店長日記

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名著であるため、ご紹介
『流星ひとつ』沢木耕太郎著 新潮社

藤圭子の日本人形のような端正な顔立ちと、それに似合わぬハスキーボイスは強烈な印象で、今中高年を迎える世代にとってはまさに大スタアであった。
本書は、著名なノンフィクション作家の沢木耕太郎氏による昭和の歌姫藤圭子との対談を纏めたもの。
このインタビューがおこなわれたのは1979年暮れのこと。彗星のようなデビューを飾った藤圭子は28歳になっており、前川清との結婚、離婚を経て芸能界引退を唐突に発表、引退コンサートの直前であった。一方の沢木は『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞し、大きく注目されていたころ。諸般の事情でお蔵入りになっていたこのロングインタビューは、藤の自殺後の2013年に出版された。
一対一の会話だけで構成されたこの本では、当時の芸能マスコミがまともに報じていたとは言い難い、藤圭子の人となりを垣間見ることが出来る。
両親ともに旅芸人の浪曲師で、父親は理由も無く妻子に手を上げるような粗暴な男、母親は全盲、三人兄妹の末っ子で、絵に描いたような極貧家庭に育つ。長期間両親が興行に出る間は、子供三人で暮らすこともあったようだ。今なら確実に児童相談所が介入するような家庭環境だった。10代になると両親とともに舞台に立たされる。生来頭が良くて学校の成績も良かったが、進学をあきらめて歌手の道に。当時無名だった作詞家の石坂まさをに見いだされ、18歳で本格デビューし、その年のうちにヒット曲を連発する。
沢木との問答では、
「たとえばさ、あたしの歌を、怨みの歌だとか、怨歌だとか、いろいろ言ってたけど、あたしにはまるで関係なかったよ。あたしはただ歌ってただけ」
「そこに、あなたの思い、みたいなものはこもっていなかった?」
「全然、少しも」
といった調子で淡々と語り出す藤。
物心つかないうちから、本人の意思とは無関係に芸能の世界に身を置き、スタアとしての気負いもなく、自分自身のことを突き放したかのように受け答えする。20代にして、ある種の諦観のようなものも身につけているように感じられる。
過剰なスキャンダル報道にさらされ、ジャーナリズムに対しては強烈な不信感もあったにちがいない。
しかし沢木とのウォッカを飲みながらのインタビューでは、酒が進むにつれ少しずつ打ち解け、やがて引退騒動の核心部分にも触れる。
ここまでの大スタアが、引退を決意するに至った理由は意外なものだった。
藤圭子はその後渡米するが、数年後に帰国してカムバックを果たす。一方で再婚して母親となり、その子も宇多田ヒカルとして歌手の道に進む。
しかし徐々に精神を病んで感情のコントロールを無くし、生活は荒れ、最後は自害に至る。
沢木耕太郎は、当時藤への配慮からお蔵入りとしたこのインタビューを、あらためて世に問うことにした。
類まれな才能と、美貌と、驚くほどまっすぐな心を持った藤圭子という女性。
表題通り、煌めく流れ星のように生きた昭和の歌姫の魅力が詰まった名著。
…合掌。

フェイク塗装(その拾壱)
ドアの開閉を制御するクローザーの無機質な粉体塗装が気に入らなかったが、形状が複雑なこともあって、なんとなく手を付けずにいた。
ペイントする時にはドアから取り外さなきゃと思っていたが、今回そのままの状態で脚立に乗って塗装してみることにした。入り組んだところはドアと同色のグリーンのペンキで刷毛塗りすることでマスキングを省くことが出来る。
要所要所にテクスチャーを盛り付け、2色の錆塗料で程よいボロさを演出してみた。

画像1/ビフォー。

画像2/サンドペーパーで表面を荒らして足付け。

画像3/錆が進んで、グリーンのペンキが剥がれ落ちたイメージ。

画像4/アフター。

サドルソープで丸洗い
先日三ヶ根山登頂で酷使したトレッキングブーツを丸洗い。
革のステッチ部分や、ゴアテックスの目地に入り込んだ砂埃を落とし、内部もきれいに洗い流して日陰干し。
以前からいろいろとご紹介していますが、革の種類にかかわらず、手順を間違わなければどんなものでも水洗いできます。表面をブラッシングするだけのメンテナンスでは、どうしても汚れが残ってしまいます。
近年、レザーを丸洗いする専門業者もでてきていますが、DIYでも充分可能です。

画像1/洗濯後は、風通しの良いところで日陰干し。

画像2/汚れとともに古いオイルも抜けているので、あらためてオイルでメンテナンス。

画像3/トゥの部分を磨き上げ。
本日の修理品/リー ライダース4101
引き続きLeeライダースの修理。

画像1/右側のヒップはパンクしていて、その周辺は生地が伸びています。アイロンで追い込んで平面を出し、穴の周囲を接着芯地で塞いでおきます。その上に裏張りの生地を当ててタタキ付け。

