店長日記

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ビュイック始末記 (ラジエター編)
旧車に乗った経験の無いほとんどの人は、ラジエターの水量を目視で確認したことなどないに違いない。
故障でもない限りはラジエターのクーラントが目に見えて減っていくことなどありえないからだ。
しかし、この車両のラジエターにはもともとサブタンクが付いておらず、水温が上がった時には圧力がかかって、ラジエターキャップの脇に付いたホースからクーラントが外へ自動的に排出されるのである。…早い話が垂れ流し状態なのだ。暑い時期にひとっ走りすると、MAXでコップ一杯くらい減ってしまうので、いつでも補充出来るようにトランクにクーラントを積んでいる。サブタンクを後付けしてクーラントが環流するようにすればいいのだが、まぁそこまではいいやという感じでそのままである。
まだまだ気温の高いこの時期には乗車前に水量のチェックは欠かせない。

注/キャップの付け根の茶色はサビじゃありません。接ぎ目からにじむ程度の水漏れがあったので、耐熱コーキングを塗って塞いだ跡です。
バックペイント鋭意製作中
MA-1の背中に文字をペイントしていきます。
後ろ身頃はダーツが入って曲面になっている上、中綿が厚く、ナイロン生地の位置が安定しないので難しい作業と言えます。繊維に描く場合は染み出しがないように塗料の粘度を上げて描きますが、筆の動きと同時に生地も動いてしまうのです。
「市民活動家」入党
本日のニュースより

辻元氏、民主入党へ
社民党を離党後、無所属で活動していた辻元清美前首相補佐官(衆院大阪10区選出)が民主党に入党することが7日、分かった。同党大阪府連は10日に常任幹事会を開き、辻元氏の入党を了承、10区支部長への就任を内定する見通しだ。
辻元氏は昨年7月、社民党に限界を感じたとして離党を表明。同9月に民主党会派に加わったが、党籍は無所属のままだった。
 (以上引用)

2007年の参院選の時、たまたま名古屋駅の東口で、社民党の候補の応援で来名していたこのオバサンが応援演説に立ったのに出くわした。
自身も愛知に住んでいたことがあるとかなんとかしゃべっていたが、そこそこ知名度があったにもかかわらず、道行く人はサラリーマンであれ学生であれ、ほとんど誰も足を止める人はいなかった。組合関係の動員らしきロートルの人達が旗をもってつまらなそうにしていたのを思い出す。
この人や、当時の社民党に対する世間の正直な反応はそんなものなのだと思った。現実感のない政策はもうとっくに世間から見限られ、労組や婦人団体の組織票だけで少ない議席をキープしているのにすぎないのだ。
それが民主党政権になり、数合わせで一時期政権中枢にまで入り込む事態になってしまった。一般国民のほとんど誰からも期待されていないのにである。
夢よもう一度と本人は思っているのかもしれない。
とにかく沈みかけた社民党から飛び出して政治的延命をはかったのだ。
自虐史観に取りつかれ、「国家の枠を崩壊させるのが私の役割」と言い放ったこのキチガイ女の本性はもちろんそのままだろう。
左派の連中と共に、外国人参政権や人権救済法も積極的に推し進めるに違いない。

メディスンバッグ+スタッズ
メディスンバッグの蓋を、アシメトリーにスタッズで飾りました。
デザイン線はお客様が銀ペンで引き、その中を二本爪のスタッズで埋めていきます。スタッズとスタッズの間隔は打ち具が干渉しないギリギリで取っています。
ベースがしっかりと厚みのある牛革なので、ボコつきもなく綺麗に収まります。
パッチ縫い付け
MA-1ベースにフルパッチ仕様制作。
背中に文字のペイントも入れていきます。
ソプラノズ
コメディーの要素も多少入ったファミリードラマといったらいいのだろうか。
この場合のファミリーは、もちろん本来の家族という意味と、主人公トニー・ソプラノが率いるマフィアのファミリーと両方の意味がある。
この連続TVドラマは、表向きは裕福な産廃業者で一男一女の一家の主、一方でニュージャージーに君臨するマフィアのボスという二つの顔をもつ男の日常を、実在の人物をモデルにかなりリアルに描き込んだ傑作シリーズである。
主演はジェームズ・ギャンドルフィーニ、スティーブン・ヴァン・ザント、ロレイン・ブラッコ、イーディ・ファルコら。
ギャンドルフィーニ演じるトニーは、ナポリに起源を持つ、イタリア移民の末裔である。陽気で押し出しの強いボスで、殺人もいとわないが、パニック障害の持病もかかえ、内緒で精神科医のカウンセリングも受けている。組織内外に多数のトラブルをかかえ、家庭問題にも悩みは尽きないが、日々せっせと稼業に励んでいる。
毎回のように劇中で、ゴッドファーザーやグッドフェローズといった映画の登場人物をマフィア達が俎上にのせるのも楽しい。
物語りは第6シーズンまであるが、実はまだ第2シーズンまでしか観ていない。それでも一話ごとの完成度の高さは、さすがに数多の賞を受賞しただけのことはある。個人的には24(TWENTY-FOUR)などよりはるかにこちらの方が面白い。
TVシリーズでこんなに熱中出来るのは、ジャンルはぜんぜん違うがロンサム・ダブ(モンタナへの夢)以来じゃなかろうか。
本日の修理品
定尺ベルトは、量販品のユニバーサルベルトのように、ハサミでカットして長さを調整することは出来ません。長すぎる場合は奥に穴を空け足すこともありますが、やはりバックルの付けの部分をカットして長さをぴったり合わせたほうがスッキリおさまります。
名古屋市のお客様がお持ちになったこのベルトは、真鍮の無垢のパーツを使用したカスタム品で、かなり年季が入ったモノのようです。仕上がりで約6センチ短くなるようにします。

