店長日記

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人斬り
Youtubeで鑑賞。
1969年の作品だが、80年代になって名古屋にあった映画館でリバイバル上映されたことがあって、大スクリーンで見た記憶がある。
司馬遼太郎の歴史小説「人切り以蔵」の映画化。
黒船来航の後、尊王攘夷の機運が高まった幕末の世で、政敵を次々に暗殺していく土佐勤皇党の志士たち。
その渦中に身を投じる下級武士の以蔵。
かつての同志までも手にかける急進的な行動は、やがて組織崩壊を招き、多くの志士は刑場の露と消える。
そしてこの幕末を生き抜いたものたちが、後に明治政府の一翼を担うことになるのだ。
豪華な配役で、土佐勤皇党の「人切り以蔵」こと岡田以蔵を勝新太郎が演じ、武市半平太を仲代達也、坂本龍馬を石原裕次郎、そして田中新兵衛を作家の三島由紀夫が演じている。三島由紀夫は劇中で割腹自殺するのだが、この映画を制作した翌年に、自衛隊の市谷駐屯地で憲法改正を訴えて本当に自刃してしまった。
監督はリアルな殺陣シーンに拘る五社英雄で、黒沢映画で実績のある橋本忍が脚本を担当している。
約40年ぶりの鑑賞となったが、あらためて観ても潤沢な予算をかけた作品の完成度は高く、粗野で人間味あふれる勝新と、クールな仲代の対比は素晴らしい。片肌脱いだ三島の割腹シーンも圧巻であった。


ワークシャツリメイク
お客様のご要望で、バズリクソンズ長袖ヘリンボーンシャツをカットオフし、半袖にリメイク。
パンツの裾上げと比べるとテーパーがきつい分、縫い代の微調整が要りますが、三巻き25ミリのコバステッチで仕上げました。
エクステリアもDIYで
既に閉業した近くの園芸店でダリアの球根を買ったのは一昨年。
その年はそこそこ咲いたが、何が悪かったのか昨年は一輪も咲くことなく、葉だけが茂っている状態だった。
今年の春にそのスペースを株分けしたエキナセアに譲り、掘り起こしたダリアの球根は東南の隅っこに植え直した。
それで気づいたら爆発的に咲き始めていて、花と花が犇めくような状態になっている。ちょっと場所を移動させただけなのに、急に咲き出したのは謎。
本当は咲き始める前に、芽を間引いて栄養分を集中させた方がいいみたい。
今更だが、混みあっている花を摘んで、グラスに活けてみた。
燻銀加工
お客様のご要望で、シルバーリング(925/1000)をお渡しする際に燻し処理いたしました。
作業としては、熱した硫黄の溶液に漬け込むだけのものです(無料)。
これによって銀が化学反応して表面が硫化銀の状態になります。
今回は黒化した状態で水洗いしてお渡ししましたが、この状態で磨きをかければ、凹面にだけ硫化銀が残って凹凸感を強調することが出来ます。
家で洗えますか?
この時期なので、過去にも日記欄で何度かご紹介したアロハシャツの洗い方について、再掲載いたします。
レーヨン製アロハシャツの洗濯については、手洗い、またはネットを使用するなどして家庭用洗濯機でも対応出来ます。
基本的に製品(脇の内側)に付いている洗濯表示には、水洗い不可、ドライクリーニング(石油系)とあります。つまりメーカーの指示としては、クリーニング店に依頼して石油系の溶剤で洗ってくださいということです。それはデリケートな素材を水洗い可にしてしまうと、無造作に洗濯機に放り込む人も出てきますし、結果として大きな縮みやボタンの破損、衿外回りのパンクなどがありえるからです。メーカーとしては製品トラブルのもとになる家庭洗濯はできるだけ避けてもらいたいということがあるのです。
では現実に水洗い出来ないかといえば、そんなことはありません。むしろ汗や塩分など、水溶性の汚れは石油では落とせないので、夏の衣服は水洗いの方が望ましいとも言えます(脂汚れには石油系の方が有効です)。クリーニング店でも、あえて水洗いを指示すればやってくれる所もありますが、それなりに工賃もかかるので、自宅で行うほうが経済的です。
今回は洗面ボウルを利用して手で押し洗いするやり方をご紹介します。
以下参照。

