2025年2月

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ミシン糸購入
形状が似ているため、「チーズ巻き」と呼ばれる業務用のミシン糸。
入荷したのは裾上げ用の黄色系と、修理用のブルー系。
これらは一巻5000メーターが基本の単位になります(ちなみに手芸屋さんでよく売られているポリエステルスパン糸は一巻200メーター)。
この手の糸は、問屋筋でも現物は扱っておらず、大阪船場の繊維商社に発注して取り寄せています。
本日の修理品/リーバイス ビンテージ70505
ここ数年で価格高騰した70505ビッグE。
お預かりしたモノは全体に傷みが進んでおり、これを何とか実用レベルにリペアします。
身頃を裏返すと環縫い(チェーンステッチ)が30箇所以上糸切れしており、解れていないところも含め、全周をタタキで補強していきます。
ジーンズ裾上げ
セレクトショップさんからの依頼品。
上糸側は金茶色で、下糸側は黄色。
オリジナル同様にチェーンステッチで裾上げ。

製品持ち込みの場合/¥1650(ただしカット分3.5センチ以下の場合、縫代出しの為プラス¥550)

*製品持ち込みの場合、予め採寸し、仕上がり位置をご指定下さい。当店でアシストはいたしません。
*裾線の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、製品は必ず洗ってお持ち下さい。
*煩忙時、持ち込み品の裾仕上げはお断りする場合がございます。
*当店で通常扱うジーンズの生地に合わせてミシンをセッティングしています。他社製品で極端に生地の厚いものには対応出来ません。
アーミーキャップ ペイント完成
バズリクソンズのアーミーキャップにPW(PRISONER OF WAR)戦争捕虜のロゴ入れ。
以前製作したものと全く同じになってしまってもつまらないので、少し書体を変えてみました。
ネームプレート制作
通販でネームのみご注文いただいた分を製作。
今回は文字数が多いのでできるだけ字間を詰めて打ち込んでおります。
外回りには縫い付けの時の目安になるネン押し。
乾燥するのを待って郵便発送(110円)します。

A-2、B-10、B-15などに縫い付けるネームプレートは、縦は約18ミリ、横は文字数により100~120ミリで製作しています。ヌメ革にお客様の指定の文字を刻印します。

価格/3300円(税別)
アーミーキャップ ペイント開始
ご購入いただいたバズリクソンズのアーミーデニムキャップにPW(PRISONER OF WAR)のペイント。
以前も同様のペイントを行いましたが、縫い上げられたキャップは平面が出ないので、作業性が悪いです。

画像1/治具に固定し、出来るだけ平面になるようにプレス。

画像2/下描き。

画像3、4/ステンシルを作って顔料を吹き付ける方法もありますが、刷毛で施工。
テーパーベルト完成
銀無垢にイエローゴールドとルビーの装飾が施されたサンセットトレイルズのバックルセットを、ファニーのサイズ違いのベルトに装着する作業。
細部の収まりを微調整し、完成です。
テーパーベルト鋭意制作中
引き続き、サンセットトレイルズの3ピースバックルを、ファニーのサイズ違いのベルトに取り付ける作業。

画像1/サルカン(キーパー)のセット部分は、幅をカットした上で革包丁で漉き入れ。漉いた革面は糊で再仕上。

画像2/チップが収まるように幅と厚みを修整した剣先。

画像3/チップの固定ピンの下穴開け。

画像4/3ピースを取り付け。
テーパーベルト鋭意制作中
サンセットトレイルズの3ピースバックルを、ファニーのテーパードベルトを加工して取り付ける作業の続き。
1インチ用のベルトに、18ミリ(3/4インチ)用の3ピースを取り付けるという難儀な試み。

画像1/バックルとサルカン(キーパー)の収まり部分と剣先を、18ミリ(3/4インチ)に合わせカット。

画像2/カットした縁を面取り。

画像3/剣先の革の厚みを、チップが収まるように漉き込み。

画像4/剣先の形状をチップに合わせてサンダーで削る作業。
本日の修理品/リー ライダースジャケット
デニムジャケットの修理では、最も多いのがカフスが擦り切れて破れてしまうケースです。
修理の仕方も様々ですが、今回はカフスを取り外さずに、比較的安価な修理法での対応です。

