ディバイナー 戦禍に光を求めて

ディバイナー 戦禍に光を求めて
ラッセル・クロウの初監督主演作品をDVDで。
第一次大戦を扱った実話ベースの作品で、トルコのガリポリ半島の攻防戦が舞台になっている。
連合軍の志願兵として息子3人をオーストラリアからガリポリの激戦場に送り出した夫婦。3人ともぷっつり音信が途絶え、憔悴しきった妻は錯乱し、入水自殺する。残された夫は、息子たちの遺骨を何としてでも持ち帰り、妻の隣に埋めることを誓う。連合軍撤退後のガリポリを訪れ、敵軍の将校の助けを借りながら捜索を続けるが、様々な困難が待ち受ける(そもそもこの時代には、遺品や遺骨を回収して故郷に還す習慣自体が無かったように描かれている)。そして息子の一人が生き残って捕虜になったことがわかり、ストーリーは急展開。
多少テンポが早すぎるきらいはあったが、最後まで退屈させず、上手くまとめあげていると思う。イスラム教徒の描き方はあれでいいのかどうかわからないが…。
塹壕戦の描写は実にリアルで、武器は主にボルト式ライフルや拳銃といった小火器で、あとは白兵戦である。1910年代に開発されたばかりの軽機関銃はほとんど登場していない。
後半で盗賊みたいなギリシャ兵が使っていたドイツ製モーゼル96は、後に日本軍にも正式採用された自動拳銃。
オセアニア圏の人たちにとっては、ガリポリ半島の戦いは初の海外派兵になるようで、特に思い入れが強いらしい。
そういえば、オーストラリア人のメル・ギブソンも、ガリポリの攻防を描いた映画に主演していたっけ。