店長日記

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フライングタイガースパッチ縫い付け
ハンドペイントのフライングタイガースのパッチが完成し、B-15Aへ縫い付けます。
お客様の御要望で右胸へ取り付けますが、B-15Aは前合わせが右胸側にオフセットされているので、共地の切り替えテープギリギリの位置になります。ホースを留める革の三角タブがついていますが、それをすっぽり覆って縫い付けてあります。
左袖には第5空章を取り付けますが、これも当店でハンドペイントしたものです。
パッチ縫い付け
このところいくつかの修理・加工の依頼をいただいており、並行して進めています。
レザーのトリミングを付けた刺繍パッチを縫い付けてB-10のカスタマイズ完了です。
ファクトリーものにはない一点もののB-10に仕上がりました。
仮に航空ショーなどマニアの集まる祭典に出かけて行っても、これならバッティングすることはありません。
本日の修理品
ヘビーオンスのワークパンツをチェーンミシンで裾上げします。
このワークパンツのシームは三本針ミシンで巻き伏せ縫いしてありますが、巻き伏せ縫いは厚みが増すために厚手の生地だと非常に縫いにくいといえます。
通常、ジーンズのシームは内股側は縫い代を片倒ししてロック始末(三枚重ね)、外側シームは耳を割り縫い(二枚重ね)で、三つ折りしてミシンにかける際は一番厚みの出る内シームでも(三枚重ね×3)9枚分の厚みですが、表裏とも縫い代端が出ないようにくの字に折り込まれた巻き伏せ縫いは(四枚重ね×3)でシーム部分が12枚分の厚みになります。
チェーンミシンで縫い始めから一定のテンションで縫っていくときに、突然分厚い箇所があると送り歯の所で引っかかって止まってしまったり、針がボッキリ折れたりということになります。出来るだけ段差をなくしたうえで機械にかけなければなりません。
今回はプライヤーを使ってしっかりとシームをつぶしてからミシンにかけました。
糸抜けを防ぐために縫い止まりで玉を作って仕上げます。

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本日のニュースより

<西岡参院議長死去>与野党から驚きと悼む声
5日未明に肺炎で死去した参院議長の西岡武夫氏は、1963年衆院選で初当選した現役最古参の国会議員だった。菅直人首相(当時)の政権運営を批判して退陣を求めるなど、歯に衣(きぬ)着せぬ発言が時に論議を呼んだ異色の議長だったが、突然の訃報に与野党からは驚きと悼む声が聞かれた。
(以上引用)

民主党内にあっては数少ないまともな見識を持つ政治家だったと思う。
惜しい方を亡くしました…。
もっと他に早死にしてほしいのがたくさんいるんだがなぁ…。
刺繍パッチにトリミング
何度かお取引いただいている関東のお客様からのオーダーです。
B-10にレーヨン刺繍のパッチを取り付けますが、刺繍の外回りにレザーのトリミングを取り付けます。
同じ材料から切り出した濃茶の革で製作し、コバに縫い付けた上でB-10本体に縫い付けていきます。
お客様のシェベル・マリブ
1967年式のシヴォレー・シェベル・マリブをファミリーカーとして普段使いしているお客様。
エンジン関係と足まわりにはきちんと手を入れ、対照的に外装は錆や小傷を残したままというバランスが絶妙です。
当店のビュイックとはプラットフォームが共通のいわば兄弟車。
この大きな車体でも当時としてはミドルサイズの車格になります。

画像上/エッジの利いたデザインはこの時代特有のもの。色は当時のままのメタリックグリーン。

画像下/リアゲートまわりが白いのは光の反射ではなく、サフェーサーを吹き付けているため。
フライングタイガースパッチ鋭意製作中
画像上/下地の段階でほぼ出来上がりがイメージ出来ます。

画像下/下地が乾燥したら面相筆で色を入れていきます。こういった鋭角部分が多いデザインは塗り分けるのに非常に時間がかかります。グラデーションも入れて少し立体感のある仕上りに。

業者筋から預かったデニムの修理品がたまっていますが、優先順位が低いので放ったらかしです。
やはり直接お客様から依頼を受けた仕事を優先しています。
フライングタイガースパッチ鋭意製作中
フライングタイガースのパッチにはバリエーションが多数あります。
今回オーダーいただいたのはベース型のデザインで、ヌメ革にハンドペイントで仕上げ、縫い付けまで行います。
このデザインは以前にも制作していますが、毎回フリーハンドで描きこんでいるため、ディテールは同じものにはなりません。調色もその都度おこなうので一点ずつ異なるワンオフものになります。

