店長日記

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正面階段にて
朝、枕木階段の下で開店を待つかのようにたたずむ黒猫。
本日の修理品
各部が相当傷んだドゥニームの修理品が入りました。
とくに股ぐりは擦り切れて大きく穴が開いている状態です。
左右の股ぐりのカーブに合わせて裁断した当て布を裏張りし、地の目に沿って縦方向にミシンをかけていきます。ここまでの大穴だと穴の周りの生地も伸びきっており、平面が出ないので手間がかかります。
フロントのボタンホールも芯糸が抜けてしまった状態で使えないのでカケツギします。
その他諸々で修理代の総額は8000円になり、修理するか廃棄するか微妙な線ですが、キャピタル時代の貴重な製品でもあるので再生する事になりました。

画像上/左股ぐりは3センチ×5センチ位の穴。右側も生地が透けるほど薄くなっている。

画像中/修理後

画像下/裏側の状態。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。
ネームプレート鋭意製作中。
先週、バズリクソンのB-10をベースにパッチの取り付けをしましたが、追加オーダーでネームプレートを製作しています。
無染色のヌメ革を使いますが、エアフォースマークのトリミングの色に合わせて渋染料で薄く着色して仕上げました。オイルを塗っても同じように褐色になりますが、コットンのB-10の場合、縫い付け部分からオイルが染み出すおそれがある為にこの処置としました。
昨日のニュースより
日韓が外貨融通を5倍以上に拡大、リーマンショック時上回る規模 

野田佳彦首相は19日、李明博(イミョンバク)大統領とソウルで会談し、欧州金融不安に伴う外国為替市場の混乱を回避するため韓国への資金支援枠を現行の5倍以上に拡大し、700億ドル(約5兆3600億円)とすることで合意した。
(以上引用)

民主党本領発揮!
国内では震災復興をダシに増税を目論む一方で、5兆円の手土産提げて訪韓し、竹島問題には言及せず。
まさに敗北外交の見本。
本日の修理品
数年前に販売したしたバズリクソンズのB-15Bには小ぶりなクラウンのスプリング式ジッパーが装着されています。
このアルミ製のスライダーが強度的に頼りなく、負荷がかかると変形しやすいのです。変形を起こすと、ジッパーを引き上げてもムシが噛み合ずにスライダーの下が開いてしまいます。
本来はジャケット本体を返送してメーカーで対応するパーツ交換ですが、メーカーが展示会期間中という事もあり、素早く対応するためにスライダーを店頭に送ってもらい、こちらで交換しました。

画像上/修理前のB-15Bと新品のスライダー。

画像中/取り外したスライダー(右)はボックスの下側が変形している。

画像下/交換完了。

*パーツ交換(ジッパー、リブ等)を伴う修理は、バズリクソンズの製品であっても当店で販売した商品以外はお受けしておりません。お買い上げになった販売店にてご相談ください。当店に販売記録のある商品につきましてはメーカーへの発送、修理代の見積もり、納期管理等責任をもって承ります。
*パーツ交換の必要がない修理、カスタムワークは、都合のつく限り持ち込み品にも店内で対応しております。
S・S展示会
明日は商談で大阪に出張する。
東洋エンタープライズの春夏ものの展示会が船場でおこなわれるのだ。
本当は展示会は明後日からなのだが、水曜日は体が空かないので担当氏に無理を言って火曜日にお邪魔する。出展されるサンプルはハワイアンシャツや春物の長袖Tシャツ、ジャケットが中心で、冬物の追加生産分も紹介される。今回だけでも300品番以上のアイテムがあり、さらにそれぞれに色違いがあるのだから膨大な数になる。
それをほんの数時間で見てまわり、発注まで完了させるわけである。
正直言って何をどれだけ発注したかは、帰りの電車の中で発注書を再確認してみないとわからなかったりする。どんぶり勘定といえばそのとおりだが、特に数量や予算の枠などは設けていない。前触れ無しに新作も登場したりするので、即断で発注する事になる。もちろん発注した分はその時期が来れば納品されるので、責任を持って100%買い取る事になるのだ。
かつてアパレル業界では「問屋」がメーカーと小売店の間に立って在庫の調整弁のような役割をはたしてきたが、その数はずいぶん減って、今はメーカーと小売り事業者の直接取引が多くなった。小売店は在庫リスクを引き受けて発注し、メーカーは受注した分を中心に生産する。
メーカーがたくさん作りこんだものを問屋がストックし、小売店に小口で供給するという昔のスタイルは無くなりつつあるのだ。

