本日の修理品

本日の修理品
見返しの端と裏地の縫い合わせ部分が派手にパンクした東洋のベトジャンです。
こういうケースは稀ですが、もともとこのナイロンのキルティング生地は縫い合わせてもスリップ(滑脱)しやすく、生地メーカーの用語で言うと「引っ張り強度」が低い生地です。ベトジャンのようなお土産品扱いのジャケットでは表生地として使用されますが、本来は裏打ち用の生地ですからそれほど頑丈なものではないのです。摩擦にも弱くて、実物(当時モノ)のベトジャンの多くは裾線や、袖口などが擦り切れて中綿が出ていたりします。
修理については前身頃を一度解体し、見返し端の縫い代をテープで補強した上で裏地と縫い合わせ、解体した箇所も元通りに縫い直します。
手順を文章にするのは簡単ですが、実際の作業はかなりの手間を要します。