画像上/革に銀ペンでアウトラインを描きこんでいく。今回はパッチの外回りをカットするのは後回し。

画像下/アウトラインにそって筆で下地塗り。塗料の乗りを良くするためと、黄色~オレンジ系の塗料は下地の色が出てしまうので白で下地を塗る必要がある。
パッチ縫い付け
名古屋市のお客様からお預かりしたMA-1は初期マッコイズの製品です。
モデルとなったのは1958〜59年式で、ウインドフラップの上端が丸みを帯びたカットになっています。
ちなみにこのMA-1のオリジナル、1959年の8279Bは参考品として当店店頭にあります。シェルの状態はそこそこですが、袖リブが擦り切れ、ジッパーはかろうじて上下しますがテープ部分に何箇所か裂け目があり、実用には程遠い状態なのが残念です。
今回は右胸と左腕にレーヨン刺繍のパッチを縫い付けて、さりげなくカスタムしました。

画像中/刺繍パッチ4500円+縫い付け1500円

画像下/刺繍パッチ1500円+縫い付け1500円
本日の修理品
ここ数年、ワークシャツの着丈はずいぶん短くなり、Mサイズで70センチを切るものも珍しくなくなりました。
ウエスタンシャツなど本来長めのシャツも、裾を外に出して着用することを前提に、ワークシャツ並みの長さにリメイクしてほしいという要望がよくあります。
カットした裾の始末は様々なやり方がありますが、アールの部分の生地が伸びやすいため、画像のロック仕上げでは縫いながら端を若干縫い縮めることが出来る(差動)ミシンを使用しています。
裾線が伸びると着用状態で裾が外側にハネ気味になり、おさまりが良くないのです。
チノパンツわたり幅ツメ
バズリクソンズの超ロングセラー、ミリタリーチノM43035。
90年代の最初期のカタログにも掲載され、素材も縫製も価格も当時のまま、ずっと作り続けられているのは驚きです。
今回はこの大戦末期そのままのゆったりしたシルエットを若干しぼり込み、バズオリジナルの細身のモデル、BR40025に近いシルエットにします。

画像上/加工前…1945年のミリタリーチノーズのシルエット。

画像中/加工後…サイドポケットの開き止まりを起点に裾までしぼり込んだ。

画像下/太腿周りで4センチほどカット。
パッチ縫い付け
週末にお預かりした修理、加工品を順次仕上げていきます。
ヘビーゾーン用のフライトジャケット、N-2Bにネームプレート用のメスのベルクロを取り付けました。
刺繍のエアフォースマークは裏にオスのベルクロを縫い付けます。これは以前メスのベルクロを取り付けたL-2B用。
私の道具達
この木槌は、かれこれ20年以上は使っている。
主にレザーの加工で、ポンチやタガネを使う時に使用するもの。裁ちバサミと同様、当店ではこれを使わない日はほとんどない。
一度持ち手にヒビが入り、買い替えようと思ったが、アンティーク家具のレストアをおこなうイエローガレージさん(武豊町)が別の持ち手を取り付けてくれたので復活した。何千回、何万回と使って槌の表面は丸く凹んでいる。平素作業道具をじっくり見る事は無いが、使い込んだ古道具というのは、それが自分のものであっても独特のオーラを放っている。
ネームプレート製作、縫い付け
所有者が変わったことでのネームの付け替え依頼もたまにあります。
製品は旧マッコイズのドュボウA-2で、元々付いていたネームプレートは外された状態での持ち込みです。元のステッチ穴は残ったままですので、それをギリギリ覆う大きさであらたに製作します。
指定された文字はおさまりが良いように字間を調整して刻印し、縫い付けていきます。
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本日のニュースより

