本日の修理品

本日の修理品
千葉県のお客様からの修理依頼ですが、はじめて対応するケースですのでご紹介いたします。
お送りいただいたのはシュガーケーンのユニオンスタージーンズで、裾上げとともに、革ラベル上の星形ステッチがほつれているので修正します。
この意匠ステッチは、革ラベルを腰帯に縫い付ける前に、上糸は刺繍用の太糸、下糸は化繊の細糸を使ってミシンで入れています。上糸が切れてほつれているので、残っている糸もすべて抜いて作業をはじめます。
今回は革ラベルを外さずに、ミシン穴を革針で拾ってサドルステッチしていきます。糸はレザー用の手縫い糸で質感の近いものを使用します。サドルステッチは革製品の手縫いに多用される縫い方で、同じ一本の糸が交互に上糸と下糸になり、一カ所切れたぐらいではほつれることがありません。

画像上/ミシンステッチが切れてほつれが広がっている状態。

画像中/元の糸は抜き取って、ミシン穴を拾って手縫いしていきます。

画像下/ステッチ目が埋まったら、最後の糸端はラベルの縁から引っ張り出してカットすると綺麗に収まります。