店長日記

6813

ネームプレート製作・縫い付け
昨日に続き、A-2に革のネームプレートを取り付けます。
指定された文字を印字したネームプレートの端を、元のステッチ跡をギリギリ覆うようにカットします。ネームプレートのコバに下穴を開け、本体に仮止めした上で縫い付けていきます。
今が暑さのピークですが、あと一月半ほどでA-2が最も活躍する時期になりますね。

*お盆の期間中も平常営業しております。
ネームプレート鋭意製作中
今回は奈良県の方からの依頼です。
お送りいただいたA-2には、元々ネームプレートが縫い付けられており、それが取り外されています。当然元のステッチ穴は残ったままになっていますので、それをピッタリ覆う大きさであらたに製作します。

*お盆の期間中も平常営業しております。
本日の修理品
最近のTシャツ(国産or中国産)のボディは頑丈なものが多くなり、以前のようにワンシーズンで首周りがダレてしまうことが少なくなりました。
それに比べるとあまり進歩の無いMADE IN USAのボディは、洗濯したものをハンガー干ししただけで首周りが広がってしまうものがあります。
今回はそんなUSA物のTシャツの首周り(天幅)の修正です。
左右のネックポイントから肩先までをダーツ状に縫いこんで、首周りを小さくしました。カットソーの縫製には専用の針と糸を使用します。縫い代端はロックミシンで始末します。

画像上/修正前

画像中/修正後
マチェーテ
このマンガのようなストーリー展開、残酷な映像表現、俳優陣の大袈裟な演技などはかつてのマカロニウエスタンを彷彿とさせる。
娯楽映画はこれでいいのさ!と言わんばかりのロバート・ロドリゲス監督の派手な作品である。そしてこのバカバカしくも楽しい映画に、いずれも主役級の俳優が脇役として登場する。ロバート・デ・ニーロ、ジェシカ・アルバ、スティーヴン・セガール、ジェフ・フェイヒー、ミシェル・ロドリゲス、ドン・ジョンソン、リンジー・ローハンといった豪華すぎる顔ぶれ。そして主演は「デスペラード」以来、ロドリゲス作品に多く出演するダニー・トレホ。この恐ろしい岩石の様な顔の俳優は、かつて本当の悪人で、麻薬中毒でもあった。体中の入れ墨はもちろん本物で、チカノマフィア特有の図柄である。
ストーリーは、妻子を殺害された元メキシコの捜査官マチェーテ(トレホ)が、蜜入獄して流れ着いたテキサスの町で、再び犯人の麻薬王(セガール)と対決するというもの。
マチェーテ(山刀)での立ち回り、拳銃から重機関銃まで使った銃撃戦、ホッピングするローライダー、チョッパー、マスクマンの殺し屋、女優陣のコスプレ等々ロドリゲス監督ならではギミックが満載。
このB級テイストの娯楽映画を余裕を持って楽しめるのは、やはりある程度通俗的な作品も観てきた人達であろう。

追記/そういえばクエンティン・タランティーノの「レザボア・ドッグス」でMrブルーを演じたエディー・バンカーは、自らの犯罪体験を元に小説を書いているが、数年前に和訳出版された「エドワード・バンカー自伝」の中で、たびたび刑務所の中でダニー・トレホと顔を合わせたことを書いていた。
パッチ縫い付け
裏地がオレンジ色のレスキューカラーになったMA-1に当店の刺繍エアフォースパッチを縫い付けます。
MA-1に限らず、ほぼ全てのジャケットやブルゾンは、袖山部分で表地と裏地は固定されておらず、浮いた状態になっています。これは着用して体を動かした時の運動量に余裕を持たせる為と、袖山を縫い込んでしまうと、縫製作業上も不都合があるためです。
上腕にパッチを貫通させて縫い付ける場合、表裏の袖山の正しい位置をきちんと確認しないと縫いずれがおき、棚皺やツレが出ることがあります。
イングランドコンチョ
二の字に穴の開いたこのコンチョは、イングランドコンチョと呼ばれるものです。
この穴に裏から革帯を通してベルトに固定してコンチョベルトを作ったり、チャップスやスパーの固定にも用いられます。画像の様に革帯の端を表側に出してリボンのように使えばアクセントにもなります。
今回はバイクの外装に使用します。

