店長日記

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大阪出張
本日、ショップの休業日を利用しての大阪日帰り出張。
まずはいつものように近鉄線の荒本にあるファニー本社にお邪魔して現物商品をピックアップする。今回はインポート品の雑貨を中心にセレクト。

画像1/ファニー本社全景。本社機能と業者向けのホールセール場を兼ねている。レザー製品の工場は少し離れたところにある。

画像2/社用車のマセラッティ。これで送迎してもらうと、おそろしいような加速感で駅までの距離があっという間。社用車はほぼ会長の趣味で選んでいると思われる。昔はキャデラックのセダンだった。

画像3/今回目を引いたのは間もなく公開されるリメイク版「ローン・レンジャー」で主人公が使用したのと同じバックル。
エド・ボーレンの製作によるもので世界80個限定でシリアルナンバー入り。日本には6個入荷したとのこと。
価格は780000円也!
緑化計画進行中
ランバーデッキの片隅に大きめの木製プランターを置き、プチトマトを栽培中。
本当はもっと間隔を空けて植えなければいけないみたいだが、適当に植えたタネが一斉に芽を出し、密生状態になっている。
そろそろ間引きが必要かも…。
ピンポイントでストレッチ…インディアンモカシン
先日お買い上げいただいたファニーのインディアンモカシン(スクー・サンダル)。
親指の先があたって歩くと痛いということで、ストレッチャーを使ってサイズを拡げます。
革で足をくるみ込むように縫製されたなモカシンは、着用することで足のかたちに沿ってなじんでくるのですが、先端があたるようでは辛いので、手を加えてやります。
革の内側に湿り気をあたえた上で、ゆっくり時間をかけ、親指が当たる部分をピンポイントで伸ばしてやります。

画像1/指のあたる部分をマーキング。

画像2/片方につき一日かけてゆっくり伸ばしていく。

画像3/右側がストレッチャーを入れて伸ばしている状態。
パッチ縫い付け
リーバイス・セカンドジャケットの袖無しのようなデザインのライダースベスト。
チームカラーの刺繍パッチの縫い付けを承りました。
内側には革の見返しが付き、キュプラの裏地と切り替えになっています。縫製が粗く、この裏地が袖に向かってかなり引っ張り上げられるように縫い付けられ、斜め皺が目立ちます。
裏に抜けるステッチ部分で裏地がタックにならないよう、注意しながら縫い付けします。
いただきもの
知多半島の先端、師崎港から名鉄フェリーで10分ほどのところにある篠島は、フグやタコ、大アサリなどが名産だが、もっとも盛んなのがシラス漁。
当店のお客様で、島でシラスの加工販売を家業としておられる方に、時々茹で上がったばかりの美味しいシラス(ちりめんじゃこ)をおみやげにいただくことがある。今回はモニターも兼ねており、新商品の減塩バージョン(A)と、従来の塩味の効いたバージョンの二袋をいただいたので、食べ分けてみて感想をお伝えする。伝統的な製法は変わらずだが、やはり時代に沿って健康志向も考慮した商品展開も考えておられるらしい。…といってもモニター云々は当方に余計な気を使わせないためのご配慮かもしれないが。
そのままで食べ比べたり、具材として使ってみたりした結果はきちんとお伝えしようと思っている。
外構工事進行中
本格的な夏の到来の前に、業務用エアコンの室外機に日除けのカバーをDIYで取り付けた。
直射日光が当たる位置のため、冷却効率が下がってパワーが落ちたり、余分に電力を消費するのを少しでも防ぐために必要な対策なのだ。
先日鍼灸の治療院を経営するお客様にツボ刺激をしてもらい、同時に気を送ってもらった(ご本人いわく)。おかげで五十肩の症状が幾分やわらいだ(ような気がする)ので、一気に作業に取りかかる。
材料はあり合わせだが、やはり店舗の一部ということで統一感のある外観に仕上げなければならない。

