店長日記

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私の道具達
私はもともと視力が良くて現在も裸眼で生活しているが、最近では老眼が進んでしまい、細かな作業はこのアイルーペが無いとお手上げである。
これは宝石屋などが石を見る時に目に挟んで使う簡易型の拡大鏡だ。プラスチック製でおもちゃの様な質感だが、これさえあれば時計の電池交換や、シルバー製品の小キズを仕上げ直す時に困ることは無い。ミシンの針を交換する際も、これで針の側面に刻んである番手を読み取ることができる。
今よりもっと老眼が進めば眼鏡を作ることになるかもしれないが、老眼鏡という言葉の響きにはなんだか抵抗がある。
当面は必要な時だけこのアイルーペをたよりにしたい。
本日の修理品
左右の股ぐりが擦り切れて穴が開いてしまった状態の修理品です。
カケツギ修理ではまず現物合わせで当て布の裁断から入ります。今回は9オンスのデニム生地を使い股ぐりのカーブに合わせて裁断して、端はほつれ止めのロックミシンをかけておきます。穴に対してかなり大きめの当て布ですが、生地が薄くなっているので強度を保つ為にもこの程度の大きさが必要になります。
これを裏側に仮留めした上で、生地の目に沿って縦方向にミシンをかけていきます。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
コア・ヤーン
少し前に当店で使わなくなった工業用の環縫いミシンをお客様が引き取って帰られたが、無事にセッティングも完了したようだ。
あり合わせの30番手の糸も付けてあったが、やはりものづくりには素材に適した糸が必要である。ということで主にバッグ用の生成りの帆布に対応出来る色と材質をサンプル帳で選んでもらい、ついでの折に糸メーカーに発注した。選択したものが割と良く使われるようで、メーカーにストックが有り、すぐに送られてきた。
かなり太めの20番手で、コア・ヤーンというポリエステルの芯に綿を巻いたものである。一見すると綿糸だが、芯がポリなので頑丈で太さが一定、染色も可能という優れものである。このコア・ヤーンは、実は多くのレプリカジーンズメーカーも縫製に採用している。頑なまでに綿100%の縫製糸にこだわるメーカーももちろん存在するが、むしろ少数派になっていると思う。
ところで環縫いミシンにはボビンが無く、上下共巻き糸が必要になる。それが業務用であるから一巻5000メーター単位になってしまう。相当たくさん縫わないと無くならないので、趣味の袋づくりなら一生これで持つんじゃないかという長さだ。しかし手芸センターなどで売られている100メーター単位のもの(画像左)と比較するとメーターあたりで30分の1以下の価格なので、相当割安には違いない。
ウォッチブレスレットの電池交換
KC'Sのウォッチブレスの電池交換です。
このロングウォッチブレスは細幅のレザーブレスレットを手首に二重に巻いて留めるタイプです。
ウォッチのケースもそれに合わせた直径2センチほどの小さいタイプが装着されています。裏蓋を開けるときに道具を差し込むノッチも小さく、拡大鏡を見ながらの作業に手間取ってお客様をお待たせしてしまいました。
新品交換した後は2年ほどはご使用いただけます。
新作刺繍ブラッドチット
有名なフライングタイガース部隊は、太平洋戦争開戦前に中華民国の指揮下で日本軍と交戦した、米海、空軍の義勇部隊です。
ブラッドチットはその部隊員が撃墜され、不時着した際に、当時植民地であった現地民に援助を請うための証票で、A-2やB−10等のフライトジャケットの背中に縫い付けられたものです。
さまざまなメーカーからレプリカが販売されていますが、ひとつしっかりとつくり込んだものをということで、刺繍職人にオーダーしていましたが、ずいぶん時間がかかってしまいました。もちろん機械刺繍ではなく、横振りミシンで一点ずつ刺繍しています。刺繍糸に75番手(細番手)のレーヨン糸を使用。全てを一枚のベースに直刺繍するのではなく、刺繍したパーツをベースに乗せて刺繍ミシンで縫い付けるという複雑な工程で仕上げた労作です。重層的で微妙な凹凸感があり、カスタム品と呼ぶにふさわしい出来映えです。後ほどカスタマーサービス/フライトジャケットの頁にUPします。極少数の入荷ですので、ご入用の方はこの機会にぜひご検討ください。