画像2、3/作業完了。
本日の修理品/リー ライダース4101
復刻版のLeeライダース。
アウトシームが割り縫いになっており、片側だけに耳付きの生地を使ったモデル。ヒップ周辺がペラペラになって裂けてきているので、大きめに裏張りしてタタキを入れます。
まずは当て布をヒップラインに沿うように裁断するところから。

画像1/生地はそろそろ限界ですが、愛用の一本という事で、手を入れて再生します。

画像2/右側は穴が開いており、左側も時間の問題。

画像3/ヒップラインに合わせて当て布を裁断。
梅雨の三ヶ根山・殉国七士廟再訪
出発前の降水確率が60%だったので、泥まみれになるのも覚悟して、着替えも背負い込んで出発した登山行だったが、日ごろの行いが良いせいか、結局雨に降られることなく無事に帰還した。
JR線を乗り継いで三ヶ根駅で下車し、近くのコンビニでお供えの酒を買い、30分ほど歩いて登山口に到着。この日は初登山のメンバーもいたので、何度か休憩を取りつつ、1時間半ほどかけて登り切った。
この時期、三ケ根山周辺はあじさいが満開。

画像1/登山路はいくつもあるが、東側の比較的なだらかな斜面を登る。

画像2/山頂のロープウエイ跡から見た静岡側の風景。

画像3/道沿いには満開の紫陽花。

画像4/殉国七士廟入り口にある、岸信介元首相の揮毫による巨大な石柱。

画像5/この日は来訪者が多いようで、七士墓にはたくさんのお供え物が…。我々が引き上げるのと入れ違いに、関西から遺族会関係者を乗せたバスも到着していた。
明日は三ヶ根
久しぶりにJR三ヶ根駅から徒歩で登頂する。
天気が悪いが、日程も決まっていたので決行。
山頂周辺に数多ある大日本帝国陸海軍顕彰碑や、殉国七士廟をお参りするいつものコース。
経年変化
といっても、1年も経ていないラティーゴレザーのIphone7用ケース。
今年の春にファーストロットで仕上がったばかりのものをお買い上げいただきました。
新品の状態(画像左)では表面に蝋が浮き、艶の無いラティーゴレザーは、しばらく使っていただくことで驚くほど深い色合いに変わります(画像右)。
特にオイルを加えたり、磨きをかける必要もありません。
元々馬具に用いられるこのラティーゴレザーは、ファニーが提携しているアメリカのタンナーによるものです。
ちなみに、ラティーゴレザーはこの赤茶以外には黒の二色展開です。同じ無地のレザーでも、タン色と濃茶色はブライドルレザーといって異なる種類の革です。
さらにカービングが施される革は、ツーリングレザーと呼ばれる彫り物専用の革になります。油脂を含んだラティーゴレザーやブライドルレザーは再生力が強いので、カービングは入れられないのです。

画像/向かって左が新品状態。右が同色を使い込んだ状態。
スコードロンペイント完成
バズリクソンズのMA-1ベースのカスタム完成。
今回は一色での作業だったが、ナイロン生地に細い線を乗せるには何度も重ね塗りが必要。
白で下地を作った上で塗り分けした方が、作業的には楽かも…。
ワークシャツリメイク/シュガーケーン ボタンダウンシャツ
昨年から定番としてラインナップされているSC27198のボタンダウンシャツ。
ざっくりとしたオックスフォード生地を三本針で縫い上げ、地味ながら上質で使い勝手の良いアイテムに仕上がっています。
同様の生地感で半袖のご要望がありましたが、製品としては出ていないので、長袖をカットすることになりました。

画像1/SC27198のホワイトとブルー。ビフォー。

画像2/三つ折りの縫い代分を残して裁断。

画像3/シャツの縫製と同じ番手の綿糸で三つ折り。今回、袖丈を少し長めにというご要望で、通常より2センチほど長く仕上げ。

画像4/アフター。
本日の修理品/ウエスコ&バックボーン エンジニアブーツ(外部委託)
提携している職人さんに依頼してあったブーツ2足のオールソールが完了。
ブラックの表革はウエスコの製品で、擦り切れたクレープソールを取り外し全交換。ビブラム社の2021という、かなり厚みのあるクレープソールに張り替え。
ベージュのスエードは珍しいBACKBONEというカスタムブーツメーカーの製品。こちらはレザーソールにスタック(革積み)ヒールだったものを、あえて軽量化のためにビブラム2021に張り替え。
経験年数の長い修理屋の確かな仕事ぶり。

