店長日記

6609

ジェリー・リー・ルイス
たたきつけるような強烈なピアノの旋律と、吠えたてるようなボーカル。
「ザ・キラー」ことJERRY LEE LEWISは1950年代から変わらぬスタイルで、75歳を越えた今でも現役のロックンローラー&カントリーシンガーです。
つい先頃、新作アルバム『MEAN OLD MAN』の発売が決まりました。
前回の「LAST MAN STANDING」も、この生きる神話のような爺様のために集ったミュージシャンの顔ぶれはスゴかったんですが、今回もストーンズのメンバー始め、リンゴ・スター、ジョン・フォガティ、ウイリー・ネルソン、マール・ハガード、ティム・マッグロウ、キッド・ロック、シェリル・クロウ、エリック・クラプトン等々当代一流のスターが華を添えています。
スタンダードナンバーが多いですが、ただの懐メロ集のはずがありません。
久々に発売が待ち遠しいアルバムです。

「MEAN OLD MAN」JERRY LEE LEWIS

Mean Old Man (with Ronnie Wood)
You Can Have Her (with Eric Clapton, James Burton)
Dead Flowers (with Mick Jagger)
Middle Age Crazy (with Tim McGraw, Jon Brion)
Rockin’ My Life Away (with Kid Rock, Slash)
You Are My Sunshine (with Sheryl Crow, Jon Brion)
Swinging Doors (with Merle Haggard, James Burton)
Hold You In My Heart (with Shelby Lynn)
I Really Don’t Want To Know (with Gillian Welch)
Railroad To Heaven (with Solomon Burke)
Sweet Virginia (with Keith Richards)
Roll Over Beethoven (with Ringo Starr, John Mayer, Jon Brion)
Bad Moon Rising (with John Fogerty)
Please Release Me (with Gillian Welch)
Whiskey River (with Willie Nelson)
Sunday Morning Coming Down
Will The Circle Be Unbroken (with Mavis Staples, Robbie Robertson, Nils Lofgrin)
Miss the Mississippi and You
本日の修理品
持ち込みでの加工依頼です。
イタリアンカジュアルの雄、ディーゼルのデニムですが、膝頭が出るくらいの位置でカットしてショートパンツにしました。これから夏の間中、活躍してくれそうですね。

余談ですが、このあたりのイタリアンブランドは、現在、中国の温州でつくられているものがほとんどだと思います。商社の連中は温州を「中国のミラノ」と呼んでいるぐらいです。そして皮肉なことに、かつてイタリアで生産していた頃よりも品質が向上していたりします。
私見ですが、イタリア人のアバウトすぎる国民性は均質な工業製品を作るのに向いていないと思っています。
メーカー時代にインポートのイタリア製品(スポーツジャケット、スーツ、セーター等)を短期的に扱いましたが、どのアイテムも日本の検品基準をそのままクリアできるものがほとんどなく、大幅に手を入れる必要があり、ウンザリさせられたことがありました。トップランクの工場であっても、縫製の粗雑さはもちろん、縫い残しがあったり、同じサイズ表記なのに大きさがバラバラだったり、日本の専門店や百貨店にそのまま出荷したらクレームの嵐になるような商品のオンパレードです。
イタリア人は、プライドと言い値だけはバカ高くて販売先の事情を考慮することはありませんし、一方で日本の消費者にはイタリアもの信仰が根強くありました。そのギャップがあまりに大きすぎ、間を埋めるのが大変だったのです。「イタ公、いいかげんにしやがれ!」と毒づきながら仕事をしていました。
クリエイティビティーはあっても製品としての完成度が低いというのは、イタリア製の車などにも共通するんじゃないでしょうか?…私自身は乗ったことありませんけどね。推して知るべし。
本日の修理品
他社製品ですが、裾の上げ直しのご依頼です。
リーバイス社の501XXレプリカで、おそらく日本企画のものだとおもいます。お客様が購入時に販売店で裾上げしていますが、仕上がりが長すぎる上、ワークパンツのように太く三つ巻きされていました。長さが4センチ短くなるようにカットし直し、チェーンステッチで細く巻き直しです。本体が中古加工されているので、裾線もアタリをつけて中古風に仕上げました。

