店長日記

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パッチ縫い付け
今回のベースは比較的新しいアルファー社のMA-1で、パッチ類とともに関東のお客様からの持ち込みです。
パッチの内3枚は裏にベルクロが縫い付けられており、本来はボディ側に対のベルクロを縫い付けて脱着出来るようにしますが、ご要望により直に縫い付けします。
ミシン糸購入
チェーンステッチの裾上げに使用する綿糸が残り少なくなってきたため、繊維商社に発注。
裾上げ用の糸は取引メーカーからの提供があるわけではなく、独自に調達しております。
今まで使ってきたのと同じ色番の黄色とオレンジで、太さも同じ20番手。一巻が5000メーターあり、形状が似ているため、「チーズ巻き」と呼ばれています(画像右にあるのが一般的な家庭用ミシン糸)。
本日の修理品
右膝がパックリ一直線に裂けた状態の修理品。
お客様はダメ元でお持ちになりましたが、なんとか修理可能と判断し、裏打ちする事になりました。穴の周辺の生地も薄くなっているので、タテに40センチ程当て布が必要です。

画像1、2/膝が端から端まで裂けた状態。

画像3/力のかかる部分だけに裏張りはかなり広範囲にしないと保ちません。

画像4/作業完了。穴の部分以外は目立たぬように間隔をあけてタタいてあります。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
私の道具達
先日、懇意にしているレザー職人、エル・パソの保田氏の工房にお邪魔したときの事、たまたま作品づくりの過程で革漉き機を使用中で、そのあまりの切れ味に驚いた。
NIPPI製(特許型)で当店と同じ機種なのだが、刃先の研磨や押えガネのコンマ数ミリの微調整も完璧で、粘りのある革も全く抵抗感無く、大根の皮でも剥くようにサクサクと漉いていく。
聞けば毎日のように漉き刃の研磨を欠かさないらしい。
…さすがは本職である。
当店のように二次加工や修理でちょろっと使い、稼働率が低いので油も注さず、時間がある時にしかメンテナンスしないのとは姿勢がちがう。かなり触発されたので、気分が乗っているうちに、究極の切れ味に挑戦してみようと思い立った。
何年もやっていなかった砥石の目立てをした上で、いつもよりじっくり時間をかけて刃先を研いでみた。
とりあえず刃先は指で触れれば切れる程の仕上りになった。

画像1/NIPPI社の革漉き機。国内でのトップブランド。というよりほぼ寡占状態で競合するメーカーが無い。本体のみで購入し、無垢材のテーブルはイエローガレージさんからいただいたものを流用。モーターは工業用ミシンに付いていた日立製を取り付けた。クラッチは無し。

画像2/漉き刃に直接当てる棒砥石(左)と砥石に詰まった鉄粉を取り除くドレッサー。

画像3/動力を入れ、ドラム形の漉き刃が回転している状態で、調整棒の摘みを左に回すと、内部にセットされた砥石が漉き刃に接近する。

画像4/砥石と漉き刃が接触して火花を散らしている状態。この後、刃先の内側に棒砥石を当てて研磨する。

革漉きの性能は各部のクリアランス調整も重要で、それは革の性質に合わせて都度調節する。
A-2カスタム完成
出来上がったパッチと製作済みのネーム、つくり置きしてあった第8空章それぞれに下穴を開け、ラフウェアのA-2に縫い付けて完成です。
A-2カスタム進行中
細部まで描き込み、最後にハイライトで調子を付けてメンフィスベル(324BOMB)のパッチは完成。
この後、製作済みの第8空章とネームプレートとともに縫い付けを行います。
ネームプレート製作中
ネットを通じて九州の方からネームプレート単品のご注文です。
この後乾燥させ、両端をご指定の寸法で裁断します。

価格¥3000(郵便発送の場合、送料80円)