画像1/洗面ボウルに洗濯洗剤を溶かしたぬるま湯を張る。汚れがひどいときは、ごく少量の酸素系漂白剤(塩素系は不可!)を加えると効果的。しばらく浸け置きの後、濯ぎ洗いし、軽く絞って水分を抜く。

画像2/ネットに入れて洗濯機で脱水をかければ、室内干しできます。洗濯機を使わない場合は脱水が不完全になるので、室内干しは出来ません。外乾しの場合は裏返した方が日焼けによる退色を防げます。干す際に、衿の外周りや、前立て部分の皺を伸ばしてやると形が安定します。

画像3/今回は衿と前立てを中心に軽くアイロンを当てて仕上げています。当て布をした方がベターですが、裏から当てる場合はそこまでの必要はありません。

画像4/作業完了。
刺繍追加制作
当店で販売する横振り刺繍パッチは、下絵をこちらで制作し、外部の職人さんに刺繍を委託しております。
今回はリピートの絵柄なので、配色の指示のみ。
完全なアナログ世代の職人さんは、インターネットを介したやり取りをしていないので、毎回ペーパーでの指示になります。
ベースとなるレーヨンのエンブレムクロス(デッドストック)は、職人さんの工房にある残反のみで、色数も減ってきており、その中で選択しております。
現代の刺繍用クロスは、加工の容易さからポリエステルとナイロンがほとんどで、レーヨン(再生繊維で、組成は綿)は使われていません。
しかしせっかく手振りで制作するなら、化繊ではなくレーヨンを使った方が、ハンドメイドの質感が引き立つのです。
当方でもレーヨンクロスを手に入れられないかと、伝手を当たりましたが、もうどこにも残っていないようです。
さて今回の発注分も納期は未定で、職人さんの裁量次第になります。
ジーンズ裾上げ
こちらはショップさんからの依頼品。
レプリカジーンズで多用されるコアヤーン(ポリエステルの芯を綿で覆った糸)で縫われている製品ですが、カタン糸でチェーン仕上げしました。
上糸オレンジ×下糸金茶で、共に20番手。

ジーンズの裾上げにつきましては、繁忙期以外は持ち込み品にも対応しております。

糸色は当店が販売する製品に合わせたラインナップですので、その中で近似色を選択しております。

製品持ち込みの場合/¥1650(ただしカット分3.5センチ以下の場合、縫代出しの為プラス¥550)

*製品持ち込みの場合、予め採寸し、仕上がり位置をご指定下さい。当店でアシストはいたしません。
*裾線の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、製品は必ず洗ってお持ち下さい。
*煩忙時、持ち込み品の裾仕上げはお断りする場合がございます。
*当店で通常扱うジーンズの生地に合わせてミシンをセッティングしています。他社製品で極端に生地の厚いものには対応出来ません。
アーミーキャップペイント完成
バズリクソンズのアーミーデニムキャップへのペイント作業。
昨年、前側だけに施工しましたが、今回は後ろ側へ追加のペイント。
書体も、擦れ感も同様に描いております。