画像/展示会の際に渡される白黒の企画書。このメーカーの情報管理は比較的厳しくてサンプルの撮影も禁止なので、展示会場を後にすると手元に残る資料はこれだけである。数ヶ月後に現物が納品されてきた時に、「あれっ、こんな色オーダーしたっけ?」と思う事もしばしばある。
身元判明
やはりご近所さんの愛猫であった。
相変わらずの放し飼い状態だが、去勢手術はすませているそうだ。
既に当店は縄張りの範囲内に入っており、正面が開け放しなので自由気ままに出入りしている。
気質がおとなしく、店内で悪さもしないので、まぁいいかということで放っておいている。
A-2カスタム
元スタッフで現在古物商をしているO君は最近急激に痩せたのだが、体重の落ち方が尋常ではなく、来店のたびに細くなっている。
体の線だけではなく、顔までが以前と比べほっそりとしてきている。これはきっとなにか悪い病気に違いない、若いのに気の毒だなと勝手に思っていたのだが、それが実は加圧トレーニングの成果であったらしい。
いろんな人がトライして、そのキツさゆえに挫折するとは聞いているが、きちんと結果が出ているケースは初めて見た。
これはめでたい。
だからというわけではないが、キリッと締まった体にぴったりのA-2カスタムを製作しました。
これでO君の男伊達がさらにアップするのは間違いない(^^♪

画像中/ニックネームを打刻したネームプレート。
77THのレザーパッチはヌメ革にハンドペイントで製作した。

画像下/AFパッチは褐色の革トリミングの付いたものを選択。
ショルダーバッグリメイク
ワークブーツで有名なFRYE(フライ)のかなり昔のバッグをリメイクしました。しっとりしたオイルドレザーは上質で、まだまだ使用に耐えられるコンディションです。

画像上から2番目/開き口の壊れて修理不可能だったジッパーをテープごと取り去って、代わりに中央にスナップ釦を取り付け。

3/元々トートのような二本掛けの短いストラップが前後の開き口に縫い付けられていたが取り外した。それをリベットで繋いで一本とし、クロス掛け出来るよう左右のマチにリベットで固定。

4/レザーの修理で良く使用する銅無垢の打ち抜きリベット。元々馬具に使用するもので、銅の質感が美しい。穴を開けた革にピンを通し、ワッシャーをはめたら余分な突起部分をカットし、あとはピンの頭とワッシャーが一体化するまでポンチで叩いて先端を潰す。これが実に大変。バリが残ると指を切ったりするので注意を要す。
スタッズ加工
エンジニアブーツのカスタムで定番メニューのスタッズ加工。
今回、ブーツ本体は持ち込みでの依頼で、チペワのシャフトの短いタイプにスタッズを打っていきます。宅急便で兵庫県から送っていただき、作業完了後に返送します。

加工代/6000円
本日の修理品
デニムの裾上げ&リフォームにはかなり幅広く対応しています。
販売した商品は当然ながら、他社製品も時間的都合がつくかぎりはお受けしています。

画像1/Leeのライトオンスデニム。オレンジ系の糸で巻き幅広めのチェーンステッチ。軽くシェービングしてアタリつけ。

画像2/RRLの細身のストレート。黄色×オレンジの糸で細巻きのチェーンステッチ。

画像3/RRLの太身のストレート。黄色×オレンジの糸で細巻きのチェーンステッチ。以上3点は長崎県の方からの依頼。

画像4/ヘビーオンスのヒッコリーを使用したペインターパンツ。あまりにも厚くて硬いのでインシームの巻き伏せ部分を縫う際にはプライヤーで折り込んだ。スパン糸でシングルステッチ。

