名著であるため、ご紹介

名著であるため、ご紹介
『イスラム教再考』飯山陽著 扶桑社新書

ここ数年、保守論壇でにわかに注目を集める「戦うイスラム思想研究者」飯山あかり氏。
Youtubeでの発信も多数の視聴者を獲得している。
一体誰と戦うのかと言えば、主に我が国においてイスラム思想研究の大御所と呼ばれる人達。最高学府の教授であったり、イスラム世界の動向を物知り顔で語るジャーナリストといった人たちである。それら「権威ある専門家」たちの現実とかけ離れた出鱈目な発信は、国民に誤解を生ぜしめ、イスラム教徒に対する国の政策をも誤らせるものであるとする。
飯山氏曰く、イスラム教徒は、その教義ゆえに異教徒と相容れることは絶対に無く、他国に移った場合は極めて侵略的であるとする。現在ヨーロッパ社会がイスラム系移民によって大混乱をきたしているのを見れば明らかである。しかし日本では、「権威ある専門家」たちが世論をリードして性善説をばら撒き、埼玉などではイスラム教徒の集住地区で凶悪事件も起こっているのに、寛容な対応が続く。
そういえば私が以前読んだことのある中田考氏も、飯山氏が厳しく批判する敵の一人であるようだ。イスラム系の学者ではメジャーな中田氏の本を読んで、「ふんふん、こういうことか…」と、安易に納得してすっかりミスリードされていた。
なぜ「権威ある専門家」たちが、学術的な根拠もなくイスラム寄りの発言を繰り返すかと言えば、そこには学者社会特有の反米イデオロギーや、省庁と結びついた巨大利権が存在するからである。
そんな御用学者の世界に反旗を翻し、孤高の戦いを続ける飯山氏。
研究者としての実績はもちろん、イスラム圏での長年の居住経験から、「多様性社会」、「異文化共生」の欺瞞を暴き出す。燃えるような正義感と、苦労の連続で培われた不屈の精神、誰にも忖度しない喧嘩上等の姿勢が清々しい。
エジプト居住歴もある飯山氏には、是非、カイロ大学主席卒業(自称)の都知事と一戦交えてもらいたい。