ビュイック始末記(内装編その弐)

ビュイック始末記(内装編その弐)
今日は酷暑の合間にあって珍しく日射しもなく、コンバーチブルには快適な日だ。
さて、購入時は前後共ホワイト一色だった合成皮革のシートは、過去のオーナーによって張り替えられたものと思われる。
せっかく張り替えるなら、せめてオフホワイトかベージュぐらいにしておけよ(チッ!)と思ったが、その時のオーナーのセンスなので仕方がない。それでも傷みはなかったので、あえて張り替えまでは考えなかったが、なんだか締りがないのでレザー用の着色スプレー(染めQ)で、汚れが目立つ部分を中心に黒く塗り、ツートンカラーとした。以前にも取り上げたが、当店でも販売している染めQは、レザー(含む合皮)専用のアクリル系のスプレー塗料で、非常に密着性が高い。それ以前にウエスタンブーツの着色に使ってみて耐久性に不安がないことはわかっていた。もちろん作業にあたっては、きちんと下地処理し、マスキングにも相応の手間がかかる。生地の切り替えのパイピング部分のマスキングなどは結構難しい。しかし本格的に張り替えることを思えば、手軽に低コストでリフレッシュ出来るのだ。
ちょっと50年代風の仕上がりだが、一見して塗装だとは誰も思わないだろう。
ところでシートにヘッドレストが付いていないが、張り替え時に取ってしまった訳ではなく、この年式は最初からこういう仕様である。
ついでにいうとシートベルトも付いていない。これらが標準化されるのは70年あたりからだったと思う。
今の安全基準をもってきて危ないと言えば危ないにきまっているが、デザイン的にはスッキリしていて美しい。