初はDIYでなんとかしようと考えていたが、材料調達から仕上げまでにかなりの時間と体力的にキツい作業工程になるのでプロの左官さんにお願いした。
今日10時前に出勤するとすでにコンクリートを練る作業まで進んでおり、あっという間に型枠に流し込んで土台が完了した。
さすがにプロは早い。雨水が流れるようにつけられた勾配の仕上りも美しい。昼過ぎには今日の日程を終えてキビキビした職人さんは帰っていった。
ところがしばらくして打ったばかりのコンクリートの表面を見ると、見慣れた足跡が何かの記念のように点々と残されているではないか。肉球の跡までクッキリ刻印されている。
…おもわず笑ってしまったが、これを見たら左官さんはがっかりするに違いない。
桜咲く…バックペイント追加製作中
一通りの作業を終えた芸者ガールのバックペイントですが、仕上り確認のためご来店いただいたお客様から背景の追加依頼です。
裾リブにそって爆弾と桜の花びらを図案化したものを交互に配置していきます。
今日のところはレイアウトまで。週明けからペイント作業に入ります。
ウエスタンシャツ着丈つめ
元来牧童の作業着であるウエスタンシャツの着丈は長めに設定されています。
裾をジーンズの中に入れ、トロフィーバックルのベルトを締めたガチガチのウエスタンスタイルもカッコイイのですが、やはり裾を出してさらりと着こなすには長すぎるのです。

画像上/ビフォー

画像下/アフター
     
S君withきよじ
ひょっこり顔を見せた元スタッフのS君。
長い間の無頼な生活がたたって最近身体を壊し、檄ヤセした。
きよじとのツーショット。

*顔にモザイクを入れようとしたが上手くいかなかったのでそのままアップしました♥
本日の修理品
今回は以前お買い上げいただいたロンウルフのハンター。
レースを留める上4列のフックの裏側の処理がいまいちでバリが出ており、摩擦でフロント部分の革の表面が傷ついて地肌が出ています。
対応としてはフックの裏側のバリを押さえ込んで、地肌が出てしまった部分は顔料でリタッチします。
今回の様なケースは製品そのものの不具合と言えるので、本来メーカーに対応させるのが順当です。しかし杓子定規に返送していたら時間もコストもかかってしまうので店頭で即応出来るものは極力そのようにしています。

画像上/フックの裏のバリはシルバー製品の加工に使うリューターを軽く当てて均した。地肌が出ている部分は顔料でリタッチする。

画像中/茶系の顔料を調色して色を近づける。

画像下/リタッチ完了

*このように当店の即応能力によって結果的にメーカーの負担はかなり軽減されているはずで、もし東洋エンタープライズの人がこのブログを読んでいたら感謝の念を抱くのは間違いないと思うのだがいかがだろうか。
祭りも近し…本日の修理品
着物は「着付け」によって身体に合わせるもので、その点身体に合わせて生地をカッティングする洋服とは思想が違います。
洋服と異なり身幅も袖ぐりも前後同じで、40センチ弱の幅の反物を縦にそのまま使うため背中心と脇にはカットされていない生地の耳を利用します。したがって端をほつれ止めする必要もありません(耳の付いたジーンズの脇と同様)。しかし生地の身幅をいっぱいに使わずに接ぎ合わせの部分に控え(縫い代)を多く残した場合、その部分がゴロついて運動し辛くなります。
今回は神輿を担ぐ若衆から袖ぐりのもたつきをなんとかしたいということで依頼され、「洋服の思想」で法被をリフォームします。不要な縫い代はバッサリ裁ち落として運動性を向上させます。
名著であるため、ご紹介
『決定版日本史』渡部昇一著 育鵬社

