働き蟻へ

働き蟻へ
最寄り駅の近くに、古くから地元で数店舗展開しているスーパーがある。
ややアッパークラスの人達を対象にした食料品を扱っているようだ。
ここで店長をしているのが私の学生時代の同級生である。そいつは、大学を卒業して新卒でそこに入社し、以来30年近く勤めている。たまに立ち寄った時に見かけるが、いつもせかせかと小走りに店内を駆け回っている。役付になっても仕事内容は変わらず、倉庫整理から駐車場の草むしり、さらにはクレームババアの対応まで、早朝から深夜まで働きづめだ。
晩婚のくせに子供が3人もいるが、休みもろくに取れず、サービス出勤の連続で、過労でいつも顔色が悪い。
会うたびに「お前はその年で丁稚奉公か?ワーカホリックか?働き蟻か?そのうちくたばるぞ」と言ってやるが全く意に介さない。
そいつから見れば、私などは遊び人のようなもので、道楽で商売をやっているようにしか見えず、顔を合わせればお互いの悪口を言い合っている。
しかし、そいつはこのブログを読んでいないから正直に書こう。

お前のようなヤツが社会の礎なのだ。

けして皮肉ではない。
脇目も振らず、蟻のようにせかせかと働き、ひたむきに会社を支え、地域を支え、家族を支えている。
責任感のある人間には、サラリーマン人生もけして楽ではないだろう。
今度会ったら…
…またいつものようにコキ下ろしてやろう♪

キリギリスの同級生より。