画像上/横木になる2×4材はあらたに購入した。その他は余り物。

画像中/室外機の上にステーで固定するが、隙間に空気が流れるようにする。表面にはキシラデコールを塗る。

画像下/若干片流れに取り付けて完成。
お客様のエルカミーノ(と、オールウェイズ・ラブ・ユー)
最終型1987年式のシヴォレー・エルカミーノ。
外装はオリジナルのままで、アルミ製のモールもすべて残っている状態。ストックのエンジンは305(5000CC)のインジェクションだったものを、あえてエーデルブロックのキャブレターに換装したそうです。そういえばガレージ井口さんも、この年代のインジェクションは調子の悪いものが多くて、キャブレターに換えてしまうケースが多いと言っていました。車体はやや縮小されたモデルですが、角張っていてずいぶん大柄な印象。
映画『ボディーガード』でケビン・コスナーが乗っていたのがまさしくこの車。デブデブになる前のホイットニー・ヒューストンが歌ったオールウェイズ・ラブ・ユーが爆発的にヒットした。
ところでこの曲、この映画のためにつくられたテーマソングだと思っている人が多いのだが、原曲はカントリーで、70年代にドリー・パートンがリリースしたもの。個人的にはじっくり語りかけるように歌うドリーのオリジナルのほうがずっと良いと思っている。
そういえば同時期にドリーが発表したJOLINE(ジョリーン)は、私が最も好きな曲のひとつだが、こちらもなぜかカバーしたオリビア・ニュートン・ジョン(イルカおばさん)の曲だと思っている人が多い。
五十肩
三月末あたりに突然利き腕の肩が痛み出し、腕を前後に上げられなくなってしまった。
疲れによるものかと思ってしばらく放置していたが、治癒しないので整形外科に検査に行った。
レントゲンを撮ってもらうと骨や関節に異常は無く、「五十肩ですね」とあっさり診断が下された。鎮痛剤と湿布薬を処方されたが、根本的な治療法はなく、自然治癒に期待するしかないようだ。症状が良くなるまでに一年以上かかることもあるそうである。…あ〜あ。
今でも無理に動かすと激痛が走るので、かなり動作が制限されている。手でプーリーを回し続けるような細かいミシン作業はかなりキツい。
そんな中、当店のお客様で名古屋で鍼灸の治療院を経営している方がご来店になったのでその話をしたら、ちょっと手を見せてと言われ、ボールペンで指先各所をチクチクとつつき出した。なにやらツボを確認しているらしい。バッグから中央に短い針が付いた丸い絆創膏を取り出してツボの位置にペタペタと貼っていき、これで痛みが緩和するのだという。なんでも高麗手指鍼治療と言うらしいが、高麗と付くだけでインチキくさい感じがしないでもない(逆プラシーボ?)。
でも、せっかくだし、しばらくこのまま様子を観てみようと思う。
さて、今週も見ただけで肩がこりそうな細かい仕事をいただいているので、順次片付けていく。
名著であるため、ご紹介
『若松孝二・俺は手を汚す』 若松孝二 河出書房新社

昨年交通事故で亡くなった若松孝二監督が自身について80年代に語ったものだが、急死に伴ってか昨年末再出版されたもの。
私が学生時代、新左翼系の小劇場でこの人の講演を聴いたのがこの本が書かれた少し後くらいで、内容もかなり重複し、口語の文章なので、なんだか追体験したような気分になった。
講演会では当時アラブにいた重信房子さんら日本赤軍のメンバーと寝食を共にしてドキュメンタリーにまとめた「赤軍PFLP」という映画の上映もおこなわれた(若松さんの弟子で撮影を行った足立正生は後に赤軍正式メンバーとなり、国際指名手配されている)。若松監督自身は共産主義思想家ではなく、反権力というのが人生のテーマで、それを映像で表現し続けた生涯であったのだと思う。
ヤクザ上がりでピンク映画の世界を経て、売れっ子映画監督として一世を風靡した鬼才。
気が短く、暴力沙汰の絶えなかった無頼の映画人が、綺麗ごとばかりではない半生を振り返ってとつとつと語っている。
本日の修理品
今回はチェーンステッチでの裾上げ依頼ですが、製品は古いLeeの200系です。
もともとシングルステッチの裾を、7センチ程詰めてチェーンミシンで裾上げします。
Leeのジーンズの裾の三ツ巻き幅は広く、1,2センチ程のところにステッチがきています。当店のミシンはリーバイス系に準じて8ミリ位にステッチの押さえがくるようにガイドを固定しているため、そのままでは広幅に対応出来ません。そのため、一旦地縫いミシンで躾け縫いをして、ガイドを外してフリーにした状態のチェーンミシンで裾上げをおこないました。

画像1/もともとシングルステッチで裾上げされているLee。

画像2/細糸を使い、地縫いミシンで広幅に縫い上げる。

画像3/チェーンミシンで裾上げ。

画像4/躾け糸を抜いて作業完了。
本日の修理品
リーバイスの501、66と呼ばれるビンテージ品の修理をおこないます。
股ぐりがパンクしかかっており、その周辺の生地も薄くなって穴が空いています。この部分は接ぎ目に合わせて別々の生地で当て布をします。平面ではないので一枚の布でざっくりと裏張りするわけにはいかないのです。
50年近く前の生地はすでに耐用年数を越えて弱りきっているので広い範囲で当て布をし、生地の目に沿ってタタいていきます。