工賃1500円
本日の修理品
ジーンズのボタンホールが緩くなって掛かりが悪くなっていませんか?
ホールの鳩目部分が使用にともなって広がってしまうのは避けられません。適切な補修をすればきちんと留められるようになります。画像は3年程前に販売したドゥニームの66タイプです。とくに細身のジーンズは、座ったときに前身が引っ張られるので、ホールに負荷がかかりやすいようです。
今やキャブレターは少数派
環境対策や燃費向上に軸足を置いた業界の取り組みで、バイクのインジェクション化が一気に進んだことに驚いています。
ほんの一昔前まで、「フュエルインジェクションのバイク?…ふ〜ん、暖気もいらないなら楽だねぇ」とかなんとか話していましたが、今やそれが主流です。あの、超低燃費のスーパーカブまでインジェクションになってしまうとは考えもしませんでした。
しかしバイクが通勤手段になっている方ならともかく、嗜好品として愛用するぶんには、快適性や低燃費性よりもテイストの方が大事であると考える人が多いのは言うまでもありません。気候によって多少調子が異なるのも一興です。コンピューター制御されたものより機械式の方が、嗜好品としては苦労しながらも楽しめると思います。
ともあれ、バイクの性能向上とは裏腹に、国内のバイク業界は深刻な売り上げ不振が続き、復調の兆しが見えないのは大変ですね。
オンブレチェック・ウエスタンシャツ
SHOPでリリースしているウエスタンシャツの新柄です。
パステルカラーの美しいオンブレチェックの生地で製作しました。さらさらと肌触りが良く、秋口や春先には重宝するとおもいます。
このシャツは裁断と縫製を一人の職人さんにお願いしています。手裁断のため、前後左右の柄合わせも完璧です。スナップ釦の打ち込みは店頭でおこなっていますので、いまから作業にかかります。
空自ジャンパーにベルクロ縫い付け
関東の方からご依頼いただき、航空自衛隊のパイロットジャンパーにパッチ用のベルクロを縫い付けました。
フライトジャケットでは、パッチを直に縫い付ける場合が多いですが、大きめのベルクロをボディに縫い付けておいて、裏にベルクロの付いたパッチを乗せて固定することもあります。このやり方だと後々パッチを差し替えるときには手間がかかりません。米軍のCWU系などではよく見られます。今回は右胸に1カ所、左胸に2カ所、左右の上腕部に1カ所ずつ縫い付けました。
このパイロットジャンパーはツイル地で、表がカーキ色、裏が濃紺のリバーシブル仕立てになっています。官給品ゆえに製品表示は付いていませんが、表裏とも縫製は素晴らしく、細部まできちんと縫われています。
その点、米軍関係の衣料は全体に大雑把につくられています。作業服としての縫製基準を満たしていれば充分という考えなのだとおもいます。
スタッズベルト製作中
当店定番のスタッズベルトのポイント部分は同径のアクリルカラーに変更可能です。
今回はお客様のご希望で、5カ所のポイントすべて赤のスタッズにして納品しました。カラーは5色(赤、黄、黒、薄青、クリア)用意しています。色変更はオプションで、1カ所につき100円プラスとなります。

価格13440円+100円×5個=13940円(税込み)
本日の修理品
エターナルのデニム・ウエスタンシャツの着丈ツメです。
裾の形状に沿って約6センチと大幅にカットしました。今回は三つ巻きせずに、裁ち端をミシンでロック始末としました。厚めの生地でもごろつかず、スッキリと仕上がります。この始末はラングラー(USA)系のウエスタンシャツでよく用いられています。両サイドのシーム部分にはほつれ止めをしてお渡ししています。
ーーーーーーー
本日のニュースより 
落選した千葉法相に「続けて」と仙谷官房長官
菅直人首相は12日午前、仙谷由人官房長官、民主党の枝野幸男幹事長と公邸で会談し、参院選神奈川選挙区で落選した千葉景子法相の進退について、続投させる方針を確認した。千葉氏は69万6739票を獲得したが、落選していた。
仙谷氏は会談後、記者会見で「9月中には民主党代表選があり、参院の執行体制も新しく作られることになる。行政の継続性という観点から、続けていただくことが望ましい。首相と再確認した」と述べた。
平成16年の参院選で、当時の野沢太三法相(自民)が出馬しなかったため、選挙後も「民間閣僚」として約2カ月間、閣僚を務めたことがあった。ただ、現職閣僚が落選し、その後も閣僚にとどまることは極めて異例といえる。民意を無視した行動といえるだけに、国民の理解を得ることは難しそうだ。
(以上引用)

