店長日記

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A-2カスタム完成
ハンドペイントしたパッチを縫い付け。
春らしい気候になりましたが、裏地がブロードクロスのA-2はまだまだ着用していただけます。
お客様のインディアン
どちらもオリジナルの外観を保っている鉄馬インディアン。
琵琶湖まで一走りした帰りにご来店。

画像2/1938年式インディアンFOUR。縦置きの4気筒エンジン。

画像3/1947年式インディアンチーフ。Vツイン。
本日の修理品/シュガーケーン セカンドジャケット
年初に、シュガーケーンのサードモデルで同様の修理を承りました。
今回はセカンドモデル。
一度衿を取り外し、パンクした衿腰を欠け継いだ後、上衿と下衿をひっくり返して取り付る予定です。
チェーンミシンで縫製された各部も糸切れを起こしているので、同時にリペアします。

*カスタマーサービス→デニム関連→ジャケットリペア [上衿・付け替え] のページ参照
「半年給与なし。仕事保証なし」京都・西陣織職人の「弟子募集」はブラックと言えるのか

伝統工芸の職人と弟子の関係は「ブラック労働」にあたるのか――。
京都の西陣織職人がツイッターで弟子を募集したところ、その求人条件が「ひどすぎる」としてインターネット上で批判を浴びる騒動があった。
実際、今回問題となった募集ツイートでは、「最初の半年間は給与が出ない」「その後の仕事も保証できない」などと説明していた。
(以上引用)

もともと徒弟制度で成り立っているような機屋業界に、最初から一人前の給料や、社会保障を期待するのは無理がある。
「ブラック」なんて言葉が定着するずっと前だが、私の知人(機屋とは業態が違うが…)で、採用した見習いを半年以上無給で使っていた経営者がいた。
使う方は、何一つ出来ない小僧に、時間を割いて一から教え込んでやるんだからあたりまえという感覚であった。
結果的に、そのガッツのある見習いはモノになり、特殊な技能職として一人前になっている。
めでたし、めでたし。
このように、使うほうも使われるほうも納得ずくならオーライじゃないか。
視点を変えれば、たいして役にも立たない技術系の専門学校に通うのだって学費が要る。
それを思えば、タダで技術を習得できるのだから、手弁当でもありがたいと思えと言ったら言い過ぎだろうか…。
スコードロンパッチ完成
お客様からいただいた原画はモノクロのものだったので、配色は当方で行いました。
陰影やボカシも入れて、多少立体感を持たせております。
ジャケットリメイク/リーバイス コーデュロイジャケット
ゆったりしたシルエットをタイトに修正する今回の作業。
アームホール周辺はもちろん、脇裾からカフスの付けまで解体する必要があり、大掛かりなリメイクになりました。
これで着用状態で動きにくくなったかといえば逆で、アームホールが人体の関節に近づき、袖下の寸法が長くなったので、腕を上げ下げするのが容易になっています。

*肩幅 48センチ→43センチ
*身幅(脇下)59センチ→53センチ
*袖幅(脇下)23センチ→19センチ

画像1/ビフォー。

画像2/アフター。
ジーンズリフォーム/シュガーケーン 20'S
お客様の御要望で、バックストラップの位置を付け直して納品します。
この製品は1920年代のワークパンツを模したデザインで、背中心のベルトループ位置に重なるようにバックストラップ(尾錠)が取り付けられています。ベルトループが付いていても、尾錠が邪魔をして事実上ベルトが使えないデザインになっています。もともとこのタイプの尾錠は、バックルに付けられた二本ピンが生地を貫通してしっかり留まるようになっているのでベルト不要なのですが、PL法(製造物責任法)の関係で、現在ではピン付きの尾錠が使えません。ピンなしの尾錠ではすぐに緩んで収まりが悪いため、ベルトを装着出来るように尾錠位置を下にずらす作業をおこないます。
ちなみに、20年以上前のシュガーケーン製品ではピン付きの尾錠が使われていました。