画像5/チャップスジーンズ・セカンドモデル。このモデルは裾下部に開きがつくられているため、パンツ部分、チャップス部分それぞれを7センチ裾上げ。

画像6/チャップスジーンズ・ファーストモデル。本来長さの違うパンツ部分とチャップス部分の裾あがりを同寸法にしたが、このモデルのチャップス部分は裾下までインシームに挟み込まれているため解体分離し、あき止まりを作った上でパンツ部分のみを裾上げ。
パッチ縫い付け
今回は宮崎県の方からご依頼いただいています。
なぜか九州からはフライトジャケット関連のオファーをいただく事が多いようです。

画像上/背中心に大きなパッチを取り付ける際は、表地と裏地が縫いずれないように特に注意が必要です。左右上腕と左胸にもパッチを縫い付けました。

画像下/厚みのある牛革製で、裏地がキルティングになったCWUへの縫い付け。
ビュイック始末記(電装編その弐)
またまたマイナートラブルである。
ダッシュパネルの一番左側にヘッドライトスイッチがあり、手前に一段引くとポイント点灯、二段引くとヘッドライトが点灯する。
夜帰宅して、ヘッドライトのスイッチをオフにしようとつまみを押したのだが、接点が押される感覚がなく、ヘッドライトも点いたままである。
このプラスッチックに真空メッキしたようなスイッチは、リムの根元にネジが切られており、パネルを挟んで上下で固定するようになっている。多分そのネジが緩んで外れ、スイッチ本体が奥にいってしまったのだと思い、パネルの下側から手を突っ込んで奥のコネクターを掴み、つまみを押してやると消灯した。その場でネジを留め直すのが困難だったし、とりあえず消灯出来たのであとは翌日にやり直す事にした。
ところが次の日の朝、リムのネジ山部分を見てみるとポッキリ根元から折れており、もはや固定出来ない状態であった。
つまらないパーツだが困った事である。
つまみを引いて点灯させる事はできるが、これでは消灯するたびにダッシュパネルの奥に手を突っ込んでコネクターを探らなくてはならない。…それじゃまるで映画に出てくる自動車泥棒のようではないか。
このままでは昼間しか乗れないので、すぐになんとかしたいところだが、あいにくこのパーツはリプロ品が出ていないようだ。横に並んでいるほとんど使わないワイパーやラジオのつまみを移植しようと一瞬考えたが、リムの形状が全く違っていて無理だった。
仕方がないので、可及的速やかに対応するために上下のリムをエポキシ系の接着剤で固定するという荒技に出た。
かなり強引だが、案外ガッチリと固定出来、つまみを操作しても大丈夫そうだ。
しかしずっとこのままというわけにもいかず、どこか別のところに配線を引いてスイッチを新設した方が良さそうである。
やれやれ…。

画像上/接着の際、パネルの裏のコネクターが動かないように材木をつっかい棒にして固定した。
経年変化
タンニンなめしのヌメ革の良さは、使い込むほどに深い褐色に変化していくことにあります。
以前は、革本来の小キズや汚れなどが目立ちやすいヌメ革を着色せずにそのまま製品化することはあまり無かったと思います。しかし一部の人の嗜好品だったヌメ革も、今では多くの人がその味わいを理解し、定番商品として支持されています。

*当店のスタッズベルトの色の変化がわかりやすいように横並べにしてみました。褐色の方は製作後3年以上経ており、何度かオイルを塗布しています。バックルも真鍮無垢のキャスト製ですので鈍い色に変化していきます。
パッチ縫い付け
バズリクソンズの定番ラインナップの中でも人気の高い赤リブのB-10をベースとしました。
店頭で375爆撃中隊の「死神」パッチとエアフォース章をチョイスしていただき、カスタム仕様のB-10となりました。

