店長日記

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パッチ縫い付け
遠く熊本のお客様から刺繍パッチの縫い付け依頼です。
今回の作業は、色違いの一枚革のライダースベストに立体刺繍のパッチを各々3枚ずつ縫い付けます。
刺繍は極めて精緻な仕上がりですが、縁までびっしりと細かい刺繍が施されていますので、革用の針は使えません。側面に刃のついた革針でザクザク縫っていくと刺繍糸を切ってしまう可能性があるためです(縁がフェルト地になっている刺繍パッチを革に縫い付ける場合なら革針を使用します)。作業はミシンに布用の丸針をセットして手送りで縫っていきます。背中のスカルのパッチは形状が複雑で、何度もミシンを切り返しながら仕上げていきます。左前のパッチの縫い付け部分は、裏側の身頃の見返しと内ポケットに干渉して革が重なるため、抵抗が強くて布用の針では限界の厚みでした。
ところで熊本といえば阿蘇で例年チョッパーミーティングがおこなわれるのが有名で、当地半田市内のお客様でも参加している方がいらっしゃいます。
また、カントリーゴールドというカントリーミュージックの祭典も毎年開催されており、本国から超一流どころが来日する、ライブとカントリーダンスの一大イベントになっています。
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本日のニュースより

中国監視船、一時尖閣沖に=右翼系団体の動きけん制? —沖縄 
3日午前6時35分ごろ、沖縄・尖閣諸島の魚釣島の北西約31キロの日本の接続水域内で、中国の漁業監視船「漁政201」が南南東方向に航行しているのを海上保安庁の航空機が発見した。同庁の航空機が領海に入らないよう無線で警告し、監視を続けていたところ、監視船は約4時間後の午前10時35分ごろ、接続水域を出た。
尖閣諸島の実効支配を主張する日本の右翼系団体が2日、同諸島沖での漁業活動のため漁船数隻とともに、石垣港(沖縄県石垣市)を3日早朝に出港すると表明。3月11日以来となる同諸島付近での中国監視船の活動の背景には、こうした動きをけん制する狙いもあるとみられる。 
(以上引用)

印象操作なう。
保守系の団体(がんばれ日本全国行動委員会)が合法的な活動をしているのに右翼?
右翼=ヤクザもの、総会屋、政治ゴロといった世間のネガティブなイメージを悪用した時事通信の誹謗中傷。
本日の修理品
旧DENIMEのXXタイプの修理品です。
サイフを入れる方のバックポケットの口が大きく裂けていますが、これもカケツギで修理することが出来ます。
このタイプは、リーバイスの501XXに準じてポケット口の左右に胴の隠しリベットが打ち込んであります。もちろん補強の為の物ですが、布に金属パーツを打ち込んでいる訳で、実際には打ち込みの穴から生地が裂けてしまうケースが見受けられます。過去にも同じ状態の修理品を何点か扱っています(本家のリーバイス501は60年代に隠しリベット廃止)。
修理はポケット口のちぎれてしまった部分を別布で継ぎ足し、三つ巻きしなおしてからコバを縫い付けていきます。こういう状態で隠しリベットを再度打ち直すのは無理があるので、取り去って穴を塞いでしまうこともありますが、今回は残したまま、上にポケットを被せてリベットの端ギリギリをタタいて縫い付けました。
本日の修理品
FUNNYの携帯ケースのナスカンを新品交換しました。
合金製の軸の部分は常に負荷がかかる状態で使用されますのでどうしても摩耗してしまいます。
このナスカンの取り付け部分は、初期型はスナップ釦だったのですが、ナスカンの交換はワンタッチで可能な反面、ちょっとしたはずみでスナップが外れてケース本体を落としてしまうことが頻発したため、すぐにカシメ式に変更されました。ナスカン交換の際にはカシメごと新品交換になります。革を傷つけずにカシメ部分だけを削って取り外し、新品のナスカン(強化タイプ)を挟み込んでカシメを打ち直します。
所要時間は15分程です。