画像1/ビフォー。

画像2/移動して同色の綿糸で縫い付け。

画像3/アフター。
オーバーホール
最も出番の多いパーペチュアル・デイトが、日差が大きくなり、そろそろオーバーホール時期かと思っていたこの1月、突然止まって動かなくなった。
そこで以前サブマリーナをオーバーホールした時と同様、メールで連絡して発送用の梱包セットを送ってもらい、折り返し発送した。
後日メールで見積もりがきたが、意外に高額。…サブマリーナの時よりも高いじゃないの。
なんでも、基本メニューの分解清掃や消耗パーツの交換のほか、ローターにヒビが入っていて、一式交換になるそう。それ以外にも、作業を進めてみないとわからないが、 切替車という高額パーツの交換が必要かもしれないという。
それはそれで仕方ないので、そのまま作業に入ってもらうよう依頼した。
一か月半ほど待って仕上がってきたが、結局切替車の交換は必要なかったとのこと。しかし、カレンダー車ポスト、香箱芯というパーツが追加交換となり、総額でけっこうな金額になってしまって、かなり痛い。
それでも、正確に時を刻んでこその時計なので、今後も必要なメンテナンスをしつつ、できるだけ長く使ってやろうと思っている。
レンタル工房にて
前回の続きでショルダーバッグを製作するお客様。
本体の外回りも、帆布の裁ち端を包み込むように本縫いで仕上げるので、ミシン作業の間にアイロン作業が入ります。
前回はほとんどの工程を手送りで縫製しましたが、今回仕上げのコバステッチではモーターを使いました。家庭用ミシンのように速度調整機能は無いので、ペダルの踏み方での調整になります。
これで本体部分は完成で、ミシン作業は終了。
あとはレザーを加工してハンドルを付けますが、レザークラフトの心得のある方なので、自宅へ持ち帰っての宿題ということになりました。

画像1/本体を裏返して外回りを地縫いした後、縫い代がごろつかないようにアイロンで折り込み。

画像2/ファスナー口から本体を表に返して、外回りをコバ縫い。

画像3/外ポケットのレザーフラップに、追加でスタッズを打つことになったので、位置をマーキング。
ジャケットリメイク/リーバイス コーデュロイジャケット 
80年代には、肩幅がやたらに広く、アームホールも大きいジャケット類が多かったが、ジージャンも例外ではなかった。
その頃の製品を、本来のサード型に近いタイトなシルエットにリフォームする。
肩幅を詰め、アームホールも小さくし、袖下と見幅を大きく削るという難度の高い作業を開始。
ハイシャイン
何年か前に当店でスタッズ加工(カスタマーサービス→レザー関連の頁参照)させていただいたウエスコのブーツ。
見事に磨き上げられているので、ご来店時に撮影させていただきました。
メンテナンスには、専らコロニルの1909シュプリームをお使いのようです。
A-2カスタム
無地のA-2をフライングタイガース仕様にカスタム。
左腕のCBI章は横振りミシンによるハンドメイド品。
右腕には当店でハンドペイントした飛虎のパッチを取り付けます。
スコードロンパッチ完成
絵柄部分に沿って革を裁断し、別革の台座に縫い付けて立体的に仕上げる今回の試み。
ペイント部分のエイジングと、ビンテージ加工の台座もマッチしていると思います。
レンタル工房にて
2009年頃に、店内でせっせとショルダーバッグ(画像1)を作って販売したことがあり、その時と同様のものをお客様がDIY製作することに…。
当時作った型紙が残っているので、それをそのまま使い、同じ工程で製作開始。
材料は本体の帆布、フラップとハンドルのサドルレザー、ファスナーはお客様が持ち込み。
その他の芯地、リベット、コンチョ等の材料は当店のものを使用します。
このショルダーバッグはシンプルなつくりですが、縫製面では難しい箇所があり、途中に入るアイロンの作業も重要です。
時間もかかりますが、モノ作りを楽しみながら、裁断から仕上がりまで一通りの工程も覚えてもらえるのではないかと思います。

