久々の美術鑑賞

久々の美術鑑賞
美術の展覧会に足を運んだのは数十年ぶり。
名古屋・伏見のギャラリーで、当店のお客様が石彫の個人展覧会を開催していたのでお邪魔してきた。
あいにくの大雨だったが、地下鉄の駅を降りた目の前のビルだったのでスムーズに到着。
地下のギャラリーに足を踏み入れると、表の喧騒とは隔絶された空間。鑑賞の前にドーパミンが出て、脳が覚醒するような感覚になったのも久々。
作品はアフリカ産の高硬度の石を使った立体造形で、現代的な電動工具も使うが、細部は手仕上げ。硬いだけではなくて比重も重い石で扱い難そうだが、この素材感に拘って制作を続けておられるとのこと。
ところで、美術鑑賞には定まった観方などない。
ただ五感をフル稼働して、作者のメッセージを汲み取ろうとすること。それによって直観力や集中力が磨かれる。受け止め方が作者の意向と異なっていてもかまわない。視点が異なれば当然解釈も違ってくるのだ。
その後、居合わせたギャラリーのオーナー(高齢女性)にコーヒーをごちそうになった。
オーナーは元々画商で、県下の美術団体ともつながりが深く、(私が末席にいた)団体含め、通じる話題も多かった。画家や彫刻家といったら、控えめにいっても風変わりで歪な人が多く、話題には事欠かない。
昔の話題が出ると、年月が経っていても一瞬で記憶がよみがえり、なんだか心が和む。
あらためて、自分はその風変わりで歪な人達の一員だったのだと思った次第。