画像1/ビフォー。

画像2/破れ目から補強テープを差し込み。

画像3/地色に近いカタン糸でタタキ。

画像4/アフター。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります(メール画像では判断が難しく、見積もり違いも発生します。また、宅急便を介してのやりとりですと時間的にロスが大きいので、店頭受付のみとさせていただきます)。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
ブーツの幅出し
持ち込みでご依頼いただいたレッドウイング866のペコスブーツ。
古い製品ですが、ほぼデッドストック状態。
年代に拘ってお買いになったようですが、ワイズがDで、厚い靴下では甲が引っ掛かって足が入らない状態。
2日ほどお預かりし、シャフトの足入れ部分をギリギリまで伸ばしました。

画像1/ビフォー。

画像4/アフター。

*シャフト拡幅工賃
片側/990円 左右/1650円

*甲革拡幅工賃
片側/990円 左右/1650円
ユニフォーム完成
屋号をバックペイントした作業服の前胸に、刺繍パッチを縫い付けて一連の作業完了。
テーパーベルト鋭意制作中
サンセットトレイルズの3ピースバックルを、ファニーのテーパードベルトを加工して取り付ける作業。
3ピースバックルは18ミリ(3/4インチ)用のため、革帯の収まり部分(1インチ)3箇所の幅を細くし、厚みも漉き込む必要があります。

画像1/バックルとサルカン(キーパー)の収まり部分。

画像2/チップと革帯の剣先。

画像3、4/革包丁で幅を6ミリ程カット。
バックペイント完成
知多市のお客様からオーダーいただいた作業服のペイント4着目が完成。
これらの前胸には、横振り刺繍で制作した社名のパッチを取り付けていきます。
ネームプレート制作中
通販でネームのみご注文いただいた分を製作。
外回りには縫い付けの時の目安になるネン押し。
乾燥するのを待って郵便発送(110円)します。

A-2、B-10、B-15などに縫い付けるネームプレートは、縦は約18ミリ、横は文字数により100~120ミリで製作しています。ヌメ革にお客様の指定の文字を刻印します。

価格/3300円(税別)
工房訪問
昨日、当店の仕事を引き受けてくれている刺繍職人のおじさんの工房にお邪魔した。
横振りミシン(振り幅を足で調節しながら生地に柄を入れていく専用機)一筋で50年超の大ベテラン。
流通品の刺繍の99%はコンピューターミシンによるもので、安価で大量生産可能だが、刺繍面が平滑すぎて味わいに欠ける。化繊糸を使用するため、色変化もない。
やっぱり横振り機による凹凸感がなくてはという目の肥えた人は一定数(100人に1人くらい?)存在し、その方たちの需要を満たすための製品を依頼している。
いにしえのワザを現在に伝えるおじさんは意気軒昂で、年金を貰いながらも現役続行中。
当店のわがままな要望にも気軽に応えてくれ、期待以上の製品を仕上げてくれる頼りになる存在。

画像1/年季の入ったブラザーの横振りミシン。構造は単純だが、使いこなすには相当の技量が必要。

画像2/カンサイ製のオーバーロックミシン。レーヨン製の刺繍の縁仕上げ用。現代刺繍は化繊製でヒートカット(熱で縁を落として始末する)のため、オーバーロックは必要がない。