「体罰は教育」信念ブレず!戸塚ヨットスクールの戸塚校長、制止を振り切りマスコミや文科省を痛烈批判!「正しいのは日本流の精神論」

戸塚ヨットスクールを題材に1983年に製作されるも、戸塚宏校長や関係者の逮捕により公開中止となっていた映画『スパルタの海』が28年越しに公開され、29日に渋谷シアターNで行われた初日舞台あいさつに戸塚校長が登壇。司会者の制止を振り切って教育論を繰りひろげ、マスコミや国政を痛烈に批判した。
愛知県美浜市にある戸塚ヨットスクールは、非行や不登校などの問題を抱えた子どもを受け入れる更生施設として1976年に開校。体罰を交えたスパルタ式ヨット訓練を行っていたが、1980年と1982年に訓練生の死亡事件が発生し、さらに1983年に戸塚校長自身が逮捕されたことでその名を知られることとなった。
現在71歳の戸塚校長は、物柔らかな笑顔を振りまきながら「(戸塚ヨットスクールは)いまだに拒否されっぱなしなので、この映画をやってくれたのは奇跡みたいな感じです」とあいさつを行った。映画にちなんだ内容のトークという予定で幕を開けた、この日の舞台あいさつ。最初は自身の役を演じる伊東四朗とのエピソードなどを和やかに語っていた戸塚校長だったが、「体罰」というキーワードが出た瞬間にたちまちスイッチが入った様子。「体罰は悪という方が多いが、それが本当に正しいのか考えたことありますか? 日本中が人の意見を、ただ『格好いいから』と平気で自分の意見としていう。そういうことをおかしいと思っていただけるとありがたい」と観客に訴えかける。そして戸塚ヨットスクールの存在意義について「うちがあるということは、教育が失敗したから」と主張する校長は、死亡事件後のマスコミによる猛バッシングについて「何か起こったとき(死亡事件)に、ああいう子どもを作った文部科学省やマスコミは無罪で、直そうとした人間たち(戸塚ヨットスクール)が有罪になる。これでは全く民主主義にならない。マスコミは民主主義を知らないから、平気で弱いやつをいじめる。こんなバカなことをやってきたから教育はダメになった。あのとき、真剣にうちの言ったことを聞いてごらん、教育は正常化していたから」と積年の思いを晴らすかのようにまくし立てた。
(以上引用)

まずは目出度い。
実は保守系のブロガーの方からすでに舞台あいさつの模様をご紹介いただいていたが、石原都知事はじめ戸塚氏のシンパは意外にたくさんいる。
美浜町のヨットスクールも当店から30分くらいの距離で、戸塚氏に会ったことはないが、練習風景は何度か見たことがある。事件の後もずっとスクールは存続しているのだ。
この鋼鉄の様な信念を持った教育者にエールを送りたい。
別注シェリダン・フィリグリー
ファニーの最上級クラフト、フィリグリー(革の表面を切り抜いて裏から別革を張る手法)によるウォレット製作は、以前は単品オーダーが基本で、素材や配色なども細かく注文した上で、ただひたすらに出来上がりを待つというスタイルでした。
出来上がりまでに3年以上かかることもしばしばで、価格も正確には出来上がってみないとわからないという、とても常識的なビジネスではありえないやり方を長年続けていたのです。これではイカンということになって、今年のカタログ新調を期に、フィリグリーの定番仕様を掲載し、以降はその仕様通り定型で生産し、そのかわり納期と価格を安定させることになったのです。
現在はライダースウォレットをベースに130000円、170000円、236000円の3種類がラインナップされています(69000円のラインは限定品でカタログ未掲載)。
さて、今回ご紹介するフィリグリーは、現在の生産体制になるずっと前にファニーの本社で単品オーダーした最後の仕上り分です。ベースにはライダースウォレットではなく、あえてシェリダンウォレットを指定し、ボディとストラップが一体裁断されている贅沢なつくりです。ビクターコンチョも大径の37ミリをチョイスし、ハンドカービングもタン、オレンジ、ブラウンとマルチカラーで染め分けています。透かし彫りに裏張りする革は画像のブルーのパイソンの他、個々に素材を変え、今回の納品分4個とも異なる印象で仕上がってきました。なおかつ新定番の片面彫り(130000円)よりも抑えた価格でのご提供です。
同じものが二つと無い「手工芸品」と呼びうるシェリダンウォレット。
購入者が絶対に後悔しない最高の付加価値商品をご紹介出来るのは気分が良いものです。

画像上/バランスよく配置されたターコイズを中心にしたシェリダンカービング。ストラップはスパーバンドを模した独特の形状。

画像下/本体から続き断ちされるストラップ。縫い付けよりもスッキリ仕上がるが、裁断効率が悪くコストがかかる。

価格/125000円
ジーンズリメイク
最初はストレートのジーンズをリメイクしてブーツカットにならないかというご相談でした。
ホワイツなど大型のブーツを履いた時にストレート(パイプドステム)のジーンズだとバンプに引っかかって裾線がたまってしまうので、インシームに三角状に生地を継ぎ足して拡げてほしいという事でした。
一度その方向で考えましたが、色合わせしたデニム生地を使ってもやはり無理矢理な感じが残ってしまいます。
そこで以前にレザーパンツのリメイクでシームにジッパーを取り付けたことがあり、そのやりかたで対応しました。

画像上/ジーンズのインシーム側は、縫い代が片倒しされ、まとめてロック始末されているので一度解体してから取り付け作業を行います。

画像下/必要な分だけジッパーで開きを調整できます。
B-10カスタム
限りなく当時物に近い一点ものの製作が今回のテーマです。
西三河のお客様が長年着こんだバズリクソンズのB-10は表地が退色し、ところどころほつれも見られますが実にリアルな雰囲気です。これにぴったりのパッチをチョイスしていただき、ちょっと目の利く人が見ても「本物じゃん!」と言わせるような仕上がりです。

