店長日記

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スコードロンパッチ鋭意製作中
昨年製作した640TH BOMBのパッチをご注文により追加製作しました。
当時の実物パッチを元に、本革に手描きで仕上げてあります。縫い付けまでこちらで行うので、縁に溝切りしているところです。
本日の修理品
濃紺の状態でお買い上げいただき、ほどよく色落ちしたエターナルの811。
フロントの比翼のボタンホールが広がってほぼ切れかかっている状態で修理にお持ちになりました。
腰回りがタイトなジーンズは、ボタン部分が横に引っ張られてこうなるケースが多いのです。ボタンホールは元通りに修復は出来ませんが、カケツギすれば充分使えるようになります。
そういえば20年以上前、当時は輸入された古着の501が主な商材で、大量に扱いましたが、ボタンホールが千切れてボタンが掛けられないものが沢山入ってきました。
そのままでは商品にならないのでせっせと修理したものです。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
名著であるため、ご紹介
『絢爛たる悪運 岸信介伝』工藤美代子著 幻冬社

変わった題名だが、読み終えた後で、まさに岸信介元首相を現すのに適当な題名であると思った。
私が学生の頃、きらいな政治家の筆頭がこの人で、それは朝日新聞を始めとする捏造、歪曲マスコミの影響を強く受けていたためだ。その点は笹川良一氏も同じようなもので、この工藤美代子さんによる著書『悪名の棺』によって、その生涯が極めて冷静に検証され、その人となりを違った角度から見ることが出来たのは以前日記欄でもご紹介した。終戦後、この二人は同様にA級戦犯容疑で巣鴨刑務所に長期留置されている。東條内閣の閣僚だった岸は下獄する前、恩師にあてて「名にかえて このみいくさの正しさを 来世までも語り伝えん」とあくまでも日本の正当性を主張する覚悟をつづった歌を送っている。
旧満州時代からの長きに渡る政治家人生をきれいごとばかりで過ごしてきたわけではない。「昭和の妖怪」と呼ばれる清濁合わせ飲む度量の広さは、怪しげな連中を周囲に引き付けることもあったし、出所が怪しいカネでも、きちんと「濾過」されていれば躊躇わず受け取ってきた。そして何よりも強い「悪運」によって並みいる政敵を打ち負かし、日本の最高権力に到達するさまは、何か見えざる手に導かれているようでもある。しかしそれでもあの時代に日本の舵取りをするにはこの人の有無をいわせぬ実行力、そして明確な国家観は絶対に必要だったのだ。
時を経て、今国会ではその孫である安倍総理が、祖父の悲願でもあった憲法改正を含め、戦後レジームからの脱却を掲げて全力で諸問題にあたっている。祖父から引き継いだ政治家の血はより純化されているように思える。そしてその隣には、岸信介の政敵であった吉田茂の孫である麻生太郎氏が副総理として控えているのは歴史の皮肉でもあろう。
本書は大東亜戦争を挟んだ日本の歴史をひもとく上でも恰好のテキストとなること請け合いである。
パッチ縫い付け
アップロードしたばかりのVF5のパッチは数少ない海軍モノです。
錨の上であたりを睥睨する猫の手には、ぐったりしたネズミが乗っています。
同時にお買い上げいただいたN-1に縫い付けての納品です。
本日の修理品
オリゾンティ時代のドゥニームXXは、その完成度の高さから、生産を終え十数年経った今でも根強いファンに支持されています。
今回はポケット口が擦り切れて糸切れを起こし、袋布が口を開けてしまったものを補修します。口布は多少伸びていますが、縫い代が残っているため、見た目としてはきれいに抑え込むことが出来ます。

画像上/修理前。

画像中/修理後。

画像下/ポケット口の内側はカケ継いだ上でパイピングテープで補強。
パッチ縫い付け
久々にB-15Bへのパッチ縫い付けです。
ベースモデルは関東の方からの持ち込みで、当店のモスキートのスコードロンパッチとエアフォースパッチを縫い付けてドレスアップします。
B-15Bはフロントファスナーが右身頃側にオフセットされており、オキシタブの横にパッチがピッタリ収まります。