画像1/2024年3月にペイントした前頭部。

画像2、3、4/今回のペイント。
ネームプレート制作・縫い付け
今回は、水濡れ後の乾燥によって収縮した既製品のネームプレートを取り外し、同じロゴで制作したネームを取り付けるというもの。
ベースはかなりエイジングの進んだA-2です。
元穴を綺麗にカバーするように取り付けを行います。
アーミーキャップ ペイント開始
バズリクソンズの定番アーミーデニムキャップ。
お客様のオーダーで、2024年に前側にPW(Prisoner of war)のペイントをステンシル風に入れました。
今回追加で、背面にも同様にペイントを行います。
球面へのペイントは作業性が悪いですが、何度か同様の施工をさせていただいたので、手慣れた感はあります。
スタッズベルト完成
文字の左右に定型のフラワーパターンを打ち込み、長尺38インチのスタッズベルト完成。
スタッズベルト鋭意制作中
2年前に制作したパターンでリオーダーいただいたスタッズベルト。
背中心のロゴを先に打ち込み、左右には定型のフラワーパターンを打ち込んでいきます。
スタッズは全て真鍮製。
エクステリアもDIYで
ピークを過ぎたメキシコ万年草の間から、エキナセアの茎が立ち上がり、開花が始まった。
2022年の10月に苗で植えた数種のエキナセアの中で最も開花の早い「デリシャスヌガー」。苗が大きく成長したので、24年の3月に一旦掘り起こして株を二つに割り、少し離して植え直したが、それぞれ順調に大きくなっている。
咲き始めは花芯がグリーンで、白い花びらの八重咲きだが、それがハリネズミ(エキナセアの語源)の様な形に変化する。
400年前からネイティブアメリカンが薬草として重用してきたといわれるエキナセア。
酷暑の中でも、花壇を彩ってくれる貴重な存在。

画像2、3、4/時間差で順々に開花していく様子。
パッチ縫い付け/ワークシャツ
ベースはシュガーケーンのコークストライプワークシャツ。
前後見頃にビンテージのコカ・コーラ刺繍パッチを取り付け。
パッチ縫い付け/ワークシャツ
シュガーケーンのコークストライプワークシャツに、ビンテージのコカ・コーラの刺繍パッチを取り付け。
お客様からは、サンプルとして古着のパッチ付きシャツをお預かりしました。

画像1、2/向かって左のやや色の濃い方(半袖)がパッチ付きの古着。同様に左胸と背中心に縫い付けを行います。
スタッズベルト制作
丁度2年前の2023年5月にオーダーいただいたスタッズベルト。
定番フラワーパターンの背中心にスペースを取り、英文字を打ち込んで制作しました。
スタッズはポイントを含め全て真鍮を使用。
今回同じオーナー様から、黒革ベースで同一のものをということでオーダーをいただきました。
長尺38インチで、長らくベースが欠品していましたが、先週の入荷分にて確保できましたので、これから制作に入ります。

画像1/2年前に制作したもの。
ジーンズ裾上げ
ユーザーさんからの依頼品。
90年代以降のリーバイス501。
元々シングルステッチの製品ですが、あえてチェーンステッチでということでしたので、それで承りました(インサイドシームが二本針巻き伏せ縫いになっているので、この部分の縫い代が厚く、チェーンだと糸切れし易いのです)。
ポリエステルスパン糸で縫われている製品ですが、カタン糸でチェーン仕上げしました。
縫い幅も元の状態より若干細くなります。

ジーンズの裾上げにつきましては、繁忙期以外は持ち込み品にも対応しております。

糸色は当店が販売する製品に合わせたラインナップですので、その中で近似色を選択しております。

製品持ち込みの場合/¥1650(ただしカット分3.5センチ以下の場合、縫代出しの為プラス¥550)

*製品持ち込みの場合、予め採寸し、仕上がり位置をご指定下さい。当店でアシストはいたしません。
*裾線の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、製品は必ず洗ってお持ち下さい。
*煩忙時、持ち込み品の裾仕上げはお断りする場合がございます。
*当店で通常扱うジーンズの生地に合わせてミシンをセッティングしています。他社製品で極端に生地の厚いものには対応出来ません。
パッチ縫い付け/ウエアハウス スタジアムコート
ベースはビンテージそのものの素材、ディテールを追求したウエアハウスの製品。
取り付ける刺繍パッチは社外品ですが、これも良く出来たループ刺繍の復刻品。
今回はお客様からマッシュ製のカタン糸もご提供いただいたので、これを使って地縫いミシンで取り付けたいと思います。
パッチが大きく、裏側は見返しのメルトン生地とアクリルボアを跨いで縫うことになるので、慎重に作業を進めます。