ノードストローム/オッ客サマハ神様デ~ス!

ノードストロームはアメリカ西海岸を中心にチェーン展開する有力な高級品デパートです。
流通業界の方ならずとも、耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか?
昨日の日記にもちょっと関連しますが、このノードストロームは、無条件の返品受付など、極端な顧客第一主義を社是として業績を伸ばしてきました。一昔前には日本でもその徹底した顧客サービスが紹介され、大きく話題になったこともあります。
伝説的な話をご紹介しますと、ノードストロームが新規に出店したお店に、以前同じ場所にあったカー用品店で買い物をした男が、タイヤセットを返品に訪れたというのです。ノードストロームはもちろんタイヤなどは販売していません。しかし、なんとその男の主張をそのまま受け入れ、返品に応じたというものです。
信じがたい話ですが、それほどまでに顧客の側に立った最高のサービスを提供するデパートとして、日本の流通業界の大物で大絶賛していた人もおります。
これぞまさに顧客サービスの極地………なんでしょうか?
この逸話を聞いた時の私の率直な感想は、
はぁ?…キチガイか?…
というものです。強烈な違和感とともに大きな疑問が浮かびました。
そんなことで返品を受けていたら、結局損金が出てしまうわけだから、その分、まっとうなお客さんにツケを回すことになるのです。
キチガイ客相手のロス分が何パーセントか知りませんが、その分企業体としては商品価格に反映させることになってしまいます。何のことはない、良識的なお客さんにかぶってもらうことになるのです。
…これって顧客第一主義なんですかね?
もうひとつ、大きな問題として、無責任で傍若無人な消費者を再生産してしまうということもあります。クレーマーが味をしめて、職業的な会社ゴロや、詐欺師にならないとも限りません。
これは他の流通業者にとっても非常に迷惑なことになります。

ノードストロームのようなやり方も一つのビジネスモデルだとは思いますが、正直、違和感をぬぐえませんし、問題点も多いのではないかと感じてしまいます。