価格/19000円
再度のご来店
しばらくぶりにひょっこり顔を見せてくれた。
一回り大きくなったようである。子猫の成長は本当に早いものだ。毛並みも良く、栄養状態も悪くはなさそう。
この周辺は一本奥に入るとまだまだ草地も多く、完全に室内飼いではないネコや、半野良状態のネコもよく見かける。鳴き声や、糞害を問題視する人もきっといるだろう。
当店の巨大なブーツ看板はマーキングスポットになっているが、私自身は別に目くじらたてるほどのことではないと思っている。
チャップスジーンズ
チャップスと言われても何のイメージもわかない方がこのジーンズを見たら、首を傾げるかもしれません。
チャップス(シャップス)とは、元々カウボーイ達が馬に乗るときにパンツの上から履くレザー製のオーバーパンツのことで、これで風雨をしのいだり、転倒した時に足を守るために開発されたものです。そして鉄の馬を駆るバイカー達にも、実用性とファッション性を兼ねたアイテムとして人気が高いのです。
このFUNNYが製作したチャップスジーンズは、ジーンズの前身頃が二枚合わせになっているデザインで、デニム生地がインシームに挟み込まれ、アウトシームはイングランドコンチョで留め付けられています。実はこれには元型があり、昔、カントリーシンガーのケニー・ロジャースがリリースしたカウボーイジーンズのデザインを踏襲しています。
過日、来店されたお客様が当店店頭のチャップスジーンズ(5セントコンチョタイプ)の購入を希望されましたが、残りサイズが28〜30インチのみとなっていました。FUNNY本社のストックはもとより、FUNNY直営店の店頭在庫もあたりましたが在庫は1本も無く、わずかに残っていたのがタイプ違いでイングランドコンチョを使用したこのモデルです。サイズも若干大きめなので、ウエスト部分をリフォームして対応します。
本日の修理品
そういえばこんなシャツもあったなと、うっすら思い出すシュガーケーンの昔のタグのシャツ。
おそらく90年代半ばくらいに販売していたもの。この頃のシャツは、素材や縫製の仕様は今のものと大差無いものの、サイジングが全く異なります。当時はM、Lの2サイズのみの展開で、しかも現在よりもワンサイズ以上全体に大きいのです。型紙の修正を繰り返すたびにタイトになってきた現在のものと比べ、かなりゆったりしています。このMサイズのシャツを、現行のMサイズに近づけるために大幅な修正を行いました。身幅は左右で5センチずつカット、アームホールも下部で約5センチカットしてカフスに向かって袖下をしぼり、着丈も約6センチカットしました。
マンデラ
一時大流行したドリームキャッチャーとよく混同されますが、マンデラはインディアンの盾を形どったお護りです。
盾に見立てた円形の芯材に、革や羊毛、兎の毛、羽根、ビーズなどで意匠を施してつくられています。今回、FUNNYが少数輸入したものが当店に入荷しましたのでご紹介いたします。大型サイズ(円の直径46センチ、全長92センチ)はほとんど市場に出回っていない大きさです。円高の恩恵もあって価格も4500円とお値打ちです。左下の小径の物は900円での販売です。
インテリアとして漆喰壁や木製のドアなどに掛けてみると良く映えます。
バックペイント完成
シンプルに文字を白抜きです。
塗面は硬化すれば耐水性もあるので、多少雨が当たる程度なら問題ありません。
ビュイック始末記 (ラジエター編)
旧車に乗った経験の無いほとんどの人は、ラジエターの水量を目視で確認したことなどないに違いない。
故障でもない限りはラジエターのクーラントが目に見えて減っていくことなどありえないからだ。
しかし、この車両のラジエターにはもともとサブタンクが付いておらず、水温が上がった時には圧力がかかって、ラジエターキャップの脇に付いたホースからクーラントが外へ自動的に排出されるのである。…早い話が垂れ流し状態なのだ。暑い時期にひとっ走りすると、MAXでコップ一杯くらい減ってしまうので、いつでも補充出来るようにトランクにクーラントを積んでいる。サブタンクを後付けしてクーラントが環流するようにすればいいのだが、まぁそこまではいいやという感じでそのままである。
まだまだ気温の高いこの時期には乗車前に水量のチェックは欠かせない。