えぇ〜っ!このオバサン、居座るつもりか!
行政の継続性?…売国法案提出のことでしょうか?法務大臣の職責の死刑執行もずっとサボタージュしてますけど…
さきほど投票に行ってきました。
比例はたちあがれ日本、地方区は自民候補へ票を投じてきました。
私は「夜警国家論」の立場で、国政を担う政治家には、国防、外交、国内治安に対する姿勢が最も重要であると考えて、その観点から選択しています。
経済や福祉がどうでも良いとは思いませんが、そういったことは、そもそも政治家に過剰に期待していませんし、むしろ国民の自助努力のほうがより重要だと考えています。消費税が上がろうが、子供手当がもらえようがもらえまいが、それがそれほど大事なテーマだとは思っていません。原資が集まらなければ高福祉などありえないし、最初に福祉ありきでは、コジキ根性の連中に食いつぶされるのがオチです。
それよりも与党民主党には敵性国家のために働いているようなのがゴロゴロいますから、この連中を排除するのが喫緊の課題だと思っています。
平沼新党が一つでも二つでも議席を増やしてくれるのを期待しています(タイゾーと中畑以外で)。
本日の修理品
先月ご依頼いただいたバズリクソンズのA-2のリブ交換が完了し、メーカーより返送されてきました。
本品は当店が15年前に販売した製品で、当時のリアルマッコイズのラインで生産されたものです。担当者と相談して現行のバズのリブパーツを使用しましたが、全く違和感もなく、修理跡もほとんどわからないぐらいの仕上がりです。
袖口のリブ交換は、一般の方が考える程簡単ではありません。袖リブの取り付けは、「中表」にされた状態で、表地のレザーと裏地のブロードでリブをサンドイッチして、一回の地縫いで仕上げます。中表にするためには、袖口部分を解体するだけではなく、身頃の裾リブの一部を外した状態で、裾から表地と裏地の間に手を入れて袖口を外に引っ張り出す必要があります。その状態で縫い付け作業をし、袖を元に戻したら、裾リブも元通りに縫い直さなければなりません。
非常に手間がかかる上、かなりの作業スペースが必要になります。
メーカーの工場で修理対応してくれるのは、SHOPとしてはありがたいことでもあります。

*バズリクソンズ製品の修理についてお問い合わせいただくことが多いのですが、パーツ交換(ジッパー、リブ、スタッド等)を伴うメーカー対応修理につきましては、当店で販売した商品以外はお受けしておりません。お買い上げになった販売店にてご相談ください。当店に販売記録のある商品につきましてはメーカーへの発送、修理代の見積もり、納期管理等責任をもって承ります。
*パーツ交換の必要がない修理、カスタムワークは、都合のつく限り持ち込み品にもSHOP内で対応しております。
ブライドル&ラティーゴ
FUNNYのレザープロダクトで定番として多用される無地の牛革は、色によって素材が異なるのをご存知でしょうか?
画像上からタン、ダークブラウン(ハバナとも表記)、ブラウン(バーガンディ、レッドとも表記)、ブラックの4色が基本ですが、このうちタンとダークブラウンはブライドルレザー、ブラウンとブラックはラティーゴレザーをそれぞれ染め分けたものです。
ブライドルは、英国発祥の馬具用レザーで、ロウを含ませて強度をあげたものです。タンは使い込むことでアメ色に変化していき、ダークブラウンは、摩擦によってつやつやと輝き出します。
ラティーゴは西部開拓時代から続く、アメリカンオイルドレザーの代名詞です。油分が染みこんだ強靭な革は、独特の粘りがあり、使用にともなってしっとりと落ち着いた風合いが得られます。
一見同素材の色違いのように見えますが、それぞれに特性があり、使い込むことでその違いが出てきます。
さらに言えば、カービング用のツーリングレザーは、このどちらとも異なるものです。ロウ質の革や、油分を含んだ革に彫り物を入れることは出来ません。したがって、同じ色でも、無地の製品と、彫りの入っている製品は、全く違う革を使っているのです。