画像上/ナスカンを留めていたカシメを削って取り除いたところ。

画像中/新品のナスカンを挟み込み、アンビルに固定してカシメを打ち直し。

画像下/作業完了。
スピーディップ
シルバー製品の黒ずみをあっという間に除去してくれるスピーディップは、特に複雑な形状の物をポリッシュするのに有効です。
シルバー製品は、空気に触れているだけでも表面が酸化しますし、硫黄の含まれる温泉などにつけたまま入浴するとびっくりするほど黒ずんでしまいます。
平板な物はシルバークロスでさらっと拭いてやれば、表面の酸化層が取り除かれ、美しさを取り戻します。シルバークロスには研磨剤も含まれるので、表面の線キズなどもきれいに消すことができます。
しかしこのペンダントヘッドのような形状だと、磨ききれない箇所があるのと、研磨剤入りのシルバークロスであまり磨き込むとエッジが丸くなってしまうので、スピーディップを使用します。カップの中に入った液体に浸けると硫化物が除去され、真っ白な地金の状態が現れます。あとはしっかり水洗いをするだけで元の輝きを取り戻すことができるのです。
シルバー製品の黒ずみが気になる方、お買い上げいただいた製品につきましては常時対応しておりますのでご相談ください。
2010年の1月3日の日記で、福袋にからめて二重価格について思いつくままに以下のように書きました。

<二重価格というのは、正札10000円→セール価格5000円で販売されているものが、実際は10000円で販売された実績がなく、はなからセール価格5000円で販売されているようなケースをいいます。もともと5000円でも利益の出る製品であることは言うまでもありません。
これは一般消費者に誤解を生ぜしめる商法ですから、公取委の摘発対象にもなります。
しかし、常態化していて数が多過ぎ、事実上野放し状態なのです。>

これは年中行事のようになったクリアランスセールに便乗するケースも当然ありますが、なかにはあざといやり方で法の目をかいくぐったセールを連発する業者もおりますのでご紹介しましょう。
二重価格についてもうちょっと正確に書くと、公正取引委員会の景品表示法では、値下げ前の(定価)での実売期間が最低二週間に満たないものを排除対象にしています。逆に言えば最低二週間の(定価)での販売実績があれば、その後の二重価格表示は法的に全く問題なくなります。そこで納品日から二週間、アリバイ的に、上乗せ価格でこっそりと店舗の片隅に配置しておいた商品は、二週間後には正々堂々と(ご奉仕価格)でセール玉として販売できるというわけです。さらに極端な話、伝票上で納品されていればパッキンに詰めたまま二週間寝かしておいても実際どうということはないでしょう。これなら誤って?短期間の上乗せ価格で購入してしまう人もいなくなるので、無用なトラブルを回避出来ます。
このような手法で法的な問題を一応クリアする業者も現実に存在します。
一般消費者を舐めきったやりかたですが、偽装は偽装でも食べ物や住宅のように一つ間違えば命にかかわるものでもないので問題になることも無く、今後も放置状態は続くと思われます。
こういう業者にとっては『セール品しか買わないもんね!』という強固なポリシーの人達が優良な顧客であることは言うまでもありません。
もちろんすべてのセールがこのような内容だという訳ではありませんが、梅雨入り前からすでに夏物のセールが散見され、そうしたケースはいくらなんでも実売期間が短すぎ、(定価)販売を前提にしていないのはあきらかなことなのです。
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本日のニュースより

「朝鮮戦争に日本も参戦した」、北朝鮮が謝罪要求
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は28日、「朝鮮民主主義人民共和国歴史学学会備忘録」を通じ、日本も朝鮮戦争に参戦したと主張し謝罪を要求した。
日本は米国の対朝鮮侵略戦争において、必要な兵力と武装装備、軍需品の輸送と生産保障により特等参戦国の役割を尽くしたと強調。朝鮮侵略戦争に加担し平和的な住民を殺害し国土を焦土化した罪過を率直に認め、誠実に謝罪するよう求めた。
また、「わが民族は日本が過去、朝鮮人民に対し犯した罪悪を一時も忘れることがない」とし、日本は朝鮮戦争の敗北に深刻な教訓を見出し、軽挙妄動を慎むべきだと述べた。
(以上引用)