画像上/当店でストックしていたエアフォースパッチ。フェルト地に手作業でモール刺繍されています。メーカー、製造年等は不明ですが、かなり古いローカルメイドの品であると思われます。純毛のフェルト地は傷みが進んでおり、縫い付け可能な状態にするためにレザーで裏打ちしてあります。

画像中/当店でレザーに手描きしたスコードロンパッチ。完成後にブラッシングでところどころ剥離して中古風に仕上げたもの。
カウボーイ&エイリアン
この作品の公開にFUNNYが協賛しているため、行きがかり上当店でもチラシをお配りしていましたが、今日劇場で観てきました。
率直に言って西部劇というより、西部開拓時代を背景にしたSF映画という印象が強い。
エイリアンに家族を奪われた開拓者達が、ならず者やインディアンまで糾合してこれに立ち向かうというストーリー。
主役のダニエル・クレイグは007よりもこの粗野なアウトローのほうがはまっている感じ。山賊からうばったコルト・ネイビーをクルクルと器用に扱っている。
逆にクールで端正な顔立ちのオリビア・ワイルドはむしろボンドガール向きかもしれない。
もう一方の主役ハリソン・フォードは頑固で力強いアメリカの父親像そのもの。しかしこの人はどんな役でも一本調子で、あまり演技の幅もないような気がする。
対照的に演技派のサム・ロックウェルは今回酒場の主人を演じているが、作品ごとに大きく印象が違うので最初は誰かわからなかったぐらいだ。
他に「父親たちの星条旗」のネイティブ系俳優のアダム・ビーチが重要な役どころで出演。
全編CGを使った映像は劇場で観ると十分に迫力があるし、クリ-チャ-も良くできているのでSFファンにはそれなりに楽しめる作品だとおもわれる。しかしこれほどのスタッフとキャストが揃っていても斬新過ぎる設定には突っ込みどころも多く、あまり期待値が高すぎるとがっかりするかもしれない。
設定は斬新でもストーリーは凡庸なので、肩の力を抜いてさらっと観るSF活劇といったところでしょうか。
パッチ縫い付け
週明けからは溜まっている修理、加工品をせっせと仕上げていきます。

画像上/フライトジャケットではありませんが、なつかしいショット社のモーターサイクルジャケットにフェルトパッチを縫い付け。昔、同型ジャケットの色違いを持っていました。

画像中/レザー製のB-15にトムキャットのパッチ縫い付け。

画像下/ホワイツビルのドリズラージャケットに77THのスコードロンパッチを縫い付け。スーベニールジャケットのような雰囲気に仕上がった。
スタッズ加工
今回はチペワのエンジニアブーツをベースにスタッズを打ち込んでいきます。
静岡県のお客様から送られてきたブーツは、ミッドソールとヒールが本革に張り替えられたカスタム品です。これは見た目だけではなく、合成樹脂製のものと比較すると格段に軽く、足着き性も良くなっています。ストラップ中央とシャフト中央にはカラーのアクリルスタッズを使用します。

加工代/6400円
ビュイック始末記(車高調整編その参)
そろそろオイルの交換時期になり、以前電気配線関係でお世話になった方に、出張オイル交換をおねがいした。
車屋さんではないが、個人であらゆる修理をこなす、セミプロのようなひとである。
ポンプによる上抜きだが、一度交換した上でエンジンをまわし、黒ずみが残ったのでさらにもう一度交換するという念の入れようで、とってもクリアな状態になった。
ついでに、車体の後部に負荷がかかるとリアショックのガスが抜けてしまう問題で、ガス抜けの位置を特定するべく、ショックアブソーバー周辺を点検してもらったのだが、その過程であらたな問題が起こった。
ショックアブソーバーの上側は、ボルト2カ所で車体に固定されているのだが、ボルトの腐食が進んでおり、試しに1カ所をレンチで緩めてみようとしたところ、頭がポッキリと折れてしまったのだ。断面もほとんど錆がまわっているので、何時折れてもおかしくない状態だったようだ。
とりあえず折れたところはステンレスのボルトナットで代用してもらったが、もう1カ所は緩めようとしてもナットがネジ山に固着しており供回りしてしまうようだ。
この際全部交換したいところだが、想定していなかったことで、一日だけの作業では困難であった。
ガス抜け位置も特定するに至らなかった。
課題が残ったが、意外な問題点を発見出来、応急処置してもらえたのは良かったとあくまで前向きに考える事にする。
ショックアブソーバーはエア調整の必要が無いヘビーデューティに交換する方向で検討中である。