画像1/耳付きのリーバイス501と修理用のデニム生地。古着商だった頃はこの年代のUSED品もたくさん販売しました。20年以上前はコンディションの良い物でも5800円でした。その後高騰しましたが…。

画像2/前後共股の周囲がパンク寸前。

画像3/前後左右別布で裏張り。

画像4、5/修理完了。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
FUNNYインディアン・モカシン
当店店頭では長年ファニーのインディアンモカシンの受注製作を承っております。
成人用13型、子供用3型の中でデザインをお選びいただき、パーツごとに素材や色も全てご指定いただけます(インディアンモカシンの頁参照)。
今回はこれからのシーズンにぴったりのスクー・サンダルが仕上がってきました。
このタイプはオーソドックスなスリップオンと違って、フロントベース(甲革)が長く、足をすっぽり被うようにフィットするデザインです。足首に接するパイピング部分(マキ)と鹿角のコンチョを取り付けるフラップ部分はディアスキン、他はグローブレザーを使用し、配色は同系色の濃淡でオーダーいただきました。
現在、注文から納品まで一ヶ月半程いただいております。

参考価格/21000円
名著であるため、ご紹介
『「余命3ヶ月」のウソ』 近藤誠 ベスト新書

この人のベストセラーになった著書「患者よ、がんと闘うな」を昔読んだ時、ずいぶんな極論だなと驚いたが、新書でも基本的にその主張は変わっていない。
癌は放置するのが最善で、段階が進んで自覚症状が出てきたら緩和ケアをすれば充分であると訴えている。癌の放射線治療の専門医の立場から、現在の主流である早期発見、切除、抗がん剤投与は無意味なばかりか、むしろ弊害の方が多いとする。また最近流行の免疫細胞療法の欺瞞性も厳しく指弾している。
本書は数々の実証データを添えて素人にもわかりやすく説明されており、なかなか説得力がある。先頃女優のアンジェリーナ・ジョリーが(癌になる可能性)の段階で乳房を切除してしまったが、これなど単に身体を傷つけただけの行為だったのかもしれない。
自分が当事者になったら、この方の言う通り無治療で生活の質を保ちつつ、死んでいくのが良いような気がする。
日本の、かなり閉鎖的だろうと思われる医学界にあって、大勢とは異なる主張をし続けるにはそれなりの覚悟も必要であろう。
信念を持った現役医師からの貴重な提言である。
露天でお買い物…大須・八の日
学生時代からなじみのあった町、名古屋の大須を訪れたのは二年ぶり。
梅雨入り直前の曇り空の中、赤門境内で八の付く日に開催される古物市を覘いてみる。
ここではジャンルを問わず、骨董品からただの古ぼけた生活用品まで、様々ななモノが露天に並ぶ。人気のある陶磁器や古布(こぎれ)のほか、時計やカメラといった機械もの、旧日本軍の軍装品なども並んでいる。お客はほとんどが年配者。観光マップにでも載っているのか、外国人の観光客もちらほら。
無目的に訪れても、うろうろしていれば一つ二つはかならずアンテナに引っかかるものに出会えるものだ。
今回は金物を中心に出品している仙人みたいなお爺さんのところで、ステキな釘と巨大な糸切り鋏を発見。即買いした。

