名著であるため、ご紹介

名著であるため、ご紹介
『言ってはいけない』橘玲 新潮新書

「残酷すぎる真実」と副題がついているが、個人の努力では如何ともしがたい生来的な「格差」を明言した本書。
誰もが認識しながら、表立って語られることの憚られる現実…。
*見た目の美醜はそのまま経済格差に反映される。女性の美貌格差だけではなく、男性も生来テストステロン値が高いと横幅の広い精悍な顔立ちになり、人は無意識にリーダーと認識する。結果的にリーダーシップを取っていく。
*運動能力や、音楽(音感)や芸術(色感、空間把握)分野の遺伝的才能は努力に勝る。
*知能や犯罪性向も遺伝の影響は避けられず、幼児教育、矯正教育はほとんど無駄である。
全く身も蓋もない説が続くが、橘玲が本書を通じて言いたいことは、本人の努力や周囲の人たちのサポートでは乗り越えられない壁が厳然としてあるということ。それを社会が認めないのは、一種の欺瞞ではないかということだ。
橘玲は小説家であり、学者ではないが、脳科学や行動遺伝学の分野では、最近いろんな研究者がYoutubeなどで同様の発信をしている。