画像1/WESCOビフォー。

画像2、3/アフター。

画像4/BACKBONEビフォー。ミッドソールギリギリまですり減っている状態。

画像5、6/アフター。
スコードロンペイント鋭意製作中
MA-1の左胸に、直接ペイントする作業の続きです。
今回は白抜きとするので、ペイント部分と生地の境界をしっかり描き込んでから筆入れします。
顔料の乗りにくいナイロン生地に細い線を描き込むのはやっぱり大変。
韓国文体部長官「平昌五輪種目の一部を北朝鮮のスキー場で行う案を検討」

2018平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)で雪上種目の一部を北朝鮮の馬息嶺(マシクリョン)スキー場で行う案が検討されている。
20日、都鍾煥(ト・ジョンファン)新文化体育観光部長官は江原道(カンウォンド)平昌郡にある平昌五輪組織委員会主事務所を訪問し、「北朝鮮で馬息嶺スキー場を世界的な水準だと言っているが、張雄(チャン・ウン)北朝鮮IOC(国際オリンピック委員会)委員と相談して方法を模索する」とし、「五輪の聖火が北朝鮮の開城(ケソン)や平壌(ピョンヤン)を通過するのも構想している」と述べた。北朝鮮応援団の訪韓も共に検討していることが分かった。
(以上引用)

自国で開催する能力もないのに見栄で誘致した結果、間近になってこの有様。
苦し紛れに南北融和をダシに北の施設を使って乗り切ろうとあがいている模様。
一時、日本と共同開催するなどというおぞましいアイデアを(勝手に)ほざいていたが、そうならなくて良かった♡
本日の修理品/シュガーケーン スタンダードジーンズ
超ロングセラーの1947モデル。
左右ポケット口のほつれと、ハトメが拡がってしまったボタンホールの補修をおこないます。
オール綿糸縫製のジーンズでは、このあたりはウィークポイントとも言えます。

画像1/発売以来、12800円(税別)の価格をずっと据え置いているコストパフォーマンスに優れたスタンダードジーンズ。

画像3/ボタンホールビフォー。

画像4/アフター。
フェローズ杉本さんご来店
フェローズの東京本社から車での営業回り。
大雨で新東名の一部区間が通行止めで、下道を乗り継いでのご来店。
新しい商材として、すっきりしたシルエットのチノパンツを紹介され、ラインナップに加えることにした。
杉本さんはボクシングの世界からアパレル業界に転身した変わり種。
韓国大統領「慰安婦問題、日本は謝罪すべき」

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は20日付の米ワシントン・ポスト紙のインタビューで、旧日本軍慰安婦問題を巡る2015年末の日本との合意について、「前政権で行われた日本との慰安婦合意は韓国人、とりわけ被害者に受け入れられていない」と述べた。
また、問題を解決するポイントは「日本政府がその行為について法的な責任を負い、公式に謝罪すること」と話した。ただ、この一つの問題で韓日関係の進展が妨げられてはならないと強調した。
(以上引用)

就任早々反日姿勢ムキ出しの朝鮮人。
50年以上前の日韓基本条約ですべて片付いた補償問題を延々と蒸し返され、応じ続けた結果がこれ。
かつて大日本帝国の情け深い併合政策のおかげで、土人から人間への仲間入りを果たしたにもかかわらず、恩を仇で返し続ける朝鮮民族。
型入れ
次回のペイントワークはMA-1の左胸に直描き。
ネームタグを少し上に縫い付け、その下にペイントするので、紙にラフスケッチしたものを当てて大きさ、配置を検討中。
本日の修理品/シュガーケーン スタンダードジーンズ
シュガーケーンのスタンダードジーンズTYPE-2。
12オンスのデニムを使用した細身のシルエット。ワンウォッシュでのお買い上げでしたが色はすっかり飛んでしまい、各部に傷みが出ています。
穴あき寸前の右ヒップ周りと、千切れてしまったセンターループを修理します。

画像2/右ヒップ周りはパンク寸前。

画像3/千切れているセンターループ。

画像4/部品取りしておいた古着のループと付け替え。

画像5/裏張りで補強した右ヒップ周り。
スコードロンパッチ完成
今回パッチの直径は13センチですが、ギザギザの背景もあって烏?の絵柄自体は小さめなので、専ら細筆だけで描き込みをおこないます。
手描きならではの微妙な刷毛跡を残しつつ、パッチ完成。
本日のニュースより
東海は空梅雨 貯水率1割未満のダムも

名古屋、岐阜、津の各地方気象台によると、東海地方では梅雨入りした七日から八日にかけての降雨以降、本格的な雨は記録されていない。愛知県や三重県では、貯水率が一割未満まで低下したダムもあり、このまま少雨が続けば、農業などに深刻な悪影響が出る可能性がある。
(以上引用)

梅雨入りしたものの、今年はほとんど雨が降っていない。
デッキに置いたメダカの甕もグンと水位が下がってしまったので、カルキ抜きした水を補充した。
今月に入って孵化した子メダカ多数。