歴史捏造なう。
こんなあからさまなイチャモンをつけてくるのは、よほど腹が減ってるんでしょうか?
日本の経済制裁も効果をあげてるんでしょうね。ここはもう一押し、パチンコ利権からの金の流れを抑え込みたいところです。
本日の修理品
お客様が古着屋さんで購入され、裾線がパンクしているので当店にお持ち込みになりました。
ビンテージもののヘラクレス(シアーズ)オーバーオールです。
全体に程よい色落ちと、通好みのペンキの跡が残り、ビンテージのオーラを発しています。100%綿糸の縫製で半世紀以上経っていますので、各所に糸切れがみられますが、とりあえず着用に差し支えないように裾を巻き直しします。
古いオーバーオールやワークパンツは、全体を白糸で縫ってある物でも、なぜか裾の三つ巻きは表側が濃紺の糸で、内側が白糸のチェーンになっている物が多く、他ブランドでも同様です。ということでオリジナルの雰囲気をこわさないように同様の配色(濃紺×白)で巻き直しです。
この手のワークウエアは90年代ぐらいまでは本国に山ほど有り、値段もけして高い物ではなかったのですが、最近はモノが枯渇し、値段も高騰しているようです。国内で流通している物は以前日本に入った物がユーザー→買い取り(委託)業者→ユーザーというようにクルクル循環しているものも多いようですね。
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本日のニュースより

81歳伝説のギャング、逃亡劇16年…全米騒然 
米連邦捜査局(FBI)が同時テロ首謀者のウサマ・ビンラーディンらと並ぶ最重要指名手配容疑者として行方を追っていた81歳の元大物ギャングが16年に及ぶ逃亡の末逮捕され、米メディアが連日、大々的な報道を続けている。
有力情報に200万ドル(約1億6000万円)の賞金がかけられていたジェームズ・バルジャー容疑者がロサンゼルス近郊サンタモニカで逮捕されたのは22日。通報を受けた捜査員が3階建てアパートで発見した老人が本人と確認され、逃亡生活を支えた愛人の女(60)とともに逮捕された。FBIは最近、テレビCMなどで改めて情報提供を呼びかけていた。
バルジャー容疑者は、米東部ボストンの犯罪組織「ウインター・ヒル・ギャング」の元ボス。アイルランド系米国人主体の、麻薬やギャンブルで膨大な利益を上げた組織で、バルジャー容疑者は銃で人の眉間を撃ち抜くなどの冷酷ぶりで社会を震え上がらせていた。2007年にアカデミー各賞を受賞した映画「ディパーテッド」でジャック・ニコルソンが演じた大物ギャングのモデルとされる。
(以上引用)

記事を見て思い出したが、一時米国の実録犯罪物の和訳本を読みあさっていた中に、この男のものもあった。本の題名は忘れたが、名前はジェームズ(ホワイティ)バルガーと表記されていたと思う。しかし映画でのジャック・ニコルソンの演技との関連は全く知らなかった。
このアイルランド人のギャングは、長年FBIの密告者でもあった為に、鬼畜としかいえないような所行を黙認されていたはずである。そのあげくの逃亡、逮捕だから、今後裁判ともなれば、当局にとって都合の悪い情報もボロボロと出てくる可能性もある。…ちょっと楽しみだな。
本日の修理品
千葉県のお客様からの修理依頼ですが、はじめて対応するケースですのでご紹介いたします。
お送りいただいたのはシュガーケーンのユニオンスタージーンズで、裾上げとともに、革ラベル上の星形ステッチがほつれているので修正します。
この意匠ステッチは、革ラベルを腰帯に縫い付ける前に、上糸は刺繍用の太糸、下糸は化繊の細糸を使ってミシンで入れています。上糸が切れてほつれているので、残っている糸もすべて抜いて作業をはじめます。
今回は革ラベルを外さずに、ミシン穴を革針で拾ってサドルステッチしていきます。糸はレザー用の手縫い糸で質感の近いものを使用します。サドルステッチは革製品の手縫いに多用される縫い方で、同じ一本の糸が交互に上糸と下糸になり、一カ所切れたぐらいではほつれることがありません。

画像上/ミシンステッチが切れてほつれが広がっている状態。

画像中/元の糸は抜き取って、ミシン穴を拾って手縫いしていきます。

画像下/ステッチ目が埋まったら、最後の糸端はラベルの縁から引っ張り出してカットすると綺麗に収まります。
ビュイック始末記(シフト機構編)

