名著であるため、ご紹介
『左右を斬る/続・文闘への招待』竹中労著 幸洋出版
気が向いて、学生時代に読んだ評論家・竹中労氏の本を再読しています。
この人はずいぶん前に癌で他界されましたが、ジャーナリズムの世界では特異なキャラクターもあって一定の影響力のある人でした。
戦後、日本共産党員(後に除名)で非合法闘争指導者、寄せ場の日雇い労働者を経て元祖芸能記者(梨元勝の先輩格)、芸能人のゴーストライター、晩年はイカ天の審査員もしていました。
思想的にはアナキストで、極左過激派の黒幕といわれ、新右翼の擁護者としての顔も持ち、山ほど訴えられ、投獄もされ、激しく憎悪される一方で多くの人に慕われた、なんとも複雑で過激な人生を送った人です。
「ケンカの竹中」の異名そのままに武勇伝は数知れず。
モノ書きとして時の権力を徹底的にコキおろすだけではなく、暴力沙汰も枚挙に暇がなく、公開討論の席上で激高して浜田幸一と殴り合いのケンカを演じたエピソードは語り草になっています。
1983年出版の本書は「現代の眼」誌上のコラムの編集と、太田竜氏との対談で構成されています。竹中氏一流の講談調の文章は独特のテンポがあって読み易く、氏が言うところの「左右を弁別すべからざる状況」に際しての提言の数々には深く考えさせられます。20数年後の今、読み返してみても実に示唆に富む内容です。
気が向いて、学生時代に読んだ評論家・竹中労氏の本を再読しています。
この人はずいぶん前に癌で他界されましたが、ジャーナリズムの世界では特異なキャラクターもあって一定の影響力のある人でした。
戦後、日本共産党員(後に除名)で非合法闘争指導者、寄せ場の日雇い労働者を経て元祖芸能記者(梨元勝の先輩格)、芸能人のゴーストライター、晩年はイカ天の審査員もしていました。
思想的にはアナキストで、極左過激派の黒幕といわれ、新右翼の擁護者としての顔も持ち、山ほど訴えられ、投獄もされ、激しく憎悪される一方で多くの人に慕われた、なんとも複雑で過激な人生を送った人です。
「ケンカの竹中」の異名そのままに武勇伝は数知れず。
モノ書きとして時の権力を徹底的にコキおろすだけではなく、暴力沙汰も枚挙に暇がなく、公開討論の席上で激高して浜田幸一と殴り合いのケンカを演じたエピソードは語り草になっています。
1983年出版の本書は「現代の眼」誌上のコラムの編集と、太田竜氏との対談で構成されています。竹中氏一流の講談調の文章は独特のテンポがあって読み易く、氏が言うところの「左右を弁別すべからざる状況」に際しての提言の数々には深く考えさせられます。20数年後の今、読み返してみても実に示唆に富む内容です。