店長日記

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本日の修理品
持ち込みでシングルステッチでの裾上げ依頼です。
メンズ物ですが、扱いにくいポリウレタン混の素材で、いわゆる伸び伸びジーンズです。
作業手順は通常と同じですが、ストレッチ素材は扱い辛く、ハサミを入れた段階で少し横伸びし、ミシンで一周縫うことでまた少し伸びてしまいます。きれいに裾上げするのは困難なので、それをご了解いただいた上での作業となります。

画像上/所謂デザイナー系デニム。薄めの生地はスカスカにブリーチアウトされている。

画像中/出来るだけテンションをかけないように三つ巻き縫い。

画像下/作業完了。仕上りで裾線が波打ってしまう。
ファニーで発見…キャストアイアン
シャビーな鉄製のフックやハンドルに目がないので、どこかで見かけると発作的に買い込んでしまうのだが、これは先週出張で行ったファニーの本社にたまたま入荷していたもの。
ファニーは国内で生産するレザー製品だけでなく、ウエスタン家具や雑貨のインポートにも昔から力を入れている。これらを店舗用の備品として購入するショップ関係者もいれば、商材として仕入れて販売するショップももちろんある。
この鉄で鋳造された二股ハンガーフックはサンセット・ビスタ・デザイン社製。
中古風にサビ塗装が施されている。黒染めのネジも付属するので、下地が木ならそのままネジ止め可能。店頭上代もリーズナブルで600円。
入荷した内の一個を壁に取り付けてみた。

画像1/タテ13センチ程。赤サビ風塗装…このままでも良い雰囲気だが。

画像2/すでに取り付けている鉄製品と色合いが違うので、油性塗料で再塗装した。

画像3/艶消しの塗料が乾いたらワイヤーで表面をこすり、漆喰壁に取り付け。

画像4/靴べらを掛けてみた。
本日のニュースより
増税先送り可能性言及=高市自民政調会長

自民党の高市早苗政調会長は20日の記者会見で、来年4月に予定されている消費税率の8%への引き上げについて「秋の段階で経済指標が思わしくなければ、税率引き上げという判断に至らない可能性もある」と述べ、経済情勢によって先送りもあり得るとの認識を示した。
高市氏は「とにかく経済を良くする、その構築に努めるということだ」と語り、増税の環境を整えるために経済再生に全力で取り組む決意も強調した。
(以上引用)

増税の是非はともかく、産業界はすでに消費税が値上げされることを前提にタイムスケジュールを組んでいる。
アパレル業界ももちろんで、先日メーカーの人間と話をしたときにも、仮に年内に確定しないようでは来年4月に間に合わせるのは非常に大変だという話になった。
高市さんは立派な見識を持った政治家だが、また前言取り消しのようなことにならなければ良いが…。
本日の修理品
「バイクに乗っている時何かに引っかけたみたい」…とお客様。
しかし薬品が飛んだようなポツポツした穴なので、おそらくバッテリー液の飛沫じゃないでしょうか。まだジーンズは新しい状態なので、穴の跡が出来るだけ目立たないようにタタいていきます。

