店長日記

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チャップスジーンズ改
ファニーがケニー・ロジャースのモデルを模して製作したチャップスジーンズ(C301)は、乗馬やカントリーダンスの愛好家、バイク乗りといった方達に向けた特殊な商材です。継続生産しておらず、現状在庫は28、29、30インチのみとなっています。
岩手県のハーレー乗りのお客様からのオファーで、ストックの30インチのウエストを32インチまで拡げて納品させていただきます。
以前も同じ工程で製作しましたが、脇を断ち割って革で製作したダーツを挟み込み、左右1インチずつサイズを拡げます。同時に裾も解体し、ジーンズの裾、チャップスの裾を各々カットして再度縫い合わせします。

画像3/レザー部分の裏には見返しとして耳付きデニムを使用。

画像5/仕上りでウエストは+2インチ、股下は−2インチとなっています。
フィッティングルームの床完成
改装前は靴を脱いで一段上がるつくりだったフィッティングルーム。
改装後は位置も移動し、段差を無くしたつくりとなった。床板は素地のままにしたが、移動前の間柱や壁を撤去した跡が中途半端に残ってしまい、どうも美しくない。
そこで汎用品のカーペット材を買ってきてDIYで敷きつめることにした。

画像1/左半分が元のフィッティングルームの位置。

画像2/シートで購入したカーペットとアルミ製の縁材。

画像3/床の四隅に両面テープを貼り、やや大きめにカットしたカーペットを貼り付けていく。隅はギリギリまでヘラで追い込んでおいてカッターナイフでカット。

画像4/床との境目には、あらかじめカットして下穴を開けておいたアルミプレートをネジ止め。

画像5/完成

パッチ製作・縫い付け
非常にコンディションの良い実物のN-1は、お客様がハーレー乗車時に愛用のもの。
残念なことに左胸のUSNの文字がリタッチされており、それがわざとらしいのでパッチで覆い隠してしまいたいとのご希望でした。
VT-2のレザーパッチは当店でハンドペイントで製作しました。
パッチ縫い付け
フライトジャケット以外のものにスコードロンパッチを縫い付けたいというご要望もたまにあります。
今回はバズリクソンズの杢グレーのジップスウェットにイーストマン社の手刺繍パッチの縫い付けです。海軍モノにこだわりのあるお客様は当店のストックの中からVF72用のパッチを選択。スウェットの左胸のプリントをすっぽり覆うように縫い付けました。
ニット、カット&ソーの縫製は生地を傷めないよう専用の先丸の針を使用します。糸も細目の60番を使用しますが、洗濯にも耐えられるようコバギリギリとその少し内側を二列に縫い付けました。
パッチ縫い付け
何度かお取り引きいただいている宮崎県のお客さまから、今回はMA-1とCWU 45Pへの縫い付け依頼です。
表地と裏地が縫いずれし易く、とくに上腕と背中心への縫い付けでは注意が必要です。
45オートの神/エジプト
エジプトと言ってもかの国のことではない。
昭和40~50年代に主流だった金属製のモデルガンをベースとしたカスタムガンで一世を風靡したカスタム屋の屋号である。
モデルガン(45オート中心)に実銃と同じ後方撃針を取り付け、大量の火薬を使ってブローバックさせるというマニア垂涎の作品を世に送り出していた。もちろん発射機能はないのだが、構造的に実銃と同じというグレーゾーンの展開で、当時改造拳銃の摘発に血眼になっていた当局から目を付けられ、何度もガサ入れされたと聞く。
その後モデルガンへの規制は厳しくなって金属製が少なくなりプラスチックが主流になる。その後はサバイバルゲームで使用される様なプラスチック製で発射機能を持ったエアガン全盛時代となった。そんな時代にあってエジプトはもうすっかり過去の存在かと思っていたが、ネット情報によると今だ都内でコツコツとエアガンや無可動の金属モデルベースのカスタムガンを製作しているらしい。熟練の職人ワザが削り出す真鍮パーツの美しさは現代のマニア達からも絶大な支持を集めているようだ。
そんなエジプトの旧作品の中でもレアな一丁、MGCベースのトンプソン・サブマシンガン。
コルト・ガバメントと共用の45オートマチックを装填出来るトンプソンは古くは禁酒法時代のギャングの御用達であり、第二次大戦では米軍のみならず英軍も正式採用していた史上最もポピュラーなサブマシンガンである。テレビドラマの「コンバット」や「アンタッチャブル」を見ていた方なら名前を知らずとも見覚えがあるにちがいない。さらにマニアの方はお気付きだろう、MGCが製作したのは1921モデルだが当店所有のこの一丁はM1923の特徴だったロングバレルが取り付けられているのだ。カートリッジを送り込むボルトはフライス盤で削りだされた強化タイプでクロームメッキされている。機関部はすべてエジプトの手で大きく作り替えられているのだ。今はカートリッジが装填されることもなくそのポテンシャルも封印され、ミリタリークロージングを演出するディスプレイのひとつになっているが…。
世界一銃規制が厳しい日本だからこそ独自の発展を遂げたモデルガンの世界もまた奥が深い。
本日の修理品
ウォッチブレスのスナップボタンは消耗品です。
何度も開閉を繰り返すうちにリムが変形したり、カシメが緩んできます。
今回はオス側が浮き気味になり、かかりが悪くなっていましたので取り外して新品交換です。取り外しの際に革を傷つけたり、抜き穴が大きくなってしまわないように注意が必要です。
本日の修理品
今日は定尺ベルトのサイズ修正に対応しています。
ずいぶん前にお買い上げいただいたケイシイズの極厚ギャリソンベルト。
適性サイズだったものが、その後お客様の体重が落ちて一番奥のホールで留めてもゆるい状態です。
この際ベルトのバックル側をカットしてサイズを詰め、スッキリとおさめます。