画像上/曲げ代を残して革包丁でカット。

画像2/革漉き機に入れて新しい折り返し部分を薄くする。

画像3/折り返し部分を漉いたら、必要な穴をポンチで開けていきます。

画像下/完成。

今回の工賃/2000円
ネームプレート鋭意製作中。
台風が上陸して、強風でショップの正面扉があおられて勝手に開いたり閉じたりしています。
幸い雨は収まっていますが…。
これが過ぎればかなり秋らしい気候になるのではないかと思います。店頭には既に冬物の商材も入荷しており、フライトジャケット関連のお問い合わせもいただいています。
今日は九州の方からご依頼いただいたネームプレートを製作しています。印字が完成した後、コバをカットし、下穴をあけて縫い付けです。
名著であるため、ご紹介
『なぜ宇宙人は地球に来ない?』松尾貴史著 PHP新書

この多芸多才な関西人は、そこいらのハンパ芸人の域を超えた異能を感じさせる。
オカルト懐疑派としても積極的に発言しており、なんとなく勝手にシンパシーを抱いているので、言動にも注目している。
本書はモノ・マガジンに連載した「超常俗物図鑑」を加筆、修正したもので、世にはびこる超常現象や占いをネタにした霊感商法から、疑似科学を利用した企業の商品売り込みまで、持ち前の懐疑精神で厳しく、かつ楽しそうに批判を加えている。おなじみの低劣なインチキ霊感詐欺師や自称Dr風水詐欺師だけではなく、大手家電メーカーまでもが御用学者を使って箔付けして売りまくった「マイナスイオン云々」などの商品は、極めて根拠が薄弱で詐欺的であると断じている。TV業界に身を置いていながら、スポンサードする有力企業にも全く気を使っておらず、自由に発言している。
この人は元来、世の不思議に対する興味が尽きないのだろう。その上で、常識を失わず、思考停止にならず、客観的に物事を観察して発言する姿勢を維持しているのだ。
一方で、まともな社会生活を踏み外さないかぎりはオカルティズムにも寛容である。「イワシの頭も信心から」ということで、小馬鹿にしつつもけして追い込んだりはしない。
その点、「科学的にありえなければありえない」の立場でオカルト信者に対してかなり攻撃的、啓蒙的な大槻義彦氏とは若干スタンスが異なると思う。
パッチ縫い付け
タンカース(TANKERS)ジャケットは、名前の通り、元々第二次大戦時に戦車兵が着用したものです。
左右の切りポケットが極端に上に付いているのは、狭い戦車の中で座り込んで物を出し入れする為です。それを航空隊のパイロットが流用したものは「空飛ぶタンカース」と呼ばれ、陸軍航空隊のスコードロンパッチを取り付けたものも存在するようです。
今回は千葉県のお客様からの依頼で、右胸と左腕に当店で製作した航空隊の刺繍パッチを縫い付けました。
タンカースはハリウッドの戦争映画によく登場しますが、印象に残るところでは「プライベートライアン」のトム・ハンクスが、舞台となったヨーロッパ戦線で着用していました。
また、もはや古典となった「タクシードライバー」では、ベトナム帰りの海兵隊員の設定で、ロバート・デ・ニーロが着ています。
パッチ縫い付け
全国で開催されるバイカーのイベントごとに様々な記念パッチが製作されます。
そこで手に入れたものを自らのジャケットやベストにひとつひとつ縫い付けていけば、それ自体が旅の記録になります。
以前から何度もご依頼いただいており、今回は前身頃の左右に一つずつ縫い付けしますが、すでに前後身頃のかなりの部分がパッチに覆われています。
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本日のニュースより
 
