店長日記

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ツーリングレザー
時々、店頭にお越しのお客様より、使用中の無地のウォレットに(後から)カービングを入れる事は出来ないかとお問い合わせいただきます。
…残念ながら出来ないのです。
それは以下の理由によります。
まず、カービング製品の製作工程として、粗断ちしたパーツの段階でカービングはおこなわれます。その際に革全面に水を含ませた上で大理石の台座の上でカットを入れ、タガネでスタンプし、乾いたら着彩し、他のパーツと合わせて縫い上げ、製品となるのです。製品として出来上がっている状態でこの作業をおこなう事は出来ません。
また、最初から無地の製品として流通しているものは、カービング用の革とは材質が違います。無地の製品にはロウ質の革や、油分を染み込ませた革を使用しますが、これらには模様をしっかり彫り込む事が出来ません。カービング用のツーリングレザーは水分を含みやすく、彫りを入れて乾いた跡で彫り込まれた跡がクッキリと残る性質があります。とくに上質なツーリング用レザーは、何年経っても凹凸がはっきり残っています。
無地製品には無地の良さがありますので、商品の特性をご理解いただいてご愛用いただければとおもいます。

*画像は2004年に店内で製作したウォレット&携帯ケース。タンニンなめしのレザー使用。
サドルバッグ改造
先週お買い上げいただいたコロラド・サドラリー社のサドルバッグを、バイクのサイドバックとして流用するために二分割しました。
カットした端を内側に折り込んでリベットでがっちり留めつけ、ループ状になった部分にフェンダーステーが収まるようになっています。必要な位置にロックタイ用のストラップも打ち付けてあります。このコロラド社のサドルバッグは分厚いヌメ革でつくられており、ハードな使用にも充分耐えられ、しかもお値打ち(25000円)です。
バイク用品として販売されているサイドバッグは、そのままポン付け出来るようにはなっていますが、高価な割に材料はペラペラで情けないものが多いようです。
良書とは言えませんが、反面教師としてご紹介
『長崎市長 本島等伝 赦し』横田信行著 にんげん出版

市長在任中、昭和天皇の戦争責任発言で右翼に銃撃され、瀕死の重傷を負った本島氏の自伝です。
本人の出自についても詳しく書かれており、長崎の隠れキリシタンの末裔であり、被差別部落に私生児として生まれた本島氏は、極貧の中で苦学をしながら成長します。長じて地方政界に入り、頭の良さと清濁合わせ飲む懐の深さで、自民党の有力政治家として頭角をあらわします。けして清廉な人ではありませんが、実務においては優秀な人で、多くの実績を残しています。そして社会的弱者(あくまで本島氏の基準でですが…)に対する手厚い処遇は、この人の政治信条なのでしょう。どこか京都の野中広務さんに通じるようなところがあります。しかし、その出自ゆえか弱者に思いをよせるあまり、首長としてのバランス感覚が欠けているとおもわざるをえません。昭和天皇批判の他、原爆の問題では公務として渡韓し、日本で被爆した韓国人を訪ね、「すべて日本の責任です」と言葉をかけ、涙を流して謝罪した上に市の予算に韓国人被爆者の支援金まで計上しています。
この人は一体どこの国の政治家なのか?。
当時日本国籍だった韓国人に対する補償は、日韓基本条約で莫大な補償金を払い、とっくに片付いています。それを日本の側から問題をむし返すように土下座外交までしてどうしようと言うのか。仮に、韓国人被爆者が充分な補償を受けられないでいるのなら、それは韓国の国内問題で、補償金の分配の仕方に問題があるのです。
皮肉な事に四選があやぶまれた本島氏は、銃撃事件で同情票が集まり、再選を果たします。
私の記憶でも、当時のマスコミは、まるで正義を貫いた政治家の鏡のような扱いで、国益という視点の欠けたこの人物を持ち上げていました。
本島氏は五選目にして落選しますが、その後かえって足かせが取れたかのように饒舌に「反戦平和」を語り出します。その言葉は、ほとんど社民党に近いような現実離れした平和路線で、かつて自民党に籍を置いた人とは到底おもえません。
『赦し』…本書のテーマでもある赦しとは、一体誰が誰を(あるいは何を)赦すのか?
このキリシタンの末裔が本書で語る日本の責任論、戦争犯罪論などは自虐史観そのもので、どうにも理解し難いものでありました。
本日の修理品
今回はレギュラー丈のリメークジーンズを切り詰めてクロップド風に加工しました。
それもはき古して裾が傷んだものを再生利用するというのではなく、新品購入時に、バッサリと7部丈にカットしてしまいました。
最近注目されているクロップドパンツは、別に目新しいものではなく、昔のデザインの焼き直しです。以前はどちらかというとレディース中心の展開でしたが、最近ではメンズ衣料でも定着した感があります。
この秋冬ものでも各メーカーがクロップドのラインナップを増やしていますので、素材のバリエーションも増え、季節を問わずに着用出来るアイテムになりそうです。
エアフォースパッチ試作品
100%レーヨン糸の刺繍パッチの試作品が完成しました。
当店では、デッドストックのエアフォースパッチを10年以上前からチビチビと販売していましたが、WEBで販売するようになってから一気に在庫が減り、このままでは年内に在庫切れをおこす可能性があります。そこで今回刺繍工場さんの協力を得て、数量をまとめて注文製作する事にいたしました。その試作品が工場さんから送られてきたのです。
出来上がりが現代風のカチカチなものにならないようベースになる布は出来るだけ柔らかいものを使用し、背景のブルーの部分とウイングマークを細番手、縁取りにやや太番手の刺繍糸を使ってあります。色は艶のない濃いめのものを選択しました。レーヨンは綿を原材料にした再生繊維で、少しずつ年を取るように色が抜けていきます。すべてのフライトジャケットに対応できるこの素敵なパッチ、今秋から展開の予定です。