保守論壇の重鎮、渡部昇一氏による日本通史の決定版。
日本の義務教育ではまともに教えられてこなかった日本の歴史が、古代神話から始まって現代にいたるまで、確かな日本人の視点で連続性をもって書かれた名著である。
特に明治以降の近・現代史は、戦後戦勝国によって植え付けられた自虐的な日本悪玉論とはまったく異なる、当時の国際社会における日本の姿を丹念に書き出している。
ところで渡部昇一氏といえば押しも押されもせぬ一級の歴史学者だが、どこの書店でも昔から並んでいる超ロングセラーの啓発本「マーフィーの成功法則」を和訳して日本に紹介した『大島淳一』と同一人物だということは最近まで知らなかった。このシリーズは私も若い頃に読んで多少なりとも影響を受けているのだ。
最近ではアパグループの「真の近現代史観」懸賞論文で審査委員長を務め、田母神俊雄閣下の論文を選考したのはこの方である。これは大きな反響を呼び、閣下の進退問題にまで発展してしまったが、結果的に一つの保守運動の流れが出来上がった。
また自民党次世代のホープ、稲田朋美衆院議員を強力にバックアップするなど学者の域を超えた精力的な活動を続けている。

*育鵬社は旧来の歴史教科書とは一線を画す保守系の歴史教科書の出版社でもある。
パッチ縫い付け
シールブラウンのA-2は県内のお客様からの持ち込みです。
左腕のエアフォースパッチは当店のオリジナルで、刺繍のパッチに店内で革のトリミングを取り付けています。
今日は当店の刺繍製品を一手に引き受けてくれている職人さんが来店予定。
スコードロンパッチの新作の納品と、次回製作分の打ち合わせをおこないます。
洗濯日和
ここ数日はせっせとスタッズベルトの製作に精を出しているが、これは本当に神経を使う細かい作業で、時々気分転換をしないと集中力が続かない。
なので天気も良いことだし、最近最も酷使していたブーツを4足まとめて洗濯することにした。大きなポリバケツに水をくんでレースを外したブーツを放り込み、頃合いを見計らってレザーソープでゴシゴシと汚れを落とす。この後すすぎ洗いして日陰干しすれば、見違えるほどきれいな状態になる。
革のブーツを丸洗いするようなメンテナンスは一般化していないし躊躇う人も多いのだが、やり慣れてしまえばどうということはない。定期的に水洗いするのが習慣になると、むしろそうしないと気分的にもスッキリしないのだ。
ライブイベントのご紹介
当地で行われるイベントの告知です。
ロックバンド「クールス」の最初期からのメンバーであるジェームス藤木さんがソロコンサートを行います。

日時/2012年4月29日(日)

時間/19:30〜20:00と21:00〜21:30の2ステージ

場所/半田市雁宿町1−37 ビジネスホテル寿屋 6F

前売り2500円、当日3000円とのことです。

このイベントは当店のお客様が関わっているもので、詳細は当店の方ではわかりかねます。詳しくは寿屋(担080−4227−1843)まで直接お問い合わせください。
カウボーイ帰還
店舗改装に伴って自宅に連れ帰り、結局一ヶ月半以上の滞留になってしまったマネキンきよじ。
その間家人からは著しく不評で、冷たくあしらわれることとなってしまった。店内の整理も進んだので、本日晴れてビュイックでの出勤となった。可動の関節部分が傷んでいるのでちょっと手を入れる必要がある。店内のどこに配置するかは未定。

*ビュイックは来月車検なので、いつもお願いしている静岡のガレージ井口さんに引き取りを依頼した。今回は後ろの足回りを集中的にレストアしてもらう予定。
問題
画像の人物(元内閣総理大臣鳩山由紀夫改め鳩山友紀夫)の公の場での発言は次のうちどれか。記号で答えよ。
*正解は一つとは限らない。