画像1、2/修理前の状態。小穴が5つ。穴のまわりは色が抜けている。

画像3/裏張りには9オンスのデニムを使用。タテ18センチ×ヨコ15センチ程の範囲になる。

画像4/一定方向にタタいていく。

画像5、6/修理完了。
緑化計画進行中
ウッドデッキに鉢植えしたプチトマトの成長が早過ぎ、あっという間にプランターから飛び出さんばかりになってしまった。
すでに花をつけている枝もある。さすがにちょっと間引いてやらないとまずいようなので、何本か引き抜いて、プランターには長めの支柱も立ててやった。根っこごと引き抜いた数本は、捨てるのもなんなのでファニーのブーツ看板の脇に適当に植え替えてやった。
メキシコ万年草や、ツタや、いつのまにか根をはったよくわからない花が混在している場所だが、ここも日当りが良いのでスクスク成長するに違いない。
時は移りて…
当店の西側にある宮本町5丁目交差点の南西角はちょっと前まで中古品買い取り業者の店舗だった。
借地契約を解除したようで、駐車場のスペースも含めてすべてアスファルトまで剥がして原状回復して撤退していった。以前は家電&ビデオレンタルのお店で、建物はそのままで業態変更したが、古物の買い取り業も乱立し過ぎて飽和状態なので、なかなか厳しかったのだろうと想像する。
更地状態ではかなり広いスペースで、300坪くらいあるのではないだろうか?
更地になってまもなく、セブンイレブンの出店予定の看板が建てられた。オーナー募集となっているので、出店者が決まればあっというまにオープンするのだろう。当店としては便利になるのでウエルカムだが…。
この界隈は市内でも比較的新しく開発された南北4車線の幹線道路沿いで、かつて(30年程前)は農地がほとんどで道路も2車線だったと記憶する。当店が営業の本拠をこの地に移した17年前にはすでに開発が進み、大規模店舗が出揃っていたが、入れ替わりも早く、次々に新しい店が出店しては撤退していった。当店と同じ時期から営業を続けているのは、個人店では歩いてすぐの所にあるオートショップ・トリイさんくらいじゃなかろうか。
商業地の風景は日々変わっていく。
フェイク塗装(その陸)
什器備品のひとつひとつも商品イメージを決定づける大事なファクターであるので、常に様々な手法で加工を試みている。
今回も手持ちの鏡(ついでに自宅で使うものも含めて数枚)の枠を古美仕上げし、心なごむアンティーク調に仕上げることにした。元の平板なブラウンの木目仕上げもそれなりに綺麗ではあったが、しょせんマスプロ製品で何の味わいもない。
使用したのは乾くと石膏のように艶の無くなる水性塗料と、絵肌に凹凸感を出すために下地に盛るパテ。鏡部分にはあらかじめマスキングし、凹部分から塗り始め、仕上げまで3回重ね塗りする。刷毛を立て気味に叩くように塗装し、元の状態とは異なる年季の入った雰囲気に仕上がった。
この塗料は汚れが付きやすいが当面はこのまま使うつもりでいる。いずれ気が向いたらまた別の色を重ねて仕上げ直すかもしれない。
ビュイック始末記(内装編その肆)
半年に一回くらいだが、汚れの目立ちやすい合成皮革のシートをクリーニングする。
その際クリーナーとして使っているのはマニキュアの除光液。成分的にはアセトンとエタノールで、目地に詰まった汚れを強力に分解するし、近くの100均で100mlのボトルが買えるので安価でお手軽なのだ。たっぷりと除光液を付けた布で拭ってみると、排気ガスの汚れが目に見えて落ち、布が真っ黒になる。
外気にさらされる時間の長いコンバーチブルは、どうしても内装が汚れがちなのだ。

画像1/クリーニング前。

画像2/軽く拭うだけでしつこい汚れがアッサリと落ちる。ちなみに本革には使えない。

画像3/クリーニング後。
イージーパンツをカットオフ
これから夏にかけてはこういうオファーも時々あります。
コットン/リネンのイージーパンツをカットオフしてハーフパンツにしてほしいというご要望。
基本的には通常の裾上げと変わらない作業です。
今回はほとんど穿いていない状態のパンツでしたが、デニムやチノパンなどで膝や裾が擦り切れてしまったものはカットオフして夏用にするのも良いのではないかと思います。
ナスカン交換
先日サンセットビルフォードをお買い上げいただいたお客様に、その場で真鍮のドロップハンドルを取り付けてお渡ししました。
ドロップハンドルはシルバー鍍金仕上げが標準ですが、当店では真鍮製(同価格600円)もご用意しております。
今回はそれに合わせてワレットレーンを購入し、金具も真鍮で統一したいということで、社外品の真鍮キーホルダーを流用して取り付けました。

画像1/ファニーの8本編みワレットレーンと社外品の(通称釣り針)キーホルダー。

画像2/このワレットレーンは中に太い芯糸が通っており、編み込みの段階でナスカンの付けを縛り付けている構造。分解不可なので、ナスカンは根本でカットしてしまう。

画像3/ナスカンの根本を引き抜きながら真鍮キーホルダーの丸カンを差し込んでカシメる。反対側も同様にドロップハンドルに留める小さいナスカンを取り付けて完了。

画像4/大きい方のナスカンはベルトループまたはベルト本体に固定して使用する。
本日の修理品/ウエスタンブーツ(外部委託)
修理品はルケーシーのウエスタンブーツで、後ろタング(踵部分から上に伸びた持ち出し)を縫い付けているステッチがほつれてきている状態でした。
放置するといずれその部分が開いてしまうので、早めにステッチのかけ直しをということでお預かりしました。
こういう奥まった箇所を縫うには、八方ミシンという靴や鞄の縫製に使用する特殊ミシンが必要です。下糸を収めたボビンの先端が長く伸び、平台のミシンでは縫製不可能な所も縫うことが出来ます。
今回はファニーの指定工場へ依頼し、二週間程で仕上がってきました。