価格未定…まだ原価計算していません。
秋冬ものの商談
昨日、弊社を担当している東洋エンタープライズの営業二人組がやってきました。
この酷暑の中、サンプルを抱えての営業、ごくろうさんです。画像では人相が悪く写ってしまいましたが、実物はもうちょっと男前です。
さて、今年度から展開しているキャッツポウのパンツに新たなラインが加わります。チノクロスの尾錠付きペインターパンツとウール素材のブロックチェックの細身のストレートです。9月の初旬にはH,P上でもご案内できるとおもいます。ロンウルフのブーツとぴったりコーデュネート出来るこのパンツ、価格はいずれも8295円。
友、遠方より来る
H君「ハッハッハッ、久しぶり〜!」
>おおっ!本当にひさしぶりだね。10数年ぶりじゃない?最近どうしてたの?
H君「10年ぐらいアメリカにいて、その後しばらくドバイに行ってたんだわ」
>ドバイ?…何してたの?
H君「レアメタルや石油の売り買いしとったんだわ」
>へぇ〜、上手くいったの?
H君「うん、儲かった。でも全部清算して日本円に換金したらいっぱい税金で持っていかれた」
>いくら納税したの?
H君「◯◯億ぐらいかな、ハッハッハッ』
>えぇ〜!!!

