店長日記

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本日の修理品/リーバイス ビンテージ501XX
レプリカではなく、本物の501ダブルエックス。
国内縫製に拘ったバッグを展開するバトラー・バーナー・セイルズの山田社長の私物。
60年以上前の生産品で、生地そのものがダメになっており、指で突くだけで穴になる状態。とても実用レベルではありませんが、なんとか足を通して外に出られるくらいには修復したいということで、承りました。
相当の範囲を裏張りすることになり、作業スペースが空き次第、まずは解体から入ります。
サドルソープで丸洗い
先週末にタライで水洗いした自前のアローモカシン。
すっかり綺麗になったところで、油分も抜けているのでオイルを入れ直すが、その前にサイズを微調整。左足が少し小さいのだ。
これは私の左足が大きいわけじゃなく、仕上がりのバラツキによるもの。
木型できちんと成型するシューズと違い、一枚革を縫製で仕上げるモカシンは、どうしても縫い上がりで均一性に欠ける。
ハンドソーンの米国製モカシンは複数持っているが、横幅やカーブライン、ソールの取り付け位置などで左右ピッタリ同じものはほとんどない。
春の三ヶ根山・殉国七士廟再訪
昨日は初夏の陽気だった。
車で1時間弱の西尾市三ヶ根山へ。
この山は全体に常緑樹が多いが、所々に桜も混生しており、散り始めた花が風に舞い、スカイラインをピンクに染めていて美しい。参拝後は休憩所に向かい、旧知の方々と歓談。
近々トレッキングで再訪予定。
ベルクロ縫い付け/自衛隊フライトジャケット
自衛隊のリバーシブルジャケットの左右上腕にベルクロを縫い付ける作業。

画像1/左右表裏に縫い付けるベルクロを定型で裁断。

画像2/正確に位置決めし、まずはオリーブの面に同色のベルクロを縫い付け。

画像3/反対面にネイビーのベルクロ縫い付け。オリーブ側に縫い付けた下糸に沿って縫い付ける。この時、上糸はネイビーで、下糸にはオリーブをセット。

画像4/オリーブ側の仕上がり状態。最初の縫い付け時の上糸と、反対側を縫い付けた際の下糸でコバが二重に縫われている。

画像5/ネイビー側の仕上がり。
ベルクロ縫い付け/自衛隊フライトジャケット
以前同様のパイロットジャンパーにベルクロを縫い付けたことがあり、その記事をご覧になってのご来店。
依頼内容は、オリーブ/ブルーのリバーシブル仕立ての両腕表裏に、それぞれの色のベルクロを取り付けるというもの。
両胸(オリーブ面のみ)にはすでにベルクロが取り付けられており、リフォーム屋さんでの仕上げということです。両腕、しかも表裏同位置にベルクロを取り付けるということで、リフォーム屋さんでは対応できなかったということでした。
作業は、まずどちらか片面両腕にベルクロを取り付け、反対面は取り付けの下糸のステッチをカバーするようにベルクロを置いて縫い付けます。
つまり工程としては、左右表裏同位置に4枚のパッチを取り付けることになります。
ベルクロはお客様持ち込み。
明日、ベルクロの裁断から作業を行います。
エアフォースパッチ完成
定番のショルダーパッチの仕上げ工程。
背景の濃紺で境目をきっちり塗り分け、羽根の部分には少し濃淡を加えて立体感を持たせます。
馬革のトリミングを縫い付けて完成。

価格/7000円(税別)
バックル交換
以前お買い上げいただいたケイシイズのハンドクラフトベルトに、ファニーのクーパーバックルの取り付け。
共にベルト幅の規格は38ミリ(1+1/2インチ)なのですが、実はわずかにケイシイズの方が幅が広く、この組み合わせだとバックルがスムーズに収まりません。革帯の両脇を少し削れば収まるので、1ミリ弱ずつ削って取り付けいたしました。

画像1/ピューター製のクーパーバックルに交換。西部劇スターのゲイリー・クーパーにちなんだ名称。

画像2/バックル取付幅で2ミリ弱ほどの違い。

画像3/革帯の取付位置の左右をわずかに削る。

画像4/削った面は糊で仕上げ。

画像5、6/交換完了。
サドルソープで丸洗い
天気も良いので、今からの時期に重宝する自前のモカシンを丸洗い。
分厚い一枚革をハンドソーンで仕上げたアローモカシン。古い油分を落とし、濯ぎ洗いをして一日風に当てて日陰干し。
乾いたら、あらためてオイルを入れ直します。
本日の修理品/バズリクソンズ B-29
たまに有ります、コンマッチックファスナーの初期不良。
スライダーのボックスに差し込むピンの先端のテープ切れ。これは部分的な補修は出来ないので、メーカーへ返送し、ファスナーごと交換となります。
今回は無償にて、特急での修理対応とさせていただきます。