画像上/短冊に切った革に二か所、切り込みを入れる。

画像下/コンチョの穴に革帯を通し、切り込みをくぐらせてリボン状にする。
ニューヨーク、狼たちの野望
この映画にこの邦題はないだろうというのが観終わった後の率直な感想。
しかし作品自体は小粒ながら素晴らしい。内容もよくわからずに借りてきたが、たまにこうした当たりを引くことがある。
ニューヨークのスタテン島を舞台に、3人の男の人生が交錯する。聾唖で肉屋の店員をしている老人(シーモア・カッセル)、清掃作業員として働きながら強盗を企てる新婚の男(イーサン・ホーク)、殺害した死体を毎回袋に詰めて肉屋に持ち込み、処分を強要するマフィアのボス(ヴィンセント・ドノフリオ)。
肉屋の店頭で偶然3人が居合わせるシーンから、並行してそれぞれの人生を描き、意外なかたち収束に向かう関系を描いている。最近この群像劇のようなスタイルの映画がずいぶん多くなったように思う。同じイーサン・ホークが出演した近作の「クロッシング」も同じ手法である。
イーサン・ホークやヴィンセント・ドノフリオの達者な演技もさることながら、やはり印象に残るのは独特の哀感があり、どことなくチャーミングなシーモア・カッセル爺だろう。この役を他の俳優が演じていたら、映画の印象自体が違うものになっていたのじゃないだろうか。
派手さは無いが、よく練られた脚本で、シリアスドラマにブラックユーモアの要素を加えたような絶妙な作品に仕上がっている。
怪奇現象
毎年お盆間近のこの時期になると、きまって店内で不思議な音が鳴り出す。
ピシッ、ピシッと小枝を踏みつけて歩く様な音である。
備え付けの音響器機のノイズではなく、ミシンなどの機械音とも違う。何の動きも無い空間で、突然音が鳴るのだ。
ある人はこれをラップ現象と呼ぶ。
…恐ろしいことである。
もしかしたら店の奥に鎮座するカウボーイきよじに憑依した霊の呪いかもしれない。日頃からとことん不信心なオーナーを戒めるサインととれなくもない。スピリチュアリズムの大家、江原啓之大先生であれば、たちどころに霊界からのメッセージであると断言するにちがいない。
しかーし…じつはこれ、無垢の木材が乾燥していく過程で反りが出て、内部がひび割れる時の音。特に日射しの強いこの時期に集中する。
当店の床には3,5センチ厚の無垢材を使っており、施工段階で100%水分が抜けてはいなかったということだ。完成時は隣り合う木材の合わせ目はピッタリで、紙一枚入らなかったが、15年以上経った今では3〜5ミリ隙間が空いている。その分乾燥して木が痩せたということになる。これはもちろん施工段階である程度予想が出来たことである。普通はコンパネを敷いた上で頑丈で変形しないウレタン仕上げのフローリングにするが、どうしても素地のままの材木を使いたかったのでこの仕様にした。
今では変色して傷だらけだが、良い味を出している。

画像下/余った床材を利用して製作したブーツ用のラック。古材風にペイント。
ウエスタンシャツ鋭意製作中
ショップでオリジナル展開しているウエスタンシャツは、買い付けた生地をテーラーの職人さんのところで裁断、縫製してもらい、スナップ釦を店内で打ち込んでいます。
これはテーラーさんではスナップ釦の打ち込みが出来ず、その工程のみ外部委託するとかなりコストアップしてしまうので、店内で対応するようになったのです。
今回、釦の色はグリーンのチェック生地に合わせて黒色を選択しました。スナップ釦は、上前立てと下前立てをそれぞれのパーツで挟み込んでカシメていきます。カシメが強すぎると留め辛くなり、弱すぎると抜けてしまいますので加減が必要です。
フェイク塗装(その参)
当店の、枕木を積んだ正面階段を上がると、ネコの額ほどのアプローチがある。
床面は凸凹したレンガ敷きになっているが、これも新品の素焼きのレンガの角を削り、漆喰と顔料で色付けしたものである。ガーデニングがブームになって以降は、アンティーク風レンガが一般家庭の外構にも用いられるようになり、その辺のホームセンターで手軽に買えるようになった。しかしそれもここ10年ぐらいのことで、それ以前はそんな気の利いたものはほとんど流通しておらず、現在のようにインターネットでお取り寄せというわけにもいかなかった。結局新品を加工してそれらしく仕上げようということになったのだ。もちろんこの作業も現在進行形で時折色が変化している。

