フィリグリーでコインケースを…

フィリグリーでコインケースを…
フィリグリーとは、花柄などのカービングの背景部分を所々切り抜いて、別革を挟み込む手法。
薄革で裏打ちも行うので、仕上がりとしては三層構造になります。製作にあたっては、美しさだけではなく、強度との兼ね合いにも配慮した高い技術が必要です。
この技法で昨年製作したFUNNYライダースウォレットのオーナーから、同一の素材、配色でコインケースは出来ないかとのご要望をいただきました。
ブラック×タンの配色で、挟み込みの革はブラックリザード。ポイントの石はガーネットで、フラップ先端にはポロサスのチップを取り付けます。
ファニーでもここまで凝った仕様でのコインケースの製作実績がなく、これに近いデザイン(フィリグリーではない)を参考にした見積もりでは、多分12~13万円くらいになるだろうということでしたが、あまり大雑把でも困るので、きちんとはじいておいてくれと指示していました。
ところが一向に返答がないので、こちらから電話すると、
「えっ、見積もり? あぁ~、ハイ出てます!12万5000円ですわ」
…と、まるで今思いついたような価格での返答(12~13万円の間を取っただけじゃね?)。
まぁ、原材料の価格変動も激しいし、工賃は実際にやってみないとわからない部分もあるので、このような回答もやむなしということで、お客様にお伺いを立て、オーダーとなりました。
ライダース同様、ファニー現工場長久保さんの手によるワンオフ製作です。
この小銭を入れるには高級すぎるフィリグリーのコインケース、納品予定は半年後。