これは1970年に発行された週刊現代の増刊号で、三島事件の直後に出された特集号である。
実はこれと同じものは当時親父が買い、長年実家に置いてあった。
それが実家の取り壊しのときか、親父の遺品整理の過程でかはっきりしないが、いつのまにか紛失してしまった。
そうなるとなんだか惜しいことをした気がして、試しにネットで検索してみたら、一発で中古流通品が見つかった。
こういうときにインターネットは本当に便利である。
届いた雑誌は家にあったものより数段程度が良く、ほとんど折れ跡も付いていない。
内容は、それまでの三島の言動や割腹に至った経緯を追い、三島と交友のあった者、否定的に見ていた者がそれぞれの立場で評論を加えている。先日亡くなった野坂昭如はじめ、名だたる文化人、左右両翼の思想家が名を連ねているが、総じて辛口の意見が多い。文学を超えた領域で自己表現しはじめ、 体を鍛え、私設の組織をつくって軍事訓練まで行い、「理想」の自分を演出した結果の自決だという冷めた見方である。
長い間家の書棚にあったので、私もパラパラと目を通していたが、深く理解していたわけではない。
しかし三島事件は40年を経ても取り上げられることが多く、後世に影響を残したのは間違いないのだろう。
今度の休みにでもじっくり読み返してみることにしよう。