ララ・プラン(渋谷系ファッション「LOVE BOAT」など展開)民事再生法を申請
帝国データバンクによると、渋谷系ファッション「LOVE BOAT」などを展開する販売業者ララ・プラン(東京都渋谷区)は31日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。渋谷系ファッションの先駆者として若い女性の支持を得ていたが、ファストファッションとの競争激化などから売り上げが急減。東日本大震災も売り上げ減少に拍車をかけたという。負債総額は7月末時点で69億8900万円。
(以上引用)

渋谷109の核店舗だった往時を知る人は驚いたのでは…。
ここ数年で急激に業績が悪化したようで、あっという間に破たんしてしまいましたね。
本日の修理品
キーホルダーのナスカン交換は、修理の定番メニューです。
ナスカンの回転軸が摩耗し、抜けてしまった場合は新品交換になります。
ナスカンは、スナップボタンのメスで本体に固定されているので、交換の際にはスナップボタンを削って取り外し、新品のナスカンを挟み込んでからスナップのメスを打ち直します。
メーカーに返送することもなく、店内で作業しますのでスピーディに対応出来ます。

画像上/スナップのメスを取り外した状態。この50セントキーホルダーにはワンウェイタイプのスナップが使用されています。

画像下/修理完了。

*ライダースワレットや携帯ホルスターに付属するナスカン(茄子カン)はダイキャスト製で、大事に使って頂いたとしても、いずれジョイント部分が摩耗したり、スプリングが破損することは避けられません。当店では常時各サイズに合わせたパーツをストックしておりますので、即日対応出来ます。(当店で販売した商品以外はお断りする場合がございます)。
私の道具達
ミシンの保有台数が多くなりすぎてしまい、ちょっと整理しなくてはと思っていたところ、最近趣味で熱心に袋物の製作をしているお客様が工業用のミシンの購入を検討していると聞き、それならばということで使わなくなった環縫いミシン(完動品1台+予備1台)を進呈しました。
型式は古いものの、縫製工場で厚物縫いに使用していたものだけに頑丈で、まず故障することはなく、パワーも家庭用とは比較になりません。
丸みを帯びた機関部はもちろん鋳鉄製で、モーターも巨大なものが付いています。大きくて重量があり、そのままの状態では積み降ろしも困難な為、モーターを取り外し、天板と足も分解して軽トラック2台に分けて積み込みました。3人がかりで朝から1時間半ほどかかりました。
機械式のアナログミシンゆえに、調整一つにもある程度の慣れが必要ですが、経験を積めばドライバー一本で調子を出すことが出来ます。
かなりの厚物や、毛足のあるものにも対応出来るミシンなので、創作範囲も広がることとおもいます。
パッチ縫い付け
そろそろフライトジャケットの季節がやってきます。
今回はバズリクソンズのL-2に横振り刺繍のパッチを縫い付けました。
L-2は、秋口にはピッタリなライトゾーン(低空域)用のフライトジャケットです。画像ではわかりにくいですが、これは定番のオリーブのナイロンツイルではなく、バズが以前に少量製品化したコットン製のテストサンプルバージョンです。B-10のコットンツイルを濃くしたような独特の色合いをしています。当時のL-2には開発段階で様々なバージョンが存在するようです。
ちなみに今期はブラウンのナイロンツイルを使ったL-2をリリースしており、まもなく入荷の予定です。
ダイアモンドパイソン・ビルフォード
エキゾチックレザーの中では最もポピュラーなニシキヘビの革を表面に使ったサンセットビルフォード。
ダイアモンドと名がつくのは、菱形の斑紋が入るためです。
同じものが二つと無い美しい柄と独特の質感で、長年高級素材として不動の人気を維持しています。
ただし天然の爬虫類ですから、摩擦によって多少ウロコがめくれあがるのはどうしても避けられません。よく訊かれるので、対面販売では必ずこちらからご説明しておりますが、天然モノである以上それが当たり前で、それ前提の商品なのです。ウロコがめくれないものといったら、婦人物でよくあるプリントのヘビ柄になってしまいます。
そのあたりをご理解いただける方には、ぜひこの本物の味わいを手に入れていただきたいと思います。

画像/ビルフォードと同時にチェーン(ES-1)をご購入いただき、取り付けのためのドロップハンドルも装着しました。
祝!菅直人退陣
本日のニュースより

菅直人首相(64)は26日、公債発行特例法と再生エネルギー特別措置法の成立を受けて、民主党役員会で退陣を正式に表明した。
菅直人首相は同日午後の民主党役員会で「代表も首相も辞します。お世話になりました」と述べた。
菅内閣は昨年6月8日に発足し、小沢元代表の影響力を排除する「脱小沢」路線を鮮明にした。しかし昨年夏の参院選で惨敗し、野党が参院で多数を占める「ねじれ国会」に直面。国政停滞を招いたほか、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故対応でも批判を浴び、政権は失速した。内閣支持率が低迷し、今年6月には民主党内で内閣不信任決議案に同調する動きが拡大。首相はいったん退陣意向を示したが、その後、公債法、再生エネルギー法成立を退陣条件に挙げていた。
(以上引用)

