バスターのバラード

バスターのバラード
熱狂的なファンの多い、コーエン兄弟の近作をネットフリックスで鑑賞。
表題の「バスターのバラード」含め、短編6作のオムニバスで、劇場公開されておらず、ネットフリックスのみで配信される作品。
6作共西部開拓時代が背景で、シンプルなストーリーでテンポが良く、映像は絵画のように美しい。そして死と隣り合わせの世界が、乾いたタッチで描かれる。コーエン兄弟一流のブラックユーモアが効いていて、台詞回しもウィットに富んでいる。主人公が不条理な死に方で結末を迎える作品が多く、不思議な余韻が残る。
出演者も豪華で、ティム・ブレイク・ネルソンが、往年のハリウッドカウボーイのような白装束で登場する。みすぼらしく酷薄な興行主役にはリーアム・ニーソン。ジェームズ・フランコは、一匹狼の無法者を演じる。その昔「ダーティ・ハリー3」で、婦人警官を演じたタイン・デイリーが、貫禄のある老婆になって出演している。
巣ごもり中で、ネットフリックスを観られる環境にある方には、是非お薦めしたい短編集。
ちなみにコーエン兄弟の西部劇といえば、ジョン・ウエインの「勇気ある追跡」をリメイクした「トゥルー・グリット」があるが、これも素晴らしい作品だった。