画像3/ステッチをかけ直して仕上がった状態。三本のステッチの内二本は縫い直したものだが、ほとんど補修跡がわからない。
大阪出張…つづき
昨日の大阪日帰り出張では、ファニー本社を訪ねたその足で本町で開催される東洋エンタープライズの秋冬展示会をのぞく予定だったが、少し寄り道した。
というのも本来の展示会開催日は本日(12日)で、当方の都合で開催前日にお邪魔することになっており、サンプルを陳列し終わった時間帯にお訪ねする予定だったのだが、少し時間が空いてしまったのだ。そこで本町から船場センタービル沿いに歩いて数分の所にある、かつて自分が勤めていたアパレルメーカーの周辺をうろうろして時間をつぶすことにした。

画像1/裏通りから眺める本社全景。当時と全く変わらぬリッパな外観。裏手の社員の通用門にはガードマンが常駐。

画像2、3/通りに面した正面側。当時と大きく変わったのは、各フロアを顧客に直接自社ブランドを販売するスタイルで開放していること。私が勤めていた頃は小売店を相手にした一次卸しがほとんどで、年数回の社販以外で一般の人が出入りすることはなかった。
もうこの本社には当時の同僚はほとんど残っていない(と思う)。
大阪出張
本日、ショップの休業日を利用しての大阪日帰り出張。
まずはいつものように近鉄線の荒本にあるファニー本社にお邪魔して現物商品をピックアップする。今回はインポート品の雑貨を中心にセレクト。

画像1/ファニー本社全景。本社機能と業者向けのホールセール場を兼ねている。レザー製品の工場は少し離れたところにある。

画像2/社用車のマセラッティ。これで送迎してもらうと、おそろしいような加速感で駅までの距離があっという間。社用車はほぼ会長の趣味で選んでいると思われる。昔はキャデラックのセダンだった。

画像3/今回目を引いたのは間もなく公開されるリメイク版「ローン・レンジャー」で主人公が使用したのと同じバックル。
エド・ボーレンの製作によるもので世界80個限定でシリアルナンバー入り。日本には6個入荷したとのこと。
価格は780000円也!
緑化計画進行中
ランバーデッキの片隅に大きめの木製プランターを置き、プチトマトを栽培中。
本当はもっと間隔を空けて植えなければいけないみたいだが、適当に植えたタネが一斉に芽を出し、密生状態になっている。
そろそろ間引きが必要かも…。
ピンポイントでストレッチ…インディアンモカシン
先日お買い上げいただいたファニーのインディアンモカシン(スクー・サンダル)。
親指の先があたって歩くと痛いということで、ストレッチャーを使ってサイズを拡げます。
革で足をくるみ込むように縫製されたなモカシンは、着用することで足のかたちに沿ってなじんでくるのですが、先端があたるようでは辛いので、手を加えてやります。
革の内側に湿り気をあたえた上で、ゆっくり時間をかけ、親指が当たる部分をピンポイントで伸ばしてやります。