画像1/大須観音全景。

画像2、3/境内にはびっしり露店が並ぶ。平日で天候が悪いがそこそこの人出。

画像4/金物中心に出店していた爺さんのコーナー。年代物の釘や鋲、使いこまれた道具類に心惹かれる。

画像5/今回購入したもの。
いびつな形の釘は手で鍛造されており、なんと馬の蹄鉄を留めるためのもの。長さが5センチほどでハンガー用のフックに流用できる。
糸切り鋏は長さが15センチもある大きなもの。何度も研ぎ直されており、試し切りさせてもらったが十分実用に耐えられる。明日から早速使ってみようと思っている。
再び…ハワイアンシャツの洗濯について
以下は2010年の3月に一度ブログにアップした内容ですが、時節柄もう一度アナウンスさせていただきます。
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夏のマストアイテム、ハワイアンシャツの洗濯方法について、お客様からお尋ねいただくことも多いので少し書いてみます。
当店では主にSUNSURFの製品を展開していますが、これは東洋エンタープライズのブランドのひとつです。素材はほとんどがレーヨンで、ごく少数がシルク、またコットン製の物もわずかながらあります。そして、すべての製品(脇の内側)に必ず洗濯表示が付いています。コットン製を除く素材には水洗い不可、ドライクリーニング(石油系)のみとあります。
つまりメーカーの指示としては、クリーニング店に出して石油系の溶剤で洗ってくださいということなのです。
私共メーカーの正規取り扱い店としては、立場上、メーカーがドライクリーニングの表示をしている製品を家庭洗濯出来ますよと言って販売することはできません。
しかしながら自分が普段着用しているハワイアンシャツは、シルクも含めてすべて自宅で洗濯しています。ネットに入れて丸洗いし、脱水した後、退色を防ぐために裏返して干せば、多少皺が残るものの、全く問題ありません。近頃の洗濯機は高機能で、ウールものですら丸洗い出来るのですから、レーヨンやシルクでもよほど扱いを間違えなければどうということはないのです。ただし、レーヨン(再生繊維)、シルク(絹織物)はネットを使用しても、水中で撹拌されることによって縮みやねじれが出ますので、多少は風合いが変化します。蝶貝やココナッツの釦が破損する可能性もゼロではありません。そのあたりを含め、あくまで自己責任でということになります。
メーカー側は、少しでも扱いの難しい製品には、ドライクリーニングの表示を付けたがるものです。ある意味逃げなのですが、もし一定の条件ででも、洗濯O,Kの表示をすると、それが顧客側の不注意であっても、クレームになることがありえるのです。めんどうだから、ドライ表示にしてしまえという気持ちはよくわかります。
しかし実際のところ、自分自身ユーザーの一人として、夏服をいちいちクリーニングに出していたらコストがかかって仕方がありません。自宅で洗濯して、皺が気になる時は、衿と前立てをサラッとアイロンがけすれば充分だとおもっています。

(注)あくまで、一ユーザーとして自分の場合はというお話です。家庭洗濯される際は、以上のことをふまえて自己責任でおねがいしますね。
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*画像はサンサーフの今期モデルSS36016−119と自前のヤマハウクレレ。時々ラバウル小唄(別名・南洋航路)を独習している。
スコードロンパッチ完成
ジョリー・ロジャースの海賊旗をモチーフにしたパッチ製作の続き。
ペイントの手法や材料は様々ですが、出来るだけ手描きでないと出せない表現を心がけています。今回は背景色を顔料ではなく、刷毛を使って油性染料で染めています。
染料がゆっくり退色していくのをひとつの効果として狙ってみました。
スコードロンパッチ鋭意製作中
海軍モノのパッチもたまに御要望があるので店頭販売用に製作中。
スカル&ボーンズの海賊旗をモチーフにしたVF17のパッチ。

画像1/今後継続的に製作するため、切り出し用の型を作った。

画像2/モデルの髑髏を横に置き、スカル&ボーンズの下描き。

画像2/ペイントは陰影を付けて細かく描き込みする予定。
この時期は様々な企業に入社した営業社員が、担当エリアをカルトの勧誘なみにローラー作戦で回るのが慣例になっている。
当店の取引業者の話ではなく、全く取引関係の無い企業の営業である。地銀や保険代理店、事務用品の専門業者、置き薬の業者までやって来る。
もちろん新人研修の一環であろう。企業が新人の飛び込みセールスで受注が拾えるなんて考えているわけがない。いわば精神鍛錬のようなものである。入社した社会人一年生が、営業の基本を知る上ではそれなりに意味があるのだろう。あるいは企業側が適正のないものをこれで篩いにかけているのかもしれない。
しかしつき合わされる方はうっとおしいことこの上ない。作業の途中だったりすると尚のことである。企業もそのあたりのことをもう少し考えたらどうだろうか。
当店では飛び込み営業は一切相手にせず、名刺も受け取らず、作業中の場合は視線も上げず、そのままお引き取りいただいている。
前途有望な新社会人のモチベーションを打ち砕くことになっても、企業の新人教育のダシに使われてはかなわないのだ。
本日の修理品
修理品として入庫するデニムは、長くはき込んで生地が傷んだケースばかりではありません。
今回は右後ろのポケット上部を何かに引っかけてカギ裂きになっている状態です。生地が欠損しているので、出来るだけ規格の近いデニムで裏張りをして、地の目と同方向にタタいていきます。
元通りというわけにはいきませんが、しっかりおさえ込んでおけばこれ以上穴が大きくなることはありません。
愛知は夏日
昨日、東洋エンタープライズの野崎さんが酷暑の中ご来店。
今週愛知は関東に比べずいぶん気温が高くなったようだ。バズリクソンズのニューモデルの紹介やら東西の市況について情報交換。
当店の店長代理きよじとツーショット。