店長日記

6509

ショルダーバッグ鋭意製作中
ワンオフ製作中の半月型のショルダーバッグ、型紙にあわせてパーツを裁断し縫い合わせていきます。
今日のところはジッパーの取り付けです。

画像1/本体のハンプは(わ断ち)といって上辺に来る部分は接ぎ目無しです。この部分にジッパーを取り付けるための開きを作ります。

画像2/本体と、見返しとなる短冊に切った生地を中表にして縫い合わせ。ジッパーが収まる開きの寸法(240ミリ×8ミリ)の長方形にステッチを入れる。

画像3/中央にハサミを入れ、角部は矢羽根に切り込みを入れる。

画像4/中表に縫い付けた見返しを切り込みから裏側にひっくり返し、アイロンで成形すると生地の中央部に240ミリ×8ミリの開口部が出来る。

画像5/開口部の裏からにジッパーをおさめてコバステッチで固定する。
ビュイック始末記(自動車検査編)
今回は車両引き取りから車検を通して納車されるまで丸々二ヶ月もかかってしまった。
リアの足まわりの整備の他、ラジエターも寿命が近づいていたようで、取り外してレストアされて戻ってきた。さらに以前、ヘッドライトのスイッチの台座が破損して、応急的に接着剤でダッシュパネルに固定するという荒技でしのいできたが、ここは古いカマロのパーツをうまく加工して全く違和感無く修理してくれている。こういうところが古い車を扱い慣れたプロフェッショナルの仕事である。
ガレージ井口さんは、海外からパーツを購入することなどまず無かった時代からアメ車整備に携わっていて、手元にパーツが無ければ他車のパーツを流用するのはお手のものなのだ。こういうのはパーツをマニュアル通りに交換する車両整備とは全く違う能力が必要なのは言うまでもない。
最近はアメ車のみならずフェラーリやランボルギーニといったスーパーカーの修理も請け負っていて、とっても忙しそうにしている。これらはおそろしく整備性が悪く、手間がかかって仕方がないと言っていた。さすがイタリア人の作った車である。後先のことをきちんと考えない民族的性格がこんなところにもいかんなく発揮されているのだ。

画像2/ショックアブソーバーは黒塗りのモンローのものに替えられた。

画像3/コアが新品交換され、キャップも新しくなったラジエター。

画像4/一番手前がヘッドライトのスイッチ。この台座部分はカマロのもの。形状はほとんど変わらない。もともと付いていたものはプラスチックに真空鍍金されていたが、これはアンチモニに鍍金されており丈夫そう。
パッチ縫い付け
名古屋市のお客様から持ち込まれたA-2とレザーパッチはRRL製。
アメリカンビンテージをモチーフにしたハイエンドな商品を展開するメーカーですが、A-2まで製作しているのは知りませんでした。
プリントの革パッチは縁がパイピングになっており、革の厚みが増すため、若干針が進みにくいようです。
クロコインレイバックル
ファニーの本社ショールームにあった包み(くるみ)の革製バックル。
スポット生産でカタログ掲載もされていない商品です。
アルミの芯材をサンドイッチするように縫い合わされたバックルは、ウエスタンのアイテムとして目新しいものではありません。ただこの製品は中心部に繊細なミシンワークでクロコダイルの革がインレイされ、その真ん中にはコンチョを取り付けられるように穴が開いています。
このバックルを注文されたお客様からは、これに合わせたラティーゴレザーのベルトもオーダーいただきました。コンチョは店頭のストックより、フィリグリータイプをお選びいただき、セットしての納品です。