この車は私の手元にくる前の段階で、元々付いていたステアリングコラムを取り外してB&Mのフロアシフトに変更されている。
この方がよりスポーティなイメージはあるが、私としては、本当はコラム式の方がアメ車らしくて好みではある。昔乗っていたマーキュリーの大きなワゴンは前席三人掛けで、コラムにベンチシートだったが、助手席側からもすんなりと乗り込めて便利だった。
しかしあえて元に戻すのも大変だし、シフトに関してはこのままいこうと思っている。
ところでこのB&Mのシフトは普通のフロアシフトと操作性が異なり、P・R・N・Dの間はノブを上に引き上げてチェンジしていくが、D・2・1の間の操作は、ノブを軽く手前に引いたり、押したりするだけでカチカチとシフトチェンジする。以前にこの車に搭載されていたのが454CI(7400CC)のビッグブロックで、そのときのドラッグシフトがそのまま残っているということだ。今のエンジンで通常走行するときに何かイミがあるかというと何にもなく、なんとなく速そうな雰囲気を醸し出しているにすぎないのだが。
希少本であるため、ご紹介
『ミリタリーワールド ユニフォームス&エクイップメント 各国軍装装備品』 中田商店発行 白金書房

これは昭和50年頃にアメ横の中田商店が発刊した資料集兼通販カタログで、ずっと手元にあったものです。
米軍の衣料や備品を中心に、旧日本軍や英軍、ドイツ軍関連まで網羅し、実物の放出品のみならず当時すでにレプリカ品を製作販売していました。
種々雑多なアイテムの中には、現在では銃刀法で厳しく規制されているタイプの金属モデルガン(当時中田商店はTRCというモデルガンメーカーでもあった)や、火薬を抜いた実弾、刀剣類も掲載されています。
当時はもちろんインターネットなど存在せず、欲しい物があると直接電話で問い合わせ、写真にふってある品番を言って詳細を訊き、在庫の確認をしてもらいました。商品を確保すると郵便局から現金書留を送って、一週間ぐらい後に郵便小包で商品が届くというのが普通の通信販売の流れでした。
現在のようにインターネットで詳細な情報が得られ、クリックするだけで即座に配送されるようなしくみはなく、時間も手間もかかりました。思い通りの商品かどうかは包装を開けてみないとわからないところもあり、失敗もありました。しかし年若かったせいもあり、モノを手に入れるときのワクワクした気持ちは今よりもずっと大きなものがあったのです。
ビュイック始末記(キャブレター編)
キャブレターのアメ車に乗る人はホーリー派とエーデルブロック派に好みが分かれるようだが、私はホーリーの方しか乗車体験が無いので、性能的な違いはよくわからない。
さらに技術のある人はシビアにセッティングして調子を出したりするのだろうが、通常走行でそこまでの必要性を感じたことがないので一度もやったことが無いのだ。
このホーリーのキャブレターは、新品交換して5年ほどになる。
このエンジンには、以前もタイプ違いのホーリーのものが付いていたが、古くなってだんだん性能が落ちてきた。市販のクリーナーで掃除する程度では改善されなかったので、ガレージ井口さんに見てもらったが、オーバーホールも大変そうだったので、おまかせでお奨めのものに取り替えてもらった。
自分で手を付けることが出来ない分野は、あっさりと信頼出来るプロに丸投げするようにしているのだ。
組み上がってくると、前のものにはなかったオートチョークが付いており、始動時は回転が高く、2分ぐらいアイドリングさせた後にアクセルをポンと踏み込むと回転が下がるようになっている。それが出発前の儀式のようになっており、安定してからおもむろにドライブに入れてソロリと走り出すのだ。
キャブレターはインジェクションのようにすぐ走り出せる手軽さはなく、気候によって幾分調子が変わったりもするが、そのくらいは一興だろう。
多少の気遣いと不便さを伴うところが、逆に旧式の機械に向き合うときの楽しさでもあるのだから。
来るたび発見!?名古屋・大須
昨日は所用で久々に名古屋・大須界隈に立ち寄りました。
本当に蒸し暑い日でしたが、人影が少ないのは天気のせいだけではありません。中部地区でも圧倒的な集客力を誇った大須地区にも不況の影響は確実に及んでいます。
特に古い集合テナントでは退店が相次いで穴が埋まらず、歯抜け状態で、かつての勢いは感じられません。
路面店では、古くからの所有者がのんびり経営している店舗は別として、テナント入店のケースでは、実績と資本力があるSHOPは健在ですが、新規出店の入れ替わりが非常に激しくなっています。手元にある数年前の大須MAPと現在とを比較してもガラリと顔ぶれが変わっているほどです。賃貸料が高いので固定費を賄うだけでも大変で、売り上げが落ちればあっという間に資金がショートしてしまいます。私の知人でこのエリアに複数出店している方がいますが、順調な経営ながら粗利益のかなりの部分が賃貸費用に消えていくようです。
