アパルーサ

アパルーサ
近所でDVDを借りてきて観たのですが地味ながら良い作品でした。
原作はハードボイルド作家ロバート・B・パーカーのウエスタン小説で、原作に惚れ込んだエド・ハリスが製作、監督、主演を兼ねています。
ストーリーに目新しさは無く、1880年代の西部の町(アパルーサ)を舞台に、無法者と保安官の対決に、未亡人との恋愛沙汰が絡むという、クラシックで単純なものですが、勧善懲悪もののアクション西部劇とは一味違う仕上がりです。

エド・ハリス/頑固で口下手で実直な保安官。不実な女性を受け入れて共に生きていこうと考えるが…
ヴィゴ・モーテンセン/忠誠心の厚い保安官助手。8ゲージのショットガンを愛用。最後は保安官に忠義立てして悪者との決闘に臨む。この俳優の作品では「イースタンプロミス」の潜入捜査官役も良かった。
ジェレミー・アイアンズ/わるもの。粗野な言動をしても、どこか上品。
レニー・ゼルウェガー/自称未亡人。女の武器でしたたかに生きる西部の尻軽女。演技は素晴らしいが、助演を張るにはこの人、太り過ぎでは?
ランス・ヘンリクセン/わるものに金をもらって味方する元保安官。この俳優は多くの作品に出演していますが、ちょっとクセのある役をやらせたら天下一品。強く印象に残ります。

これはエド・ハリスが、自分の作りたいように作った映画なのだと思います。CGを使った派手なドンパチのシーンも無く、物語りも淡々と進んでいきますが、砂埃舞う田舎町を背景にした叙情性はたっぷりで、そういう見方の出来る方にはぜひお薦めしたい作品です。