参考価格/バックル10500円+ベルト8000円+コンチョ1500円
セブンアップス
これも最近リリースされた70年代の作品。セブンアップスとは、懲役7年以上に相当する重大な犯罪捜査専門に編成された警察内のチームのこと。
ダーティ・ハリーは一匹狼だが、こちらはチーム全員が荒くれで、捜査のためなら法を犯す事など何とも思っていない。主演のロイ・シャイダーは「ジョーズ」の警察署長役で誰もが知るベテラン俳優。幼なじみの内通者(トニー・ロー・ビアンコ)から得ていた情報をもとに捜査を進めていたが、その過程で仲間の一人が撃ち殺されてしまう。怒りのままに猟犬のように犯人を追いつめる勧善懲悪のストーリー。
マッスルカー(ポンティアックのマイナー車種)を使ったカーアクションは「ブリット」に比べても遜色は無い。銃撃シーンは多いわけではないが、犯人が使う極端に短く切り詰められたショットガンはいかにも恐ろしげである。わるものの一人でジョー・スピネルが出演しているが、この人はこの前後「ゴッド・ファーザー」の1と2でコルレオーネのヒットマン役でも出演している。他にも出演作品は多いが、いつも犯罪者の役ばかりである。夏ミカンのような凸凹の顔をしているのでわかりやすい。
ラストシーンまで一直線で、ストーリーには特にヒネリも無いのが残念だが、この時代の雰囲気というか空気がとっても懐かしい一作。
パッチ縫い付け
5月に関東の方からの依頼でノーメックスのフライトジャケットに刺繍パッチを合計8枚縫い付けましたが、同じジャケットにさらに2枚のパッチを追加で縫い付けます。
右腕部分の星条旗のパッチは横に長く、裏地までの貫通縫い付けでは棚ジワが出易いので注意が必要です。
今回右胸には色付きのパッチを縫い付けましたが、それ以外のパッチはすべて緑色がベースのサブデュード(実戦仕様)となっています。

スコードロンパッチ鋭意製作中
今回の製作にあたっては、お客様から若干ディテールの異なるVC-79のパッチの図柄を資料として3型送っていただきました。
単品製作の場合は参考資料を添えていただけるとスムーズに作業が進みます。
ショルダーバッグ製作
以前店内で製作して販売したキャンバス×レザーのショルダーバッグ。
製作にあたってはある程度数をまとめて材料を調達し、一度に集中して作り込まなければコスト的に合わないため、その後中々手を付けられないでいました。
しかし今回はお客様の御要望もあり、ディテールも若干変更してワンオフにて製作します。
価格的には相当額のアップになりますが、いくらかかってもかまわないというありがたいお申し出なので、そのようにご請求させていただきます♡
時間的にも余裕をいただいているので、他の案件と並行してゆっくり進めていきます。

画像上/これは2009年に試作して使い続けているもの。タンニン鞣しの革はつややかなアメ色に変化している。これをご覧になってオーダーをいただいた。鹿角を輪切りにしたコンチョは革ボタンに変更予定。