画像3/サガラ刺繍ミシン。スタジャンのワッペンのようにループ状の刺繍が出来る特殊ミシン。

画像4/デッドストックのエンブレムクロス。レーヨン糸(再生繊維で組成は綿)で織られている。現在は製造されていないため、使い切ったら終了。
明日は何十年かぶりに、当店別注の刺繍パッチの制作を請け負ってくれている職人さんの工房を訪ねる。
現在進行中のパッチの確認作業や、新たな企画の下絵を持ち込んでの商談。
もう場所もうろ覚えなので、最寄駅から電話して迎えに来てもらう予定。
超アナログ人間で、インターネットとは無縁、通信手段も電話とFAXのみという昭和の職人。
骨董品の様な横振りミシンを巧みに操り、ビンテージそのものの手法で素敵な製品を供給してくれている。
こちらも、一昨日当欄でご紹介したベルト屋さん同様、子供さん達には事業承継せず、いずれ廃業となる運命。
工房で上手く撮影できれば、横振り刺繍の動画をインスタグラムにアップしたい。
バックペイント鋭意制作中
知多市のお客様の作業服のペイント4着目。
今回はシュガーケーンのウォバッシュストライプのシャツで、これでペイントは最後になります。
ウォバッシュのカバーオール同様、オフホワイトの塗料で、染み出さない様粘度高めでペイント。
テーパーベルト鋭意制作中
サンセットトレイルズの3ピースバックルを、ファニーのテーパードベルトを加工して取り付ける作業。
難点が沢山ありますが、まずは、剣先に取り付けるチップを固定するピンが、なぜか既にカシメられて固定されていること。
本来はチップの中に革帯の剣先を差し込み、その上でチップ中央部に空いた穴からピンを貫通させて剣先を固定します。
ところが、革帯が取り付けられてもいないのに、ピンが嵌め込まれ、貫通した先端がチップ裏側でカシメられていて取れません。
これを抜かなければ、革帯先端を差し込むことも出来ないのです。このピン自体が純銀で、表面の彫刻と一体化しており、掴み代もないので非常に難儀です。
結局、時計用の工具を駆使して外せましたが、肝心の革帯の加工に入る前に一手間掛かりました。
オリジナルベルト今後の見通し
当店が長年定番として販売しているダブルピンのギャリソンベルトの革帯は、個人事業でやっている職人さんにお願いしている。
その人の伝手で栃木レザーから仕入れた革をベルトの形に仕上げてもらい、素地の真鍮バックルをセットして製品化している。ご高齢で、お子さんも後継しないということで、廃業も視野に入れてボチボチとやっていくという話をしたのは昨年秋ごろ。
最近音沙汰がないので電話してみたら、応答はあったが息も絶え絶えという感じで、心筋梗塞でしばらく入院していたとのこと。
一度心肺停止になったが、AEDで生き返ったらしい。…まずは無事でよかった。
壮年の頃は威勢のいいひとだったが、御年80近いはずで、やっぱり年には勝てないみたい。ここ10数年は営業廻りで来店することも無く、電話のやり取りだけで、直接会ってはいなかった。
それでも仕事復帰したというので、サイズ欠けも出ているし、必要な本数を纏めてオーダーした。
納期も切らず、体調を見ながらゆっくりやってもらえれば結構なのだ。
ところでこの職人さんは一風変わった人で、芸能事務所に登録して、役者の仕事もやっていた。
昔、当日記欄で紹介したことがあるので、以下に再掲。
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二足の草鞋
2016年06月27日
今日、当店にベルト材を供給してくれている業者のオッチャンから電話があり、「実は今度、名古屋トヨペットの新CMに出てるから、よかったら見てみてね」と言ってきた。
「えっ、出てるって、車のユーザーとしてインタビューされたの?それとも撮影の時に背景にでも映り込んじゃったの?」と訊くと、一応3分半のCMに通しで出ているという。
名古屋トヨペットのHPを開くと、60周年記念ショートムービー「想いを乗せて」としてアップされており、クリックすると大画面に切り替わって再生された。
驚いたことに、見覚えのある白髪の伊達男が堂々とメインキャラクターを演じている。
オッチャンその人であった。
ストーリーは、男の子を連れて里帰りした娘が、妻に先立たれて老境に入った父親(←オッチャン)の侘びしい生活を目の当たりにするところから始まる。
部屋は片付いておらず、妻が丹精込めた植栽も枯れたまま。机の上にはトヨペットからの継続車検の案内状が放り出されている。以前は妻とドライブするのが楽しみで、いろいろなところへ出かけて行ったが、もう車もそれほど必要はない。
しかし、娘の働きかけによって父親は思い直し、再びマイカーを整備してハンドルを握る。隣に座る妻はもういないが、リアシートには娘と、笑顔いっぱいの孫を乗せて…。
LAST LOTというバンドの切ない曲が物語を盛り上げる。
~うるうる。
と、多少私なりの解釈が入るが、大体そんな流れ。
しかし、オッチャンが副業で俳優をやってるなんて、全然知らなかった。
昔から謎の多い人だったが…。