DVD化されたら観てみたいと思っていた作品だった。
名匠ロバート・アルトマン監督の玄人筋から評価の高い70年代の群像劇。
カントリーミュージックの聖地、テネシー州ナッシュビルに集う業界関係者たちの日常をドキュメンタリータッチで同時並行に描き、当然ながらたくさんの演奏シーンも盛り込まれている。
キャストにはそれぞれモデルとなる人物がいるようで、それをそこそこメジャーな俳優達が演じている。なにかのはずみで撮影に紛れ込んでしまったようにスター俳優がカメオで出ていたりもする。
しかし登場人物がやたらに多く、人間模様が複雑すぎてとてもついていけない作品であった。
2時間を越える映画だし、もう少し整理されてキャラクターが描き込まれていないとちょっと辛い。ラストの銃撃事件も伏線も無く唐突すぎる感じがする。
演奏シーンは沢山あるのでカントリーが好きな人はその部分だけは楽しめるかも(個人的にはロニー・ブレークリーが歌うTapedeck in His Tractorは良い曲だと思う)。その他70年代のヒッピー文化(ジェフ・ゴールドブラムがサイケ調のファッションでワーゲンの三輪チョッパーで登場する)や、60〜70年代のアメリカ車に興味のある人は割り切ってそこだけ観ればいいかもしれない。
この作品は何度か観直せば違った感想を持つかもしれないが、どうにもそこまでしようという気が起きそうにない。