画像下/型紙と材料のタンニン革、9号帆布、ジッパー等。
スコードロンパッチ鋭意製作中
九州のお客様からの依頼で海軍用のレザーパッチをハンドペイントで製作します。
前回製作した334THもそうでしたが、デザインの一部が円からはみ出す変形のパッチは、ディテールが決まってから外まわりを裁断する事にしています。
おおまかに裁断した革を縫い付けに適した厚みに漉いてから模写の作業に入ります。
本日の修理品
ホルスタータイプのモバイルケースは、ループ部分をベルトに通しスナップで留めて固定します。
この先端のワンウエイスナップはウォレットのキーホルダーにも採用されていますが、着用時のはずれ防止のために片側からのみ脱着出来るようになっています。
今回はスタッド(オス)側の中心部分をホルスター内側から留めているカシメが破損しています。脱着時に逆方向から何度も負荷がかかるとこうなることがあります。
スタッドを新品パーツでカシメ直して修理完了です。
私の道具達
ショップの改装祝にお客様からいただいたマキタのトリマーをはじめて使ってみた。
トリマー本体と別に12種類のビットもセットでいただいたので、様々の形の溝切りが出来る。
今回は壁面に取り付ける杉の棚板の断ち端をサラッと削って段付き+カマボコ状にしてみた。
トリマーは以前、他社のものを借りて使ったことがあったが、それと比べるとモーターの音がずいぶん静かである。ビットも新品だけあって一瞬でサクサクとトリミング出来てしまう。
思った以上に使い勝手が良い。
これさえあればすべての木製什器の意匠がDIYで可能である。
ネットでお買い物…キャストアイアン
ついこの前、使うあても無いのにネットで素敵な鍛鉄のフックを発見し、発作的に購入したが、今回は使用目的が明確である。
シューズを棚置きするための板の支えになる大型のブラケットを前々から探していたのだ。
今回のものは鋳造された鉄製で、キャストもの特有のゴツゴツした表面はろくに研磨もされておらず、適当にペタペタとペンキを塗っただけというダイナミックな仕上げである。
すぐに錆びが浮いてきそうな黒染めの木ネジがセットになっているのも嬉しい。
これならわざわざフェイク塗装する必要も無い。
システム什器を一切排した店づくりは常に進行中なのだ。
マニフォールドベルト+ケイシイズバックル
いつもワガママな注文を聞いてもらっているマニフォールドさんに、「寸法言うから帯だけ裁断して仕上げて送って!バックルはこっちにあるのを適当に加工して付けとくから。でも手縫い用の菱目穴だけは開けておいてね!」と勝手なお願いをしておいた客注ベルトの帯が仕上がってきました。
セットするのはこの極厚7ミリのベルト帯にピッタリのケイシイズのブライドルバックル。
以前HPでこの組み合わせ例をご紹介したのをご覧になってのご注文です。

画像1/ケイシイズのブライドルバックルと半完成状態のマニフォールドのベルト。

画像2/センターにピンが収まるように長穴を開ける。

画像3/ブライドルバックルを通した状態でサドルステッチで固定する。糸は米国産のシニューを使用。

画像4/取り付け完了。
オールドコインコンチョ値上げのお知らせ
一昨日、ファニー本社から「重要なお知らせ」のメールが届きました。
以下本文をそのまま転載します。
ーーーーーーー
昨今の貴金属の高騰に伴い、古銭市場での各種銀貨にも多大な影響が出ておりました。
FUNNYでは、数々の策を講じて現行の価格を保持してまいりましたが、円高以上に急騰する銀貨の価格に、この度価格の見直しをせざるをえない状況になりました。
価格変更に伴う混乱など大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解、ご協力をお願いします。
ーーーーーーー
ということだそうです。
銀製品の暴騰についてはたびたびお伝えしてきましたが、前回の値上がりからそれほど日を置かずに今回の値上げとなってしまいました。
具体的には一番ポピュラーな1964年50セントイーグル(900/1000)が3800円から5000円に、同様に50セントリバティーも3800円が5000円になります。1921年1ドルモーガン(900/1000シルバー)は8500円から11000円へと値上がりします。
当店では現状の店頭在庫につきましては据え置き価格での販売になりますが、8月10日以降の入荷分は新価格での販売になります。
尚、ファニーとしては主力製品の50セントイーグルを本体とキーホルダーに使ったライダースワレットの価格を抑制するため、苦肉の策ですが50セントのコインそのものを1965年以降の銀の比率が低いコイン(銀40/銅60 一個2500円)に変更する方向で進めています。今後はこれがスタンダードとなり、従来の50セント(900/1000)はオプション扱いとなりそうです。
しかし年号以外の刻印は全く同じで、一見見分けがつかないため、これはこれで販売の際に混乱を起こすおそれがあります。ややこしくて扱う方も大変ですが、お客様には出来るだけわかりやすく告知していかなければならないと思っています。
コンドル
この75年のスパイ映画の傑作を最初に見たのはTVのロードショー番組だったと思う。
最初は充分内容が理解出来ず、ただ無表情なマックス・フォン・シドーの殺し屋ぶりが強烈な印象だった。
何度か観返すうちに私の中では評価が高くなり、最も好きな作品のひとつになった。
国際的な石油利権の獲得を背景にしたCIAの内紛がテーマになっているが、派手なスパイ・アクションものとは全く趣が違う。ロバート・レッドフォード演じる主人公はCIAの末端局員だが、主たる仕事は日がな一日世界中の書物を読んで、資料として局のコンピューターに入力する事。実戦経験などまったく無い。ところがある日突然その部署が3人の暗殺チームに襲撃され、同僚が全員射殺される。あやうく難を逃れた主人公(コードネーム・コンドル)は秘書の女性が護身用に持っていたコルト・ガバメントをとっさにつかみ、その場を離れる。局に連絡を取るが、またしても暗殺されかけ、もはや誰にも頼れない状況を悟る。たまたま知り合った女性とともに殺し屋の執拗な追及をかわし、逃亡を続けながら事件の核心に迫っていくというストーリー。
最後にはCIAに一矢報いるつもりで事件の全容を新聞社にばらすが、元上司の「掲載される事は無い」という確信に満ちたセリフで物語りは終わる。
この作品は小説がベースになっているが、脚本は良く練られていて、配役も良い。行きがかりでコンドルの逃亡を助けることになるフェイ・ダナウェイは、本作のような物憂いでちょっとなげやりな女性役にはピタリと収まる。そしてなんといっても長身のマックス・フォン・シドーの存在感は圧倒的で、本職さながらである。
昨今のスーパーマンのような不死身のスパイが活躍する映画に飽き飽きした方にお奨めしたい傑作。
スコードロンパッチ完成
先週からかかっていた334THイーグルスのハンドペイントパッチ、仕上げ段階です。
黒いアウトラインを引いた後に白でハイライトを入れると立体感が出ます。
ペイント作業が完了したら外回りをカットし、完成です。
本日のニュースより
鳩山元首相、脱原発デモに参加=党内冷ややか