一見、ホームレスに見えなくもないH君とはずいぶん古いつきあいです。
彼は20代の頃の商売で一山当て、30代後半で、すでに億単位の資産を持っていました。ネクタイを締めた事は一度も無く、いつもヨレヨレのTシャツにジーンズで、なぜか腕時計だけ高島屋で買った一番高いROLEXという、不思議なセンスを発揮していました。
組織に与さず、独立独行で人生を切り開いてきたH君は、度胸の良さと勝負勘は抜群です。
(異能の人)H君と久々に再会し、なにかエネルギーをもらったような気がします。
靖国
終戦の日間近になると、首相が靖国参拝するか否かが話題になりますが、菅直人が参拝する事はまずないと思われます。かりにスケジュールが空いていたって足が向かうとはおもえません。
15日前後は一般参拝者の数もピークに達するとおもわれますが、お世話になっている当店のお客様が一足早く、一日に参拝されました。お土産に美しい日章旗と守札を頂戴しました。
例年、首相の参拝については、政教分離の観点からの反対論がありますが、戦没者への敬意は民族としての儀礼であって神道の儀式に則っていても宗教行為とは違うとおもっています。政治家の中にはクリスチャンであっても靖国参拝を欠かさない人だっているのです。
またA級戦犯の合祀問題も、そもそも戦勝国の論理で裁かれて戦犯とされたわけで、それを根拠にした分祀論などナンセンスです。
まして中・韓の顔色をうかがう必要など毛の先ほどもありません。
これはあくまで日本国内の事柄なのですから。
本日の修理品
一見修理困難にもおもわれる程、激しくクラッシュしています。
こういったケースではかなり広範囲に裏張りして生地を保たせなければなりません。穴の周辺の傷みはきれいに修復することは出来ないので、リメイク風にざっくりとカケツギします。ボロくて味のある、カッコいいジーンズに仕上げたいとおもいます。
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先日のニュースより
外国人に「首相選ぶ権利」 党員・サポーターに国籍要件なし
民主党は9月、菅首相(党代表)の任期切れに伴う代表戦を実施する。課題の一つが党員・ サポーターによる代表投票のあり方だ。自民党も総裁選で党員が投票するが、民主党とは大きな違いがある。自民党員は日本国籍保有が 条件であるのに対し、民主党規約は党員・サポーターの資格をこう記す。「18歳以上の個人(在外邦人および在日の外国人を含む)」外国人に門戸を広げ「開かれた党」をアピールする狙いからだ。民主党が政権を獲得したことで、 事実上、外国人にも「首相を選ぶ」権利が与えられる形となった。同党は「外国の特定の勢力が代表選に影響力を及ぼすのは困難で、問題はない」として、 外国人党員などの数も公表していない。民主党はかつて、永住外国人への地方選挙権付与問題をテコに、在日韓国人党員などを 増やそうとしたことがあった。2008年12月、当時の小沢一郎代表らが在日本大韓民国民団(韓国民団)幹部らと会い、 国政選挙での支援を求めた際、韓国民団の1人は「私もサポーターだ。(民主党政権になれば) 間接的に私が首相を選ぶ図式になる」と明言し、協力を約束した。韓国民団は「民主党代表選に組織的にかかわることはない」と説明するが、党内には「外国人の投票 を認めることに矛盾を感じる」との不満がくすぶる。大石眞・京大教授(憲法・議会法)は「政治資金規正法は外国人や外国組織から政党などへの寄付を 禁じている。日本の政治や選挙が外国の影響を受けるのを防ぐためだ。民主党代表選はこの法律の主旨 とズレがある。政権与党としてきちんと説明する必要がある。」と指摘する。だが、党内でこの問題を 真剣に議論した形跡はうかがえない。
(以上引用)

<外国人に門戸を広げ「開かれた党」をアピールする>だって…WWW
…バカか???
民主党の代表=日本の首相の代表選挙に外国人が投票する事自体、あきらかに内政干渉で、憲法背反。外国勢力の影響が及ばないわけがないじゃないか!

…よって結論
この党是も綱領もない政治屋集団は日本の癌。解体すべし。

*当店では反民主党キャンペーンを続行して参ります。
クレイジー・ハート
先月日本でも一部の劇場で公開された、本年度のアカデミー賞2部門を獲得した作品です。
FUNNYがこの映画の宣伝に噛んでいた関係で、次長がDVD(字幕入り)を送ってくれました。
かつて一世を風靡しながら、落ちぶれてドサ周りを続けるカントリーシンガーが、シングルマザーとの出会いで人生に希望を見いだし、再びクレイジー・ハート(荒ぶる魂)で人生に向き合うという再起の物語です。
主演男優賞を受賞したジェフ・ブリッジスは、劇中の曲を吹き替え無しで歌いきり、人生に傷ついたアル中のシンガーそのもので、無精髭とヨレヨレのウエスタンシャツ、ボロいシボレーがいかにもといった感じです。シングルマザーとして懸命に子育てする地方紙の記者役のマギー・ギレンホール、友人として主人公をささえる役のロバート・デュバルの演技も光ります。かつての弟子でスーパースターを演じたコリン・ファレルもしぶい歌声を披露しています。
ストーリーはいたってシンプルで、ちょっと前に公開されたミッキー・ロークの「レスラー」にダブるところもあります。ただ脚本のせいか編集の都合かわかりませんが、人物の描き込みが足りないような気がして、かなり想像力を働かさないといけません。
地味で良質な作品ですが、本国での評価とは裏腹に日本では話題になる事も無く、大手のシネコン系では全く上映されなかったのは残念です。
しかし俳優陣の抑制の利いた演技は素晴らしく、全編に流れるカントリーミュージックも、背景の土埃舞う大地にぴったりとマッチして心にしみます。アメリカ南西部の雰囲気やカントリーミュージックが好きな方には充分楽しめる映画だと思います。
本日の修理品
ずいぶん昔に販売したFUNNYの携帯電話ケースの修理品です。
ヘアー付きの革がインレイされた珍しいタイプですね。
今回はストラップを留めるギボシ(砲弾型の留め具)を新品交換しました。このクロムメッキの大型のギボシは今は使われておらず、現行品では突起部分の小さないぶし仕上げのものになっています。店頭に旧型パーツのストックが有りましたので、そちらで対応しました。
このギボシはネジ留めではなく、カシメ式なのですが、必要な打ち具が国内では流通しておらず、当店で自作した打ち具を使用しています。
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本日のニュースより 
トヨタに有利な調査結果隠す?米当局に疑い浮上 
トヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)問題で、急加速の原因が運転者の操作ミスとみられる複数の調査結果を、米高速道路交通安全局(NHTSA)が意図的に公表しなかった疑いのあることが30日、分かった。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)が報じた。
7月にNHTSAを退職した元幹部が、実名で告発した話として伝えた。急加速が起きた23台について、NHTSAが運転記録を調べたところ、いずれもアクセルが全開でブレーキを踏んだ痕跡がなく、運転者のペダルの踏み間違いの可能性が高かったという。
(以上引用)