価格
B-10(BR11134)/47250円
375パッチ/4500円
AFパッチ/2500円
トゥルー・グリット
DVD化されたばかリのものをレンタルしたが、これは劇場で観るべきであった。
ジョン・ウェインの正統派西部劇(マカロニではないという意味で)の傑作、『勇気ある追跡』をコーエン兄弟がスピルバーグと組んでリメイクした作品。
単なる焼き直しにあらず、40年前の前作のイメージをけして損なわず、ストーリーを膨らませ、登場人物を丹念に描き込んだ素晴らしい作品であった。
無法者に父を殺害された14歳の少女マティは復讐を誓い、先住民居留地に逃げ込んだ男を追う為に酔いどれの保安官コグバーン(本作ではジェフ・ブリッジス)を雇う。目的を同じくするテキサスレンジャーのビーフ(マット・デイモン)も一行に加わり、無法者追跡の長い旅が始まる。
ジェフ・ブリッジスは、アル中だがタフで心根のやさしい隻眼の保安官を好演している。『クレイジー・ハート』で演じたカントリーシンガー役に続いて役者としての力量を見せつける。マティ役の新人女優ヘイリー・スタインフェルドは、父親のコートを羽織り、形見のコルト・ドラグーンを手に復讐の旅に出る少女を堂々と演じている。この映画はすべてこの毅然とした少女の視点から描かれている。脇にまわったマット・デイモンもキャラクターが際立っていたが、悪役陣で先住民のラッキー・ネッドを演じたバリー・ペッパーが素晴らしく、特殊メイクで小汚いネズミの様な印象の男になりきっていた。
映画を通じて1880年頃の西部の町並みや冬枯れの山河、そこで生きる人々の生活を叙情的に感じる事が出来る。
そして前作と異なり、クライマックスの馬上の決闘シーンのあとも物語りは続き、数十年後のマティとコグバーンのエピソードが描かれてエンドロールとなる。ラストに流れるゴスペル/カントリーの名曲も心に浸みる。
これはシンプルな西部劇のなかに様々な要素を盛り込んだ質の高い名作である。
この映画を観て何も感じ取れないようなら、感性が腐っていると断言しても良いぐらいである。
一度では味わい尽くせないので、しばらくしたらもう一度じっくり観てみたい。
パッチ縫い付け
以前もお取引いただいている関東のお客様からの依頼です。
4種のレザーフライトジャケットにそれぞれ一つずつ縫い付けをしました。
今年は酷暑から一転して涼しくなり、移り変わりの時期が飛んでしまった感があります。もうすでにフライトジャケットを羽織っている方も見かけるようになりました。
ビュイック始末記(車高調整編その弐)
リアのショックアブソーバーが臨終間近のようである。
数日前、天気が良かったので縁者ら5人乗りで市内をひとっ走りした。この時期の乾いた空気は気持ちいい。エンジンもトコトコと極めて快調だ。
ところが、途中で運転席からでもわかるほどのゴムの焼けるにおいがし、信号待ちで車から降りてタイヤをチェックすると、リアの車高がベッタリと落ち、右後輪のタイヤの側面がフェンダーに干渉して若干えぐれている。
これはまずい!とおもい、いつも以上にゆっくりと自宅に帰り着いたが、出発前には異常が無かったので、リアシートに3人を乗せ、負荷がかかった事で急激にリアショックのエアが抜けてしまったのだ。そういえばトランクのガソリンタンクも満タンに入れたばかりである。
自宅でシリンダーに空気を入れてやるとそのまま車高はヒョコッと持ち上がり、試しに一人乗車で運転する限りは空気が抜ける事はなかったが、もはやショックアブソーバーは寿命であろう。交換はプロの手を借りるしか無いが、対応してもらうのにのに少々時間と手間ががかかりそうである。
やれやれ…。

画像上/側面がえぐれたリアタイヤ。フェンダーにゴムのカスがはり付いていた。

画像下/帰宅後、アブソーバーに空気を補充した状態。前席に乗車するだけなら急に抜ける事は無いのだが…。
スタッズベルト鋭意製作中
今日は予定していた商品の納品がなかったので、空いた時間にスタッズベルトの欠品したサイズを製作しています。
このフローラルのデザインで、一本に打ち込むスタッズの数は120個以上にもなります。

*当店定番のスタッズベルト(フローラル)

価格/14000円(税込み)
パッチ縫い付け
指定の文字を刻印して出来上がったネームとともにパッチを縫い付け、太平洋を戦域とする第5空軍43爆撃隊仕様のA-2の完成です。
お送りいただいたバズリクソンズのA-2には、メーカーオリジナルのバックペイントも入っているのでフルデコレーションとなります。