2012年5月

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威風堂々
入店後、通路の真ん中でゆったりと寝そべる黒猫(注・当店の飼い猫にあらず)。
ナッシュビル
DVD化されたら観てみたいと思っていた作品だった。
名匠ロバート・アルトマン監督の玄人筋から評価の高い70年代の群像劇。
カントリーミュージックの聖地、テネシー州ナッシュビルに集う業界関係者たちの日常をドキュメンタリータッチで同時並行に描き、当然ながらたくさんの演奏シーンも盛り込まれている。
キャストにはそれぞれモデルとなる人物がいるようで、それをそこそこメジャーな俳優達が演じている。なにかのはずみで撮影に紛れ込んでしまったようにスター俳優がカメオで出ていたりもする。
しかし登場人物がやたらに多く、人間模様が複雑すぎてとてもついていけない作品であった。
2時間を越える映画だし、もう少し整理されてキャラクターが描き込まれていないとちょっと辛い。ラストの銃撃事件も伏線も無く唐突すぎる感じがする。
演奏シーンは沢山あるのでカントリーが好きな人はその部分だけは楽しめるかも(個人的にはロニー・ブレークリーが歌うTapedeck in His Tractorは良い曲だと思う)。その他70年代のヒッピー文化(ジェフ・ゴールドブラムがサイケ調のファッションでワーゲンの三輪チョッパーで登場する)や、60〜70年代のアメリカ車に興味のある人は割り切ってそこだけ観ればいいかもしれない。
この作品は何度か観直せば違った感想を持つかもしれないが、どうにもそこまでしようという気が起きそうにない。
ビュイック始末記(自動車検査編)
一週間遅れで引き上げにきてくれたガレージ井口さんの積車に乗せられ、静岡の工場へ。
2〜3週間後にはパリッと新しくなった足回りで納車される予定♪
人権委法案、今国会断念=異論根強く—政府・民主

政府・民主党は29日、法務省の外局として人権救済機関「人権委員会」を設置する法案の今国会提出を見送る方針を固めた。自民党を中心に「人権委が強力な権限を持つ恐れがある」との異論がある上、今国会は各種法案の処理が停滞し、日程が窮屈になっていることが影響した。
法務省の政務三役の一人は29日、人権委設置法案について「自民党保守派の反発が強い」と指摘。民主党国対幹部も「6月21日の会期末が近づいたこの時期の新法案提出は無理だ」と語った。
(以上引用)

これは極めて重要な法案で、それなのに大手マスコミが意図的に取り上げてこなかったふしがある。
人権擁護などというと聞こえが良いが、内容は人権に名を借りた言論封殺なのだ。
こんな法案が成立したら、喜ぶのは生活保護を不正受給するコジキ野郎や、逮捕直前にトンズラした中国人スパイたちだろう(ブログで「コジキ野郎」などと書いたら摘発対象になってしまう)。
このまま民主党とともに永久に葬り去ってもらいたい法案である。
外構工事進行中
西側のデッキから奥の枕木のアプローチに降りるのには段差があるが、敷きつめた枕木の長さが中途半端で隙間ができてしまっている。
余った枕木をカットして敷き詰めるのは大変なので、階段を新たにつくり直して延長することにした。近くのホームセンターで防腐処理された2×6のランバーをあらかじめ必要な寸法にカットしてもらい、DIYで設置する。

画像1/階段と枕木の隙間にコンクリートが30センチほど顔を出した状態。

画像2/先ずは階段を撤去するが、デッキ本体にしっかり固定されているので大きなバールでバリバリと引き剥がした。コンクリートの束石は再利用する。ちなみにこのデッキは数年前に友人の建築屋に頼んで製作した。