この隠蔽が事実なら、日本のメディアは徹底的に糾弾しなきゃなりませんね。米自動車業界の圧力が背景にあったんでしょうが、当局がこんな姿勢では、不当なトヨタバッシングが繰り返されてしまいます。二度とこういう事が無いよう、トヨタもハゲタカ弁護士を雇って米当局から被害相当額を毟り取ってやる必要があるのでは…。
naughty nellies…これ、ブーツジャックなんです!
説明不足でございました。
店頭で販売しているノーティー・ネリーを指して、「なんすか?これ」とお客様に訊かれ、今更ながら、説明を加えなければ理解されない商品だとわかりました。…たしかに何の説明も添えてなければ、初めて見る人にはただの鉄の置物ぐらいに思われてしまいそうです。
これはブーツを脱ぐときに使う鋳物で出来たブーツジャックで、片方の足で体重をかけて本体を踏みつけながら、もう片方の足のブーツのかかと部分をネリーの足の間にかけて引っ張ると簡単に脱げるというものです(画像とは反対の向きで使用)。ウエスタンブーツやエンジニアブーツなどを立ったまま脱ぐことが出来るので、玄関先に置いておくととても便利なものなんです。
ノーティー・ネリーには古くから様々なバージョンがあり、本国ではコレクターズアイテムになっています。解説書によれば、本品はロデオ・カウガールのHelen Bonhamという女性が所有していたコレクションのレプリカ品ということです。
ネリーは乳母らしいんですが、どう見ても酒場のおねえさんといった風情ですね。

価格7800円
本日の修理品
前後左右のポケットが激しく破れたパンツの修理品です。
とくにライダースワレットを差す後ろポケット口は大きく裂けています。このダブルエックスのレプリカはポケット口左右に隠しリベットが打ち込んであり、生地を傷めずにこのリベットを外してポケットを身頃から分離するのは困難なので、このままの状態で補強をして繋ぎあわせます。
底部の穴の開いた部分は、ポケットの下半分のコバステッチをはずして当て布し、再び縫い付けます。
後ほどカスタマーサービス/ジーンズ関連項目としてUPしますので、ご覧下さい。
CLOTHとDIP
シルバーアクセサリーのメンテナンス用品のご紹介です。
シルバー製品は、放っておくとどうしても表面が酸化して黒ずんでしまいます。シルバークロスやディップを適時使用して、シルバー製品の輝きを復活させることができます。
シルバークロスは、細かい研磨剤を含ませたみがき布で、製品の表面の酸化した層や、細かな線キズなどもきれいに消すことができます。コインコンチョやバックルなど、平たくて表面積の大きいものに適しています。真鍮やステンレスなど他の金属材にも使用できます。
ディップ(スピーディップ)は銀専用の硫化物除去クリーナーです。カップの中に入った液体に数十秒浸けるだけで、変色した部分が除去され、本来の美しさを取り戻します。複雑な形状のペンダントヘッドや、チェーンのコマの間などシルバークロスでは磨けない部分もきれいになります。ただし石などがインレイされているものには使用できません。

