名著であるため、ご紹介

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『予言の心理学』菊池聡著 KKベストセラーズ

実はこの本、20年位前に購入して、非常に面白く読んだのだが、知人が持ち帰った挙句に紛失してしまった。
なのでネットで探して再購入。
著者は心理学者であり、ジャパン・スケプティックス(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)のメンバーである。
この本では人間が、錯誤によってカルトやスピリチュアルに嵌まり込んでしまう時の心理を、科学的に解き明かしている。
認知の歪みによって「ワナ」に嵌まり込んでしまうのは、オウム事件を挙げるまでもなく、教育程度が高い人にも起こりうる事なのだ。
また、その心理を利用する詐欺師たち(自称予言者、自称霊能力者、自称ヒーラー、自称スピリチュアルカウンセラーetc…)の巧妙な手口を暴き出している。
この本が書かれた世紀末以降も、カルトやスピリチュアルは周期的にブームになり、癒しを求めて被害を受ける人は常に存在する。盗人と同じで、この手の詐欺師の、種は尽きまじというところか。
ただし、著者はバランス感覚に優れ、個人の信仰や、癒しの技術としてのまじないまで全否定はしていない。
平易な文章で分かり易く、通読すれば、誰もが遭遇する「ワナ」を躱すための理論武装も出来る名著。