画像3/束石を手前に移動し、水平器で高さを調整しながら下地になるランバーを固定。

画像4/完成。色合いが違うが、近々デッキ本体と共にキシラデコールで塗装する予定。
外構工事進行中
店舗西側のアプローチに敷き詰める枕木の配置は決まり、これ以上差し替える可能性もないので、隣り合った枕木を鎹で繋ぎとめる。
ところが密度が高くて堅牢なのでなかなか鎹がまっすぐに入っていかず、結局ドリルで下穴を開けてから打ち込むことになった。
全部を繋ぎとめるとしっかりと安定し、どこを踏んでもグラグラすることはない。
引き続きアプローチ周辺の木工事に取り掛かるが、大がかりなところは今月中に完了の予定。
バックル交換
以前当店で販売したマニフォールドのオーバルバック付きのベルトにケイシイズのシングルピンのバックルを装着します。
このベルトの帯は38ミリ幅で厚みが7ミリと非常に厚く、専用設計のオーバルバックルは手縫いによって取り付けられています。基本的にバックル交換出来るようにはなっていません。
今回はシングルピンのバックルに交換したいというご要望で、対応可能な38ミリ幅と高さ(革の厚みを逃がすだけの隙間がある)でケイシイズのブライドルバックルを流用しました。取り付けにはシングルピンが収まる穴を開け直す必要もあります。

画像1/左が交換用のケイシイズのブライドルバックル(2100円)。

画像2/手縫いのステッチを切ってオーバルバックルを取り外した状態(裏側)。

画像3/センターにピンが収まるように長穴を開ける。

画像4/ブライドルバックルを通して手縫いで固定する。糸は米国産のシニューを使用。

画像5、6/取り付け完了。
本日の修理品
少し前にも同じような修理品に対応しましたが、裾上げのチェーンステッチの糸切れです。
部分的に三つ折りがパンクしていますが、生地が擦り切れているわけではないのでカケツギの必要はありません。糸を抜いた上で裾上げし直すか、前回同様グレイ系の綿糸で押えを入れるかですが、後者で対応しました。生地とともに糸色もかなり退色しており、新たに裾上げせずにそのままの雰囲気を残してリペアします。元のステッチに沿って細番手の綿糸でタタいていくので、補修跡はほとんどわからなくなります。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
名著であるため、ご紹介
『超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか』リチャード・ワイズマン著 文芸春秋

題名だけからすると、もしかしたら超常現象あるいは超常能力を肯定的にとらえた本かしら?…とおもわれるかもしれないが、さにあらず。
いつの世も日当りの悪いところに蔓延るカビのようなオカルト(超能力、占い、心霊現象)一切合切を科学者の視点から徹底的に否定し尽くした名著である。
筆者のワイズマン博士は、あらゆるオカルト現象の裏には脳の誤作動や、人間特有の心理メカニズムが働いていることをわかりやすく解説する。この本で特徴的なのは、誰でも超常現象と思い込みそうな事柄が、クイズ形式で各章に添えられている点だ(もちろん反証のためである)。オカルトを商売ネタとする詐欺師たちに強烈なとどめを刺し、同時に読み物としても楽しく仕上がっている。
自称霊能者、自称超能力者というのは大多数がウソつきで、一部が思い込みの激しい精神病質者である。このどっちかしかなく、「本物」など存在しないのだ。
博士のバックアップの一人として、当代一流のマジシャンにして究極の懐疑派・超能力者バスターのジェームズ・ランディなども登場する。
私のようなオカルト懐疑論者というか否定論者はふんふんと納得しながら読み下してしまうだけだが、こういった本はまだ社会経験の浅いピュアな10代の方が読めば目が開かれ、充分な予防効果が得られると思う。オカルトに傾倒すればオウム信者のように人生を棒に振ることも少なくなく(理系の最高学府を出た人間までいた)、これらに対してユルいというか寛容すぎる社会(霊能詐欺師がメインパーソナリティーでTV番組がつくられるようじゃね!)ではイカンと常々思っている。
外構工事進行中
今回の工事でアプローチに使用するため手当てした枕木は20本だが、2本ばかり余りが出そうである。
丁度正面階段に使用している枕木で傷みが激しいものがあるので、この際入れ替えてしまおうと思い立った。こういう作業はモチベーションが上がっている時にやってしまうに限る。気候的にもあまり暑くなってからではやる気が失せてしまうのだ。
ということで早朝に起き出して一人で作業にあたった。