注/キャップの付け根の茶色はサビじゃありません。接ぎ目からにじむ程度の水漏れがあったので、耐熱コーキングを塗って塞いだ跡です。
バックペイント鋭意製作中
MA-1の背中に文字をペイントしていきます。
後ろ身頃はダーツが入って曲面になっている上、中綿が厚く、ナイロン生地の位置が安定しないので難しい作業と言えます。繊維に描く場合は染み出しがないように塗料の粘度を上げて描きますが、筆の動きと同時に生地も動いてしまうのです。
「市民活動家」入党
本日のニュースより

辻元氏、民主入党へ
社民党を離党後、無所属で活動していた辻元清美前首相補佐官(衆院大阪10区選出)が民主党に入党することが7日、分かった。同党大阪府連は10日に常任幹事会を開き、辻元氏の入党を了承、10区支部長への就任を内定する見通しだ。
辻元氏は昨年7月、社民党に限界を感じたとして離党を表明。同9月に民主党会派に加わったが、党籍は無所属のままだった。
 (以上引用)

2007年の参院選の時、たまたま名古屋駅の東口で、社民党の候補の応援で来名していたこのオバサンが応援演説に立ったのに出くわした。
自身も愛知に住んでいたことがあるとかなんとかしゃべっていたが、そこそこ知名度があったにもかかわらず、道行く人はサラリーマンであれ学生であれ、ほとんど誰も足を止める人はいなかった。組合関係の動員らしきロートルの人達が旗をもってつまらなそうにしていたのを思い出す。
この人や、当時の社民党に対する世間の正直な反応はそんなものなのだと思った。現実感のない政策はもうとっくに世間から見限られ、労組や婦人団体の組織票だけで少ない議席をキープしているのにすぎないのだ。
それが民主党政権になり、数合わせで一時期政権中枢にまで入り込む事態になってしまった。一般国民のほとんど誰からも期待されていないのにである。
夢よもう一度と本人は思っているのかもしれない。
とにかく沈みかけた社民党から飛び出して政治的延命をはかったのだ。
自虐史観に取りつかれ、「国家の枠を崩壊させるのが私の役割」と言い放ったこのキチガイ女の本性はもちろんそのままだろう。
左派の連中と共に、外国人参政権や人権救済法も積極的に推し進めるに違いない。

メディスンバッグ+スタッズ
メディスンバッグの蓋を、アシメトリーにスタッズで飾りました。
デザイン線はお客様が銀ペンで引き、その中を二本爪のスタッズで埋めていきます。スタッズとスタッズの間隔は打ち具が干渉しないギリギリで取っています。
ベースがしっかりと厚みのある牛革なので、ボコつきもなく綺麗に収まります。
パッチ縫い付け
MA-1ベースにフルパッチ仕様制作。
背中に文字のペイントも入れていきます。
ソプラノズ
コメディーの要素も多少入ったファミリードラマといったらいいのだろうか。
この場合のファミリーは、もちろん本来の家族という意味と、主人公トニー・ソプラノが率いるマフィアのファミリーと両方の意味がある。
この連続TVドラマは、表向きは裕福な産廃業者で一男一女の一家の主、一方でニュージャージーに君臨するマフィアのボスという二つの顔をもつ男の日常を、実在の人物をモデルにかなりリアルに描き込んだ傑作シリーズである。
主演はジェームズ・ギャンドルフィーニ、スティーブン・ヴァン・ザント、ロレイン・ブラッコ、イーディ・ファルコら。
ギャンドルフィーニ演じるトニーは、ナポリに起源を持つ、イタリア移民の末裔である。陽気で押し出しの強いボスで、殺人もいとわないが、パニック障害の持病もかかえ、内緒で精神科医のカウンセリングも受けている。組織内外に多数のトラブルをかかえ、家庭問題にも悩みは尽きないが、日々せっせと稼業に励んでいる。
毎回のように劇中で、ゴッドファーザーやグッドフェローズといった映画の登場人物をマフィア達が俎上にのせるのも楽しい。
物語りは第6シーズンまであるが、実はまだ第2シーズンまでしか観ていない。それでも一話ごとの完成度の高さは、さすがに数多の賞を受賞しただけのことはある。個人的には24(TWENTY-FOUR)などよりはるかにこちらの方が面白い。
TVシリーズでこんなに熱中出来るのは、ジャンルはぜんぜん違うがロンサム・ダブ(モンタナへの夢)以来じゃなかろうか。
本日の修理品
定尺ベルトは、量販品のユニバーサルベルトのように、ハサミでカットして長さを調整することは出来ません。長すぎる場合は奥に穴を空け足すこともありますが、やはりバックルの付けの部分をカットして長さをぴったり合わせたほうがスッキリおさまります。
名古屋市のお客様がお持ちになったこのベルトは、真鍮の無垢のパーツを使用したカスタム品で、かなり年季が入ったモノのようです。仕上がりで約6センチ短くなるようにします。