ところで昼食に入ったフード店ではカウンターに座りましたが、対面で給仕する女の子が虫がとまったようなキモチ悪いネイルをしていました。あのツメでしっかり手を洗えるとはおそらく誰も思わないのではないか。料理を出す店が店頭にこんなネイル女を配置するのはよほど人手が足りないのでしょうか?
カウンターに置いてある調味料もカチカチに固まって出てこないので、肝心なことにはほとんど気がまわらないのでしょう。この激戦区にしてこんな人員配置では、今度行ったら店が無くなっているかもしれません。
そんな残念すぎる給仕のおかげで少し胸焼け気味でしたが、その後にふらりと立ち寄った2丁目の「じゅっぷん」というコーヒー専門店の一杯取りのコーヒーが実においしくて不快な気分が吹っ飛びました。深炒りの豆を金網で濾したコーヒーは、その芳香も味わいも今まで味わった中で最上質のものでした。ご夫婦で経営されているようで控えめでツボを得た接客、昭和の古い建物を利用した趣のある店舗も素敵です。ここのコーヒーを飲む為だけにまたここまで来てもいいかなと思わせるほど居心地の良い空間でした。
「来るたび発見!」という大須MAPのキャッチコピーは、色々な意味でそのとおりにはちがいありません。
デニム一考
本格的につくり込まれたジーンズを愛用する方達も、製品化されたものは見慣れていても、旧式の織り機(力織機)で織られたデニムの原反を見る機会はほとんどないとおもいます。
画像は工場で裁断される前の織り上げられた原反で、事情があって当店でストックしているものです。
量産品のデニムとのあきらかな違いはその生地幅で、力織機では70センチほどの幅でしか織る事が出来ません。しかも一台の織機で一日に織れる長さは50メートル(一反)ほどと言われています。ローテンションでゆっくりと織られる為に表面にザラザラした凹凸感があらわれます。せまい織り幅の生地をいっぱいまで利用する為、本来は切って捨ててしまう耳の部分も利用されます。
対して現代の高速織機ではスピードは倍以上で、生地幅も150センチ近くになり、生産効率が格段に進歩しています。糸が綺麗に引き揃えられ、織りムラもなく均質に仕上がります。
もちろんデニム本来の味わいが好きな方に支持されるのは前者の方ですが、生産効率の圧倒的な差はそのまま価格に反映される事になるのです。
トライアンフTR6改
お客様所有のトライアンフ・チョッパー。トラックに乗せられ、機関部のオーバーホールへ向かう途中でご来店です。
この1958年式のTR6は、エンジンとフレームの一部を残し、ほとんど作り替えられています。当店からほど近い、K&N(0569−24−5699)さんの手によるもの。
エンジンは、なんと国内のオートレース場で使われていたレーシングエンジンで、中身も当然レースに合わせたセッティングのため、ストップ&ゴーの街乗りには少々キツい面がありそうです。リジットフレームにロングスプリンガーフォークの組み合わせで、さらに乗りにくく生まれ変わりました。暴れ馬を乗りこなすような気合いとテクニックが必要なことは言うまでもありません。外装はヨレヨレの野ざらし風で、オーナーのセンスがきらりと光るわるもの仕様。
ジョン・カサベテスの低予算映画に出てくるような、おもわずふんふんと頷いてしまう懐かしいチョッパーです。
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本日のニュースより

「中国にいらっしゃい」=温首相、福島の被災女児に返信 
【北京時事】18日の新華社電によると、中国の温家宝首相は、5月に東日本大震災の被災地を訪れた際に交流があった福島県郡山市立金透小学校6年の福島佳代さんから届いた手紙に返事を出した。返信には「日本の被災地の子供たちが中国で休暇を過ごせるよう招待しましたが、中国が大好きなあなたが来られることを希望します」と記されていた。
5月21日、福島駅で両親や妹とともに、温首相の到着を待っていた福島さんは、温首相から握手してもらい、妹は顔をなでてもらったという。その時に感動したことや、中国の漢字やパンダ、音楽が好きで、中国語を勉強していること、将来は北京大学に留学して日中友好の懸け橋となる仕事がしたいことなどを手紙に書いて5月28日、温首相に送った。登校時の写真や妹が描いた温首相の似顔絵も添えた。
温首相の返信は11日付で「手紙、絵、写真、受け取りました。とてもうれしかった」と力強い毛書体で書かれており、受け取った福島さんは満面の笑みを浮かべたという。 
(以上引用)