*傘立てとして使っている素焼きの壷は常滑で購入したもの。メキシコ風にサボテンのペイントを入れた。その奥はブリキ製のジョーロ。
本日の修理品
ドロップハンドルは、2002年の末に開発され、ファニーのライダースウォレットに標準装備されることになりました。
これは実に画期的なもので、それまでの財布を出し入れする際のチェーンの絡まりを一気に解消する事が出来ました。
ではそれ以前はどういう仕様であったかといえば、コバにハトメ(アイレット)が打ち込まれ、その穴にウォレットチェーンのナスカンを挟み込むという使い方でした。しかしこれではチェーンが絡まりやすいのと、ハトメに負荷がかかって周辺の革が傷みやすいという問題があったのです。
今回お持ちいただいたバスケットのライダースは90年代にお買い上げいただいたもので、当時のハトメ仕様ですが、ガタが出ているナスカンやスナップ等の金属パーツを新品交換すると同時に、ハトメを取り外してドロップハンドルを取付けます。大切にお使い頂いているので本体にはほとんど傷みがなく、今回のリフレッシュでこの先何年も使っていただけます。

画像上/旧タイプのハトメの状態。

画像下/革を傷つけないようにハトメを取り外して真鍮製のドロッフハンドルを装着。
狼たちの処刑台
昔、チャールズ・ブロンソン主演でヒットした「狼よさらば」という復讐をテーマにしたシリーズがあったが、たぶんそれに引っかけて邦題を付けたのだろう。
原題は「HARRY BROWN」でマイケル・ケイン演じる主人公の名前なのだが、本作は英国が舞台の復讐劇である。
年金暮らしのハリーは、どこにでもいる地味で穏やかな老人。妻は末期状態で入院している。親友とチェスをする事が唯一の楽しみである。しかしハリー達が住むアパート周辺の治安は悪化の一途で、夜間に出歩く事も困難になる。ある日妻の入院する病院から危篤の知らせを受けたが、危険地域のトンネルを避けて遠回りした為に死に目に会うこともかなわなかった。さらには親友が地元のチンピラにトンネル内で惨殺され、自らも強盗に遭遇するにおよんで、かつて海兵隊としてIRAと戦った戦争の英雄は一人復讐を誓う。拳銃を手に入れ、次々に犯罪者達を血祭りに上げていくが、スーパーヒーローという感じではなく、息も絶え絶え、ヨロヨロしながら敵を追いつめていく。実年齢で80歳近いマイケル・ケインだから、無敵のアクション映画になってしまったら逆にリアリティが無くなるだろう。しかし実際に従軍経験もあるマイケル・ケインの拳銃さばきは落ちついていて堂に入ったものだ。名も知らぬジャンキー役の俳優のリアルな演技も光る(本当の中毒者かもしれないが)。映画で表現された英国社会のすさまじい荒廃ぶりは、ある程度実態を反映したものと思われる。
クリント・イーストウッドのグラン・トリノに続く、英国版のロートル映画の傑作である。
フェイク塗装(その弐)
主に店舗向けの塗装で古美仕上げと呼ばれるものがある。
これは専門の技術屋集団によって新品の部材(木材、金属、陶器)を加工して古くさい感じを出すものだ。近年ではエイジングと呼ばれる事も多い。手法も様々で、塗面をサンディングで荒らしたり、汚れを付けたりするするものから、化学変化を利用してひび割れが出るように質の違う塗料を重ね塗りするようなやり方まである。また樹脂や石膏に木目を入れたり、石調の模様を入れるトリックペイントというのもある。これは一般的な塗装職人の技能とは全く異なる能力を必要とする事は言うまでもない。美術系大学出身者の数少ない受け皿のひとつにもなっているようだ。
ロサンゼルスのホテルで欧米のフェイク塗装の文化に触れていたく感動したため、ショップを建てた際に、あちらこちらに色々な手法を試みてきた。
正面のガラスドアの枠は、元々何の変哲もないグレーのアルミサッシを採用している。刷毛でグリーンのペンキを塗って鉄扉風に仕上げたのだ。サッシ表面をサンダーで荒らして足付き良くして、所々パテをもって凹凸を付け、刷毛塗りした。アルミサッシは専用の粘度の高い塗料でなければ塗装出来ないと言われているが、実際はそんな事はない。そしてグリーンの塗装の上から色調の違う色を何層にも重ね塗りしてある。もちろんDIYである。何年にもわたって上塗りを繰り返していて相当手間がかかっている。実はペイントの仕事で余った塗料を塗っているだけなので、ついでといえばついでだが、現在進行形である。
それでも店舗づくりも商売の一部だと思ってそれなりに気を配ってはいるのだ。
ショップの内外装も、消費を喚起する重要なファクターにちがいない。
本日の修理品
昨今取引価格が暴騰しているシルバーですが、わけのわからない投機マネーの流入によるもので、実需とはあまり関係がありません。
逆に需要が伴わないのに入荷のたびに価格ばかりが上がっていくので、扱いにくい商材になってしまいました。いずれ価格が反転するのを期待していますが、それは誰にもわかりません。
さて、店頭で販売したブレスレットのサイズ直しが入りましたのでご紹介です。
長さを1センチ、コマ2ツ抜いて短くします。丸カンの付け部分でコマを糸鋸で切断し、2コマ抜いたら切り込みの入ったコマで丸カンとチェーンを繋ぎ、切れ目をロウ付けします。ロウ付けというのは接合するパーツをバーナーで600度以上に熱して、その接点に置いた銀ロウを溶かして一体化させる接着法です。原理的に溶接と違うのは、接合面の銀ロウを炙るのではなく、そのパーツ全体を赤くなるまで熱して、溶け出した銀ロウが接点に流れ込むようにするのです。したがってバックルや大型のコンチョの様な表面積の大きなものは熱が逃げやすく、その分大きな火力が必要になります。また、シルバーに異素材がインレイしてあるものにはバーナーが使えませんから、それらを取り外さないかぎりロウ付けはできません。
最近当店ではネイティブ系の石入りのリングやペンダントヘッドを中心にラインナップしていますので、手を加える事が難しいものがほとんどです。
それにつれてロウ付けでサイズ修正を行う事も少なくなりました。