*店頭には、使い込んだレザー製品のサンプルを数種類ご用意しています。
本日の修理品
50セントキーホルダーのナスカンの回転軸が摩耗し、すっぽ抜けてしまっているので新品に交換いたしました。
ナスカンのキーリングに山ほどいろんなものをぶら下げてご使用になっているようで、負荷がかかる分、軸の摩耗が早かったようです。適正使用でも金属パーツは消耗品なので、いずれ交換が必要にはなりますが…
ナスカンは、スナップボタンのメスで本体にカシメられているので、ナスカン交換の際にはスナップボタンごと交換になります。革を傷つけずにカシメ部分だけを削って取り外し、新品のナスカンを挟み込んでスナップのメスを打ち直します。
所要時間は10分程です。

*ライダースワレットや携帯ホルスターに付属するナスカン(茄子カン)はダイキャスト製で、大事に使って頂いたとしても、いずれジョイント部分が摩耗したり、スプリングが破損することは避けられません。当店では常時各サイズに合わせたパーツをストックしておりますので、即日対応出来ます。(当店で販売した商品以外はお断りする場合がございます)。
シンチバック製作
シンチバック(尾錠)は、ジーンズがサスペンダー付きのパンツであった頃のなごりのディテールです。シュガーケーンでも数型ラインナップにありますが、ジーンズの初期モデルのレプリカということで、それに準じて比較的ライトオンスの生地を採用しています。今回は、お客様が生地厚のあるもので尾錠付のものをご要望でしたが、該当するものがメーカーになく、それじゃ作りましょうということで、14,25ozのユニオンスタージーンズをベースに共生地で製作したシンチバックを取り付けました。生地は裾あげの時の裁ち残りの耳部分を使用。金具は、昔古着から取り外した銅メッキのものがあったので、それを流用しました。縫い付けの後、銅無垢の打ち抜きリベットで補強してあります。後ほどカスタマーサービス/ジーンズ関連項目としてUPしますので、ご覧下さい。
なにがダメなの?
先日のニュースより 
たちあがれ日本は3日、参院選比例代表から立候補していた社会福祉法人理事長、足高(あしたか)慶宣(よしのぶ)氏(56)を除名し、比例名簿から削除すると発表した。
足高氏が3日夕、尖閣諸島(沖縄県石垣市)に上陸を試みようとしたことについて「党の方針に反する」と判断した。園田博之党紀委員長は産経新聞に対し、除名理由について「売名行為であり、外交上の問題になる」と説明した。
足高氏の事務所は「党の方針に反するとは考えていない」と話している。
たちあがれ日本は参院選公約で「北方領土や竹島、尖閣諸島、沖ノ鳥島などをめぐる『領土外交』を強化し、領土を侵犯する動きに対しては毅然とした対応を取る」としている。
(以上引用)

この足高というひとが、どういう意図で尖閣諸島に向かおうとしたのか本人のコメントがないのでわかりませんが、園田氏の言う「売名行為であり、外交上の問題になる」だから除名するということが、どうもよくわかりません。
選挙が差し迫った時期には、各候補者は全国各地で一人でも多くの有権者に名前を売るため、自分の名を連呼し、パフォーマンスを繰り返しています。そのなかで選挙の当事者が、自分の主張にもとづいて国際法上でも明確な日本の領土、尖閣諸島に渡るのがなぜ問題なのか。これが選挙のための宣伝行為だとしても何がいけないんでしょうか?
国際問題…???
これが国際問題になるのなら望むところで、本来主張すべきところを主張すれば良いのでは?
それでこそ、とりわけ領土問題に熱心に取り組んでいるたちあがれ日本の存在意義があるのではないか。応援団長の石原氏も、過去に西村真悟氏らと尖閣上陸を試みています。そのくらいの気構えがなければ真正保守の名が泣くと思いますが、いかがなものでしょうか。
染めQ
よほど業績が伸びているのか、最近TVコマーシャルまでやっている染めQです。
ちょっと古くさいイメージのCMで、あまり説得力が無いんですが、この染めQ、実はけっこうなスグレものです。
当店ではレザーケア商品の一部としてブラックとブラウンの264ml缶を販売しています。ものは試しと数年前に、古くなったウエスタンブーツを着色したところ、しっかりと定着したので、続けて車のシート(画像)にも使ってみましたが、充分使用に耐え、剥離することもありません。
(染めQ)とは言っても染料というわけではなく、有機溶剤を使ったアクリル系のスプレー塗料には違いないのですが、要は粒子が非常に細かくて密着性が高いということのようです。
マスキングや、下地処理をきちんとおこなえば、手軽にレザー製品をリペイントすることが出来ます。

