店長日記

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パッチ縫い付け/B-10
表地がレーヨン×コットンのレアなバズリクソンズB-10。
今回縫い付けるパッチは、お客様がヤフオク購入した謎のディズニーもの。
厚めのフェルト地に刺繍されていますが、裏面にはアイロン圧着用のフィルムがベッタリと貼られています。しかしパッチ自体の厚みを考えると、とても表側からアイロンで熱を加えてフィルムを溶かすことは出来ないと思われます。フィルムが溶け出す前に刺繍の糸が焦げてしまうと思われ、なぜこんな仕様になっているのか不明(取り付け対象が薄物なら、固定してその裏から熱を加えることは可能かも…?)。
当店ではミシンによる縫い付けですが、コバいっぱいまで貼られたフィルムが抵抗になって針抜けが悪く、ゆっくり慎重に作業を行いました。
祝!令和
令和初日。
各地の神社では、天候不良にもかかわらず御朱印待ちで長蛇の列だとか…。
当店は通常営業で、ルーティンワークをこなしながらひそかにお祝いしております。
いただきもの
「昭和の日」に、「平成」の焼き印入りゴーフレット。
小渕首相の墨書をそのまま縮小して焼き印してあるらしい。
平成の世もあと二日。
元号が変わると、来年から「昭和の日」がどうなるのか、「平成の日」が新たに出来るのか、まだはっきりしていないみたい。

*GW中も平常営業です(火曜定休)。
エアフォースパッチ鋭意製作中
本日もオープン前に入荷商品の整理があるので、ペイント作業は少しだけ。
最近は手塗りのタッチを強調するため、顔料をやや厚めに盛っております。
ボカシ染め
ファニーの熟練職人による刷毛を使ったグラデーション仕上げ。
今回、定番のビルフォード、ウォレットをベースに、それぞれ「ブラックチェリー」、「オスクーロ」と呼ばれる2種類のグラデーション仕上げにて製作しました。
ブラックチェリーはラティーゴレザーをベースに、黒から中心に向かって赤黒に染められ、オスクーロはブライドルレザーを使って濃茶~茶に染められています。
上質の素材を使い、熟練の技で美しく染め上げられた逸品は、ご使用による風合いの変化も楽しみです。

*画像のトライフォードウォレットは23200円(税別)
三分咲き
少し開花し始めたメキシコ万年草。
GW初日の今日は強い横風。当店はGW期間中も関係なく通常営業です(火曜定休)。
アパレルメーカーは各社とも休みに入り、連休前の出荷分がまとめて届いており、現在さばき切れていない状態です。
到着した新商品は順次ご紹介していきます。
エアフォースパッチ鋭意製作中
連休前に販売商品の補充制作。
相当前に作ったきりで、ほとんど販売実績のない第7空軍パッチを気まぐれで制作。

画像1/金型でホースハイドのトリムを打ち抜き。この希少な馬革は、半田市乙川の革工房エルパソさんのご提供。普通の民家が工房になっていて、数日前に民放TVで紹介されていたらしい。ガンベルトの制作から革職人になった人で、今はハンドバッグがメインになっているはず。
エルパソさんのように、革職人一本で生計を立てている人は非常に少ない。

画像2/薄く漉いたヌメ革にペイント。今回は先にオフホワイトで全体を塗る。
シュイン・ハンドルバーカット
ストリップダウンしたなごみ系スタイルのシュイン・ビーチクルーザー。
たまに電車での出張の際に、最寄り駅までこれでユルユルと走る。
駅に隣接した駐輪場に留めるのだが、ビーチクルーザー特有の幅広ハンドルは狭いスペースに収まりにくい。通行者の脇をすり抜ける時も多少気を遣うので、パイプカッターで切り詰めてやることにした。

画像1/ビフォー。シングルスピードでハンドル上にはブレーキレバー(右のみ)しか付いておらず、作業は簡単。ブレーキレバーの取り付けを緩めて中央側に寄せておき、グリップを外し、バーエンドをカットして取り付け直せば良いのだ。