*シルバー製品の修理は、当店で販売した商品のみの受付とさせていただきます。 
ーーーーーーー
本日のニュースより

自民議員に帰国説得=世論は入国拒否を当然視—韓国
【ソウル時事】韓国政府は1日、入国を拒否した自民党の新藤義孝衆院議員ら衆参両院議員3人をソウル・金浦空港から日本に強制的に帰国させる方針だ。新藤氏らは納得できないと主張しており、入管当局が説得を続けている。韓国内では、新藤氏らの訪韓に対し「日本の相次ぐ挑発」(聯合ニュース)などと非難する声が圧倒的で、入国拒否を当然視する雰囲気だ。
韓国政府は当初、竹島(韓国名・独島)に近い鬱陵島を視察する同議員らの計画に対し、自制を求めつつ、状況を見守る冷静な対応に努めた。しかし、入国を認めれば、激しく反発する市民団体などとの物理的衝突も懸念され、かえって問題がエスカレートしかねないと判断した。
与党ハンナラ党は同日、論評を出し、「独島を領土紛争の場に引きずり込もうという腹黒い内心をあらわにした」と議員らを非難するとともに、「政府も全般的な対日関係について再検討しなければならない」と強調した。
今後、韓国内で日本への強い対応を求める声が高まる可能性があり、8月15日の解放記念日の演説で、李明博大統領が今回の問題を取り上げるとの観測も出ている。 
(以上引用)

三議員の行動に敬意を表し、全面的に支持する。
さらに問題がエスカレートする事を強く望む。反日が国是の敵性国家と、無理して仲良くする必要はまったく無い。
新刊本であるため、ご紹介
『ウエスタンスタイルブック』 スタジオタッククリエイティブ

