キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
久しぶりに劇場で映画鑑賞。
スコセッシの監督作品で、ロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオ主演。
1920年代、白人に土地を奪われ、オクラホマに住み着いたオセージ族は、その土地から油田が発見されたことで急速に豊かになる。安住の地になるはずだったその場所には、莫大な利権に目を付けた白人たちが入り込み、オセージ族の人達は次々と不審な死を遂げる。事故や自殺、病死として片付けられ、法執行機関はまともに機能しない。その後ろには、町の名士として振る舞うフリーメイソンの白人男がいる。そしてその男の甥は、オセージ族の女性を娶り、相続権を得た上で毒殺を計る。
全く救いのない話だが、これは実話の映画化である。
一木一草を神と崇めるネイティブ・アメリカンの儀式が随所に散りばめられ、偽善的なカソリックの白人との対比も見事である(イタリア系のスコセッシはカソリックなんだけどね…)。
白人に侵略された後も誇りを忘れず、奴隷となることを断固拒否したネイティブ・アメリカン達(そのため白人はアフリカから黒人奴隷を輸入した)。
彼らは白人にとっては殲滅の対象でしかなく、その命は「紙より軽い」ものだったのだ。
ダンス・ウィズ・ウルブスにも一脈通じる作品で、充分見応えがあった。