*タテは通常18ミリで裁断していますが、広幅も可能です。価格は変わりません。
*ヨコは100〜120ミリです。
A-2カスタム進行中
A-2の左胸に縫い付けるメンフィスベル(324BOMB)のパッチをひきつづき製作中。
背景のライトブルーを仕上げてから輪郭線を黒で入れ、塗り分けていきます。
学校訪問(+名古屋城見学)
昨日の休業日、名古屋市昭和区にある、子供が通っている大学を初めて訪れた。
学祭の最終日で、サークルでやっているという古武道の演武をのぞきにいったのだ。
名鉄電車と地下鉄を乗り継いで八事日赤駅から徒歩数分。話には聞いていたが、かつての山林を切り開いて建てられた学舎は、けっこうきつい傾斜地の上に建っていた。
周辺の開発された街並から一歩校門をくぐると、樹木の多い事に圧倒される。それも元々あったものなのか植林されたものなのかわからないが、とてつもなく大きな木が多い。しばらく行くと、校舎に続く通路の左右には学生による飲食の屋台がずらりと並んでいる。その先に古いコンクリート造の建物が立ち並ぶが、まわりの大きな樹木と一定の調和を保っている。広い敷地内は地形に沿った段差があり、東に少し下るとステージが組まれた発表会の会場がある。一面が芝に覆われ、周辺を囲うように、さまざまな大木が生い茂り、木の葉が色づいて美しい。ベンチに腰掛けると公園の中にいるようで自然環境はとても素晴らしい。近頃は大学も利便性優先で駅前のビルに移転したりしているが、授業の合間にこういう環境を満喫出来るのは贅沢で幸せな事だと思う(それが理解出来るのはもう少し先だろうが…)。
学祭は先週末から開催されており、平日でもあったので父兄はあまり見かけなかったが、周辺にはいくつか大学もあるので外部の学生も来ていたようだ。
対外的な発表の場でもある学祭の出し物は、それぞれに時間をかけて練られたものが多かった。

画像1/通路沿いに設けられた飲食の屋台。学生が積極的に呼び込みをしている。

画像2/一面芝におおわれたグラウンド。この日は天気も良く、紅葉も美しい。

画像3/抜刀の演武。この後の演目では忍者のような鎖鎌を使う学生もいた。

画像4/華やかなチアリーディング。2つのサークルがあり、それぞれ大人数でやっているが、かなりレベルが高い。

画像5/帰りがけに、市役所駅で途中下車して名古屋城にも寄ってみた。晴天だったので天守閣の7階から名古屋の街が一望出来た。
パッチ縫い付け
静岡の方からご依頼いただき、無地のG-1の両胸、両腕、背中心にも刺繍パッチを縫い付けます。
背中心は裏地とともに内部に入っているゴムも縫い留める亊になります。
G-1やWEPは袖の運動量を確保する為に後ろ身頃にプリーツが付いています。そして左右のプリーツの奥は広幅のゴムで連結され、それが伸び縮みすることででプリーツが開いたり閉じたりするようになっています。今回は背中心に小さめのパッチ一つだけなのでたいして影響がありませんが、プリーツの近くにパッチを配して縫い留めてしまうと、A-2と同じようなプリーツなしの状態になり、多少運動性能が落ちることになります。

画像1/第3空母に搭乗する着艦信号士官用パッチ。TRUST MEってどっかで聞いたような…。
本日の修理品
作業スペースがなかったためにしばらく放置状態だったデニムの修理に取りかかっています。
シュガーケーンが短期間販売したファスナー開きのストレート。地厚でしっかりした生地ですが、長年の使用で膝が抜け、穴があいています。
いつもの手順で脇を割り、当て布した上でステッチでおさえこんでやります。

画像1/濃色からのメリハリの効いた色落ち。

画像2/当て布はタテ15センチ程。

画像3/穴の位置は細かく叩き、周りは間隔を空けてステッチ。

画像4/脇を閉じて作業完了。
A-2カスタム進行中
左胸に縫い付けるメンフィスベル(324BOMB)のパッチを製作中。

画像1/円形にカットしたヌメ革を適度の厚みに漉いた後、下描き。

画像2/まずは背景から、大まかに色をのせていきます。
スタッズベルト完成
今回ご注文いただいたのは30インチで、革帯はヌメを使用します。
あらかじめ燻しておいた真鍮のスタッズをランダムに打ち込んでいき、ポイント部分のカラーのスタッズは5箇所すべて異なる色を使用しました。
ヌメ革の色変化も楽しみな一本です。