FUNNYの営業次長からのいただきもの。
この一冊に、日本におけるウエスタンカルチャーのすべてが網羅されている。ウエアやハット、ベルト、ブーツ類から始まってウエスタンスタイルの乗馬、ロデオ、カントリーダンス、モデルガン、映画、音楽、ウエスタンバーの紹介まで盛り沢山。それらに魅せられた人達のライフスタイルも紹介。
ウエスタンスタイルに特化し、文化としてのウエスタン全般を紹介することに重点を置いている。しかしガチガチのウエスタンファンでなくとも、タウンウエアとしてさらりと取り入れることが出来るアイテムの紹介もあり、ビギナーにもとっつきやすい親切な一冊。
ビルフォード+ドロップハンドル
FUNNYのビルフォード(二つ折りサイフ)は縦に二つ折りするのが定番スタイルですが、10数年前に中部地区の代理店が数をまとめて横に二つ折りするタイプを別注製作しました。
これはその時に当店で販売したカービングの入ったものです。
お客様の使い方の良さもありますが、年月を経てアメ色になったシェリダンカービングの部分はしっかりと凹凸感が残っており、革質の良さと、彫り師の技量を感じさせます。ちなみにこのカービングを担当した方は、今も第一線で活躍しておられます。
今回はワレットチェーンを繋ぎたいという事で、折り山上端に穴を開けてドロップハンドルを取付けしました。
シークレット札入れ(防犯用)
お客様のご要望でカスタマイズいたしました。

<FUNNYのバスケットベルト改・シークレット札入れ>

容量/一万円札3枚×2箇所

オーダー主/大陸浪人さま

対応地域/東南アジア危険地帯
ーーーーーーー
本日のニュースより

死刑、当面執行せず=制度論議を優先-江田法相 江田五月法相は29日午前の記者会見で、昨年7月に当時の千葉景子法相が死刑を執行してから丸1年が経過したことに関し、「死刑は悩ましい性格を持つ刑罰だ。(制度の在り方を)勉強している最中に『はい、執行』ということには、私の気持ちとしてはならない」と述べ、制度論議を優先し、当面執行しない意向を示した。
江田氏は1月の就任時、死刑制度の存廃を含めて検討する意向を表明。千葉氏が執行後に設置した省内勉強会を4月に再開した。会見で江田氏は「識者の皆さんの考えを聞いたが、まだ私の心に強く響くところまで勉強できたとは思っていない」と述べ、さらに検討を続ける必要があるとの認識を示した。 
(以上引用)

職務放棄なう。
法務大臣自らが現行の裁判制度を否定したも同様。
ポストについておきながら、(制度の在り方を)勉強しているだの、私の気持ちだの、全く説得力がない。元々こういう人なので驚きはしないが…。
名著であるためご紹介
『密告者ステラ』ピーター・ワイデン著 原書房