画像1/上がりきったところは2本の枕木を鎹(かすがい)で束ねて置いているが、奥側の枕木はひび割れが酷い。今まで何度も補修しながら使ってきた。

画像2/鎹をバールで外して、今回交換する枕木をレンガの上に引っ張り出す。入れ替えの前に地面に枕木が直に接しないように合成樹脂の仕切りを敷く。

画像3/高さを調整するためにレンガを敷き、今回調達した枕木をはめ込む。ここまで枕木を動かすために丸太をコロのように使って曳いた。一人作業で力技でやったりしたら身体を壊すにちがいない。

画像4/多少反りがあったが、バールで押さえ込みつつ2本を鎹で固定したら目立たなくなった。

これだけの作業でも3時間近くかかってしまい、一度自宅に戻ってシャワーを浴びたら開店時間間近になってしまった。
今日はかなり消耗し、開店前にしてすでに一日の労働を終えたような気分である。
外構工事進行中
店舗西側のアプローチに枕木を敷き詰める作業は進んでいないようで確実に進行している。
ただ、どうしても長さに微妙な違いがあり、反りもあるので、パズルのように上手くはめ込んでいくのに時間がかかるのである。一本入れ替えるにも重さがあるのでそれなりの労力が要り、かなりの重労働なのだ。
一応配置も決まり、地面と接する下側には念のために畦を仕切る時に使う合成樹脂の波板を挟み込んだ。雨水がたまったりするといかに丈夫な枕木といえど腐食するので、その対策のためである。
店舗と並行に並べていっても当然ピッタリおさまるわけではなく、脇に隙間は出来るので、その部分は木製のプランターなどを置いてごまかすつもりでいた。
だが別の件で打ち合わせにきていたイエローガレージさんが、どうせなら丸ノコでタテに切って隙間を埋めてみましょうと言ってくれたのでお願いする事になった。
堅く目の詰まった枕木をカットするのは難しく、素人が手を出すと道具を傷めてしまうのがオチなので、おまかせして見学を決め込んだ。スプルース材などとは比較にならないくらいゆっくり刃を進めてカットしていく。上水道の配管が通る部分も切り取られ、パズルのピースのように壁面にピッタリ沿った仕上りはやはり美しい。

画像上/丸ノコを使うイエローガレージの神谷氏。本職はアンティーク家具のレストアラー。

画像中/カットした枕木の断面。ローズウッドのように美しい。拳銃のグリップが出来そう。

画像下/幅をつめて配管の逃げもカットされ、ピッタリおさまった枕木。
遠路遥々
東洋エンタープライズで弊社を担当する営業の野崎氏ご来店。
この会社とのつきあいは古いが、人の入れ替わりが激しいアパレル業界にあっては定着率が高い方だと思う。メーカーによっては、10年もすれば企画から営業まで主力となる社員がすっかり入れ替わっていることも珍しくはないのだ。
この野崎氏もベテラン社員のひとりで、業界情報に精通しており、あまり外回りをしない当店にとっては貴重な情報源の一人でもある。こちらとしても対面販売で得られるお客様の意見を商品に反映させてもらえるように進言する。
ここ数年で各メーカーの営業にもWEBが取り入れられるようにはなったが、どんなにツールが発達しても、やはり取引先を足で廻る営業スタイルが無くなる事はないであろう。
ビュイック始末記(自動車検査編)
ほんとは今日、いつも車検をお願いしている静岡のガレージ井口さんが積車で引き取りにきてくれる予定であった。
ところが昨日死にそうな声で電話があり、風邪をこじらせてしまったので一週間先送りにしてくれないかということだった。車検自体は月末まで残っているので別に何も問題はなく、了承した。
今日は気候も良いので久しぶりに市内を流しつつ、車検前に自分なりに不具合の洗い出しをすることにする。
店舗改装以来、商品の出し入れや内装資材の運び込みなど雑務がずっと続いており、便利な軽ワゴンをもっぱら使用しており、あんまりビュイックは出動の機会がないのだ。
なぜなら何にも運べないからである。
巨大なトランクの内部は換装されたポリのガソリンタンクが占拠していてスペースに余裕がない。何のためのトランクかわからないが、実用性など一顧だにしないアメ車ビルダーのなせるワザである。
ところでリアの足回りは今回の車検でしっかりと手を入れてもらう予定でいる。
どこからかエア漏れがあるモンローのショックは取り外し、ヘビーデューティタイプに交換。アクセルシャフトも新品に交換する。ついでに周辺の消耗パーツも当然交換する。
エンジン関係は特に不具合はないが、プロの目で見て向う2年保たなそうなパーツはすべて交換してもらうつもりでいる。オルタネーターは97年11月にリビルト品に交換して以来一度も交換していないのでちょっと気になっている。能力が落ちていればこれも取り替えてしまうかも。
こうして乗り続けていられるのも、古いアメ車(特にGM系)のアフターパーツが充実しているおかげで、その点は本当にありがたいと思っている。

