本日の修理品

本日の修理品
他社さんの製品ですが、チェーンステッチでの裾上げのご依頼です。
非常に厚く織られたゴツゴツした生地ですが、なぜかインシームが二本針ミシンで巻き伏せ縫いされています。実はこの仕様のものは非常に裾上げし難いんです。通常ビンテージ仕様に準じた製品は、インシームの縫い代は端を重ねてロックして片倒ししてあります。片倒しされた部分は生地が3重になり、裾を縫うために三つ巻きしますから9枚の生地が重なることになります。これがポンコツ骨董品のチェーンミシンの場合、スムーズに作業する限界です。
二本針ミシンで巻き伏せされた部分は、前後身頃の縫い代がくの字に縫い込まれていますから生地が4重になっています。これを三つ巻きにすれば12枚の生地が重なりますからかなりの厚みになってしまいます。特にヘビーオンスのものはその部分だけダンゴのようになってしまうので、ミシンのアタッチメントに収まり難いのです。中に巻き込まれる部分の縫い代を薄くカットし、ミシンにセットする前に木槌で縫い代をたたいて平たくしてから作業をします。

工賃1500円