画像
下/シルバークロスで磨いた50セントコインコンチョ(1000分の900シルバー)
中央/スピーディップで漂白したシルバーチェーン(1000分の925シルバー)

価格 スピーディップ/945円 シルバークロス/450円
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本日のニュースより  
死刑執行命令書「法相は24日に署名した」民主・枝野幹事長が明かす
「私の命令の下に2名の死刑を執行しました」-。千葉景子法相は会見でこう発表し、執行にも自ら立ち会ったと明かした。これまでの慎重な姿勢から一転、執行に踏み切ったが、今後、存廃を含めた死刑の在り方についての勉強会を立ち上げるとともに、東京拘置所の刑場を報道機関が取材できる機会を設けるよう指示したという。
千葉法相は大臣就任前まで「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーだった。就任以来、会見などでは「大臣の職責だが、大変重い刑罰だと認識している。慎重に対処しなければならない」と話してきた。
(以上引用)

自身の法相居座り問題とともに、職務放棄が野党や保守系の市民運動からの激しい批判を浴びての対応でしょうね。元々法務大臣になどなるべき人間ではなかったのです。
本日の修理品
FUNNYのワレットレーンのナスカン交換です。
この8本編みのレザーのレーンにはお買い上げいただいた時点では汎用品のクロムメッキのナスカンが付いていました。FUNNYがオリジナルのナスカンを開発する前のものにはこのタイプを使用しています。かなり使い込まれ、回転軸が摩耗してすっぽ抜けていますので新品に交換です。ストックにあった同じタイプのナスカンを使用しました。
このナスカン、新旧でフォルムはずいぶん違いますが、強度的には大差はないと思います。やはり合金のパーツですからいつかは消耗してダメになります。

*ライダースワレットや携帯ホルスターに付属するナスカン(茄子カン)はダイキャスト製で、大事に使って頂いたとしても、いずれジョイント部分が摩耗したり、スプリングが破損することは避けられません。当店では常時各サイズに合わせたパーツをストックしておりますので、即日対応出来ます。(当店で販売した商品以外はお断りする場合がございます)。
本日の修理品
他社さんの製品ですが、チェーンステッチでの裾上げのご依頼です。
非常に厚く織られたゴツゴツした生地ですが、なぜかインシームが二本針ミシンで巻き伏せ縫いされています。実はこの仕様のものは非常に裾上げし難いんです。通常ビンテージ仕様に準じた製品は、インシームの縫い代は端を重ねてロックして片倒ししてあります。片倒しされた部分は生地が3重になり、裾を縫うために三つ巻きしますから9枚の生地が重なることになります。これがポンコツ骨董品のチェーンミシンの場合、スムーズに作業する限界です。
二本針ミシンで巻き伏せされた部分は、前後身頃の縫い代がくの字に縫い込まれていますから生地が4重になっています。これを三つ巻きにすれば12枚の生地が重なりますからかなりの厚みになってしまいます。特にヘビーオンスのものはその部分だけダンゴのようになってしまうので、ミシンのアタッチメントに収まり難いのです。中に巻き込まれる部分の縫い代を薄くカットし、ミシンにセットする前に木槌で縫い代をたたいて平たくしてから作業をします。

工賃1500円
ロンウルフ・スタッズカスタム
お買い上げいただいたロンウルフ・ハンターのタッセル(フォールスタン)部分にアクリルと真鍮のスタッズを打ち込みました。
昨今、高額なフルオーダーのカスタムブーツが人気ですが、既製品でも一手間加えるだけで、人目を引くオリジナルブーツになります。