原則的にパーツ交換(ジッパー、リブ等)を伴う修理の場合は、パーツ管理の都合上、メーカーでの対応となります。当店で修理伝票を添付し、メーカー工場にて修理いたします。尚、有償無償にかかわらず、バズリクソンズの製品であっても当店で販売した商品以外はお受けしておりません。お買い上げになった販売店にてご相談ください。当店に販売記録のある商品につきましてはメーカーへの発送、修理代の見積もり、納期管理等責任をもって承ります。
FUNNYインディアン・モカシン
ファニーのオーダーメイドモカシン。
店頭にご用意しているサンプルで、素材、色、デザインを選択していただき、ファニーの大阪工場で製作しております。
今回はスムースレザーを使ったサンダルタイプと、スムースレザーとシュリンクレザーを組み合わせた子供用スリップオン。

画像1/子供用はオプションの花火ビーズ取り付けで、総額7200円(税別)。脱ぎ履きしやすいよう、ストラップはベルクロ留め。

画像2/比較的新しくラインナップに加わったサンダルタイプ。コンチョは鹿角を輪切りにしたもの。アウトソールはアメ色のクレープを組み合わせ。総額16700円(税別)。

画像3/店頭にレザーのサンプルをご用意しております。

*店頭にて注文製作を承ります。12種類のデザイン、30種類以上の素材、3色のソール、コンチョやビーズのオプションなどを自由に組み合わせて頂く亊が出来ます。子供サイズ(13〜20センチ)男女サイズ(23〜29センチ)。ご注文より納品まで約1ヶ月半かかります。
ウォッチブレスレットの電池交換
年数を経ていますが、丁寧にお使い頂いていて状態の良いエレファントレザー。
ノーマルの5セントコンチョは、三箇所とも純銀ビクターに交換済みです。

当店で販売するKC'S(ケイシイズ)のウォッチはシチズン製クオーツで、販売時に、内蔵されているボタン電池で針を動かし、動作確認の上でお渡ししております。
電池の寿命は最長2年で、電池切れの場合には店頭に常時交換用の電池をストックしておりますので、格安にて即時対応いたします。

*工賃込みの価格500円(税別)

*当店で販売した商品のみの受付とさせていただきます。
エアフォースパッチ鋭意製作中
こちらは最もポピュラーなエアフォースマークのショルダーパッチ。
前回製作した第5空軍章と配色は変わりませんが、色を乗せる順序を逆にし、淡色を先に塗って背景色のブルーで境目を追っていきます。

画像1/切り出したヌメ革に、まずは星をペイント。仕上がりよりもやや大きめに。

画像2/羽の部分の地色を大雑把に塗る。いつもは境界を綺麗に塗り分けるために白い部分を先に塗り、その後周辺色を乗せているが、今回は逆にネイビーから塗ってみた。

画像3/背景のネイビーでアウトラインを塗っていく。
大阪出張
昨日は恒例の大阪出張。
新幹線で大阪に着くと、地下鉄、近鉄を乗り継いで、まずは荒本にあるファニー本社を訪問。
担当氏はこの春定年を迎え、現在有給休暇の消化中。定年後も不定期でファニーの勤務を続けることが決まっており、お付き合いの長い当方にはありがたい。客注案件がいくつかあって、顔見知りの若手社員の方にバックオーダーをお願いした。現物でピックアップした商品はまもなく入荷予定。
その後、東洋エンタープライズの展示会で心斎橋まで移動。
秋冬の定番商品に加え、素材から製作したビンテージのリプロ商品が並ぶ。昨年度に価格見直しがあったので、今期はほとんど値上げはない模様。
名古屋に帰着後は「やばとん」で食事。ボリュームがあって美味しいが、今日はちょっと胃もたれ気味。

画像1/行きの新幹線の中。読書タイム。

画像2/東洋の展示会場にて。年間通じて花粉症の担当野崎氏。この日は色鮮やかなサーマルシャツ(社外品)でお出迎え。

画像3/名古屋へ帰着後、久々に「やばとん」で夕食。

画像4/野崎氏のご厚意で、当店のお客様向けに非売品のバンダナをご提供いただきました。アイテムにかかわらず、東洋製品をお買い上げいただいた方にお付けします(先着6名様)。
ライダースウォレット+50¢スターコンチョ
お客様のご要望でライダースウォレットをあえてストラップレスで発注し、コンチョは意匠として本体に直留めします。
取り付けるコンチョは1964年のみに生産された900/1000の50セント・シルバーコインをベースにファニーでカスタムしたもの。コインの上にシルバーの台座と星型のブラスをロウ付けし、手作業で彫り物が入れられています。
ちなみに、最近流通している50セントのオールドコインは1965~1969年の400/1000シルバーが主流になっており、絵柄は全く同じですが、銀貨としての価値はそれほど高くありません。

