イーライ・ウォラック/わかるヒトには…

イーライ・ウォラック/わかるヒトには…
イーライ・ウォラック(エリ・ワラック)という俳優の名をご存知の方がどれだけいるでしょうか?20代の方には全くなじみが無いかもしれません。
昨日ご紹介した「ハンター」にも保釈保証人(高利貸し)の重要な役どころで出演しています。パンフレットをパラパラと見ていたらなつかしくなったので、かなりマニアックになりますが、ちょっと書いてみます。
この人はいわゆるバイプレーヤーで、華やかな役者ではありませんが、かなりの大作にも助演級で出演し、(私にとっては)強く印象に残っている役者さんです。メソッドという、演ずるというより役になりきってしまうという演技スタイルで、どんな役でも大袈裟すぎず、違和感の無い存在で、映画そのものにリアリティをあたえてくれます。スティーブ・マックイーンとは「ハンター」以前に「荒野の七人」でも共演しており、このマカロニウエスタンでの敵役はまさにならず者そのものでした。(この古い映画はさすがに劇場では観ておらず、TV放映されたものを観ていました)。またマカロニウエスタンでは「荒野の用心棒」で、クリント・イーストウッドとも共演しています。
最近では(最近でもないか…)ゴッドファーザーのパート3で、狡猾なマフィアのドン・アルトベロ役が際立っていました。最後にタリア・シャイア演じるコニー・コルレオーネに劇場で毒を盛られ殺害されますが、陽気さと強欲さがないまぜになった、どことなくチャーミングな老マフィアをいきいきと演じていました。ほとんどがイタリア系の俳優陣に混じって、非イタリア系のウォラックが見事にイタリア人になりきっていました。
日本の俳優で言えば、さしずめ……
ちょっと、思いつきません。日本の俳優は、バイプレーヤーといわれる人でもやっぱり演技過剰な感じがしてしまいます。説明的で、わざとらしいんです。
イーライ・ウォラックは(40代以上の方なら)名前を知らずとも、あぁあの役者ね!といわれるような、印象に残る俳優です。