*現代車と比べるとスカスカで整備性の良いエンジンルーム。
本日の修理品
色落ちの濃淡が美しいエターナルの811。
このブランドは国産ジーンズの集積地、岡山県児島に本拠を置くメーカーが展開しています。
リアルなビンテージ加工にも定評がありますが、この811は力織機で織られた濃紺の耳付きデニムをさらっと水通しした状態で納品されます。
ご購入後2年ほどですが、股ぐり部分が擦り切れて開いてしまったため、修理にお持ちになりました。

画像3/シームの穴を塞いだ後、裏の縫い代部分をテープで補強。

画像4/修理完了。
レザーパッチ縫い付け
ベースはオリゾンティ時代のDENIMEファーストジャケット。
かなり古いモノですがコンディションも良く、まだまだ着用出来る状態です。
元々ヨーク部分にブランドタグが付けられていたものが外され、縫い付け跡だけ残っている状態です。
ヌメ革を裁断し、太番手の綿糸で縫い付けをしました。
洗いこんでいくと革がほどよく縮んでいき、茶褐色に変化していきます。ステッチまわりにも絶妙なアタリが出てきます。
配管工事はプロにおまかせ
店舗改装の続きで給排水も全面的に手を入れており、今週は配管設備を業者さんにおねがいして施設してもらっていた。
新たに管を埋設するためにあちこち穴を開け、一時は足の踏み場もない状態だったが(画像上)、大がかりな作業はほぼ完了し、穴の跡もきれいにモルタルで埋められた(画像下)。
これから枕木をきちんと敷き直してアプローチ全体をひとつの空間として演出していくつもり。脇には鉢を置くか、木製コンテナで花壇にする予定。パーゴラを作ってツタを這わせても良いかもしれない。
ここは関係者しか通らない場所でお客様の目にふれるわけではないのだが…。
パッチ縫いつけ
今回も遠方からの依頼で、メールと宅急便で対応させていただきます。
ノーメックスのフライトジャケットにサブデュードの刺繍パッチを合計8枚縫い付けします。
作業的に問題なのが上腕部分のパッチの周囲に仕上りで棚ジワが出易いことです。
これは表地とキルティングの裏地が袖山部分でふらし(固定されていない仕様)で袖山に近い部分を貫通縫製した際にはある程度は避けられません。袖山のラインがそもそも表裏同じではないことと、キルティングの縫い代のゴロツキであたりが出るためです。また今回はエポーレット部分にも階級章を縫い付けますので、尚更皺が目立ちやすいといえます。
その部分をいかに上手く処理するかに重点を置き作業を進めます。

画像1/前身頃へのパッチ縫い付け。あらかじめ明確に位置指定されているので順調に作業が進む。

画像2/着用時にツレや溜まりが出ないよう注意。

画像3/全部で8枚のパッチ縫い付け完了。
天気快晴なれど風強し
この時期には珍しく強い風が吹き抜けるデッキを避け、店内でくつろぐ黒猫(注・当店の飼い猫にあらず)。
本日の修理品
デニム修理の定番、膝のカケツギです。
スカスカに色が抜けたシュガーケーンの41947で、左膝に穴が開いている状態です。
いつも通りの手順で穴の部分だけではなく、生地が薄くなっている部分全体に大きく裏打ちします。

画像1/修理前

画像2/脇を切り開いて裏に当て布をする。

画像3/修理後

画像4/修理前拡大

画像5/修理後拡大
パッチ製作…完成
出来上がったレザークラフトパッチと持ち込み品のネームプレート、エアフォースマークをボディに縫い付けて完成。