画像1/ラティーゴレザーのライダースウォレットと同素材のキーホルダー。

画像2/ドロップハンドルも未装着のため、取り付け用の穴を開けて固定。

画像3/意匠のコンチョはお客様指定の位置に…。ジグを差し込んで表側だけに穴開け。コンチョの裏側はケネディの横顔。

画像4/キーホルダーにもワンウェイスナップでコンチョを取り付け。ウォレットレーンも同色のラティーゴレザー製をセットでお使いになります。
大阪府議会、維新が過半数 これからどうなる都構想

大阪維新の会は知事・市長のダブル選で完勝したことに加え、定数88の大阪府議会でも単独過半数を獲得することが確実となった。今後、大阪都構想を話し合う法定協議会で、維新単独で制度案をまとめられる可能性が高まり、実現に一歩近づいた。ただ2度目の住民投票に持ち込むには、府市両議会での制度案の議決がいる。過半数に届かなかった市議会では他会派との調整が必須だ。選挙戦ではいずれも反都構想で結束していた各党が、ダブル選や府議選での「民意」を踏まえどう出るかが注目される。
(以上引用)

維新の政策に対して対案を出すわけじゃなし、自民以下は防戦一方だった印象。
私の知る範囲では、府民では維新寄りの人が多かった。
さて、明日はその大阪へ日帰り出張。
エアフォースパッチ完成
画像では伝わり難いんですが、塗面に多少の凹凸感と刷毛痕も残して仕上げとしています。
手描きのタッチを残しつつも形を崩さず、尚且つプリントのように安っぽく整いすぎないあたりを狙っております。シンプルなデザインですが出隅が多く、非常に手間のかかるパッチです。
継続製作のため低価格設定。

価格/8000円(税別)
本日のニュースより
台日友好、令和でも 台湾元少年工2人、旧交温め 伊勢原

太平洋戦争中、神奈川県の座間、大和両市にあった旧日本海軍の航空機工場「高座海軍工廠(しょう)」で働いていた台湾人の元少年工2人が2日、伊勢原市内を訪れ、日本人の元同僚や友人らと旧交を温めた。1日に新元号「令和」が発表されたが、2人は「高齢となったが、令和の世も台日両国の友好のために尽くしたい」と語った。同工廠では1943(昭和18)年から、志願して選抜試験に合格した台湾人の少年工約8400人が戦闘機「雷電」の生産などに携わった。現在も「日本は第二の故郷」と懐かしみ、日本人の元同僚や遺族らと毎年交流を重ねている。
この日は、日本人の元工員や軍人を中心とする「高座日台の会」が開いた年次総会に出席するため、来日した。台中市から訪れた元少年工の何春樹さん(89)は「今年も元気に再会できてうれしい」と語り、同会の会長で女学生時代に工廠に勤務した佐野た香さん(91)は「お互いに高齢になって参加できない人も増えている。体が続く限り交流を深めていきたい」と笑顔を見せた。
(以上引用)

これこそがマトモな国際交流というもの。
70年以上経ても信義を忘れない人達がいる。
台湾同様日本と合邦であった朝鮮半島の徴用工はカネをせびってくるのだから、民族性の違いが際立つ。
エアフォースパッチ鋭意製作中
一応定番商品として展開している手描きの第5空軍ショルダーパッチ。
ストックが無くなったので補充制作。
今回はトリミングにホースハイドを使用。

画像1/金型でトリムを打ち抜き。プレスが無いので、大型のハンマーを使う。

画像2/いつもは境界を綺麗に塗り分けるために白い部分を先に塗り、その後周辺色を乗せているが、今回は逆にネイビーから塗ってみた。

画像3、4/細筆で細かく出隅を追っていくのは難しい。
本日の修理品/シュガーケーン スタンダードジーンズ
濃紺状態からの着用で美しく色落ちしたスタンダードタイプ。
昔ながらの耳付きデニムを使用し、長らく12800円(税別)の価格を据え置いてきましたが、昨シーズン14800円(税別)に値上がりしました。それでも、この手の製品の中では抜群にコストパフォーマンスに優れていると言えます。ムダに高いだけのレプリカジーンズは沢山ありますので…。
インシームの太腿部分が左右で擦れ合って穴になっていますので、拡がらないように裏張りしてタタキで補修しておきます。

画像1/普通の洗濯を繰り返して数年着用。

画像2/ビフォー。インシームは縫い代片倒し(現代的なジーンズは二本針巻き伏せ)で、穴が広がりやすい。

画像3、4/アフター。
スマホケースリメイク
昨日の続きで、スマホケースのあき口の形状修正。

画像1/剣先抜きでU字に切り込みを入れたところからあき口までは、逆カーブのラインに沿ってナイフで切っていきます。

画像2/裁ち端を綺麗に仕上がるため綿棒で糊付け。

画像3/糊が乾く直前にコバ磨き。

画像4/作業完了。