画像1/今回は7,5センチ(ホール三つ分)短くします。先端を革包丁でカット。

画像2/曲げ代を革漉きで薄くします。非常に厚みのある革なので何度も機械に入れ、3分の1ほどの厚みに。

画像3/漉きあがった状態。

画像4/バックルを収める為の穴の位置を表側からマーキングして穴開け。

画像5/サンダーで加工面の毛羽をおさえる。

画像6/染料で裏側をタッチアップ

画像7/ネジ止めして作業完了。
本日の修理品
定番の股ぐりのパンク修理です。
背中心のステッチが解れて口を開けていますが、インシームも擦り切れて崩壊寸前です。
生地が薄くなっている部分を中心に大きく裏張りしてタタいていきます。特にリメイク風の派手な修理を御要望でない限り、基本的に修理跡が目立たないように心がけております。

画像上/ビフォー

画像中/アフター

画像下/修理後の裏の状態。
土間工事はプロにおまかせ
外構工事ではあらたにつけられた開口部の下に土間を打つ必要があり、当初はDIYでなんとかしようと考えていたが、材料調達から仕上げまでにかなりの時間と体力的にキツい作業工程になるのでプロの左官さんにお願いした。
今日10時前に出勤するとすでにコンクリートを練る作業まで進んでおり、あっという間に型枠に流し込んで土台が完了した。
さすがにプロは早い。雨水が流れるようにつけられた勾配の仕上りも美しい。昼過ぎには今日の日程を終えてキビキビした職人さんは帰っていった。
ところがしばらくして打ったばかりのコンクリートの表面を見ると、見慣れた足跡が何かの記念のように点々と残されているではないか。肉球の跡までクッキリ刻印されている。
…おもわず笑ってしまったが、これを見たら左官さんはがっかりするに違いない。
桜咲く…バックペイント追加製作中
一通りの作業を終えた芸者ガールのバックペイントですが、仕上り確認のためご来店いただいたお客様から背景の追加依頼です。
裾リブにそって爆弾と桜の花びらを図案化したものを交互に配置していきます。
今日のところはレイアウトまで。週明けからペイント作業に入ります。
ウエスタンシャツ着丈つめ
元来牧童の作業着であるウエスタンシャツの着丈は長めに設定されています。
裾をジーンズの中に入れ、トロフィーバックルのベルトを締めたガチガチのウエスタンスタイルもカッコイイのですが、やはり裾を出してさらりと着こなすには長すぎるのです。

画像上/ビフォー

画像下/アフター
     
S君withきよじ
ひょっこり顔を見せた元スタッフのS君。
長い間の無頼な生活がたたって最近身体を壊し、檄ヤセした。
きよじとのツーショット。

*顔にモザイクを入れようとしたが上手くいかなかったのでそのままアップしました♥
本日の修理品
今回は以前お買い上げいただいたロンウルフのハンター。
レースを留める上4列のフックの裏側の処理がいまいちでバリが出ており、摩擦でフロント部分の革の表面が傷ついて地肌が出ています。
対応としてはフックの裏側のバリを押さえ込んで、地肌が出てしまった部分は顔料でリタッチします。
今回の様なケースは製品そのものの不具合と言えるので、本来メーカーに対応させるのが順当です。しかし杓子定規に返送していたら時間もコストもかかってしまうので店頭で即応出来るものは極力そのようにしています。

