最近はDVDを借りる時も、スマホでその映画のレビューを一応確認してからレジに持っていくことにしているので、ハズレを引くことはあんまりない。
地味な作品だが、玄人筋からの評価は高く、実際に単純なスリラーとかサスペンス映画を超えた深い味わいがあった。
酷寒の居留地(ウインド・リバー)に追いやられたネイティブアメリカンの悲哀に想いが至らなければ、ただの陰鬱な作品かもしれないが…。
主演のジェレミー・レナーは、苦悩を抱えたハンター役を好演。
エリザベス・オルセンが演じるのはマイアミ出身のFBI捜査官(多分プロテスタント)で、別世界の事件に戸惑いながらも、懸命に解決に努めようとする。
朴訥な居留地の警官役は、「ダンス・ウィズ・ウルブス」のグラハム・グリーンで、年を取ってずいぶん恰幅がよくなった印象。
逆さに吊るされた星条旗が象徴するようなネイティブアメリカン居留地。そこで起こった悲惨な事件は、アメリカという国の成り立ち、その暗部を象徴する。
今回の作品、好みははっきり分かれると思うが、私には見ごたえのある作品であった。