ビュイック始末記(電装編)

ビュイック始末記(電装編)
先週の事ではあるが、朝、始動時にキーをオンにしてもセルモーターがピクリとも動かず、これはいかんということでプロの方に出動いただくことになった。
以前から同じ兆候があり、何度かキーを回すうちにかかるのだが、早々に対策しようとしていたところであった。前々からヒューズボックスの配線の接触不良を疑っていて、この部分を丸ごと新品交換しようと、電気関係の仕事をされているお客様にも相談を持ちかけていた矢先であった。何せヒューズボックスは1966年当時のままで、コンバーチブルだから外気にさらされている時間も長い。ヒューズを挟むクリップ部分に錆もきている。ヒューズ自体は若い人などは見た事もないような円筒形のガラス管である。
とりあえずテスターで時間をかけ、通電状態を確認してもらう。
…ところが異常なし。ヒューズもIGN(イグニッション)に入っているものも含め、すべてはずして状態を確認するが問題はなし。
そしてなんと…ヒューズをすべて外した状態で、試しにキーをひねってみると、普通にエンジンがかかるじゃないか!
…ちょっと車に詳しい人にはおわかりだろう。
セルモーターはヒューズを介さず、なんと発電機と直結になっていたのであった。
つまり始動時の不調はセルモーター(これは国産の上級品がついているという事で疑ってもみなかった)の問題で、ヒューズボックスは何の関係も無かったのだ。
それではIGNのところにささっているのは何のヒューズなのかと新たな疑問が浮かぶが、時間がかかりすぎるのでこの際追求はしなかった。
もともとドラッグレース用のエンジン(7400CC)に積み替えられていたホットロッドで、それでは街乗りにはあんまりなので、納車の時にわざわざスモールブロックに積み替えてもらった経緯がある。それまで色々な人の手が加わっていて、配線関係もたぶんノーマルではないので、どうなっているかよくわからない。
…まぁいいや。
とりあえず現状の問題点が特定出来れば充分なのだ。徹底追及しようとするとノイローゼになってしまうので、適当なところで良しとするのが古いアメ車とのつきあい方だと割り切っている。
ついでにアーシングしてもらい、バッテリーを新品交換したら、セルもバリッと勢いづいてまったく始動に問題はなくなった。
どうやら来年の車検まではこのままいけそうである。