このポンプには、マジックで2006,12と交換時の書き込みがしてある。
この時にも、事はすんなり運ばなかった。
納車時から付いていたウォーターポンプが突然死したのは正月直前の事だった。この車はラジエターにサブタンクが無いので、ヒート気味になると多少クーラントがホースから地面に排出される仕組みだが、自宅でアイドリング時にふと気付くと、おびただしい量のクーラントがポンプ本体から地面に漏れ出しており、そのまま逝ってしまった。
しかし、ポンプはいつか必ず壊れる部品なので仕方がない。その時点で、手元に来てから10年以上、壊れなかったのだから良く働いてくれたと納得せねばなるまい。それにこんなこともあろうかと、デルコ社の新品のウォーターポンプを買い置きしてあったのだ。
備えあれば憂い無しである。
壊れたポンプをはずして新品を取付けるだけなら素人の私にも出来る。必要な工具類、シール剤などを揃え、半日で仕上げる予定で作業に入った。
まず、ラジエターとポンプの間にあるプロペラや、オルタネーター、補機類、ベルトなどを全て外す。場所によりインチだったりミリだったり、工具が届きにくい箇所もあり、2時間近くかかってやっとウォーターポンプ本体に手がかかった。はずしおわった時点で作業服は油とクーラントにまみれている。
さて、後は組み付けるだけさと、新品のポンプを持ち上げようとしたその時、何やら違和感が…
(げげっ!)プーリーの大きさが違うじゃねーかよ!それに…ポンプに補器類を固定するボルト穴が開いていない!
…わざわざ本国から毛唐のアホタレが送ってよこしたポンプは、なんということか、型式違いであった。
無念である。
仕方なく、作業半ばで、慌てて国内での部品探しに奔走するハメになった。
最初に、アフターパーツをたくさんストックして通販しているというふれこみのアメ車専門店に電話したが、応対した店員がぞんざいで、信じられないぐらい程度が低く、会話が成り立たないために(日本なのにな)時間をロスした上に不愉快であった。電話越しで顔を見たわけではないが、バカ面に間違いない。
気を取り直し、名古屋市内のホットロッド系SHOP「R&B」に電話してみたところ、メカニックの方が丁寧に対応してくれて、忙しい時期にもかかわらず、ストックの中で適合しそうなものを探してくれた。程なくして80年頃のカマロのものが使える事がわかり、新古状態のモノを宅急便で送ってくれた。仏様のようなメカニックである。現物合わせしてみると、これがピッタリだった。
という事で日を置いて再度組み付けに挑戦。
接合面に念入りにシール剤を塗り、ウォーターポンプを取り付け、パワステポンプ、オルタネーター、ベルト類、プロペラと、バラした逆に組んでいく。ネジの締め忘れがないよう慎重にチェック。ラジエターの水は当然減っているので、水道水をホースで補給。本当はこの際、ラジエターもきれいに掃除した方が良かったのだろうが、そこまで気持ちの余裕はなかった。エンジンをかけてエアー抜きをし、D.I.Yでの一通りの作業は完了した。
これまでのところ不具合もなく、日々快調に作動している。
この一件では、毛唐の民族的性格とも言えるいいかげんさに翻弄され、海外通販のリスクを痛感させられた次第である。
ーーーーーーー
文中、不適切な表現があったとしても訂正いたしません。WWW