画像1/指のあたる部分をマーキング。

画像2/片方につき一日かけてゆっくり伸ばしていく。

画像3/右側がストレッチャーを入れて伸ばしている状態。
パッチ縫い付け
リーバイス・セカンドジャケットの袖無しのようなデザインのライダースベスト。
チームカラーの刺繍パッチの縫い付けを承りました。
内側には革の見返しが付き、キュプラの裏地と切り替えになっています。縫製が粗く、この裏地が袖に向かってかなり引っ張り上げられるように縫い付けられ、斜め皺が目立ちます。
裏に抜けるステッチ部分で裏地がタックにならないよう、注意しながら縫い付けします。
いただきもの
知多半島の先端、師崎港から名鉄フェリーで10分ほどのところにある篠島は、フグやタコ、大アサリなどが名産だが、もっとも盛んなのがシラス漁。
当店のお客様で、島でシラスの加工販売を家業としておられる方に、時々茹で上がったばかりの美味しいシラス(ちりめんじゃこ)をおみやげにいただくことがある。今回はモニターも兼ねており、新商品の減塩バージョン(A)と、従来の塩味の効いたバージョンの二袋をいただいたので、食べ分けてみて感想をお伝えする。伝統的な製法は変わらずだが、やはり時代に沿って健康志向も考慮した商品展開も考えておられるらしい。…といってもモニター云々は当方に余計な気を使わせないためのご配慮かもしれないが。
そのままで食べ比べたり、具材として使ってみたりした結果はきちんとお伝えしようと思っている。
外構工事進行中
本格的な夏の到来の前に、業務用エアコンの室外機に日除けのカバーをDIYで取り付けた。
直射日光が当たる位置のため、冷却効率が下がってパワーが落ちたり、余分に電力を消費するのを少しでも防ぐために必要な対策なのだ。
先日鍼灸の治療院を経営するお客様にツボ刺激をしてもらい、同時に気を送ってもらった(ご本人いわく)。おかげで五十肩の症状が幾分やわらいだ(ような気がする)ので、一気に作業に取りかかる。
材料はあり合わせだが、やはり店舗の一部ということで統一感のある外観に仕上げなければならない。

画像上/横木になる2×4材はあらたに購入した。その他は余り物。

画像中/室外機の上にステーで固定するが、隙間に空気が流れるようにする。表面にはキシラデコールを塗る。

画像下/若干片流れに取り付けて完成。
お客様のエルカミーノ(と、オールウェイズ・ラブ・ユー)
最終型1987年式のシヴォレー・エルカミーノ。
外装はオリジナルのままで、アルミ製のモールもすべて残っている状態。ストックのエンジンは305(5000CC)のインジェクションだったものを、あえてエーデルブロックのキャブレターに換装したそうです。そういえばガレージ井口さんも、この年代のインジェクションは調子の悪いものが多くて、キャブレターに換えてしまうケースが多いと言っていました。車体はやや縮小されたモデルですが、角張っていてずいぶん大柄な印象。
映画『ボディーガード』でケビン・コスナーが乗っていたのがまさしくこの車。デブデブになる前のホイットニー・ヒューストンが歌ったオールウェイズ・ラブ・ユーが爆発的にヒットした。
ところでこの曲、この映画のためにつくられたテーマソングだと思っている人が多いのだが、原曲はカントリーで、70年代にドリー・パートンがリリースしたもの。個人的にはじっくり語りかけるように歌うドリーのオリジナルのほうがずっと良いと思っている。
そういえば同時期にドリーが発表したJOLINE(ジョリーン)は、私が最も好きな曲のひとつだが、こちらもなぜかカバーしたオリビア・ニュートン・ジョン(イルカおばさん)の曲だと思っている人が多い。
五十肩
三月末あたりに突然利き腕の肩が痛み出し、腕を前後に上げられなくなってしまった。
疲れによるものかと思ってしばらく放置していたが、治癒しないので整形外科に検査に行った。
レントゲンを撮ってもらうと骨や関節に異常は無く、「五十肩ですね」とあっさり診断が下された。鎮痛剤と湿布薬を処方されたが、根本的な治療法はなく、自然治癒に期待するしかないようだ。症状が良くなるまでに一年以上かかることもあるそうである。…あ〜あ。
今でも無理に動かすと激痛が走るので、かなり動作が制限されている。手でプーリーを回し続けるような細かいミシン作業はかなりキツい。
そんな中、当店のお客様で名古屋で鍼灸の治療院を経営している方がご来店になったのでその話をしたら、ちょっと手を見せてと言われ、ボールペンで指先各所をチクチクとつつき出した。なにやらツボを確認しているらしい。バッグから中央に短い針が付いた丸い絆創膏を取り出してツボの位置にペタペタと貼っていき、これで痛みが緩和するのだという。なんでも高麗手指鍼治療と言うらしいが、高麗と付くだけでインチキくさい感じがしないでもない(逆プラシーボ?)。
でも、せっかくだし、しばらくこのまま様子を観てみようと思う。
さて、今週も見ただけで肩がこりそうな細かい仕事をいただいているので、順次片付けていく。