民主党の鳩山由紀夫元首相は20日夕、首相官邸前で行われた原発再稼働の抗議デモに参加した。マイクを握った鳩山氏は「皆さんの新しい民主主義の流れを大事にしなければならない。再稼働を止めるべきだ」と訴えた。
鳩山氏は「これから官邸に乗り込んで皆さんの思いを伝える」と宣言。そのまま歩いて官邸に入り、藤村修官房長官に、野田佳彦首相がデモ参加者の声を聞く場を設けるよう求めた。藤村長官は「首相に伝える」と語った。首相は、鳩山氏の要請について、視察先の福岡県柳川市で記者団に「さまざまな声を聞いていきたい」と述べた。
 デモに参加した理由について、鳩山氏は記者団に「政治家として民主主義の新しいうねりを肌で感じる必要がある」と説明。しかし、党内からは「党の元代表、元首相の参加はいかがなものか」(城島光力国対委員長)と冷めた声が聞かれた。 
(以上引用)

このバカは「温室効果ガス25パーセント削減」を世界に向けて勝手に約束したことをすっかり忘れているらしい。
でも、こいつの言動は民主党の解体を促進させる働きがあるので、今は温かく見守ってあげよう♥
本日の修理品
日常的な業務のひとつであるデニム修理の依頼ですが、裏張りにバンダナを使って欲しいということで、パンツとともにペーズリー柄のバンダナもお持ちになりました。
バンダナの生地だけでは薄すぎるので、裏張りの11オンスのデニムに挟み込んで使用します。
現状で大きく穴が開いているわけではありませんが、生地が薄くなって横糸だけになっているところの周りは細かくタタくことをせず、バンダナの色が覗くように仕上げてあります。

画像上/縦に25センチほど裏張りする。

画像中/脇を割ってバンダナを挟んだ生地をタタき付け。

画像下/作業完了。綻びが進むと横糸が抜け、バンダナが覗く。
スコードロンパッチ鋭意製作中
引き続き334THイーグルスのパッチをハンドペイントで製作します。

画像上/下絵に沿って全体に色を入れた状態。

画像下/アウトラインを細筆で描きこむ。今回はアウトラインを際立たせるため後で描きこんだが、絵柄によっては手順が逆になることもある。