対日工作なう。
子供をプロパガンダのダシに使うな、クソじじい!
だれかまともな大人が、パンダは中国の動物ではなく、チベットから略奪したことを教えてやってほしいもんだ。
ビュイック始末記(内装編)
カーペットが傷みやすいのはコンバーチブルの宿命であろう。
直射日光にあたる時間が長いのが主な理由である。もちろん消耗品の扱いだから頃合いを見て張り替えれば良い。本国では、この車格に合うリプロ品もそこそこ流通しているようだ。しかしカーペットごときでわざわざ海外から取り寄せる必要も無い(毛唐のアホタレが型違いを送ってこないとも限らないし…)。手近な材料でも充分に間に合わせる事が出来るのだ。
元のカーペットがスカスカに退色し、弾力も無くなったので、国内メーカーの住宅用ループカーペットを買って来て、現物合わせで裁断して張り替えた。
本来車用のカーペットは床の凹凸に合わせてプレス加工されているが、住宅用として切り売りしているただのループカーペットなのだから平面である。しかし中心から合わせていって曲面を出し、端をシートの下やサイドパネルに追い込んでいってカットしてしまえば綺麗に仕上げる事が出来る。車用と住宅用ではクオリティが違うかもしれないが、始終人がその上を歩いたり、家具を置くことが前提の住宅用の方がむしろ復元力にすぐれ、耐久性があるのではないかと思っている(たぶん)。
材料代はせいぜい数千円で、あとは自分の作業手間を楽しめる余裕があれば充分である。
スタッズベルト鋭意製作中
お客様のオーダーでブラックの帯をベースにピラミッドスタッズを打ち込んでいます。
ポイントの部分には赤色のクリアスタッズをご指定いただきました。
スタッズの配置は、サイズが何インチであっても着用時に中心から左右同じバランスになるように型入れしています。裏面の2本爪の先端はしっかりと折り込んで取り付け、突起部分でパンツの生地を傷める事もありません。
最低10年はご使用いただけるクオリティでご提供しております。
レザーパッチ鋭意製作中
47爆撃飛行隊の絵柄でパッチを製作中。
この飛行服を着たカラス?の絵柄はわりとポピュラーで、バズリクソンズがスウェットやTシャツにプリントして製品化もしています。
ただ当方の資料では小脇に機関銃をかかえているので、そのように描きましたが、バズのプリント製品では機関銃を持っていません。バリエーションがあるのか、一次資料ではどうなっているのか、結局調べがつきませんでした。パッチ関連ではこういうことがよくあります。
作業は単色で塗り分けるのではなく、少しぼかしを入れて描いてみました。
乾いたら上塗りで少し古ぼけた感じに仕上げます。
HISTORY OF VIOLENCE(ヒストリー・オブ・バイオレンス)
近頃近所のレンタルビデオ屋では、旧作を50円で借りられる。
安いからってたくさん借りるというものでもないと思うのだが、近くに新しく出店してきた同業者への対抗価格だろうか?
さて、好きな俳優のヴィゴ・モーテンセンの主演作という事で目に留まったこの旧作品、結構な話題作だったようです。
監督は鬼才、デヴィッド・クローネンバーグ。競演はマリア・ベロ、エド・ハリス、ウイリアム・ハートといったいずれ劣らぬベテラン揃い。
主人公は田舎町でダイナーを経営する穏やかな物腰の男。妻と子供二人と静かに暮らしている。ある日、そのダイナーに流れ者の二人組の拳銃強盗が押し入るが、主人公は電光石火の早業で反撃し、逆にその強盗をあっさり撃ち殺してしまう。連続強盗を撃ち殺し、一躍町のヒーローになった男の元には取材が殺到し、ニュースは全国に配信される。ところがしばらくすると、男の元に遠く離れたフィラデルフィアからマフィアがやってきて別の名で呼びかけ、つきまといはじめる。自らの過去を封印して地道な暮らしを続けてきた男は、過去のしがらみとの対決を余儀なくされるというストーリー。
ヴィゴ・モーテンセンは抑えた演技で、ひっそりと暮らしながらも瞬間的に獣のような暴力性を発揮する男を好演しています。
知的な妻を演じたマリア・ベロは芸歴が長く、TV「ER」の女医役で日本でもなじみがある女優。「コヨーテ・アグリー」では姉御肌のバーのママ役がハマっていた。隻眼のマフィアを演じたエド・ハリスはいつもながらそつがなく、偏執狂的なボス役のウイリアム・ハートはベテランの風格。
血なまぐさいシーンもあるが、ただのバイオレンス映画の類いではない。
深読みすれば、カナダ人の監督が、ちょっと離れた視点でアメリカ社会に内在する暴力性そのものを描きたかったようにも受け取れる。
玄人筋からの評価も高く、多くの映画賞を受賞しているなかなかの傑作。

