名著であるため、ご紹介

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『中国マフィア伝』西爾梟著 河添恵子訳 イーストプレス

中国問題の専門家である河添恵子さんによる訳書。
戦前の上海で、裸一貫から権力の頂点に昇りつめた杜月笙(とげつしょう)の一代記。
訳者の河添女史は、「これこそが中国、中国人」と評する。
とにかく己の欲望を満たすためなら手段を選ばず、略奪、暴行は当たり前。大量殺人も厭わず、身近な人間すら平然と裏切り、憐憫の情もない。弱い者は騙し、搾取し、殺す対象でしかないという、獣以下の所業を繰り返して地域のボスとなる杜月笙。蔣介石と結びつき、抗日戦に協力しながら、その裏で利権あさりに狂奔する。教父の衣を纏いながら、その実、思想も節操もなく、ただ欲望あるのみ。
実に単純明快でわかり易いザ・中国人。
人を踏みつけてボスとなったこの男の価値観は、何も特異なものではなく、現代にも続く彼らの基本的価値観である。
過去に民主的な体制になったことは一度もなく、公正や平等という概念自体が存在しない。
河添女史は、「中国の抜本的改革は、遺伝子治療の領域に任すべき」とまで言い切る。
現代でも自国民であるチベットやウイグルに対する虐殺を平然と続ける一方、周辺国への侵略を企てる中国人。
我が国の隣人はこういう人種なのだということを、お人好しの日本人は理解しなければなるまい。