価格2625円(税込み)
RECYCLE
先頃、古くなった屋外看板をあたらしく作り直したんですが、御用済みになった看板の木材を流用してラグ用の三段ラックを作ってみました。
ペンキの剥がれや絵文字の部分もリペイントせずにそのまま使用しましたが、独特のヤレ感が出ていて良い雰囲気に仕上がりました。
ちなみに一番手前の牛の柄のラグはロックマウント社のフリース製で、サイズが180×150センチ、価格は7900円(税込み)です。
スタッズベルト製作中
お客様のご要望で、ブラウンアンティークのダブルピンベルトをベースに製作しました。
この色は、お客様がいつもご愛用のホワイツのブーツにピッタリ合っています。
当店で展開しているこのベルトは、使い始めは非常に硬いですが、使い込むことで繊維がほぐれてなじんできます。10年位は使っていただけるように、しっかりした素材を使用しています。

価格13440円(税込み)
ベルトラック増設
DIYでベルトラックを一段増設しました。
全体に意匠を凝らしたベルトも、多少見やすくなったかと思います。
WEB上では定番品を中心にしてご紹介しておりますが、他にもたくさん取り扱っております。
基本的にすべて定尺もので、サイズが2インチ(5センチ/2ホール)ごとになっています。サイズが合っていなければ使いようが無いので、店頭では特に入念にサイズ合わせしていただいていますし、WEB上ではホールまでの実寸法を併記しています(メーカーにより考え方に違いがあり、同じ表記でもホールまでの寸法が違います)。
市場では、ハサミでちょきんと切ってサイズ合わせするベルトが多いのですが、あれは在庫の回転率を考えた対応です。ひとつのデザインにつき在庫が一本で済むのですが、つくりもそれなりでチープなものになります。
プリント生地と柄合わせ
ハワイアンシャツなどの総柄プリントシャツの、製品としての良し悪しを簡単に判断する目安となるのが柄合わせです。
どこまできちんと柄合わせするかによって、裁断手間や用尺が全く違ってくるからです。
一例をあげると、このシャツは前身頃中心で柄が揃い、左胸の張りつけポケットは、身頃の柄とピッタリ重なっています。このプリント生地は柄のピッチ(同じ柄が出るまでの生地の間隔)が縦、横共に46センチもあります。柄を正確に合わせて裁断しようとすれば、かなりの生地のロスが発生する上に、手作業で裁断しなければなりません。
そこまでの作業をきちんとしている製品であれば、縫製も手抜きせず、本縫いや二本針巻き伏せなどでしっかりと縫ってあり、ボタンも上質のものを使っていると見てまず間違いありません。本気でモノ作りしていると判断出来るのです。
一方大量生産する量販品では、一反から一枚でも多く取れるよう裁断効率を最優先し、柄合わせを考慮せずに生地を重ねた上に型紙を置き、短時間で裁断出来るジグソーを使うのが一般的です。前後左右の柄がきちんと合っている製品はほとんどありません。縫製もインターロック(地縫いと端のほつれ止めが一工程で出来る→レディース衣料に多用)がおおく、手抜きという訳ではありませんが、長年の使用を前提にしたつくりではありません。

消費者が生地そのものの良し悪しや、縫製などがわからなくとも、柄合わせをきちんとしているか否かを一見すれば、その製品の格は判断できるのです。
良いものを見定めたいと常日頃考えているお客様には参考になったでしょうか?