画像上/フックの裏のバリはシルバー製品の加工に使うリューターを軽く当てて均した。地肌が出ている部分は顔料でリタッチする。

画像中/茶系の顔料を調色して色を近づける。

画像下/リタッチ完了

*このように当店の即応能力によって結果的にメーカーの負担はかなり軽減されているはずで、もし東洋エンタープライズの人がこのブログを読んでいたら感謝の念を抱くのは間違いないと思うのだがいかがだろうか。
祭りも近し…本日の修理品
着物は「着付け」によって身体に合わせるもので、その点身体に合わせて生地をカッティングする洋服とは思想が違います。
洋服と異なり身幅も袖ぐりも前後同じで、40センチ弱の幅の反物を縦にそのまま使うため背中心と脇にはカットされていない生地の耳を利用します。したがって端をほつれ止めする必要もありません(耳の付いたジーンズの脇と同様)。しかし生地の身幅をいっぱいに使わずに接ぎ合わせの部分に控え(縫い代)を多く残した場合、その部分がゴロついて運動し辛くなります。
今回は神輿を担ぐ若衆から袖ぐりのもたつきをなんとかしたいということで依頼され、「洋服の思想」で法被をリフォームします。不要な縫い代はバッサリ裁ち落として運動性を向上させます。
名著であるため、ご紹介
『決定版日本史』渡部昇一著 育鵬社

保守論壇の重鎮、渡部昇一氏による日本通史の決定版。
日本の義務教育ではまともに教えられてこなかった日本の歴史が、古代神話から始まって現代にいたるまで、確かな日本人の視点で連続性をもって書かれた名著である。
特に明治以降の近・現代史は、戦後戦勝国によって植え付けられた自虐的な日本悪玉論とはまったく異なる、当時の国際社会における日本の姿を丹念に書き出している。
ところで渡部昇一氏といえば押しも押されもせぬ一級の歴史学者だが、どこの書店でも昔から並んでいる超ロングセラーの啓発本「マーフィーの成功法則」を和訳して日本に紹介した『大島淳一』と同一人物だということは最近まで知らなかった。このシリーズは私も若い頃に読んで多少なりとも影響を受けているのだ。
最近ではアパグループの「真の近現代史観」懸賞論文で審査委員長を務め、田母神俊雄閣下の論文を選考したのはこの方である。これは大きな反響を呼び、閣下の進退問題にまで発展してしまったが、結果的に一つの保守運動の流れが出来上がった。
また自民党次世代のホープ、稲田朋美衆院議員を強力にバックアップするなど学者の域を超えた精力的な活動を続けている。

*育鵬社は旧来の歴史教科書とは一線を画す保守系の歴史教科書の出版社でもある。
パッチ縫い付け
シールブラウンのA-2は県内のお客様からの持ち込みです。
左腕のエアフォースパッチは当店のオリジナルで、刺繍のパッチに店内で革のトリミングを取り付けています。
今日は当店の刺繍製品を一手に引き受けてくれている職人さんが来店予定。
スコードロンパッチの新作の納品と、次回製作分の打ち合わせをおこないます。
洗濯日和
ここ数日はせっせとスタッズベルトの製作に精を出しているが、これは本当に神経を使う細かい作業で、時々気分転換をしないと集中力が続かない。
なので天気も良いことだし、最近最も酷使していたブーツを4足まとめて洗濯することにした。大きなポリバケツに水をくんでレースを外したブーツを放り込み、頃合いを見計らってレザーソープでゴシゴシと汚れを落とす。この後すすぎ洗いして日陰干しすれば、見違えるほどきれいな状態になる。
革のブーツを丸洗いするようなメンテナンスは一般化していないし躊躇う人も多いのだが、やり慣れてしまえばどうということはない。定期的に水洗いするのが習慣になると、むしろそうしないと気分的にもスッキリしないのだ。
ライブイベントのご紹介
当地で行われるイベントの告知です。
ロックバンド「クールス」の最初期からのメンバーであるジェームス藤木さんがソロコンサートを行います。

日時/2012年4月29日(日)

時間/19:30〜20:00と21:00〜21:30の2ステージ

場所/半田市雁宿町1−37 ビジネスホテル寿屋 6F

前売り2500円、当日3000円とのことです。

このイベントは当店のお客様が関わっているもので、詳細は当店の方ではわかりかねます。詳しくは寿屋(担080−4227−1843)まで直接お問い合わせください。
カウボーイ帰還
店舗改装に伴って自宅に連れ帰り、結局一ヶ月半以上の滞留になってしまったマネキンきよじ。
その間家人からは著しく不評で、冷たくあしらわれることとなってしまった。店内の整理も進んだので、本日晴れてビュイックでの出勤となった。可動の関節部分が傷んでいるのでちょっと手を入れる必要がある。店内のどこに配置するかは未定。

*ビュイックは来月車検なので、いつもお願いしている静岡のガレージ井口さんに引き取りを依頼した。今回は後ろの足回りを集中的にレストアしてもらう予定。