参考価格/15000円
A-2カスタム進行中
無地のA-2にパッチとネームプレートを製作して縫い付けします。
第8空章はつくり置きしてあったペイント仕上げのもの。スコードロンパッチは映画にもなったメンフィスベル(324BOMB)のデザインでペイントします。
ビュイック始末記(幌編その参)
2001年の暮れに海外通販で購入してD.I.Yで張り替えしたソフトトップは、スクリーンに一箇所小穴があいている。
幌を手動開閉していたときに畳み皺が出来、皺の頂点に小さく切れ目が入ってしまったのだ。仕方がないのでステッカーを貼ってごまかす事にし、円形のMAC TOOLのステッカーを貼り、内側からは同径に切ったカッティングシートをピッタリと貼った。
この応急的な処置はかなり保ちが良く、結局10年以上これで凌いできたのだ。さすがに外側のステッカーは上部が剥がれ始め、埃が入って汚いので、同じもので張り替える事にした。カー用品店では今でも同じステッカーが売られている。
ちなみにMAC TOOLを使った事は一度も無い。

画像3/古くなったステッカーを剥がし、汚れを除去した状態。内側から貼ったシートは完全に密着して穴を塞いでいる。

画像4/新しく用意したステッカー。

画像5/貼り替え完了。
ベルトサイズ詰め…つづき
今週もいろいろな案件を同時に進めているので、道具とスペースと納期の関係で作業が前後しております。

画像1/薄く中抜きしたバックル留めの部分に水分を含ませて曲げ、固定して癖付け。

画像2/スナップボタン用の穴開け。剣先にもバックルピンが収まる穴を開ける。

画像3/スナップボタン打ち込み。

画像4、5/完成したベルトにバックルを取り付けた状態。
スタッズベルト鋭意製作中
定番展開しているフローラルパターンのスタッズベルト。
ご要望により、色焼けしたスタッズをアトランダムに散らして打ち込んでいきます。
以前は、主にシルバー製品の燻しに使用する硫黄の溶液が市販されており、真鍮も手軽に黒染めすることが出来ましたが、その溶液が硫化水素自殺に流用されたため、現在は販売されなくなってしまいました。
今回はロウ付け用のバーナーで炙って酸化させたものを使用します。
本日のニュースより
菅元首相、みのもんた氏降板に「原子力ムラの陰謀…私も被害者」

民主党の菅直人元首相は、26日付の自らのブログで、次男が窃盗容疑などで逮捕(処分保留で釈放)されたタレント、みのもんた氏が報道番組のキャスターを降板したことについて「原子力ムラ」の陰謀説があると紹介、自分も原子力ムラの被害者だとする内容を展開した。ブログでは、原子力ムラはマスコミに対して広告料を通じて「自分に批判的な報道に圧力をかけてきたことは知っている」と明記、「みの氏は原発問題で東京電力と安倍晋三首相を厳しく批判していた」ことから陰謀の可能性を指摘した。平成23年の福島第1原発事故で「菅氏が1号機への海水注入の中止を指示した」と報道されたことも、退陣に追い込むための原子力ムラが流したウソの情報と断じた。
(以上引用)

原子力ムラの陰謀?……W

バ〜カ!バ〜カ!
でも、復権のためなら何でも利用しようという薄汚い根性が、菅直人らしくてなんだか微笑ましい。
ベルトサイズ詰め
今回は海外旅行で購入されたベルトの長さを詰め、ウエスタンバックルを取り付けたいというご要望でしたが、素材的な問題もあって手間取っています。
ベルト本体は38ミリ幅で、もともとドレス系のクリップ式のバックルが取り付けられていました。
一見本物のクロコダイルのようで、お客様もそのつもりで購入されたようですが、実は動物の革をエンボス加工したフェイクです。クラウン(ワニの背中の突起部分)もリアルに再現されていますが、プラスチックの芯材を入れて形をつけてあります。バックル付け部分をスナップ留めとするため、カットした先端を薄く漉いて折り返す必要があります。しかし一枚革ではなく、裏張りしてコバステッチで縫い合わせてあるため、革漉きは使えません。縫い目を解いて、折り返し部分を手作業で漉いていきます。

画像1/バックル側を15センチ程カットする。クラウン部分は芯が堅くて革包丁で落とすのがやっと。

画像2/コバの縫い合わせを解くと、厚みを出すためのスポンジ材がインサートされている。裏地は合成皮革。

画像3/革剥ぎでスポンジ材を剥ぎ落とした状態。

画像4/薄くなった先端をコの字に再縫製。

本日の作業はここまで。
台風一過
さわやかな秋の一日、正面扉を開けて営業中。
入店してゆっくり店内を巡回する黒猫(注・当店の飼い猫 にあらず)。