付記/監督のクローネンバーグはこの後、再びモーテンセン主演で「イースタン・プロミス」を製作するが、この作品もとても味わい深い傑作だった。
ビュイック始末記(塗装編)
購入時派手な赤色だったのを全塗装したのは3年ほど前のことだ。
いつか塗り替えたいと思っていたが、なんとなく10年も過ぎた頃には塗面も荒れ、変色も著しくなってきたので、車検のついでに全塗装することにした。
色はソリッドのライトブルーかオフホワイトかで迷ったが、口頭でもイメージの伝わりやすいオフホワイトとした。この時代のアメ車にはメタリックの車両も多いが、ベッタリと厚塗りしたようなソリッドの塗装の方が、温かみがあって好みである。ボディの鉄板の表面が微妙に波打っているようなアメ車には、この方が似合うと思っている。調色はおまかせしたが、白にわずかにクリーム色を注してもらい、ちょっと日焼けしたようないい感じに仕上がってきた。60年代の曲線と直線が絶妙に入り交じったボディが強調され、男前である。ちなみに本国で販売された時の純正色は、卵の黄身のようなビビットなクリームイエローであったようだ。
旧車の楽しみ方は人それぞれで、外装、内装からネジ1本までオリジナルにこだわる人、現代風のアレンジを加えてカスタムする人、レース志向の人といろいろだ。趣味の世界なのだからどうあろうとかまわない。
私はフルオリジナルにはこだわらないし、人目を引くようなカスタムをする気も無く、カリカリのチューンナップで走る気もさらさらない。
あえていえば、時代性を残しつつ、そこそこに小綺麗で、普通に走ってくれる亊にこだわりたいのだ。
古いアメ車特有の、隙だらけのゆるゆるとしたアバウトさには、同じような精神性で接していたい。

追記/ふと思い出したが、すぐ近くの結婚式場で、1959年式のシヴォレー・インパラのコンバーチブルを新婚カップルのパレード用に使っており、色も同じ赤だったのでよく混同された。いつのまにか車両を見かけなくなったが…。
本日の修理品
一般的にジーンズのあき止まりの部分には、閂止めというジグザグステッチの補強が入ります。勢いよくボタン(あるいはジッパー)を開けた時に、最も負荷のかかる部分だからです。
しかし先祖還りしたようなビンテージレプリカでは、あえて昔の仕様に準じてこの閂止めが入っていません。単純に前立てを重ねあわせてシングルミシンでコの地に縫ってあるだけです。しかも綿糸で縫製しているので、糸が劣化してパンクしてしまうケースは非常に多いのです(画像上)。
修理は比較的簡単で、即日対応も可能です。
本日の修理品
このパンツは、お持ち込みになったお客様のお話では1930年代の囚人服だそうです。
ライトオンスのデニムとヒッコリーのコンビネーションになっており、身頃にはSFPD(サンフランシスコ・ポリス・デパートメント?)のステンシル入り。現代のタウンウエアで充分通用するデザインです。古着屋でデッドストックで購入し、洗いこんだが思ったほど縮まず、丈が長いのでカットしたいとの事。裾は広幅の三つ巻きシングルステッチで30番手の綿糸使いです。糸の色合わせが難しいのですが、在庫の糸の中で出来るだけ近いものを選び出し、巻き幅も合わせて仕上げました。
古着屋さんは販売後の修理対応をしているところは少なく、そうした商品が持ち込まれる事は時々あり、当店の業務に支障のない範囲で対応しています。