やっとか…。
こんなペテン野郎、時代が時代なら撃ち殺されていてもおかしくはなかったろう。
ところで在日外国人からの違法献金問題は未解決のまま残されている。
最近旗色の悪い特捜のみなさんは汚名挽回のチャンスなので、はりきってどうぞ。
レッドウイング+キャッツポウ
不定期にアメリカから輸入される中古ブーツが店頭に入荷しました。
ウエスタンブーツが中心のアソートですが、中にはちょっと変わり種も混じっていたりします。画像は、相当年代物のレッドウイングの1155とおもわれるペコスブーツに「キャッツポウ」のソールが装着されているもの(ヒールはRW純正のコルクヒール)。リペアの際に交換したのでしょうが、このソール自体にそこそこの付加価値があります。
近年、東洋エンタープライズがキャッツポウのソール&ヒールを復刻生産してロンウルフのラインで採用し、さらに同ブランドでワークウエアも展開していますが、元々キャッツポウは60年代に幕を閉じたアメリカのラバーソールメーカーです。
このブーツはかなり使い込まれてはいますが、致命的な傷みは無く、まだまだ現役です。

サイズ/表記不明(26センチ見当)

価格/8295円
私の道具達
かれこれ20年以上も使っている鉄製の業務用スチームアイロン。
構造は極めてシンプルで、キャップを外して水を入れ、電源を入れるだけ。しかしサーモスタットも付いておらず、温度調節などは出来ないため、素材によってプレスの強さや当てる時間を変えて対応します。いわば勘どころで仕上げ作業をおこなうわけです。100年以上前、いにしえの職人達もほとんど同じ原理のものを使っていました。
ところで家庭用アイロンはテフロン加工されたプラスチックボディが主流で、最近はコードレスのものも多いようです。だれでも使える様に素材に合わせて温度設定できるなど親切設計ですが、あまり長時間の使用には耐えられないようです。奥様方が家族の衣類をサラッとプレスするにはそれで充分ですが…。
本日の修理品
美しい色落ちながら、各部が崩壊した501XXレプリカの修理品が入りました。
デニム生地はもちろんのこと、ポケット袋布や、各部の縫製にも綿100%の糸を使用した本気のつくりこみです。それだけにむしろ化繊で縫製した現代的なジーンズに比べ、強度の点で劣るのは仕方のないところなのです。

画像上/前ポケット口が擦り切れてパンクしている状態です。この状態だと元通り修復するのは困難ですが、これ以上穴が広がらないように補強し、ポケットを使えるようにすることは可能です。

画像中/大きく裂けた股ぐり部分は裏から広範囲に別布を当ててカケツギします。

画像下/裾線は長さを変えずに修復します。三つ巻きを一旦開いて擦り切れた部分に当て布をし、チェーンステッチで再度裾上げ。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
ザ・ゲーム
後半で「ギャンブルは夢を与えるものではなく、夢を奪うもの」というセリフが出てくるが、この映画のテーマがこの一言に集約されている。
豪華なキャストによるオムニバス映画で、日本では劇場未公開だったようだが、最近DVD化されたばかりのものをレンタルした。
ギャンブル依存症でカジノに入り浸り、娘の学資までスッてしまう小説家(キム・ベイシンガー)、カジノで働きながら、再起を夢見るマジシャン(ダニー・デヴィート)、ノミ屋に多額の借金を抱え、バスケット選手の弟に八百長試合をやらせる配管工(フォレスト・ウィッテカー)を中心に物語りは展開する。
それぞれ人生の崖っぷちに立った3人の命運は、バスケットの選手権試合の勝敗にかかっている。弟の選手生命を危うくする八百長を強いられる配管工の兄。八百長の情報を得て、全ての資産をそれに賭ける小説家とマジシャン。しかし、やはり事は思い通りには運ばない。マジシャンと配管工は結局命を落とし、小説家は生活が破綻したものの、そのマジシャンを題材にした小説でかろうじて復活を遂げる。
小説家の夫役のレイ・リオッタが意外にもまじめな人格者を演じている。悪辣なノミ屋の代貸しを演じたティム・ロスははまり役。取り立て屋の恋人を演じるカーラ・グギノは爽やかでひたむきな感じが良い。
派手さやトリッキーな展開は無いが、人物描写が巧みで、救い難い人間の業をたんたんと描き出している。地味だがよくまとまっており、味わいのある作品。