以前メリル・ストリープ主演で「ソフィーの選択」というホロコーストをテーマにした映画があった。
本書もナチのユダヤ政策で死に瀕した女性の話である。ただしこのステラという実在の女性は、ゲシュタポの手先となって多くの同胞を死の収容所に送り込んだのである。著者はこのステラのかつての学友で、アメリカ移住によって難を逃れたが、ナチの台頭下で国内に取り残されたユダヤ人達は絶滅政策の犠牲となる。ドイツ人の冷徹な合理主義は戦時体制でもいかんなく発揮され、ユダヤ人によるユダヤ人狩りというおぞましい政策がすすめられる。すなわち特定のユダヤ人をナチスの協力者として徹底的に活用するというもの。自己保身の心理を突いたこの作戦は実績をあげ、多くのユダヤ人がユダヤ人の手によって収容所送りとなった。ステラ自身も、あるとき知り合いのユダヤ人に密告され、ゲシュタポの手に落ちることに。拷問を受け、共に捕われた両親が絶滅収容所送り寸前となるに至って、ステラはゲシュタポへの協力を承諾する。こうしてベルリンの悪魔こと「密告者ステラ」が誕生し、生来の美貌と機知で次々と旧友たちの潜伏場所を探し出しては逮捕していく。
そして、ソ連侵攻によってナチスドイツが崩壊した後、ステラは一転ナチ協力者として捕らえられ、頭髪を刈られ、ソ連当局から10年の強制労働に処せられる。さらに刑期を終えた後にもユダヤ人同胞からの糾弾の嵐は止むことはなかった。
アメリカに亡命した著者は、米軍兵士として故郷ベルリンに赴任した。そこでかつて憧れた同級生がゲシュタポの手先となっていた事を知り、深い苦悩とともに調査を始める。そして数十年の後、別名でひっそりと暮らすステラの居所も探し当てる。全く異なる立場で対面するかつての同級生。ステラは自己弁護に終始するが、その数年後に自殺する。本書が出版されたのは調査開始からなんと46年後である。
人は生死の境でどういう選択をするのか。異常な状況下での行為を誰が裁きえるのか。ステラだけではなく、戦時下のユダヤ人たちの様々な生き様を通して本書は問いかけてくる。
実物フライトジャケット一考
当店にお越しいただいているお役様は良くご存知のように、店内には1950〜60年代のナイロンものを中心に当時の実物フライトジャケットを30着ほど陳列しています。
これらはあくまで参考品で、レプリカ商品をご購入いただく際の比較参考資料として見ていただいているものです。デッドストックに近いものもあれば、かなり使い込まれて払い下げられたものもあります。たまに実物の販売はしないのかとのお問い合わせをいただく事がありますが、今のところ考えていません。理由は明確で、実際の着用にあたっては問題が多いからです。
まず誰でもが思い当たるのはジッパーの故障で、当時のタロンやスコービル、コンマーといったジッパーは精度が低く、耐久性がありません。さらに何十年も経っていれば金属が酸化したり、テープが硬化していたりします。未使用のデッドストックの状態であっても使い始めるとあっけなく壊れたりします。着用時に故障しますから、運が悪いとスライダーが途中で止まって上げ下げが出来ず、脱ぐのも困難な事になります。交換用のパーツもオリジナルの入手は難しく、交換作業も大変な手間を要します。
N-2、N-3系でコヨーテのファーを衿回りに使用したものでは、劣化による毛の抜け落ちがあります。劣化が進むと着用のたびにバラバラ抜けるようになります。車の中や屋内では毛が落ちるので気を使わなければなりません。
それからインナーにウールパイル等を使用しているものは、ウールが縮縦を起こして縮んでしまっているものがたくさんあります。ウールというのは、もまれるだけで繊維同士が絡み合って縮んでいくものなのです。インナー素材が縮んで、結果的に表地と裏地が余ってしまい、妙な棚皺が出ていたりします。これを修復するのは困難です。
スナップボタンもカチカチに固着していて外した拍子に生地ごと抜けることがあります。
この他にもリブニットなど、傷みやすくメンテナンスが大変な箇所は他にもあります。
ざっと思いつくだけでも不具合の出そうなところが沢山あり、これらを販売したショップがアフターフォローすることは不可能です。
実物を販売するミリタリーショップでは現状販売が基本で、まず修理対応をしていません。取引成立すればそれっきりということですが、コレクターズアイテムとしての扱いですから当然と言えば当然なのです。コレクションするだけで着用を前提にしていないお客さんもいますから。
しかし衣料品は普通に着用出来てこそ意味があるのだという考えに立てば、当時モノを商品として扱うのは難しくなります。
当店ではミリタリーウエアもカジュアル衣料の1アイテムとして捉えていますので、今後もレプリカ商品に力を入れていきたいと思っています。
ビュイック始末記 (テールレンズ編)
60年代の車は、アメリカ車に限らずストップランプとウインカーが兼用になっているものが多い。
いわゆる赤ウインカーというやつで、同じレンズの中の電球がブレーキを踏むと点き、ウインカーの時は点滅するのだ(信号待ちでブレーキを踏みながらウインカーレバーを倒せば、指示方向のレンズは点滅し、反対側のレンズは点灯状態になる)。
もちろんこの状態で車検は通る。現代車の基準では不適合だが、後で法律が変わったからといって、その当時合法だったものに遡及するわけではないのであたりまえだが。
70年代に輸入されていたアメ車には輸入代理店によって車検対応のオレンジのウインカーが後付けされていた。メッキバンパーの上などにちょこんと付けられていたりしたが、たいして視認性が上がっているように思えず、ダイナミックなデザインを損なっていたように思う。