名著であるため、ご紹介

名著であるため、ご紹介
『ブラックマネー』須田慎一郎著 新潮社

金融ジャーナリストとして活躍する須田氏が日本の闇経済の実態を詳細にレポートしています。
特に二章以降では、急ごしらえで開設された新興の株式市場がヤミ勢力によって浸食され、インサイダーや偽計取引の温床となり、あろうことかメガバンクまで間接的に加担している実態を丹念に描き出している。そしてその周辺部分では、ホリエモンや村上ファンドに代表されるような「稼ぐが勝ち」といったベンチャー起業家たちが、自らの利益の為にそのしくみを最大限に利用してきたのです。
ビジネスの実体も無く、何一つ生産することも無く、あらゆる手練手管で市場からカネを毟り取る魑魅魍魎の世界。彼らの目から見れば、一般投資家などは収奪の対象にしか写っていないのであろう。こうした金銭亡者たちの鉄火場に、インターネット取引の拡大とともに家庭の主婦などが参入するのだから被害が拡大するのは当然である。この市場のゆがみは、当局が強権的に取り締まっても、一朝一夕には是正出来るとは思えない。
本書には、この他にも体を張って日本のブラックマネーに迫ったレポートが満載で、読み応えは充分。著者の金融ジャーナリストの名に恥じぬ、並外れた取材力による渾身の一作です。
…ところで、最近またホリエモンがマスメディアに顔を出して、好き勝手なことをしゃべっているじゃないか?…こいつ、タレントにでもなったつもりなのか?

…死ね!ホリエモン!(ついでに村上も死ね♪)