名著であるため、ご紹介
『遺言』 田中森一 双葉社
著者は特捜のエースから弁護士に転身した所謂「ヤメ検」で、バブル期以降、専ら闇社会の住人を顧客とし、悪徳弁護士の見本のように叩かれた男だった。
許永中との関わりから巨額詐欺事件の主犯として逮捕され、晩年を獄中ですごし、出所後の2014年に病死した。
処女作『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』も面白く読んだが、本書は出獄後に書かれた最後の作品になる。内容的には処女作とかなり重複する部分もあるが、出獄後だからこそ書ける内容も盛り込まれている。
半農半漁の極貧家庭に生まれ、苦学して司法試験に合格、特捜検事になって数々の実績をあげたものの、上層部の姿勢に反発し、辞任して弁護士となった。それからは一転して反社会的勢力の弁護人として辣腕をふるい、権力側からは目の敵にされる。著者によると、詐欺事件は検察によるフレームアップで、そもそも詐欺の構成要素も無い、完全なでっち上げということになる。たしかに被害者とされる側の証言には無理があり、自己保身のために検察の主張に沿って作られたものではないかと思われる。それを裁判官があっさり認定し、実刑が下されるのが現在の裁判所の現実なのであろう。
4年8ヶ月もの服役を終えた著者は、服役中に発症したガンでの闘病や、今後の自身の方向性についても前向きに書き綴っているが、結局ガンは再発し、この本がタイトル通りの『遺言』となった。
著者は特捜のエースから弁護士に転身した所謂「ヤメ検」で、バブル期以降、専ら闇社会の住人を顧客とし、悪徳弁護士の見本のように叩かれた男だった。
許永中との関わりから巨額詐欺事件の主犯として逮捕され、晩年を獄中ですごし、出所後の2014年に病死した。
処女作『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』も面白く読んだが、本書は出獄後に書かれた最後の作品になる。内容的には処女作とかなり重複する部分もあるが、出獄後だからこそ書ける内容も盛り込まれている。
半農半漁の極貧家庭に生まれ、苦学して司法試験に合格、特捜検事になって数々の実績をあげたものの、上層部の姿勢に反発し、辞任して弁護士となった。それからは一転して反社会的勢力の弁護人として辣腕をふるい、権力側からは目の敵にされる。著者によると、詐欺事件は検察によるフレームアップで、そもそも詐欺の構成要素も無い、完全なでっち上げということになる。たしかに被害者とされる側の証言には無理があり、自己保身のために検察の主張に沿って作られたものではないかと思われる。それを裁判官があっさり認定し、実刑が下されるのが現在の裁判所の現実なのであろう。
4年8ヶ月もの服役を終えた著者は、服役中に発症したガンでの闘病や、今後の自身の方向性についても前向きに書き綴っているが、結局ガンは再発し、この本がタイトル通りの『遺言』となった。