画像上/曲げ代を残して革包丁でカット。

画像2/革漉き機に入れて新しい折り返し部分を薄くする。

画像3/折り返し部分を漉いたら、必要な穴をポンチで開けていきます。

画像下/完成。

今回の工賃/2000円
ネームプレート鋭意製作中。
台風が上陸して、強風でショップの正面扉があおられて勝手に開いたり閉じたりしています。
幸い雨は収まっていますが…。
これが過ぎればかなり秋らしい気候になるのではないかと思います。店頭には既に冬物の商材も入荷しており、フライトジャケット関連のお問い合わせもいただいています。
今日は九州の方からご依頼いただいたネームプレートを製作しています。印字が完成した後、コバをカットし、下穴をあけて縫い付けです。
名著であるため、ご紹介
『なぜ宇宙人は地球に来ない?』松尾貴史著 PHP新書

この多芸多才な関西人は、そこいらのハンパ芸人の域を超えた異能を感じさせる。
オカルト懐疑派としても積極的に発言しており、なんとなく勝手にシンパシーを抱いているので、言動にも注目している。
本書はモノ・マガジンに連載した「超常俗物図鑑」を加筆、修正したもので、世にはびこる超常現象や占いをネタにした霊感商法から、疑似科学を利用した企業の商品売り込みまで、持ち前の懐疑精神で厳しく、かつ楽しそうに批判を加えている。おなじみの低劣なインチキ霊感詐欺師や自称Dr風水詐欺師だけではなく、大手家電メーカーまでもが御用学者を使って箔付けして売りまくった「マイナスイオン云々」などの商品は、極めて根拠が薄弱で詐欺的であると断じている。TV業界に身を置いていながら、スポンサードする有力企業にも全く気を使っておらず、自由に発言している。
この人は元来、世の不思議に対する興味が尽きないのだろう。その上で、常識を失わず、思考停止にならず、客観的に物事を観察して発言する姿勢を維持しているのだ。
一方で、まともな社会生活を踏み外さないかぎりはオカルティズムにも寛容である。「イワシの頭も信心から」ということで、小馬鹿にしつつもけして追い込んだりはしない。
その点、「科学的にありえなければありえない」の立場でオカルト信者に対してかなり攻撃的、啓蒙的な大槻義彦氏とは若干スタンスが異なると思う。
パッチ縫い付け
タンカース(TANKERS)ジャケットは、名前の通り、元々第二次大戦時に戦車兵が着用したものです。
左右の切りポケットが極端に上に付いているのは、狭い戦車の中で座り込んで物を出し入れする為です。それを航空隊のパイロットが流用したものは「空飛ぶタンカース」と呼ばれ、陸軍航空隊のスコードロンパッチを取り付けたものも存在するようです。
今回は千葉県のお客様からの依頼で、右胸と左腕に当店で製作した航空隊の刺繍パッチを縫い付けました。
タンカースはハリウッドの戦争映画によく登場しますが、印象に残るところでは「プライベートライアン」のトム・ハンクスが、舞台となったヨーロッパ戦線で着用していました。
また、もはや古典となった「タクシードライバー」では、ベトナム帰りの海兵隊員の設定で、ロバート・デ・ニーロが着ています。