画像2/エンドキャップ中央のネジは錆びて固着していたのでインパクトドライバーで…。グリップは隙間にCRCを流し込んで外し、再利用。

画像3/店内のパイプハンガーの改造でもよく使うパイプカッター。これを発明した人はエライ。

画像4、5/アフター。ハンドル幅60センチほどに収まった。これでもスポーツバイクよりはずいぶん広い。
スタッズベルト製作
以前お買い上げいただいたお客様からの追加オーダー。
同デザイン、同サイズで特急制作いたしました。

価格/16000円(税別)

定番商品として展開しているスタッズベルトはすべて店内で製作しております。
スタッズは真鍮製の二本爪(ツープロング)。
5ミリ厚の革帯は栃木レザーによるベジタブルタンニング仕上げ。手染めの黒と濃茶(画像)と、タン色素仕上げの3色展開。使い始めは硬いですが、使うほどに繊維が解れて柔らかくなってきます。現在6パターンで制作しており、ポイントのスタッズはカラー変更可能です。

*卸売り先様との兼ね合いもあり、WEB上での販売はしておりません。
本日の修理品/リーバイス ビンテージ501XX
当時物のビンテージ、501ダブルエックスのリペア作業完了。
接着芯地を使わず、薄地のデニムで裏張りした面積が広いので、パンツ自体がやや重くなっています。
これで気軽に扱えるかというと、そういうものでもなく、生地も縫製糸もさらに劣化が進んでいきます。洗濯はネットを使っていただくか、手で押し洗いということになります。
ちなみに、今回の修理品は色がスカスカに抜けていますが、同年代のビンテージで、青々して一見コンディションが良さそうなものでも、あまり実用性はありません。60年代以前のオール綿糸縫製の製品は、縫製糸自体が劣化しており、着用の度、糸切れが絶えないのです。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
5¢コンチョ…替えボタンとして
美しく色落ちしたシュガーケーンのインディゴベスト。
ブラウンのナット風ボタンが欠損し、すぐに同じボタンを取り寄せるのも難しいので、5¢コインコンチョのループタイプをボタンとして取り付けました。
実物コインを使ったコンチョはスナップボタンとして使われることが多く、ほとんどネジ留め式ですが、少数ながらループタイプも在庫しております。

開花間近
茎が天に向かって急伸び上がり、開花間近のメキシコ万年草(まんねんぐさ)。
毎年GWには小さな黄色い花が満開となる。
メキシコ原産かどうかはっきりしないらしいが、繁殖力の強さはメキシコ人のイメージ。
本日の修理品/リーバイス ビンテージ501XX
501ダブルエックスの裏張り作業。
補修箇所に合わせて裁断した薄地のデニムを固定し、端から留めていきます。とにかくボロボロで補修面積が広いので大変。
股ぐりも裂けていますが、曲面も上手くカバーしてやる必要があります。

画像1/前身頃には縦に60センチ当て布。

画像2/ダブルエックスの特徴である隠しリベットの周りは4箇所とも裂けている。

画像3/腰から上は全面的に裏張り。

チャレンジ車検と、完了後の軽作業
2015年に、長期入院となったビュイック・スペシャルの代わりとして、成り行きで買ったジムニーJA11。
この度、二回目となるチャレンジ車検で指定工場に持ち込んだ。
年数を経ているとはいえ、機関系には全く問題はなく、あっさり車検は通過したのだが、薄い鉄板のフロアパネルの助手席側に小穴があいているのを指摘された。
床が抜けるほどのものでもないのだが、帰ってきてから一応ガラスクロスで補修しておくことに…。
この車には、あえてプラスチックの部分に錆塗装を施しているが、本当の錆は出来るだけ抑え込んでおきたいという思いがあるのだ。