画像1/2009年に製作し、実際に使っているもの。今回これと同じデザインで製作。

画像2/本体の帆布を型紙に沿って裁断するお客様。

画像3/中央部にファスナー付きの切りポケットを作る工程。最初のミシン作業になるが、難度が高い。工業用ミシンの動力をオフにして手送りで縫製。

画像4/共布でサイドポケットを縫い付け。これもマチが付いているので慎重に手送りで縫い付け。

この後、革を裁断してフラップとして縫い付ける段階でトラブル発生!
革を再裁断して製作をすすめるも、タイムアウト。
作業は来週の(お客様の)休日まで持ち越しとなった。
本日の修理品/ファニー キーホルダー
エレファントを使った5セントキーホルダーのスナップボタンの破損。
このサイズのキーホルダーは、コンチョ側(上側)がメスで、下側がオスになっているのですが(50セントサイズ以上のワンウエイスナップは逆)、そのオスのカシメが甘くて脱着時に抜けてしまったケース。
お買い上げいただいて間もないので、無償での交換対応とさせていただきました。

画像1、2/破損したスナップボタンのオス。

画像3/純正の打ち替え用パーツ類は常時在庫しております。

画像4/プレスを使って均一な力で打ち込み。

画像5/修理後。

*他社様で購入された商品、中古流通品については一切お受けしておりません。
エアフォースパッチ製作・縫い付け
以前からカスタムのご相談をいただいていた社外品のA-2。
プリントされたエアフォースマークがイマイチなので、当店でハンドペイントしたエアフォースパッチでカバーすることにいたしました。
樹脂系のべったりしたプリントよりも、高級感のある仕上がりになっていると思います。

参考価格/エアフォースパッチ7000円(税別)+縫い付け工賃1500円(税別)
スコードロンパッチ鋭意製作中
今回はヌメ革にペイントした上でエイジングを施し、それを別革(ビンテージウォッシュ加工)の台座に縫い付けてパッチを製作します。
レンタル工房にて
先日、出張で来ていた東洋エンタープライズの営業担当者と、当店のお客さんを交えて飲み会をおこなった。
その時、あるお客さんが、同席していた別のお客さんに、個人輸入したものの着なくなったオルテガのジャケットを譲る話になって、当店を経由してお渡しすることになった。
それを昨日お渡しし、試着してみるとサイズはあつらえたようにピッタリだったが、化繊の裏地がシームに沿って5か所破れている。そのうち二か所は、不自然に入っていた肩パットを購入したお客さんが取り外した痕で、あとは縫製不良によるもの。
オルテガの製品はふわりとした手織りの風合いが売りだが、それを立体に組み上げる縫製作業が極めて雑なのだ(日本のアパレルメーカーの厳しい検品基準では、まずクリア出来ないレベル)。
そこで当店のミシンを使い、譲り受けたお客さんがDIYでリペア作業おこなうことになった。
動力をオフにして、プーリーを手送りして慎重にカケツギする。
結果的に穴は塞がり、一見縫い跡もわからない程度に仕上がった。

画像1/オルテガのチマヨジャケット。表地はハンドウーブン(旧式の織り機によるもの)。

画像2/手間のかかっている表地に比べ、安っぽい化繊の裏地。せめてキュプラぐらい使ってほしい(希望)。縫い代の幅が不揃いで、縫い目の浅い部分がスリップ(滑脱)している状態。本職が縫っているとは思えない。

画像3、4/工業用ミシンでの作業に、懸命に取り組むお姿。
ジーンズ裾上げ
後ろ裾がパンクした状態の桃太郎ジーンズ。
購入時にカットせず、そのままお穿きになっていたようです。
チェーンミシンでの巻き直しということでお持ちになりましたが、少し長いようなので、縫い代を一折り分カットしました。
多少裾が擦り切れていましたが、仕上がりには影響せず、元の状態より1センチほど短く仕上がっています。

画像1/ビフォー。

画像2/元のチェーンステッチの糸を抜く。

画像3/縫い代を一折り分カット。

画像4/アフター。

デニム製品のリペアについて、電話やメールで料金、納期等お問い合わせをいただくことがありますが、以下の点をあらかじめご了承ください。

*料金について
修理品の状態は千差万別ですので、正確な金額は店頭で見積もってみないとわかりません。ご呈示した見積もり金額でご了解いただいてから作業に入ります。

*納期について
可能な限り迅速、丁寧を心がけておりますが、人手もスペースも限られた中で対応しておりますので、いつでもすぐに対応出来るわけではありません。また、たて込んでいる時期には、当然ながら自店で販売した商品を優先的に扱います。

*リペアをお受け出来ないケース
洗濯されていない製品の汚れ、ほこりは機械の故障原因となりますので、洗い上がりの状態以外はお受けしかねます。