消えた中隊

消えた中隊
終戦の日も近いからということなのか、GYAO!で古い日本の戦争映画がアップされている。
「消えた中隊」は黒澤明と関係の深い、井手雅人という人の原作によるもので、脚本には黒澤明も名を連ねている。
ロシアとの国境沿いの部落に駐屯する日本軍に、新しい士官が赴任する。そこでは軍人たちが、居留民や、カソリックの宣教師、慰安婦たちと折り合いをつけて駐留しているが、教条主義の新任士官にはそれが気に入らない。部隊を統率しきれないままの士官は、ある日、戦線拡大を図る満州浪人によって、非人間的な決断を迫られる。軍務と、ヒューマニズムの間で苦しむ新任士官。
無駄なく、テンポの良い流れで、ラストまで退屈することはない。
新国劇の辰巳柳太郎、島田正吾らキャストも一流。
昭和30年の日活モノクロ作品。