A「日本列島は日本人だけの所有物ではない」

B「永住外国人の地方参政権は、愛のテーマだ」

C「(在日参政権問題で)日本人としての度量の広さを今、持たなければ、日本は世界の笑いものになる」

D「靖国参拝を中断しない限り、韓国・中国の信頼を取り戻せない」

E「日本は他の国々に比べて外国人の比率がかなり低いこと自体が大いに問題である」

F「在日の方が日本の総理大臣になられたとしたら、それは素晴らしいことだ」

G「沖縄米軍基地移転先は『最低でも県外』の方向で積極的に行動したい」

H「日本に戦車が沢山ありますが、今どき陸からの侵略が、起こるとはとても考えられない」

I「北朝鮮の弾道ミサイルが発射されてから迅速に党としての対応を考える」

J「小沢代表は最もクリーンな政治家」

K「日教組とともにこの国を担う覚悟だ」

L「選挙直前に国民に聞こえのいい話をする政権に信頼を置くことはできない」

M「世襲が日本の政治をゆがめてきた。世襲の私が言うのだから間違いない」










答え……A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M
バックペイント鋭意製作中
着物やかんざしなどディテールを描き込んで芸者ガールの完成。
このままでも納品出来る状態ですが、お客様の意向によっては背景も描き足します。

今日はマウナケア・ギャラリーズ(サンサーフのハワイアンシャツ専門店)の舞浜店で店長をされていた中野さんがご来店。
実はご実家が当店の隣町で、ずいぶん昔からご縁があります。

☆☆☆ お知らせ ☆☆☆

明日3月20日(火)は祭日のため営業(AM11:00〜PM8:00)いたします。
ドロップハンドル取り外し
ライダースウォレットに標準装備されるドロップハンドルはチェーンを留めるために設計された優れたパーツですが、普段チェーンを使用しないので外してほしいという御要望がたまにあります。
六角レンチで外すことは簡単ですが、その跡に6ミリの丸穴が空いた状態になります。
こんな時に穴を塞ぐ為、当店では小径のフローラルコンチョとスペーサーをご用意しています。
これを使えばハンドルの出っ張りもなくなり、すっきりと美しく収めることが出来ます。

フローラルコンチョ(スターリングシルバー製)

価格/2000円

☆☆☆ お知らせ ☆☆☆

明後日3月20日(火)は祭日のため営業(AM11:00〜PM8:00)いたします。
いにしえのインディゴデニム
先月の改装で長い間ディスプレイとして壁面を飾ってきたものを久しぶりにじっくり手に取ってみたが、なかなか思い出深いものもある。
これは古着商をしていた20年以上前に、ロサンゼルス郊外のスワップミートで買い入れたもので、リーバイス501の60年代ものである。
残念ながらカットオフされた状態だが、深いインディゴブルーが美しい一本。このときのブースのシャイロックみたいなオジさんは、カットオフされた残念なビンテージものだけを集めて販売していた。そこではほかにもXXやビッグEのちょん切りを数着購入しただろうか。この時代にしてすでに501の完品はバカ高くなっていて、サイズの良いモノも入手は難しくなっていた(これが国内メーカーのリプロ品にシフトしたきっかけでもある)。
今はビンテージのジーンズなどはほとんど国内市場でキャッチボールのようにやりとりされているだけで、現地から入ってくるものは少ないのではないか。あのころの勢いを考えれば本国よりも日本国内にストックされている量の方が多いのではないかと思われる。
価格も一時のキチガイじみた値付けをおもえばずいぶんこなれてきていると思う。

画像下/バックヨークの裏にマジックで$45と書かれているが、今ほど円高ではなかった時代だし十分に吹っかけた値段であった。
スタッズベルト(そろそろ)製作
バックペイントの合間にスタッズベルト製作の段取りをしています。
これは同業者からの依頼分で、その店オリジナルのデザインで販売する商材です。以前に依頼を受けていて忘れていたわけではありませんが、なかなか手を付けられず放ったらかしになっていて、気付いたら納品時期が迫っていました。
来週末までに5本仕上げて納品します。
当店の店頭で販売するスタッズベルトもサイズが欠けていますが、そっちは少し先になりそうです。