*参考価格
ロンウルフ・ハンター/40740円
スタッズ加工/1000円
酷暑と『定説』
何もかも乾涸びてしまいそうな強烈な暑さが続いています。
学校は夏休みに入っていますが、ウチの子供は水筒を下げて出校していきました。この時期、屋外で身体を動かすなら水分補給はかかせません。
しかし…昭和の時代に学生生活をおくった方々はご記憶でしょうか?
当時、炎天下のクラブ活動中でも、水分補給は厳禁とされていました。
日射病や熱射病でバタバタ倒れるケースがありましたが、それでも水分を採るのは身体に悪いと厳しく言われ、フラフラになりながらも我慢していました。スポーツどころではなく、ほとんど我慢大会です。
あの『定説』は一体何だったんでしょうか?
どうしてコロッと説が覆ったんでしょうか?
夏が来るたびになつかしく思い出すので、当時の体育の先生に会ったら説明を求めたいところです。
もうとっくに定年されて、死んじゃったかもしれませんけど。
ジェリー・リー・ルイス
たたきつけるような強烈なピアノの旋律と、吠えたてるようなボーカル。
「ザ・キラー」ことJERRY LEE LEWISは1950年代から変わらぬスタイルで、75歳を越えた今でも現役のロックンローラー&カントリーシンガーです。
つい先頃、新作アルバム『MEAN OLD MAN』の発売が決まりました。
前回の「LAST MAN STANDING」も、この生きる神話のような爺様のために集ったミュージシャンの顔ぶれはスゴかったんですが、今回もストーンズのメンバー始め、リンゴ・スター、ジョン・フォガティ、ウイリー・ネルソン、マール・ハガード、ティム・マッグロウ、キッド・ロック、シェリル・クロウ、エリック・クラプトン等々当代一流のスターが華を添えています。
スタンダードナンバーが多いですが、ただの懐メロ集のはずがありません。
久々に発売が待ち遠しいアルバムです。

「MEAN OLD MAN」JERRY LEE LEWIS

Mean Old Man (with Ronnie Wood)
You Can Have Her (with Eric Clapton, James Burton)
Dead Flowers (with Mick Jagger)
Middle Age Crazy (with Tim McGraw, Jon Brion)
Rockin’ My Life Away (with Kid Rock, Slash)
You Are My Sunshine (with Sheryl Crow, Jon Brion)
Swinging Doors (with Merle Haggard, James Burton)
Hold You In My Heart (with Shelby Lynn)
I Really Don’t Want To Know (with Gillian Welch)
Railroad To Heaven (with Solomon Burke)
Sweet Virginia (with Keith Richards)
Roll Over Beethoven (with Ringo Starr, John Mayer, Jon Brion)
Bad Moon Rising (with John Fogerty)
Please Release Me (with Gillian Welch)
Whiskey River (with Willie Nelson)
Sunday Morning Coming Down
Will The Circle Be Unbroken (with Mavis Staples, Robbie Robertson, Nils Lofgrin)
Miss the Mississippi and You
本日の修理品
持ち込みでの加工依頼です。
イタリアンカジュアルの雄、ディーゼルのデニムですが、膝頭が出るくらいの位置でカットしてショートパンツにしました。これから夏の間中、活躍してくれそうですね。

余談ですが、このあたりのイタリアンブランドは、現在、中国の温州でつくられているものがほとんどだと思います。商社の連中は温州を「中国のミラノ」と呼んでいるぐらいです。そして皮肉なことに、かつてイタリアで生産していた頃よりも品質が向上していたりします。
私見ですが、イタリア人のアバウトすぎる国民性は均質な工業製品を作るのに向いていないと思っています。
メーカー時代にインポートのイタリア製品(スポーツジャケット、スーツ、セーター等)を短期的に扱いましたが、どのアイテムも日本の検品基準をそのままクリアできるものがほとんどなく、大幅に手を入れる必要があり、ウンザリさせられたことがありました。トップランクの工場であっても、縫製の粗雑さはもちろん、縫い残しがあったり、同じサイズ表記なのに大きさがバラバラだったり、日本の専門店や百貨店にそのまま出荷したらクレームの嵐になるような商品のオンパレードです。
イタリア人は、プライドと言い値だけはバカ高くて販売先の事情を考慮することはありませんし、一方で日本の消費者にはイタリアもの信仰が根強くありました。そのギャップがあまりに大きすぎ、間を埋めるのが大変だったのです。「イタ公、いいかげんにしやがれ!」と毒づきながら仕事をしていました。
クリエイティビティーはあっても製品としての完成度が低いというのは、イタリア製の車などにも共通するんじゃないでしょうか?…私自身は乗ったことありませんけどね。推して知るべし。