ザ・ブレイブ・ウォー 第442部隊

ザ・ブレイブ・ウォー 第442部隊
昨年、米軍日系人部隊について書かれた『棄民たちの戦場 米軍日系人部隊の悲劇』を読んでいたので(5月17日日記)ぜひ観てみたい作品だった。
日米開戦と同時に理不尽にも財産を没収され、強制収容所へ送られたハワイや本土の日系人達。その中からアメリカへの忠誠心を証明すべく、志願して結成されたのが第442連隊戦闘団。過酷なヨーロッパの最前線に立ち、「ゴー・フォー・ブローク/当たって砕けろ」を合い言葉に決死の戦闘を繰りひろげ、アメリカ陸軍史上でもっとも多くの勲章を受けた部隊となった。しかし代償も大きく、テキサス大隊の211名を救出するために、第442連隊戦闘団の約800名が死傷している。
物語りは、ドイツ軍に包囲された友軍のテキサス大隊を救出に向かう442部隊員を、一人一人の回想シーンを交えて描いていきます。かなり叙情的な表現も多く、この部隊の背景を知らず、ただの戦争アクション映画のつもりで観ると理解が難しいと思います。トンプソンをバリバリ撃ちまくる戦闘シーンもたくさんありますが、テーマはあくまで歴史的な悲劇の中での日系人達の覚悟と忠誠心です。しかし編集が上手くなく、全体の流れがわかりずらくて盛り上がりに欠ける点が残念。
主演俳優も含め、ほとんど知らない俳優ばかりですが、主人公の父親役でパット・モリタ(ベストキッドの空手師匠役)が出演しています。この人は子供時代を実際に収容所で過ごしたようです。ブルース・リーの伝記映画で主演をしたジェイソン・スコット・リーも日系人役で出ています。
アメリカ社会では最近になって日系人部隊を再評価する動きがあるようで、今後もこの手の作品が制作される可能性がありますね。