*6147TH(モスキート)パッチは現状在庫が残り一枚になりました。
エアフォースパッチ鋭意製作中
つくり置きしてあったトリミング付き刺繍パッチの在庫が薄くなってきたので、数をまとめて製作中。
春先はL−2系のジャケットへの縫い付けが多くなります。
祝!紀元節
祝日に日章旗を掲揚出来るようにデッキにステーを取り付けてみました。
日章旗は民族派のHさんからのご提供です。
タンクペイント完成
バイク(FX系?)のタンクにノーズアート風のペイントを入れるという今回の作業は完了です。
背景のマークと爆弾は出隅が多くて、細筆で角を追っていくのは思いのほか時間がかかってしまいました。
当方の作業はここまでで、この状態で関東のお客様へタンクを返送し、クリアを上吹きする段取りになっています。
本日の修理品
股ぐり部分が擦れ合って穴が空くことは多いのですが、インサイドシームの前側、片倒しされた縫い代と重なる部分だと当て布しにくいものです。
今回は当て布を三角のチップ状に取って、表地と縫い代の間に挟んで固定し、穴の位置を中心にタタいて縫い止めしておきました。
タンクペイント鋭意製作中
左手の宇宙銃はディテールがよくわからず、別途に資料をいただいたので、それを参考に描きました。
背景に朱色のマークを入れ、下側に爆弾も描き込みます。
木曽路のスタッフさんを褒めたたえる
大阪出張のおりには、ファニーの次長の好意でいつも長田駅近くにある「木曽路」で昼食をごちそうになる(いわゆる接待)。
コース料理も毎回メニューが変わっていておいしいのだが、着物を着て接客するスタッフの女性達が一人残らずにこやかで感じが良く、ほぉ〜っと感心させられる。
次長によれば、ほとんどがパートさんらしいが、教育が徹底しているのか、もともと質の良い人達を厳選して採用しているのか、言葉遣いから物腰まで非の打ち所が無い。なによりけしてお仕着せではない、自然体での「おもてなし」の姿勢が徹底している。いつも食事以上に満たされた気になって店を後にするが、外食チェーンであそこまでのレベルならほぼ満点であろう。
サービス業が目指す究極の接客を体験しても、(木曽路が100点とすれば25点くらいの)当店の接客にそれがただちに反映されるわけではないが…。
タンクペイント鋭意製作中
腰のベルトから垂れ下がった前掛け様のコスチュームを描きます。
これで人体部分の描き込みはほぼ完了です。
ボロタイ
昨日の大阪出張ではファニー本社に立ち寄って現物の商材をいくらか確保したが、ファニーオリジナルの比較的低価格のボロタイもフォローした。
ボロタイ(ループタイ)は正統派ウエスタンファッションには欠かせないアイテムだが、あまり注目されることの無いアイテムでもある。年配の人達がごく普通のテーラードジャケットを着たときにシャツの衿元をボロタイで留めているのを見かけることはあるが、それらは留め金に翡翠のような妙な石がはまっていたりする。もちろんウエスタンを意識しているわけではあるまい。
そんな、アメカジショップでは日陰者商品でありつづけるボロタイだが、チマヨジャケットやデニムジャケットの衿元を飾るなど、上手く組み合わせれば応用範囲は結構広くて便利でもある。
ファニーでは既製品のボロタイの他に、編み込みの革帯や、先端の純銀キャップなど非常にしっかり作りこんだものを単品パーツとして販売もしている。
そのパーツを組み合わせ、留め金部分を自作してみたのがコレである。

画像2/ファニー製ビクターコンチョ37ミリを使用。革帯は手編みで先端に純銀製のキャップをはめ込んでカシメた。

画像3/トンボ型の留め金は銀線を炙って成型・ロウ付けした。中央のネジを外してコンチョを交換出来るようにしてある。
タンクペイント鋭意製作中
ディテールを描き込んでいきますが、人体が小さめなので、ここからは極細の筆を使っての作業になります。
明日(火曜)はショップは休業ですが、東洋エンタープライズの盛夏物の展示会で大阪出張。私にとっては昔なじみの船場近くでおこなわれます。
いつものように荒本のファニー本社にも立ち寄って、まったりした雰囲気での商談も予定しています。
パッチ縫い付け
お買い上げいただいたN-3Bに刺繍パッチを取り付けて納品します。
エアフォースマークの刺繍は渋で丸染めしたもので、馬革のトリミングを取り付けたうえで縫い付けします。
パッチ縫い付け
ペイント作業の合間にお預かりしたCWUへ刺繍パッチを縫い付けます。
数年前に同じジャケットへ何枚ものパッチを縫い付けましたが、今回は右肩、左右のポケットフラップへの追加縫い付けです。

画像1/右肩付近への縫い付け。

画像2、3/フラップをはねた状態で取りつけ。

画像4/フラップ裏に取り付けられているベルクロも貫通させて縫い付ける。
タンクペイント鋭意製作中
出来上がった下地の上に色を乗せていきます。
コスチュームやアクセサリーは後回しにして、まず人体を大づかみに陰影を付けて描き込みます。
タンクペイント開始
バイクのタンクにノーズアート風のペイントを入れるという今回の作業、まずは下地にかかっています。
暖色系の色はそのまま描いても地の色が映ってしまうので、鉛筆で下書きしたアウトラインにそってオフホワイトを塗っていきます。
春近し…
厳しい寒さもやわらいだためか、また顔を見せるようになった黒猫(注・当店の飼い猫にあらず)。