画像1/補修箇所はフロアとタイヤハウスの境目あたりで、下側から補修するのでジャッキアップ。貰い物のホイールはオールドジープ用。

画像2/補修箇所をサンディングしておいて、樹脂と硬化剤を調合。

画像3/樹脂を塗り、ガラスクロスを何重にも張り付ける。ペイントは後日缶スプレーで…。
本日の修理品/リーバイス ビンテージ501XX
バトラー・バーナー・セイルズ山田社長のダブルエックスの修理。
過去に当店で修理対応したデニムの中でも、5本の指に入るくらいのボロさ。
見頃全体を裏張りするため、出来るだけバラしていきますが、過去に何回も修理の手が入っており、丁寧な仕事もあれば、やっつけ仕事があるのもわかります。接着芯地で押さえているところは全て剥がれている状態。
補修箇所に合わせて当て布のデニムを裁断し、端には解れ止めのロックミシンをかけておきます。
本日のニュースより
ノートルダム、回線ショートか 火災で仏報道、50人で原因捜査

17日付のパリの地元紙パリジャンは、世界遺産ノートルダム寺院(大聖堂)の大火災で、捜査当局が、改修作業のために設置されたエレベーターの電気回線がショートした可能性があるとみて調べていると伝えた。当局は失火の疑いが強いとみて、50人態勢で関係者の事情聴取などを実施。内務省幹部は、原因究明は「長く困難な作業になる」との見方を示している。
(以上引用)

火災の映像を見たときはさすがに驚いた。
お気の毒と言うほかないが、修復費用を他国に募ったりせず、自前でやってほしい。
日本人がキリスト教徒にカンパしてやる義理は無い。
…フランス国籍で大富豪のゴーン氏に頼んでみてはどうか。
本日の修理品/リーバイス ビンテージ501XX
レプリカではなく、本物の501ダブルエックス。
国内縫製に拘ったバッグを展開するバトラー・バーナー・セイルズの山田社長の私物。
60年以上前の生産品で、生地そのものがダメになっており、指で突くだけで穴になる状態。とても実用レベルではありませんが、なんとか足を通して外に出られるくらいには修復したいということで、承りました。
相当の範囲を裏張りすることになり、作業スペースが空き次第、まずは解体から入ります。
サドルソープで丸洗い
先週末にタライで水洗いした自前のアローモカシン。
すっかり綺麗になったところで、油分も抜けているのでオイルを入れ直すが、その前にサイズを微調整。左足が少し小さいのだ。
これは私の左足が大きいわけじゃなく、仕上がりのバラツキによるもの。
木型できちんと成型するシューズと違い、一枚革を縫製で仕上げるモカシンは、どうしても縫い上がりで均一性に欠ける。
ハンドソーンの米国製モカシンは複数持っているが、横幅やカーブライン、ソールの取り付け位置などで左右ピッタリ同じものはほとんどない。
春の三ヶ根山・殉国七士廟再訪
昨日は初夏の陽気だった。
車で1時間弱の西尾市三ヶ根山へ。
この山は全体に常緑樹が多いが、所々に桜も混生しており、散り始めた花が風に舞い、スカイラインをピンクに染めていて美しい。参拝後は休憩所に向かい、旧知の方々と歓談。
近々トレッキングで再訪予定。
ベルクロ縫い付け/自衛隊フライトジャケット
自衛隊のリバーシブルジャケットの左右上腕にベルクロを縫い付ける作業。

画像1/左右表裏に縫い付けるベルクロを定型で裁断。

画像2/正確に位置決めし、まずはオリーブの面に同色のベルクロを縫い付け。

画像3/反対面にネイビーのベルクロ縫い付け。オリーブ側に縫い付けた下糸に沿って縫い付ける。この時、上糸はネイビーで、下糸にはオリーブをセット。

画像4/オリーブ側の仕上がり状態。最初の縫い付け時の上糸と、反対側を縫い付けた際の下糸でコバが二重に縫われている。

画像5/ネイビー側の仕上がり。